【食物アレルギー】その知識、古いかも?専門医が教える最新の正しい対応と予防法

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「この子、アレルギーかも?」その不安、正しい知識で安心に変えませんか?

離乳食を始めたばかりの赤ちゃんに、ポツポツと赤い湿疹が…
「もしかして、卵アレルギー?」

子どもの食物アレルギーは、多くの親にとって大きな不安の種です。自己判断で特定の食品を遠ざけてしまったり、インターネットの不確かな情報に振り回されたりしていませんか?

実は、食物アレルギーに関する常識は、ここ数年で大きく変化しています。かつて「正しい」とされていたことが、今では「間違い」であることも少なくありません。

この記事では、アレルギー専門医の視点から、子どもの食物アレルギーに関する最新の正しい知識と、家庭でできる具体的な対応、そして「食べさせない」から「食べて治す」という新しい考え方まで、分かりやすく解説します。

これだけは知っておきたい!食物アレルギーの基礎知識

Q1. 食物アレルギーって、そもそも何ですか?

A1. 本来は体に無害なはずの食べ物(アレルゲン)を、体が「異物だ!」と勘違いして、攻撃してしまうことで起こる免疫の過剰反応です。じんましんなどの皮膚症状が最も多いですが、咳や呼吸困難などの呼吸器症状、嘔吐や下痢などの消化器症状、そして最も重いアナフィラキシーショックを引き起こすこともあります。

Q2. 赤ちゃんに多いアレルゲンは何ですか?

A2. 鶏卵、牛乳、小麦が「三大アレルゲン」と呼ばれ、全体の約7割を占めます。これに、そば、落花生(ピーナッツ)、えび、かになどを加えたものが、表示義務のある「特定原材料」です。

【重要】アレルギー予防の常識は、こう変わった!

かつては、「アレルギーが心配な食品は、離乳食で与えるのを遅らせた方が良い」と考えられていました。しかし、現在ではこの考え方は完全に否定されています。

最新の研究では、特定の食品の摂取を開始するのを遅らせても、食物アレルギーの予防効果はないことが分かっています。

むしろ、生後5〜6ヶ月頃の早い時期から、少量ずつ様々な食品を与え始めることが、かえってアレルギーの発症を抑える可能性があるとされています。

もちろん、自己判断で進めるのは禁物です。特に、アトピー性皮膚炎など、アレルギーのリスクが高い赤ちゃんの場合は、必ず医師に相談しながら、適切な時期と方法で離乳食を進めていくことが大切です。

もし、アレルギー症状が出てしまったら?家庭での対応

STEP1:まずは落ち着いて、症状を観察する

  • いつ? 何を食べてから、どのくらいの時間で症状が出たか。
  • どこに? どんな症状が、体のどこに出ているか。(例:口の周りに赤いブツブツ、お腹にじんましん)
  • 全身の状態は? 機嫌は良いか、ぐったりしていないか、呼吸は苦しそうでないか。

可能であれば、症状が出ている部分の写真を撮っておくと、受診の際に役立ちます。

STEP2:受診の目安を判断する

  • 【すぐに救急車を!】 ぐったりしている、呼吸が苦しそう、意識が朦朧としているなど、アナフィラキシーが疑われる場合。
  • 【診療時間内に受診】 じんましんや湿疹だけで、比較的機嫌が良い場合。

STEP3:自己判断で原因を決めつけない

「あの食材が原因だ」と自己判断で除去してしまうのは、赤ちゃんの栄養面でリスクがあります。必ず医療機関を受診し、正しい診断を受けましょう。

診断後の付き合い方:「完全除去」から「必要最小限の除去」へ

アレルギーと診断された場合も、過度に怖がる必要はありません。

現在の治療の主流は、**「食べられる範囲で、食べていく」**という考え方です。

例えば、卵アレルギーでも、「固ゆで卵なら食べられる」「クッキーに含まれる量なら大丈夫」など、食べられる範囲は子どもによって様々です。専門医の指導のもと、安全に食べられる量を少しずつ増やしていくことで、体が耐性を獲得し、アレルギーを克服できる(寛解する)可能性が高まります。

まとめ:正しい知識が、ママと子どもを不安から守る

子どもの食物アレルギーは、親にとって大きな心配事ですが、正しい知識を持つことで、過度な不安から解放されます。

不確かな情報に振り回されず、信頼できるかかりつけ医や専門医と連携しながら、お子さんに合った方法で、焦らず、じっくりと向き合っていきましょう。

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