その突然の耳の痛みに、あなたは戸惑っていませんか?
夜中に突然、子どもが耳を痛がって泣き叫び始めた。
熱はないのに、耳を触ると嫌がる。
「もしかして、中耳炎かな?」
「どうしてこんなに痛がるんだろう…」
「病院に行った方がいいのかな?」
子どもの中耳炎は、親にとって心配で、そしてどう対応すればいいのか迷う病気の一つですよね。特に、乳幼児は自分のつらさを言葉で伝えられないため、親も不安を感じやすいものです。
こんにちは!3人の娘たちの子育ての中で、何度も中耳炎と向き合い、その度に看病に明け暮れてきた、現役ママナースの皐月です。
お伝えしたいのは、子どもの中耳炎は、決して珍しい病気ではありません。 そして、正しい知識と適切なホームケアで、お子さんのつらさを和らげ、乗り切ることができます。
この記事では、そんなあなたの不安を解消するために、中耳炎の主な症状から、原因、家庭でできる具体的なホームケア、そして**「こんな時は病院へ」という受診の目安**まで、専門家の視点から分かりやすく解説します。
さあ、正しい知識を武器に、中耳炎からお子さんとご家族を守り抜きましょう。
中耳炎ってどんな病気?症状と原因
中耳炎は、鼓膜の奥にある「中耳」という部分に炎症が起こる病気です。子どもに多く見られ、特に乳幼児期は、耳と鼻をつなぐ「耳管(じかん)」が大人よりも太く短く、傾斜も緩やかなため、鼻や喉の細菌が中耳に侵入しやすくなっています。
主な症状
- 耳の痛み: 突然、耳を痛がって泣き叫ぶことがあります。特に夜間や、横になった時に痛みが強くなる傾向があります。
- 発熱: 38℃以上の発熱を伴うことが多いです。
- 耳だれ: 鼓膜が破れて、耳から膿のような液体が出てくることがあります。
- 耳を触る、引っ張る: 乳幼児は、耳の痛みを言葉で伝えられないため、しきりに耳を触ったり、引っ張ったりする仕草が見られます。
- 機嫌が悪い、食欲がない: 痛みや発熱で、機嫌が悪くなったり、ミルクや食事の量が減ったりすることがあります。
- 難聴: 滲出性中耳炎の場合、耳に水が溜まることで、一時的に聞こえが悪くなることがあります。
主な原因
- 風邪: 鼻や喉の炎症が、耳管を通って中耳に広がり、細菌やウイルスが感染することで起こります。
- 鼻水: 鼻水が中耳に逆流することで、細菌が繁殖しやすくなります。鼻を強くかみすぎたり、鼻をすすったりすることも原因になります。
- アレルギー: アレルギー性鼻炎などで鼻炎が慢性化していると、中耳炎を繰り返しやすい傾向があります。
<ママナースの視点>
中耳炎は、乳幼児が最もかかりやすい病気の一つです。特に、風邪をひいた後や、鼻水が続いている時は注意が必要です。耳の痛みを訴えられない乳幼児の場合は、耳を触る仕草や、機嫌の悪さなど、いつもと違う様子がないか注意深く観察しましょう。
【家庭でできる】中耳炎のホームケア
中耳炎は、家庭でのケアが非常に重要です。お子さんのつらさを和らげ、回復をサポートするためのポイントを押さえましょう。
1.耳の痛みを和らげる
- 冷やす: 痛む耳の周りを冷たいタオルなどで冷やすと、痛みが和らぐことがあります。
- 頭を高くする: 寝る時に、枕を高くしたり、上半身を少し起こしてあげたりすると、耳への圧力が減り、痛みが楽になることがあります。
- 解熱鎮痛剤: 医師から処方された子ども用の解熱鎮痛剤(アセトアミノフェンなど)を、痛みが強い時に使用しましょう。
2.鼻水をこまめに取る
- 鼻水が中耳炎の原因になることが多いので、鼻吸い器でこまめに鼻水を吸い取ってあげましょう。鼻の通りを良くすることで、中耳への負担を減らせます。
3.安静と水分補給
- 十分な睡眠をとり、安静に過ごしましょう。脱水にならないよう、こまめに水分を摂りましょう。
4.入浴
- 熱がなく、元気であれば入浴は問題ありません。ただし、耳に水が入らないように注意し、入浴後は耳の周りを清潔に保ちましょう。
5.耳だれが出た場合
- 耳だれが出たら、清潔なガーゼや綿棒で優しく拭き取りましょう。耳の奥まで綿棒を入れないように注意してください。耳だれが出ている間は、耳鼻科を受診しましょう。
【ママナースの視点】こんな時は病院へ!受診の目安
中耳炎は、ほとんどが軽症で済みますが、以下のような症状が見られた場合は、迷わず医療機関を受診しましょう。特に、耳鼻咽喉科の受診をおすすめします。
- 耳の痛みが非常に強い、または痛みが続く
- 高熱が続く(38.5℃以上)
- 耳だれが出ている
- 耳を痛がって泣き止まない、ぐったりしている
- 呼びかけへの反応が鈍い、聞こえが悪そう
- 顔の麻痺がある
- 中耳炎を繰り返す
- 生後3ヶ月未満の赤ちゃんが発熱を伴う中耳炎の症状がある
<受診時のポイント>
- いつから、どんな症状が出たか
- 耳の痛みの様子(いつ、どんな時に痛がるか)
- 発熱の有無と経過
- 鼻水や咳の有無
- 家庭で試したこと、その効果
などをメモしておくと、診察がスムーズに進みます。
まとめ:正しい知識とケアで、耳の痛みを乗り切ろう
子どもの中耳炎は、親にとって心配の種ですが、正しい知識と適切なホームケアがあれば、慌てずに対応することができます。
大切なのは、お子さんのつらさに寄り添い、耳の痛みを和らげること。
そして、鼻水をこまめに取るなど、原因となる鼻や喉のケアをしっかり行うことです。
あなたのその冷静な判断と、温かい看病が、お子さんの回復を早める何よりの力になります。このガイドが、あなたの不安を少しでも和らげ、お子さんとご家族の健康を守る一助となれば幸いです。