「公衆電話?ああ、昔はよく使ったなぁ…」
そう思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。スマートフォンが当たり前になった今、公衆電話を使う機会はほとんどない、という方が大半ではないでしょうか。私も3姉妹の母として、子どもたちが公衆電話を見たこともない、使い方を知らない、という現実にハッとさせられることがあります。
しかし、災害時、携帯電話が使えなくなった時、公衆電話は私たちの命をつなぐ大切なライフラインになります。通信規制や停電の影響を受けにくく、緊急時の連絡手段として非常に有効だからです。今回は、現役ママナースの私が、公衆電話の重要性とその使い方、そして子どもにも公衆電話の使い方を教えることの重要性について、分かりやすく解説します。ぜひ、ご家族で災害時の連絡手段について話し合うきっかけにしてくださいね。
災害時、なぜ公衆電話が強い味方になるの?
地震や台風などの大規模災害が発生すると、携帯電話の回線は輻輳(ふくそう)し、つながりにくくなることがあります。また、停電が続けば、スマートフォンの充電もできなくなり、情報収集や連絡手段が途絶えてしまう可能性があります。
そんな時、公衆電話は非常に頼りになる存在です。
- 通信規制の影響を受けにくい: 災害時には、携帯電話の通信が規制されることがありますが、公衆電話は優先的に接続されるため、比較的つながりやすい傾向があります。
- 停電時も使用可能: 公衆電話は、電話回線から電力を供給されているため、停電時でも使用できます(一部のデジタル公衆電話を除く)。
- 設置場所が明確: 災害時に開設される特設公衆電話や、避難所などに設置されている公衆電話は、場所が分かりやすく、緊急時に利用しやすいです。
- 災害用伝言ダイヤル(171)との連携: 公衆電話から災害用伝言ダイヤル171を利用することで、安否情報を残したり、確認したりすることができます。
公衆電話の使い方、基本の「き」
普段使わないからこそ、いざという時に慌てないよう、基本的な使い方を確認しておきましょう。
1. 硬貨またはテレホンカードを用意する
- 硬貨: 10円玉または100円玉が使えます。10円玉で約1分、100円玉で約10分通話できます。おつりは出ないので注意しましょう。
- テレホンカード: 500円、1,000円などの種類があります。災害時に備えて、財布や非常持ち出し袋に入れておくと安心です。
2. 受話器を上げる
受話器を上げると、「プー」という発信音が聞こえます。
3. 電話番号をダイヤルする
- 一般の電話番号にかける場合: 市外局番からダイヤルします。
- 災害用伝言ダイヤル(171)にかける場合: 「171」をダイヤルします。
4. 通話する
通話中に硬貨が少なくなると、警告音が鳴ります。追加で硬貨を投入するか、テレホンカードを挿入しましょう。
5. 受話器を戻す
通話が終わったら、受話器を元の位置に戻します。
【ママナースからの補足】
最近の公衆電話は、緑色のデジタル公衆電話が主流です。硬貨やテレホンカードの投入口、ダイヤルボタンの位置などは、機種によって多少異なりますが、基本的な操作方法は同じです。もし見かけたら、一度使い方を確認してみるのも良い経験になりますよ。
子どもにも教えたい!公衆電話の使い方と災害時の連絡手段
子どもたちに公衆電話の使い方を教えることは、いざという時に自分の命を守るための大切なスキルになります。ゲーム感覚で教えてあげるのも良いでしょう。
1. 公衆電話の場所を把握する
- 自宅や学校、習い事の近くなど、よく行く場所の公衆電話の場所を、子どもと一緒に確認しておきましょう。NTT東日本・西日本のウェブサイトで公衆電話の設置場所を検索できます。
2. 災害用伝言ダイヤル(171)の使い方を教える
- 「171」をダイヤルすること、自分の名前と安否、居場所を伝えること、メッセージを聞く方法などを、具体的に教えてあげましょう。実際に練習してみるのも有効です。
3. 家族の連絡ルールを決める
- 災害時に家族が離れ離れになった場合、どこに連絡するか、誰に連絡するか、事前にルールを決めておきましょう。
- 集合場所: 自宅が被災した場合の集合場所(公園、学校など)を決めておく。
- 連絡先: 遠方の親戚や知人を「連絡先」として決めておき、そこに安否を伝える。
- 災害用伝言ダイヤル(171)の活用: 家族全員で使い方を共有し、定期的に練習する。
4. テレホンカードを持たせる
- 子どもが一人で行動する可能性がある場合は、テレホンカードを持たせておくと安心です。使い方を教え、いざという時に使えるようにしておきましょう。
まとめ:備えあれば憂いなし!公衆電話を防災の選択肢に
普段は意識することのない公衆電話ですが、災害時には私たちを助けてくれる大切な存在です。携帯電話が使えなくなるという「もしも」の事態に備え、公衆電話の使い方を再確認し、家族で災害時の連絡手段について話し合ってみてください。
「備えあれば憂いなし」という言葉の通り、日頃からの小さな備えが、いざという時の大きな安心につながります。今回ご紹介した情報が、皆さんのご家庭の防災対策の一助となり、子どもたちの未来を守る力となることを願っています。もし、もっと詳しく知りたいことや、不安なことがあれば、いつでもコメントで教えてくださいね。