「なんで?なんで?」の嵐に、もうお手上げ…?
「ママ、なんで空は青いの?」「なんでお魚さんはお水の中にいるの?」「なんでママはご飯作るの?」
子どもが成長するにつれて、日に日に増えていく「なんで?なんで?」の質問攻め。最初は可愛らしくて、一つひとつ丁寧に答えていたはずなのに、いつの間にか「また始まった…」「もう、勘弁して…」と、うんざりしてしまうこと、ありませんか?
特に、忙しい時や疲れている時に限って、矢継ぎ早に繰り出される質問の嵐に、つい「後でね」「うるさいな」なんて、冷たい言葉を返してしまって、後で自己嫌悪に陥る…私も、そんな経験を数えきれないほどしてきました。
でも、ちょっと待ってください。その「なんで?」は、子どもが世界に対して抱いている、純粋な「知的好奇心」の表れです。そして、その好奇心にどう向き合うかで、子どもの学びの姿勢や、親子のコミュニケーションの質が大きく変わってくるのです。
この記事では、ママナースとしての知識と、三姉妹の育児で培った経験を元に、子どもの「なんで?」攻撃に、親も子も笑顔で向き合える「魔法の対応術」を伝授します。もう、「なんで?」を怖がる必要はありません。むしろ、子どもの知的好奇心をぐんぐん伸ばすチャンスに変えていきましょう!
「なんで?」の裏側にある、子どもの心の声
子どもが「なんで?」と聞く時、単に答えを知りたいだけではないことがほとんどです。その裏には、様々な心の声が隠されています。
- 「知りたい!」という純粋な探求心: これが最も分かりやすい理由です。世界は子どもにとって、驚きと発見に満ちた場所。その一つひとつに「なぜ?」という疑問が湧き上がります。
- 「ママ(パパ)と話したい!」というコミュニケーション欲求: 質問をすることで、大好きなママやパパが自分に注目してくれる、話を聞いてくれる、という喜びを感じています。答えの内容よりも、一緒に会話する時間そのものを求めていることも多いのです。
- 「僕のことを見て!」という承認欲求: 質問をすることで、自分の存在をアピールし、「僕の疑問に答えてくれるかな?」と、親の愛情を確かめている場合もあります。
魔法の「なんで?」対応術:3つのステップ
子どもの「なんで?」に、毎回完璧な答えを用意する必要はありません。大切なのは、子どもの好奇心を受け止め、一緒に考える姿勢を見せることです。
ステップ1:まずは「共感」と「受け止め」
どんな質問でも、まずは子どもの疑問を肯定的に受け止めてあげましょう。これが、子どもの好奇心の芽を摘まないための第一歩です。
- 「なんでだろうね〜、面白い質問だね!」
- 「〇〇ちゃん(くん)は、どうしてそう思ったの?」
- 「ママも知りたいな!一緒に考えてみようか」
ステップ2:答えに困ったら「一緒に調べる」を提案
全ての質問に答えられる親はいません。知らないことは、正直に「知らない」と伝えて大丈夫です。そして、それを「一緒に学ぶチャンス」に変えましょう。
- 「ママも詳しく知らないんだけど、図鑑で調べてみようか?」
- 「インターネットで調べてみたら、もっと面白いことが分かるかもね!」
- 「今度、〇〇先生(保育園の先生や、専門家など)に聞いてみようか!」
一緒に調べる過程で、子どもは「知る喜び」だけでなく、「調べ方」や「学び方」も身につけていきます。これは、将来の学習意欲にも繋がる、非常に大切な経験です。
ステップ3:答えよりも「考えるプロセス」を大切に
完璧な答えを出すことよりも、子どもが自分で考え、疑問を解決しようとするプロセスを褒めてあげましょう。
- 「〇〇ちゃん(くん)が、一生懸命考えているの、ママ嬉しいな」
- 「すごいね!そういう考え方もあるんだね」
- 「答えが見つからなくても、疑問を持つこと自体が素晴らしいことなんだよ」
ママナースからのアドバイス:発達段階に応じた「なんで?」との向き合い方
子どもの「なんで?」は、発達段階によってその意味合いや、親の対応のポイントが少しずつ変わってきます。
- 乳幼児期(0〜2歳頃):
- この時期の「なんで?」は、言葉の練習や、親とのコミュニケーションを求めるサインであることが多いです。具体的な言葉で、短く、分かりやすく答えてあげましょう。
- 「ブーブー、速いね」「ワンワン、かわいいね」など、目に見えるものを言葉にしてあげる「実況中継」も効果的です。
- 幼児期(3〜5歳頃):
- 知的好奇心が爆発する時期です。図鑑や絵本を活用して、一緒に調べる楽しさを教えてあげましょう。簡単な実験などを通して、体験的に学ぶ機会を作るのもおすすめです。
- 「どうしてだと思う?」と、子どもの考えを引き出す質問を投げかけてみるのも良いでしょう。
- 学童期(6歳〜):
- より論理的な思考ができるようになります。科学的な根拠や、社会の仕組みなど、具体的な情報も交えながら、深く掘り下げて説明してあげましょう。
- 自分で調べる力を育むために、図書館の利用や、インターネットでの情報検索の仕方を教えてあげるのも良いでしょう。
子どもの「なんで?」は、親子の絆を深め、子どもの世界を広げる、最高のチャンスです。完璧な親を目指すのではなく、子どもの好奇心に寄り添い、一緒に学び、成長していくプロセスを、ぜひ楽しんでくださいね。