「これって普通?」産後の悪露、助産師が教える基礎知識と異常の見分け方
出産、本当にお疲れ様でした!
新しい命との出会いは、何物にも代えがたい喜びですが、産後のママの体には、様々な変化が起こります。その一つが「悪露(おろ)」です。
「悪露って、いつまで続くの?」「この量、色、大丈夫?」
初めての経験で、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、助産師である私が、産後の悪露について、その基礎知識から、正常な経過、そして「これは要注意!」という異常の見分け方まで、分かりやすく解説します。
悪露について正しく理解し、安心して産後の回復に専念できるよう、一緒に学んでいきましょう。
悪露って、そもそも何?
悪露とは、出産後に子宮から排出される、血液や分泌物、胎盤の残りカスなどのことです。
出産によって、赤ちゃんを育んでいた子宮は、元の大きさに戻ろうと収縮を始めます。この子宮の回復過程で、不要になったものが体外に排出されるのが悪露です。
悪露は、産後の体の回復を示す大切なサインなので、その変化を観察することは、ママの健康状態を知る上で非常に重要です。
正常な悪露の経過と期間
悪露は、時間の経過とともに、色や量、性状が変化していきます。
一般的な経過は以下の通りです。
- 産後すぐ〜数日:鮮やかな赤色で、量も多く、生理の多い日くらいの量が出ます。血の塊が混じることもあります。
- 産後1週間〜2週間:赤褐色になり、徐々に量が減っていきます。サラサラとした性状に変わります。
- 産後3週間〜1ヶ月:黄色や白色の悪露になり、さらに量が減ります。おりもののような性状になります。
- 産後1ヶ月半〜2ヶ月:ほとんど出なくなり、完全に止まります。
個人差はありますが、悪露は産後1ヶ月〜2ヶ月程度で止まるのが一般的です。
「これは要注意!」悪露の異常を見分けるサイン
悪露の経過は個人差が大きいですが、以下の様なサインが見られた場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
- 悪露の量が急に増えた、または鮮血に戻った:子宮の回復が遅れている、または出血が続いている可能性があります。
- 悪露から、強い悪臭がする:感染症の可能性があります。
- 発熱や下腹部痛を伴う:子宮内感染や、子宮復古不全の可能性があります。
- 悪露が2ヶ月以上続く:子宮の回復が遅れている、または他の病気が隠れている可能性があります。
悪露のケアと注意点
- 清潔を保つ:悪露は細菌感染のリスクがあるため、こまめにナプキンを交換し、清潔を保ちましょう。
- 体を冷やさない:体を冷やすと、子宮の収縮が悪くなり、悪露の排出が滞る可能性があります。
- 無理をしない:産後は、体を休めることが最優先です。無理をすると、悪露の量が増えたり、回復が遅れたりすることがあります。
まとめ
産後の悪露は、ママの体が回復している証です。
その変化を観察し、気になることがあれば、ためらわずに医療機関に相談してください。
あなたの体が、ゆっくりと、確実に回復していくことを、心から願っています。