はじめに:「うちの子に限って…」その思い込みが、一番危ない
「いじめ」は、どの子どもにも、どの学校でも起こりうる、非常に深刻な問題です。そして、多くの場合、子どもは、親に心配をかけたくない、言っても信じてもらえないかもしれない、という思いから、いじめられている事実を、自分からは言い出せません。
こんにちは、ママナースのさとみです。いじめの問題において、最も重要なのは、周りの大人が、子どもの発する小さな「SOS」のサインに、いかに早く気づけるかということです。
この記事では、いじめを受けている子どもが見せる可能性のある、心と体のサインと、もしや、と思った時に、親として取るべき行動について、解説します。
見逃さないで!子どもが発する「いじめのサイン」
以前と比べて、お子さんに以下のような変化はありませんか?一つでも当てはまる場合は、注意深く様子を見る必要があります。
体に現れるサイン
- 原因不明のあざや傷、服の破れや汚れが増えた
- 頭痛や腹痛など、体の不調を頻繁に訴える(特に、登校前)
- 食欲がない、または過食になる
- 夜、眠れない、悪夢にうなされる
- 持ち物が頻繁になくなる、壊される
行動や態度に現れるサイン
- 学校に行きたがらない、朝、ぐずる
- 元気がなく、口数が減った、表情が暗い
- イライラして、家族に当たるようになった
- 学校や友達のことを、全く話さなくなった
- お金や物を、親に無心するようになった
- スマホやゲームに、異常に没頭するようになった
「いじめかも」と思ったら。親が取るべき3つのステップ
憶測だけで動くのは禁物ですが、疑わしいサインが見られたら、冷静に、しかし、迅速に行動を起こしましょう。
ステップ1:安心できる環境で、子どもの話を「聞く」
まず、「何があったの?」「いじめられてるの?」と、問い詰めるのは絶対にNGです。子どもは、心を閉ざしてしまいます。
「最近、元気がないように見えるけど、何かあった?」「いつでもあなたの味方だからね」と、子どもが**「話しても大丈夫だ」と感じられる、安心できる雰囲気**を作りましょう。そして、子どもが話し始めたら、途中で口を挟まず、ただひたすら、その子の気持ちに寄り添い、共感しながら「聞く」ことに徹してください。
ステップ2:事実を記録し、整理する
子どもから聞き取った内容を、客観的な事実として記録します。
- いつ(When)
- どこで(Where)
- 誰が(Who)
- 何を(What)
- なぜ(Why)
- どのように(How)
この「5W1H」を意識して、具体的な状況を時系列でメモしておくと、学校に相談する際に、的確に状況を伝えることができます。体の傷や、壊された物などは、写真に撮っておきましょう。
ステップ3:学校に「相談」し、「連携」する
準備ができたら、学校に連絡を取ります。この時、「どうしてくれるんですか!」と、感情的に学校を責めるような態度は避けましょう。目的は、犯人探しや、誰かを罰することではなく、**「子どもが、明日から安心して学校に通えるようにすること」**です。
まずは、担任の先生に連絡し、記録した事実を冷静に伝えます。「家庭では、このように子どもが話しているのですが、学校での様子はいかがでしょうか?」と、情報を共有し、学校と「連携」して、子どもを守るためのチームを組む、という姿勢で臨むことが重要です。
まとめ:あなたの一番の役割は、子どもの「安全基地」であること
いじめは、子どもの心に、生涯にわたる深い傷を残す可能性があります。
親として、何よりも優先すべきは、どんなことがあっても、この家は、お父さん・お母さんは、あなたの絶対的な味方であり、安全な場所なのだと、子どもに伝え続けることです。
その安心感が、子どもが困難に立ち向かい、再び自分を取り戻すための、最大の力となります。決して、一人で抱え込まず、学校や専門機関と連携し、社会全体で子どもを守っていきましょう。