はじめに:「嘘をつくなんて!」と、ショックを受けていませんか?
我が子が嘘をついたと知った時、「どうしてそんなことを…」と悲しくなったり、「嘘つきは泥棒の始まりよ!」と、つい強い言葉で叱ってしまったり…。子どもの嘘は、親にとってショックな出来事のひとつですよね。
こんにちは、ママナースのさとみです。しかし、子どもの「嘘」は、大人の「嘘」とは少し意味合いが違います。その裏には、子どもなりの切実な理由や、心の成長が隠れていることが多いのです。
この記事では、子どもが嘘をついてしまう本当の理由を解き明かし、頭ごなしに叱る前に、親としてどう向き合えば良いのか、そのヒントをお伝えします。
子どもの嘘は、成長の証?年齢別に見る「嘘」の種類と理由
子どもの嘘は、発達段階によってその種類や背景が異なります。
【2〜4歳頃】空想と現実の区別がつかない「かわいい嘘」
- 例:「ライオンさんと、公園で遊んだんだよ」
- 理由: この時期の子どもは、まだ空想と現実の世界を行き来しています。悪気はなく、自分が見た夢や願いを、そのまま事実として話しているだけです。これは、想像力が豊かに育っている証拠でもあります。
- 対応: 嘘と決めつけず、「へえ、ライオンさんと!楽しかったんだね」と、子どもの世界観を一緒に楽しんであげましょう。
【4〜6歳頃】自分を守るための「防御の嘘」
- 例:「(お皿を割ったのに)僕じゃない、猫さんがやった」
- 理由: 「正直に言ったら、ひどく叱られる」という恐怖心から、自分を守るために、とっさに嘘をついてしまいます。知恵がつき、物事の因果関係が分かり始めたからこそつける嘘。これも成長の一段階です。
- 対応: まずは「割っちゃったんだね。怪我はなかった?」と子どもの安全を気遣い、安心させてあげることが先決です。「わざとじゃないよね。でも、本当のことを教えてくれたら、ママ嬉しいな」と、正直に話せる雰囲気を作りましょう。
【小学生以降】注目されたい、見栄を張りたい「願望の嘘」
- 例:「テストで100点取ったんだ」(本当は70点)
- 理由: 親に褒められたい、友達にすごいと思われたい、という気持ちが強くなる時期です。プライドや劣等感など、複雑な感情が背景にあります。
- 対応: 嘘を厳しく追及するのではなく、「100点取りたかったんだね。その気持ち、よくわかるよ」と、まずは子どもの願望に共感してあげましょう。その上で、「でも、本当のことを言ってくれる方が、ママはもっと嬉しいな。一緒に頑張ろう」と、次への意欲に繋げることが大切です。
嘘に気づいた時、親が絶対にやってはいけないこと
- 感情的に、大声で叱りつける: 子どもは恐怖心から、さらに嘘を重ねるようになります。
- 「嘘つき!」と人格を否定する: 子どもは「自分はダメな人間だ」と自信を失ってしまいます。否定すべきは「嘘をついたという行為」であって、子どもの人格ではありません。
- 逃げ場がないほど、問い詰める: 追い詰められた子どもは、心を閉ざしてしまいます。
まとめ:「嘘をつかなくても大丈夫」という安心感を育む
子どもが嘘をつく背景には、「叱られたくない」「認められたい」「がっかりさせたくない」といった、親を思う気持ちが隠れていることがほとんどです。
大切なのは、嘘をついたことを罰することよりも、**「このお父さん、お母さんには、本当のことを話しても大丈夫だ」**と思えるような、絶対的な安心感を育んであげることです。
失敗しても、カッコ悪くても、ありのままのあなたを愛しているよ。そのメッセージが伝われば、子どもは自然と、正直でいることの心地よさを学んでいくはずです。