「〇〇ちゃんに、仲間外れにされた…」その一言に、胸が張り裂けそうになるあなたへ
昨日まで、あんなに仲良く遊んでいたはずなのに。
我が子が、しょんぼりした顔で「もう、〇〇ちゃんとは遊ばない…」「仲間外れにされた…」と呟く。
その姿を見ると、胸がぎゅっと締め付けられ、相手の子やその親御さんに対して、怒りや不信感さえ湧いてきてしまう…。
「うちの子が、何か悪いことをしたの?」
「親として、どう動くべき?」
子どもの人間関係の悩みは、自分のこと以上に心を揺さぶられますよね。
こんにちは!3人の娘たちが、泣いたり笑ったりしながら社会性を学んでいく姿を、ハラハラしながら見守ってきた、現役ママナースの皐月です。
まず、あなたにお伝えしたいのは、子どもの友達トラブルは、成長の証であり、社会性を学ぶための、かけがえのない「練習試合」だということ。
この記事では、親が審判や監督になって試合をコントロールするのではなく、子ども自身が次の試合で勝つための「名コーチ」になるための関わり方を、具体的にお伝えします。
冷静な対応一つで、この経験は、お子さんの心を強くする最高の学びの機会に変わります。
なぜ?どうして?子どもの世界でトラブルが起きるワケ
大人の世界の常識で、子どものトラブルを判断してはいけません。3〜5歳頃の子どもたちには、トラブルが起きやすい、特有の発達段階があります。
- 理由1:超・自己中心的
- 「自分が使いたい!」「自分が一番!」という気持ちが世界の中心。相手の気持ちを想像するのは、まだとても難しいのです。
- 理由2:気持ちのコントロールが未熟
- 「嫌だ」「悲しい」という感情を、言葉でうまく表現できず、手が出たり、意地悪な言葉になったりします。
- 理由3:ルールを学んでいる最中
- 「順番を守る」「貸し借りをする」といった社会のルールを、まさに今、実践で学んでいる真っ最中。失敗して当然なのです。
つまり、今日の「仲間外れ」が、明日の「大親友」に変わるのが、子どもの世界。親が深刻になりすぎないことが、まず大切です。
絶対にやってはいけない!親のNG対応3選
子どもの言葉に動揺し、良かれと思って取った行動が、かえって事態をこじらせることがあります。
NG1:すぐに相手を問い詰める・相手の親に連絡する
子どもの話だけを鵜呑みにして、「うちの子がこんなこと言ってるんですけど!」と相手の親に連絡するのは最悪の選択です。子どもは、自分に都合の良い部分だけを話している可能性もあります。親同士の感情的な対立に発展し、解決を遠ざけるだけです。
NG2:「どっちが悪いの?」と犯人探しをする
「あなたが先に叩いたんでしょ!」などと、子どもを尋問するのはやめましょう。子どもは親に叱られたくない一心で、嘘をついたり、心を閉ざしたりします。大切なのは、善悪をジャッジすることではなく、子どもの気持ちを理解することです。
NG3:「そんな子とは、もう遊びなさんな!」と関係を断ち切る
親が子どもの人間関係をコントロールしようとするのは、子どもの成長の機会を奪う行為です。自分で問題を乗り越える経験を積むことが、将来の人間関係の礎となります。
子どもの社会性を育む!親にできる「神対応」3ステップ
では、具体的にどう関われば良いのでしょうか。名コーチになるための3ステップです。
ステップ1:まず、徹底的に「聞く」(共感のステップ)
何よりも先に、子どもの気持ちをすべて受け止めましょう。アドバイスや質問は、まだしません。
- 「そっか、仲間外れにされて、悲しかったんだね」
- 「叩かれて、痛かったし、びっくりしたね」
「ママ(パパ)は、あなたの気持ちを全部わかっているよ」という安心感が、子どもの心を落ち着かせ、次のステップに進むための土台となります。
ステップ2:状況を「一緒に」整理する(客観視のステップ)
子どもが落ち着いたら、何が起きたのかを、一緒に整理していきます。この時、主役はあくまで子どもです。
- 「そうかあ。それで、〇〇ちゃんは、どうして叩いちゃったんだろうね?」
- 「『仲間外れにする』って言われる前は、どんなお話をしてたの?」
親が質問で誘導しながら、子ども自身に「あ、僕もあの時、こう言っちゃったからかな…」と考えさせ、自分の行動と相手の行動を、少し引いた視点から見る手助けをします。
ステップ3:どうすれば良かったかを「一緒に」考える(作戦会議のステップ)
最後に、未来に向けた作戦会議です。「どうすれば、もっと楽しく遊べるかな?」と、子どもに解決策を考えさせます。
- 「次、おもちゃを貸してほしくなったら、なんて言ってみる?」
- 「『仲間外れはいやだ』って、〇〇ちゃんなら、どうやって伝える?」
ここで、ロールプレイング(役割演技)を取り入れるのが非常に効果的です。親が相手の子になりきって、「『いーれーて』って言ってみてごらん」「そしたらママ、『いーいーよ』って言うから!」と、成功体験を予行演習させてあげるのです。これが、子どもの次の一歩を踏み出す勇気になります。
それでも心配な時…学校や園との連携
もちろん、ただ見守るだけではいけないケースもあります。
- 体にアザや傷が残るような暴力がある
- 持ち物を隠される、壊されるなどが続いている
- お子さんが「園に行きたくない」「学校が怖い」と、登園・登校を渋る
このような場合は、家庭だけで抱え込まず、必ず園や学校の先生に相談してください。その際は、「〇〇ちゃんが悪い」という伝え方ではなく、「最近、家でこういう様子なのですが、園(学校)では、お友達とどんな風に過ごしていますか?」と、あくまで情報共有という形で、客観的な事実を伝えるのが、先生との良好な関係を築くコツです。
まとめ:トラブルは、心を育てる最高の栄養
友達とのトラブルは、子どもにとって、自分の気持ちの伝え方、相手の気持ちの想像の仕方、問題解決の方法を学ぶ、またとない機会です。
親の役目は、先回りして石ころを取り除いてあげることではありません。転んだ時に、「大丈夫だよ」と受け止め、立ち上がり方を教え、また笑顔で送り出してあげることです。
あなたの冷静で温かいコーチングが、お子さんの「人と関わる力」を、たくましく育てていくのです。