持病のある子の災害対策:薬・医療機器の備えから避難所での生活まで【ママナースが解説】

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「もし災害が起きたら、この子の薬はどうなるんだろう…」「避難所で、医療機器は使えるのかな…」

持病のあるお子さんを持つママ・パパにとって、災害への備えは、一般的な家庭以上に大きな不安を伴いますよね。私も3姉妹の母として、もし子どもが持病を持っていたら、災害時にどうすれば良いのか、常に考えてしまいます。「いざという時に、この子を守れるだろうか」と、漠然とした不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

災害は、いつ起こるか分かりません。しかし、持病のあるお子さんの場合、日頃から適切な医療ケアが必要であり、災害時にもそのケアを継続できるかどうかが、命に関わる問題となります。今回は、現役ママナースの私が、持病のあるお子さんを持つママ・パパのために、災害時の薬・医療機器の備え、避難所での生活の注意点、そして周囲との情報共有の重要性について、私の経験も交えながら分かりやすく解説します。安心して災害に備えるためのヒントを見つけてくださいね。

持病のある子の災害対策、なぜ特別な配慮が必要?

持病のあるお子さんは、災害時に以下のような特別な配慮が必要となります。

  • 薬の継続: 毎日服用している薬が途切れると、病状が悪化する可能性があります。
  • 医療機器の維持: 人工呼吸器や吸引器、インスリンポンプなど、医療機器を使用している場合、停電やバッテリー切れで機器が使えなくなると、命に関わります。
  • 食事制限: 食物アレルギーや糖尿病など、食事制限がある場合、避難所での食事では対応が難しいことがあります。
  • 感染症のリスク: 避難所での集団生活は、感染症のリスクが高まります。免疫力が低下しているお子さんは、特に注意が必要です。
  • 精神的なケア: 環境の変化やストレスで、病状が悪化したり、精神的に不安定になったりすることがあります。

これらの課題を乗り越えるためには、日頃からの周到な準備と、周囲との連携が不可欠です。

災害時の薬・医療機器の備え

1. 薬の備蓄と管理

  • 最低1週間分、できれば1ヶ月分: 普段服用している薬は、最低1週間分、できれば1ヶ月分を備蓄しておきましょう。かかりつけ医や薬剤師と相談し、多めに処方してもらうことも検討してください。
  • お薬手帳のコピー: お薬手帳のコピーや、服用している薬のリスト(薬の名前、量、回数、効能など)を、非常用持ち出し袋に入れておきましょう。可能であれば、スマートフォンの写真に撮っておくのも良いでしょう。
  • 薬の保管方法: 薬によっては、温度管理が必要なものもあります。保冷剤や保冷バッグを活用し、適切な温度で保管できるよう準備しましょう。
  • 使用期限の確認: 定期的に薬の使用期限を確認し、古いものから消費する「ローリングストック」を心がけましょう。

2. 医療機器の備え

  • 予備のバッテリー: 医療機器を使用している場合は、予備のバッテリーを複数用意しておきましょう。充電式のものは、モバイルバッテリーやソーラー充電器なども準備しておくと安心です。
  • 手動式代替品: 可能であれば、手動式の代替品(手動式吸引器など)も準備しておきましょう。
  • 取扱説明書: 医療機器の取扱説明書や、緊急時の連絡先などをまとめておきましょう。
  • 電源確保の確認: 避難所での電源確保について、事前に自治体や施設に確認しておきましょう。医療機器用の優先コンセントが用意されている場合もあります。

3. 医療情報カードの作成

  • 緊急時の情報: お子さんの氏名、生年月日、持病名、服用している薬、アレルギー、かかりつけ医の連絡先、緊急連絡先などを記載した医療情報カードを作成し、常に携帯しましょう。ラミネート加工しておくと、水濡れにも強いです。
  • 複数枚用意: 家族全員が携帯できるよう、複数枚用意しておきましょう。

避難所での生活の注意点

持病のあるお子さんが避難所で生活する際には、特に以下の点に注意が必要です。

1. 避難場所の選定

  • 福祉避難所の確認: 一般の避難所では対応が難しい場合があるため、持病のある方や高齢者、障害者など、特別な配慮が必要な人のための「福祉避難所」が設置されることがあります。事前に自治体に確認し、登録しておきましょう。
  • かかりつけ医との連携: かかりつけ医と相談し、避難場所や避難経路についてアドバイスをもらっておきましょう。

2. 感染症対策

  • 手洗い・うがい: 避難所での集団生活は、感染症のリスクが高まります。こまめな手洗い・うがいを徹底しましょう。
  • マスクの着用: マスクを着用し、飛沫感染を防ぎましょう。
  • 消毒: アルコール消毒液やウェットティッシュなどを携帯し、こまめに消毒しましょう。
  • 体調管理: お子さんの体調を常に観察し、少しでも異変があれば、すぐに医療スタッフに相談しましょう。

3. 食事の工夫

  • アレルギー対応食の持参: 避難所での食事では、アレルギー対応が難しい場合があります。事前に備蓄したアレルギー対応食を持参しましょう。
  • 食事制限への配慮: 糖尿病などで食事制限がある場合は、事前に自治体や施設に相談し、対応可能か確認しておきましょう。
  • 栄養補助食品: 栄養が偏りがちな場合は、栄養補助食品などを活用しましょう。

4. 精神的なケア

  • 安心できる環境: 環境の変化やストレスで、病状が悪化したり、精神的に不安定になったりすることがあります。できるだけ安心できる環境を整え、親子のスキンシップを大切にしましょう。
  • 遊びの提供: 慣れない環境でも、子どもがリラックスできるよう、お気に入りのおもちゃや絵本などを持参し、遊びの時間を作りましょう。

周囲との情報共有の重要性

災害時、周囲の人々に持病の情報を共有しておくことは、お子さんの命を守るために非常に重要です。

  • 近隣住民: 日頃から近隣住民に持病について伝え、緊急時には助け合える関係を築いておきましょう。
  • 学校・保育園: 学校や保育園には、お子さんの持病について詳しく伝え、緊急時の対応について確認しておきましょう。
  • 地域の防災担当者: 自治体の防災担当者や、地域の自主防災組織に、お子さんの持病について情報提供しておきましょう。
  • ヘルプマーク: ヘルプマークを携帯することで、周囲に配慮が必要なことを知らせることができます。

ママナースからのメッセージ:備えあれば憂いなし

持病のあるお子さんを持つママ・パパにとって、災害への備えは、本当に大変なことです。しかし、日頃からの周到な準備と、周囲との連携が、いざという時のお子さんの命を守ることにつながります。

完璧を目指す必要はありません。できることから少しずつ取り入れ、不安なことは一人で抱え込まず、かかりつけ医や地域の相談窓口に相談してください。今回ご紹介したヒントが、皆さんの防災対策の一助となり、お子さんが安心して過ごせる未来につながることを願っています。私たちママナースも、皆さんの子育てを心から応援しています!


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