【専門家が解説】うちの子、もしかして発達障害?グレーゾーン?親が知るべき最初のステップ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

「育てにくい子」そう感じてしまうのは、あなたのせいではありません

「何度言っても、言うことを聞かない」
「こだわりが強すぎて、毎日ヘトヘト…」
「お友達の輪に、うまく入れない」

周りの子と、何かが違う。集団の中で、一人だけ浮いているように見える。
そんな我が子の姿に、「私の育て方が、悪いのかな…」と、一人で悩みを抱え込んでいませんか?

その「育てにくさ」は、あなたのせいでは決してありません。もしかしたら、それは、その子の**生まれ持った「発達の特性(発達障害)」**に、起因するものかもしれません。

この記事では、発達障害の専門家の視点から、親が「もしかして?」と感じた時に、不安を安心に変えるための、最初のステップについて、具体的にお伝えします。

発達障害とは?

発達障害は、生まれつきの脳機能の発達の偏りによって、行動面や情緒面に特徴が見られる状態です。病気ではなく、その人の「個性」や「特性」と捉えられています。代表的なものに、以下の3つがあります。

  • 自閉スペクトラム症(ASD):
    • 特徴: コミュニケーションの困難さ、対人関係の苦手さ、限定的な興味やこだわり。
    • 例: 人の気持ちを察するのが苦手、急な予定変更がパニックになるほど嫌い、特定のもの(電車、数字など)に、驚異的な記憶力を示す。
  • 注意欠如・多動症(ADHD):
    • 特徴: 不注意(集中力が続かない、忘れ物が多い)、多動性(じっとしていられない)、衝動性(順番を待てない、思ったことをすぐ口にする)。
    • 例: 授業中に、椅子に座っていられない。忘れ物や、失くし物が、異常に多い。相手の話を、最後まで聞かずに話し始めてしまう。
  • 学習障害(LD):
    • 特徴: 全体的な知的発達に遅れはないのに、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」といった、特定の能力の習得に、著しい困難がある。

これらの特性は、重なり合って現れることも多く、その現れ方は、一人ひとり全く異なります。白黒はっきり分けられるものではなく、**特性の強い「黒」と、定型発達の「白」の間の、「グレーゾーン」**にいる子どもたちも、たくさんいます。

親が「もしかして?」と感じた時に、やるべきこと・やってはいけないこと

【やるべきこと】

  1. 子どもの行動を、客観的に記録する:
    「いつ、どこで、どんな状況で、どんな行動があったか」を、感情を交えずに、客観的な事実として記録しましょう。この記録は、後に専門機関に相談する際に、非常に重要な情報となります。
  2. 地域の専門機関に相談する:
    一人で抱え込まず、まずは専門家を頼りましょう。相談先は、以下のような場所があります。

    • 市町村の保健センター、子育て支援センター: 最も身近な相談窓口。保健師や心理士が、話を聞いてくれます。
    • 発達障害者支援センター: 各都道府県・指定都市に設置されている、専門的な相談機関です。
    • 児童発達支援事業所: 未就学児を対象に、発達支援を行う通所施設です。
  3. 子どもの「良いところ」を、たくさん見つける:
    特性は、見方を変えれば「強み」になります。例えば、「こだわりが強い」は「集中力が高い」、「落ち着きがない」は「好奇心旺盛で、行動力がある」と、捉え直すことができます。親が、子どもの一番の理解者となり、その子の「良いところ」を、たくさん褒めてあげてください。

【やってはいけないこと】

  • インターネットの情報だけで、自己判断する: ネットには、不確かな情報が溢れています。安易に「うちの子は、ADHDに違いない」などと決めつけるのは、非常に危険です。
  • 他の子と、比べる: 発達のペースは、一人ひとり違います。他の子と比べて、一喜一憂することに、何の意味もありません。
  • 子どもの特性を、無理やり「矯正」しようとする: 特性は、しつけや努力で、変えられるものではありません。その子の特性を、まず親が理解し、受け入れ、その上で、その子が社会で生きやすくなるための、具体的なスキルを教えていく、という視点が大切です。

まとめ:早期の「気づき」と「適切な支援」が、子どもの未来を拓く

発達障害は、決して特別なことではありません。

大切なのは、親が、その子の「育てにくさ」の背景にあるものを正しく理解し、**早期に、その子の特性に合った、適切な関わり方(支援)**をしてあげることです。

適切な支援を受けることで、子どもは、二次障害(自信の喪失、うつ、不登校など)に陥ることなく、自分の持つ素晴らしい個性を、存分に発揮して、社会で自立していくことができます。

「もしかして?」と感じる、あなたのその直感は、お子さんからの大事なSOSサインかもしれません。どうか、一人で抱え込まず、勇気を出して、専門機関のドアを叩いてみてください。

コメントを残す

*