「離乳食を始めたけど、アレルギーが心配…」
「うちの子、もしかして何かのアレルギーかも?検査した方がいい?」
子どもの体に赤いポツポツが出たり、特定の食べ物を嫌がったりするたびに、頭をよぎる「アレルギー」の文字。原因がわからないと、親としては不安でたまらないですよね。
「何歳から検査できるの?」「費用はどれくらい?」「そもそも、どこで受けられるの?」
その疑問や不安、とてもよくわかります。アレルギーに関する情報は玉石混交で、何を信じたら良いのか分からなくなってしまいますよね。
ご安心ください。アレルギー検査は、やみくもに受けるのではなく、適切な時期に、適切な方法で受けることが何よりも大切です。
この記事では、現役ママナースである私が、
- アレルギー検査を検討すべき「3つのサイン」
- 検査が推奨される年齢と、その医学的な理由
- 主な検査の種類(血液検査・皮膚検査・食物経口負荷試験)と費用の目安
- 検査を受ける前に、親が知っておくべき大切なこと
を、専門的な知識と母親としての経験の両面から、丁寧に解説します。
この記事を読めば、アレルギー検査に関する正しい知識が身につき、いたずらに不安がることなく、我が子にとって最適なタイミングで、最適な行動が取れるようになります。
その症状、大丈夫?アレルギー検査を考えるべき3つのサイン
まず、どんな時にアレルギー検査を考えれば良いのでしょうか。目安となるのは、以下の3つのサインです。
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特定の食べ物で症状が出る
特定のものを食べた後、数分〜2時間以内に、じんましん、皮膚の赤み・かゆみ、咳、嘔吐、下痢などの症状が繰り返し出る場合。これは、食物アレルギーが強く疑われます。 -
アトピー性皮膚炎がなかなか治らない
適切なスキンケアや塗り薬を使用しても、中等症〜重症のアトピー性皮膚炎が改善しない場合。背景に、特定の食物や環境アレルゲン(ダニ、ハウスダストなど)が隠れている可能性があります。 -
家族に強いアレルギー体質の人がいる
両親や兄弟に、重い食物アレルギーや気管支喘息、アレルギー性鼻炎などを持つ人がいる場合。子どももアレルギー体質を受け継いでいる可能性があり、心配な場合は一度専門医に相談する価値があります。
【重要】自己判断で特定の食品を除去するのは絶対にNG!
「これが怪しいから」と、親の判断で特定の食品を完全に除去してしまうのは非常に危険です。子どもの成長に必要な栄養が不足したり、かえってアレルギーを悪化させたりするリスクがあります。必ず、医師の診断に基づいて対応しましょう。
アレルギー検査、何歳から受けられる?
結論から言うと、アレルギー検査(特に血液検査)は、生後4〜6ヶ月頃から可能です。
ただし、これには注意が必要です。
乳児期は、まだ免疫システムが未熟なため、検査で陽性(アレルギー反応あり)と出ても、実際には症状が出ない**「偽陽性」**が多いことが知られています。逆に、陰性でもアレルギー症状が出ることもあります。
そのため、多くの専門医は、明らかな症状がない限り、生後半年や1歳未満でのスクリーニング目的(とりあえず調べてみる)の検査は推奨していません。
検査結果の数値だけに一喜一憂するのではなく、**「実際に症状が出ているか」**を最も重視し、医師の総合的な判断を仰ぐことが大切です。自己判断で検査を受けに行くのではなく、まずはかかりつけの小児科医やアレルギー専門医に相談しましょう。
主なアレルギー検査の種類と費用
アレルギーを調べる検査には、主に3つの種類があります。
1. 血液検査(特異的IgE抗体検査)
- 内容: 採血をして、特定のアレルゲン(アレルギーの原因物質)に対して体内で作られる「IgE抗体」というタンパク質の量を測定します。
- 特徴: 一度の採血で、複数の項目(卵、牛乳、小麦、ダニ、スギなど)を同時に調べることができます。結果が数値で出るため客観的ですが、前述の通り、数値の高さと症状の強さが必ずしも一致しないのが難しい点です。
- 費用目安: 保険適用で、3割負担の場合、調べる項目数にもよりますが3,000円〜10,000円程度。別途、診察料がかかります。
2. 皮膚プリックテスト
- 内容: アレルゲンのエキスを皮膚に一滴垂らし、専用の針で軽く傷をつけて、15分後の皮膚の反応(赤みや腫れ)を見ます。
- 特徴: 採血が難しい乳幼児でも行いやすく、その場で結果がわかるのがメリットです。ただし、アレルギーの薬を飲んでいると正しい結果が出ない、皮膚の状態によっては実施できないなどの制約があります。
- 費用目安: 保険適用で、3割負担の場合、数百円〜2,000円程度(調べる項目数による)。
3. 食物経口負荷試験
- 内容: アレルギー専門医の管理のもと、原因と疑われる食物を、ごく少量から実際に食べてみて症状の有無を確認する検査です。食物アレルギーの最も確実な診断方法とされています。
- 特徴: 安全性を確保するため、入院または数時間院内で経過を観察しながら行います。アナフィラキシーなどの重い症状が出るリスクもあるため、緊急時に対応できる医療機関でのみ実施されます。
- 費用目安: 入院の有無や医療機関によりますが、保険適用で3割負担の場合、数千円〜20,000円程度。
まとめ:検査はゴールじゃない。正しい知識で、不安と上手に付き合おう
子どものアレルギー検査について、疑問は解消されたでしょうか。
- 検査を考えるのは、特定の食べ物で症状が出るなど、明確なサインがある時。
- 検査は生後半年頃から可能だが、結果の解釈には専門的な判断が必要。
- 検査には血液検査、皮膚検査、負荷試験などがあり、それぞれに特徴がある。
- 自己判断での食物除去は絶対にせず、まずは専門医に相談を。
アレルギー検査は、原因を特定するための一つの「手段」であり、ゴールではありません。検査結果に振り回されるのではなく、それを参考にしながら、専門医と二人三脚でお子さんに合った対策を見つけていくことが大切です。
一人で抱え込まず、専門家を頼ってください。正しい知識を持つことが、ママとパパの不安を和らげ、お子さんを健やかな未来へと導く一番の力になるはずです。