はじめに:「食べなさい!」から、「食べてみたい!」へ
にんじん、ピーマン、きのこ…。子どもの嫌いな食べ物、どうやったら食べてくれるんだろう?と、頭を悩ませていませんか。「栄養バランスのために、何とか食べさせたい」という親心とは裏腹に、子どもの「イヤ!」は、ますます頑なになるばかり…。
こんにちは、ママナースのさとみです。子どもの好き嫌いをなくすための特効薬は、残念ながらありません。しかし、子どもが、自ら「食」に興味を持ち、「食べてみたい!」と思えるような、楽しい仕掛けを、家庭で始めることはできます。それが「食育」です。
この記事では、難しいことは一切なし!今日から始められる、楽しい「食育」のアイデアをご紹介します。
食育の第一歩は、「知る」ことから
子どもが、なぜ野菜を嫌うのか。それは、その野菜が、どこから来て、どんな風に私たちの体の一部になるのかを、「知らない」からです。まずは、食べ物との距離を、ぐっと縮めてあげましょう。
- 一緒に、野菜を育てる: プランターで、ミニトマトやきゅうりを育ててみましょう。自分たちで水をやり、大きくなっていく過程を見ることで、野菜への愛着が湧きます。自分で収穫した野菜の味は、きっと格別なはずです。
- 絵本や図鑑を活用する: 食べ物がテーマの絵本や、野菜の断面が載っている図鑑を、一緒に眺めてみましょう。「このお魚、絵本で見たのと同じだね!」と、食卓での会話が弾みます。
- 買い物に、一緒に行く: スーパーで、「今日のカレーに入れるにんじん、選んでくれる?」と、子どもに選ばせてみましょう。自分が選んだ食材が、料理に変身する過程は、子どもにとって、魔法のように楽しい体験です。
最高の食育は、「お手伝い」にあり!
子どもは、自分が関わったものに、強い興味と誇りを持ちます。料理のプロセスに、どんどん巻き込んでしまいましょう。
子どもができる、お料理ステップ
- 【2〜3歳頃から】: レタスをちぎる、ミニトマトのヘタを取る、きのこを割く、豆のさやをむく。
- 【4〜5歳頃から】: 卵を割って混ぜる、お米を研ぐ、野菜を洗う、クッキーの型抜きをする。
- 【小学生から】: 包丁(子ども用)や、ピーラーに挑戦する、簡単な計量をする、お皿を並べる。
親にとっては、時間がかかったり、散らかったり、少し面倒に感じるかもしれません。しかし、「自分で作った」という達成感と喜びは、何よりのスパイス。苦手な食べ物にも、手を伸ばしてみよう、という勇気を、子どもに与えてくれます。
「いただきます」に、心を込めて
食事の前の、「いただきます」という挨拶。これは、単なる習慣ではありません。野菜を作ってくれた農家さん、お魚を獲ってくれた漁師さん、そして、料理をしてくれたお父さん・お母さん。たくさんの人々の働きと、動植物の「いのち」に感謝する、という、食育の基本となる、とても大切な言葉です。
「このお野菜は、〇〇さんが作ってくれたんだって」「お魚さんも、命をありがとう。いただきます」
そんな風に、食卓で、食べ物の背景にあるストーリーを話してあげることも、子どもの感謝の気持ちと、食べ物を大切にする心を育みます。
まとめ:食卓は、最高の学びの場
食育は、特別な場所や、特別な教材が必要なわけではありません。毎日の食卓こそが、子どもにとって、最高の学びの場となるのです。
「食べさせる」ことに必死になるのではなく、「食べるって、楽しい!」という経験を、親子で共有すること。その積み重ねが、子どもの健やかな心と体、そして、豊かな人間性を育んでいきます。