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【専門家が解説】子どもの発達の遅れ、気になる時のチェックリスト|ママナースが教える「気づき」と「次の一歩」

「あれ、うちの子、もしかして…?」公園でふと、胸がざわついたあなたへ

公園で楽しそうに遊ぶ、同じくらいの子どもたち。
その輪の中で、ふと我が子の姿に目が留まる。

「周りの子はもうお話してるのに、うちはまだ単語だけ…」
「なんだか、目が合いにくい気がする…」
「一人でずっと同じ遊びを繰り返しているな…」

子どもの発達は一人ひとり違う。頭ではそう分かっていても、周りの子と違う「サイン」を見つけてしまうと、親の心は、さざ波のようにざわついてしまいますよね。

こんにちは。3人の娘を育てながら、ナースとして働く皐月です。
その不安な気持ち、痛いほどわかります。でも、その「気づき」は、あなたがお子さんを深く愛し、毎日真剣に見つめているからこその、大切なアンテナなんです。

今日は、そのアンテナが捉えた「気になるサイン」を、どう考え、どう「次の一歩」に繋げていけばいいのか、ママナースの視点からお話しします。


まず知ってほしいこと:発達は「競争」ではありません

「遅れ」という言葉は、どうしてもネガティブな響きがありますよね。でも、子どもの発達は、誰かと競争するレースではありません。一人ひとり、歩くペースも、景色を楽しむ場所も違う、ユニークな旅のようなものです。

大切なのは、「平均と比べてどうか」ではなく、**「その子自身が、今、何に困っていそうか」**という視点です。そして、もし困りごとがあるなら、少しだけ早くその子の特性に合ったサポートを始める(=早期支援)ことで、子どもはぐっと生きやすく、自分の力を発揮しやすくなります。


【月齢別】気になる「気づき」のチェックリスト

ここでは、あくまで一般的な「目安」として、月齢ごとの発達の様子をまとめました。
【最重要】これは、子どもの能力を評価するテストではありません。 一つ二つ当てはまらなくても、全く心配ないケースがほとんどです。ママが「気になるな」と感じるサインを客観的に整理するための、参考程度に見てくださいね。

▷ 6ヶ月ごろ

  • [ ] 首がすわっている
  • [ ] あやすと笑う
  • [ ] 「あー」「うー」など、声を出して遊ぶ

▷ 1歳ごろ

  • [ ] 人見知りをする
  • [ ] バイバイなど、簡単な身振りを真似する
  • [ ] 「まんま」など、意味のある言葉を言い始める

▷ 1歳半ごろ

  • [ ] 自分で歩くことができる
  • [ ] 指差しで、欲しいものを伝えようとする
  • [ ] 大人の言う簡単な言葉を理解する(例:「ちょうだい」「おいで」)

▷ 2歳ごろ

  • [ ] 「わんわん、いた」など、二語文を話し始める
  • [ ] 大人の真似をする「ごっこ遊び」を始める
  • [ ] 小さな段差を上り下りできる

▷ 3歳ごろ

  • [ ] 自分の名前と年齢が言える
  • [ ] 簡単な会話のキャッチボールができる
  • [ ] お友達に関心を持ち、一緒に遊ぼうとする

「次の一歩」を踏み出すタイミング

上記のリストは、あくまで参考です。では、どんな時に専門家への相談を考えれば良いのでしょうか。

  • 複数の項目に、長く当てはまらないと感じる時
  • 以前はできていたことが、できなくなった(言葉が出なくなったなど)時
  • 何より、ママやパパが「なんだか、すごく育てにくい…」と、強い不安を感じ続けている時

専門家でもない、ただの母親の「勘」なんて…と思わないでください。毎日一緒にいるママの「なんだかおかしい」という直感は、どんなチェックリストよりも鋭く、正しいことが多いのです。

どこに相談すればいいの?

一人で悩まず、まずは話を聞いてもらいましょう。

  1. 地域の保健センター・子育て支援センター: 無料で相談できる、一番身近な窓口です。
  2. かかりつけの小児科医: 体の病気が隠れていないかも含めて、相談に乗ってくれます。
  3. 児童発達支援センター: より専門的な視点でのアドバイスがもらえます。

最後に。あなたの「気づき」が、未来を拓く

子どもの発達は、一人ひとり違う、かけがえのない物語です。
周りと比べて焦る必要は、まったくありません。

でも、もしママの心に「あれ?」という小さなトゲが刺さったら、それを無視しないでください。
一人で抱え込まず、私たちのような専門家を、気軽に頼ってください。

あなたのその「気づき」こそが、お子さんの未来をより豊かに拓く、最も大切で、最も愛情深い「はじめの一歩」になるのですから。

【もしかして発達障害?】「うちの子、ちょっと違うかも…」と感じたら。ママナースが教える、親が知るべき「最初のステップ」

「周りの子に比べて、言葉が少しゆっくりかも…」
「公園に行っても、一人でずっと同じ遊びをしている…」
「保育園の先生から、集団での行動が少し苦手みたいです、と言われた…」

我が子を愛おしく思うからこそ、周りの子とのちょっとした違いに気づいた時、「もしかして…」という不安が心をよぎりますよね。

スマホで検索すればするほど、専門用語の海におぼれて、ますます孤独を感じてしまったり。「私の育て方が悪いのかな…」なんて、自分を責めてしまったり…。

その気持ち、痛いほどわかります。私も看護師として、そして3人の子を育てる母として、たくさんの親子と出会ってきました。まず、一番に伝えたいこと。それは、あなたは決して一人じゃないし、あなたのせいでは絶対にない、ということです。

この記事では、そんな不安な気持ちにそっと寄り添いながら、「じゃあ、何から始めればいいの?」という最初のギモンに、具体的にお答えしていきます。

この記事でわかること

  • 「発達障害」って、そもそも何?
  • もしかして?と感じるサインの例(ASD・ADHD・LD)
  • 一人で抱え込まないための「最初の相談先」リスト
  • 今日から家庭でできる、親のサポートと心構え
  • 子どもの可能性を信じるための、大切な視点

「うちの子、ちょっと違うかも」その正体とは?

「発達障害」という言葉だけが一人歩きして、なんだかとても怖いもののように感じてしまうかもしれません。

でも、まずはシンプルに捉えてみましょう。

結論:発達障害は「病気」ではなく、生まれ持った脳の働きの「個性」です。

育て方が原因なのではなく、脳の機能に少しだけ凸凹(でこぼこ)がある状態、とイメージしてみてください。すごく得意なことがある一方で、すごく苦手なこともある。その差が大きいのが、発達障害の特性なんです。

代表的な3つのタイプと、ママたちが「あれ?」と感じやすいサインの例を見てみましょう。

1. 自閉スペクトラム症(ASD)

一言でいうと:「人との関わり」や「コミュニケーション」がちょっぴり苦手な個性

真面目で、ルールをきちんと守るのが得意な子が多いです。

▼こんなサイン、ありませんか?

  • なかなか目が合わない、名前を呼んでも振り向きにくい
  • 言葉は話すけど、オウム返しが多かったり、会話が一方通行になりがち
  • ごっこ遊びより、ミニカーを一列に並べるなど、一人で黙々と特定の遊びに集中する
  • いつも同じ道順じゃないと嫌がるなど、変化や予定変更が苦手で、パニックになることがある
  • 特定の音や光、服のタグなどを極端に嫌がる、または好む

2. 注意欠如・多動症(ADHD)

一言でいうと:「うっかりさん」な不注意、「じっとしていられない」多動性、「待つのが苦手」な衝動性の個性

好奇心旺盛で、エネルギッシュな子が多いです。

▼こんなサイン、ありませんか?

  • 忘れ物や失くしものが、他の子よりずっと多い
  • 食事中や授業中など、座っているべき場面で立ち歩いてしまう
  • お友達との会話や遊びに、順番を待てずに割り込んでしまう
  • 話を聞いているようで、聞いていない(ように見える)ことがある
  • 思いついたら、危ないことでもすぐに行動してしまう

3. 学習障害(LD)

一言でいうと:全体的な発達に遅れはないのに、「読む」「書く」「計算する」など特定の学習だけが極端に苦手な個性

話すのは得意なのに、なぜか教科書の音読だけはつっかえる、といった様子が見られます。

▼こんなサイン、ありませんか?

  • 文字を一つ一つ拾って読むので、文章を読むのにとても時間がかかる
  • 鏡文字(左右反転した文字)をよく書く
  • 簡単な計算でも、指を使わないと難しい
  • 黒板の文字をノートに書き写すのが、とても苦手

独りで悩まないで。相談は「次の一歩」への希望です

「相談に行く」=「障害だと認めること」ではありません。

結論:子どものことをもっと深く知って、もっと楽にしてあげるための「最初のステップ」です。

ママが一人で抱え込むのが一番辛い。専門家という「子育ての仲間」を増やすつもりで、気軽にドアを叩いてみてください。

▼身近な相談窓口リスト

  • まずはココから:市区町村の保健センター、子育て支援センター
    • 乳幼児健診でおなじみの場所です。常駐している保健師さんや心理士さんは、子育ての悩みのプロ。「最近、ちょっと気になることがあって…」と切り出すだけで、親身に話を聞いてくれます。
  • かかりつけの小児科
    • いつも診てくれている先生だからこそ、成長の過程を踏まえて相談に乗ってくれることも。発達に詳しい先生を紹介してくれる場合もあります。
  • 専門的な相談なら:発達障害者支援センター
    • 各都道府県・指定都市に必ず設置されています。発達障害に関する専門的な相談や、どんな支援があるかといった情報提供、具体的な支援計画の作成まで、幅広くサポートしてくれます。
  • 通いながら支援を受ける:児童発達支援センター・放課後等デイサービス
    • 発達が気になるお子さんが、日常生活や集団生活のスキルを楽しく学べる場所です。専門の先生たちが、一人ひとりの特性に合わせたプログラムを提供してくれます。

不安な今だからこそ。ママ・パパにできるサポート

専門家につながるまでの間も、お家でお子さんのためにできることはたくさんあります。

結論:子どもの「苦手」を責めるのではなく、「安心できる環境」を作ってあげること。

▼今日からできる「ポジティブ」サポート

  • 子どもの「好き」や「得意」をたくさん見つける: 苦手なことばかりに目が行きがちですが、その子の「すごい!」を見つけて、たくさん褒めてあげましょう。それが自信のタネになります。
  • 刺激を減らして、シンプルな環境を: テレビがつけっぱなし、おもちゃが散らかりっぱなし…だと、集中するのが苦手な子は疲れてしまいます。静かで、片付いた環境を意識するだけで、子どもが落ち着くことがあります。
  • 「できた!」を積み重ねる: 高い目標は設定せず、「靴を揃えられた」「挨拶ができた」など、小さな成功体験を一緒に喜びましょう。「できたね!」のハイタッチは、魔法の言葉です。
  • ママ自身が、思いっきり息抜きをする!: 一番大事なことです。ママが笑顔でいることが、子どもの一番の安心材料。一時保育を利用したり、パパに預けたり、罪悪感なく自分の時間を作ってくださいね。

▼ついやりがち…でも避けたい「NG」行動

  • 他の子と比べる: 「〇〇ちゃんはできるのに、なんであなたは…」この言葉は、子どもの自己肯定感を深く傷つけます。
  • 「頑張ればできる」と励ます: 本人は、もう精一杯頑張っているのかもしれません。精神論ではなく、どうすればやりやすくなるか、具体的な工夫を一緒に考えてあげましょう。
  • 一人で全部抱え込む: パパ、おじいちゃんおばあちゃん、そして専門家。頼れる先はたくさんあります。ママが一人で完璧なサポートをする必要は全くありません。

まとめ:診断名は「終わり」じゃない。「理解の始まり」です

もし、将来的に何らかの診断名がついたとしても、それは決して悲観的な「終わり」ではありません。

むしろ、**その子の「取扱説明書」を手に入れて、子育てがもっと楽になる「始まり」**だと、私は思っています。

「この子は、音に敏感だから、イヤーマフをしてみようかな」
「言葉で説明するより、絵に描いて伝えた方が分かりやすいんだな」

そうやって、その子の個性を正しく理解することで、不要な叱責が減り、親子の笑顔はきっと増えていきます。

「うちの子、ちょっと違うかも…」その気づきは、お子さんからの大切なSOSであり、ママの愛情の証です。一人で抱え込まず、まずは信頼できる誰かにその気持ちを話すことから、始めてみませんか?

「うちの子、もしかして…?」発達障害かも、と感じた時にママが最初に読むお守り記事

「〇〇ちゃんはもうおしゃべりしてるのに、うちの子はまだ…」
「どうして、こんな簡単なことができないんだろう?」
「もしかして、私の育て方が悪いのかな…」

周りの子と、我が子を比べては、胸がチクリと痛む。検索しては、さらに深い不安の渦に飲み込まれていく。そんな風に、一人きりで暗いトンネルの中にいるような気持ちになっていませんか?

こんにちは。3人の娘を育てながら、看護師として働く皐月です。

何を隠そう、私自身も、言葉の発達がゆっくりだった娘を見て、「もしかして…」と、夜な夜な育児書を読み漁り、不安で胸がいっぱいになった経験があります。

だから、今、あなたのその気持ちが痛いほどわかります。その不安は、あなたがダメな母親だからではありません。むしろ、それだけ我が子を深く愛し、真剣に見つめている、優しいママである証拠なんです。

この記事は、そんなあなたの心をそっと包む、お守りのような記事です。焦らなくて大丈夫。一つずつ、ゆっくりと、あなたの不安を「安心」に変えるお手伝いをさせてください。

この記事でわかること

  • 不安でいっぱいの心が、少し軽くなる考え方
  • 発達障害は「病気」ではなく「個性」である、ということ
  • 我が子の「好き」や「苦手」を理解するためのヒント
  • 「相談してみようかな」と思った時に、頼れる場所

Step1. まずは、ママ自身が深呼吸

今、あなたはきっと、自分を責め、将来を悲観し、心が張り裂けそうな気持ちでいっぱいなのではないでしょうか。

でも、まず最初に、これだけは忘れないでください。

お子さんを助けるために、まず、あなた自身が救われなければなりません。

飛行機で酸素マスクが降りてきた時、まず親がつけるように。ママが倒れてしまっては、元も子もありません。今は、何も考えられなくていいんです。「私、不安なんだな」「怖いんだな」と、自分の気持ちを認めて、温かいお茶でも一杯飲んで、この文章を読んでくださいね。

Step2. 「発達障害」って、なんだろう?

「障害」という言葉の響きに、ドキッとしてしまいますよね。でも、発達障害は、決して「病気」や「不幸」なことではありません。

それは、脳の機能の特性によって、世界のとらえ方が、ちょっとだけユニークである、という「個性」の一つなんです。

右利きの人がいれば、左利きの人がいるように、脳の使い方が、多数派とは少し違うだけ。だから、

  • 周りの人が気づかないような、小さな音や光に気づける繊細さ
  • 好きなことへの、学者さんのような集中力や探求心
  • 嘘がつけない、まっすぐな心

といった、素晴らしい「才能」の原石を持っている子も、たくさんいるんです。

大切なのは、「できないこと」を嘆くのではなく、その子の「ユニークな才能」を見つけ、苦手なことを、そっと手伝ってあげる視点です。

Step3. 我が子の「個性」を見つめてみる

これは、診断テストではありません。あなたの不安を煽るためのものではなく、我が子の「好き」や「苦手」を理解するための、ヒント集です。「こんな一面もあるんだな」と、温かい気持ちで見つめてみてください。

  • 人との関わり:視線が合いにくい?一人遊びが好き?お友達の輪に入っていくのが苦手?
  • コミュニケーション:言葉がゆっくり?オウム返しが多い?自分の話ばかりしちゃう?
  • こだわり・興味:いつも同じ服を着たがる?物の順番に厳しい?くるくる回るものが好き?
  • 感覚:特定の音や光をすごく嫌がる?逆に、痛みや暑さに鈍感?
  • 体の動き:落ち着きがない?姿勢を保つのが苦手?手先が不器用?

Step4. 一人で抱え込まないで。あなたには「チーム」がいる

「相談=発達障害のレッテルを貼られる」ではありません。

**「相談=あなたと、あなたのお子さんを支える『チーム』の仲間を探しに行く」**ということです。

「ちょっと気になることがあるんですけど…」その一言で大丈夫。一人で悩まず、プロを頼ってください。

  • ① かかりつけの小児科:まずは、一番身近な専門家。予防接種のついでなどに、気軽に話してみましょう。
  • ② 地域の保健センター・子育て支援センター:保健師さんや心理士さんが、無料で相談に乗ってくれます。「〇〇市の、子育て相談窓口はどこですか?」と電話してみるのが第一歩。
  • ③ 児童発達支援センター:発達が気になる子のための、専門の療育(トレーニング)や相談ができる場所です。

《皐月からの約束》
たとえ、何らかの診断名がついたとしても、あなたのお子さんは、あなたの愛する、かけがえのない我が子であることに、何一つ変わりはありません。診断は「レッテル」ではなく、**その子の「取扱説明書」を手に入れること。**その子の才能を最大限に伸ばし、生きづらさを減らしてあげるための、最高のヒントなんです。

まとめ:あなたの愛が、子どもの未来を創る

子どもの発達に、決まったルートはありません。桜の木もあれば、ひまわりの木もあるように、それぞれの子に、それぞれの花を咲かせるタイミングがあります。

周りと比べて焦る必要なんて、全くありません。

今、あなたがすべきことは、ただ一つ。目の前にいる我が子を、昨日よりもっと強く、深く、抱きしめてあげること。そして、「大好きだよ」と、伝え続けてあげること。

あなたのその無償の愛こそが、お子さんの心を育て、未来を創る、何よりの力になるのですから。

あなたは、一人じゃありません。私も、チームの一員として、あなたを心から応援しています。