その「あーうー」は、未来への第一歩。あなたは、どう受け止めていますか?
「あーうー」「まんまんま」「ばぶばぶ」
赤ちゃんが発する、意味のようであって意味のない、可愛らしい声。
「これって、喃語かな?」
「うちの子、まだおしゃべりしないけど大丈夫かな?」
「この『あーうー』には、どんな意味があるんだろう?」
赤ちゃんの言葉の発達は、親にとって大きな喜びであると同時に、周りの子と比べて不安を感じやすいテーマの一つですよね。どうすればいいのか分からず、一人で抱え込んでいませんか?
こんにちは!3人の娘たちの、個性豊かな言葉の発達を、時にハラハラしながら見守ってきた、現役ママナースの皐月です。
お伝えしたいのは、喃語は、赤ちゃんが言葉を話すための、大切な準備運動であるということ。そして、親の適切な関わり方次第で、赤ちゃんの言葉の発達は大きく促されるということです。
この記事では、そんなあなたの不安を解消するために、赤ちゃんの喃語の時期と種類から、言葉の発達を促す親の関わり方、そして**「こんな時は注意してほしい」というサイン**まで、専門家の視点と実体験を交えて、徹底的に解説します。
さあ、お子さんの「言葉の芽」を、優しく育んであげましょう。
なぜ「喃語」が大切なの?言葉の発達のメカニズム
喃語は、赤ちゃんが言葉を話すための、非常に重要なステップです。単なる「意味のない声」ではありません。
- 発声練習: 喉や口の筋肉を使い、様々な音を出す練習をしています。
- 聞く練習: 自分の声や、親の声を聞き分け、言葉の音を認識する練習をしています。
- コミュニケーションの練習: 親が喃語に反応することで、コミュニケーションの楽しさを学びます。
- 脳の発達: 言葉を司る脳の領域が活性化され、言葉の回路が作られていきます。
<ママナースの視点>
喃語は、赤ちゃんが「言葉」という複雑なシステムを習得するための、大切な「基礎工事」です。この時期に、たくさんの言葉のシャワーを浴びせ、コミュニケーションの楽しさを教えてあげることが、その後の言葉の発達に大きく影響します。
【月齢別】赤ちゃんの喃語と言葉の発達の目安
赤ちゃんの喃語や言葉の発達には、個人差があります。あくまで目安として参考にしてください。
0〜3ヶ月頃:クーイング(あーうー)
- 特徴: 「あー」「うー」「くー」といった、母音を中心とした、のどを鳴らすような声を出します。機嫌が良い時に多く見られます。
- 親ができること:
- 優しく語りかける: 赤ちゃんの目を見て、笑顔で「あーうー」と真似して返してあげましょう。赤ちゃんは、自分の声に反応してもらえることで、コミュニケーションの楽しさを学びます。
- 歌を歌う: 優しい歌声は、赤ちゃんの聴覚を刺激し、言葉への興味を育みます。
4〜6ヶ月頃:喃語の始まり(子音+母音)
- 特徴: 「ばぶばぶ」「まんまんま」「だーだー」など、子音と母音を組み合わせた音を出すようになります。まだ特定の意味はありません。
- 親ができること:
- 赤ちゃんの喃語を真似する: 赤ちゃんが「まんまんま」と言ったら、「まんまんま、上手だね」と真似して返してあげましょう。赤ちゃんは、自分の発した音が親に伝わったと感じ、さらに発語を促されます。
- 物の名前を教えてあげる: 「これは、ワンワンだよ」「これは、ママだよ」と、身の回りの物の名前を具体的に教えてあげましょう。言葉と物の結びつきを学びます。
7ヶ月〜1歳頃:意味のある言葉の準備
- 特徴: 「ママ」「パパ」など、特定の意味を持つ言葉を話し始める子もいます。指差しをするようになり、言葉と行動が結びついてきます。
- 親ができること:
- 指差しを促す: 「ワンワンはどれかな?」「ブーブーは?」と、絵を指差しながら問いかけましょう。言葉の理解を深めます。
- オノマトペ(擬音語・擬態語)を使う: 「ワンワン、バウバウ!」「お花がフワフワ」など、声色を変えたり、身振り手振りを加えたりして、表現豊かに話しましょう。
- 読み聞かせ: 絵本を通して、様々な言葉や表現に触れる機会を増やしましょう。
1歳半〜2歳頃:言葉の爆発期
- 特徴: 単語の数が急激に増え、二語文(「ママ、ねんね」「ワンワン、いた」など)を話し始める子もいます。簡単な質問に答えられるようになります。
- 親ができること:
- 子どもの言葉を広げる: 子どもが「ワンワン」と言ったら、「大きいワンワンだね」「ワンワン、お散歩してるね」など、言葉を広げて返してあげましょう。
- 質問を増やす: 「これ、何色?」「どっちがいい?」など、子どもが言葉で答える機会を増やしましょう。
【ママナースの視点】「言葉の遅れ」が気になったら…
「うちの子、もしかして言葉が遅れている?」
そう感じたら、一人で抱え込まず、まずは専門家に相談してください。
- かかりつけの小児科医: まずは、普段からお子さんのことをよく知っている小児科医に相談しましょう。発達の専門機関を紹介してくれることもあります。
- 地域の保健センター: 乳幼児健診などで、保健師さんや言語聴覚士さんなどが相談に乗ってくれます。地域の支援情報も教えてくれます。
<相談の目安>
- 1歳半健診で言葉の指摘があった
- 2歳になっても単語がほとんど出ない
- 名前を呼んでも振り向かない、目を合わせようとしない
- オウム返しが多い、会話のキャッチボールができない
- 特定の音に過敏に反応する、または全く反応しない
- 指差しをしない、要求の指差しがない
大切なのは、早期発見・早期支援です。もし、言葉の発達に特性があったとしても、早くから適切なサポートを受けることで、お子さんの可能性を最大限に引き出すことができます。
そして、何よりも大切なのは、お子さん自身の「個性」を尊重することです。言葉の発達のスピードは違っても、お子さんにはお子さんなりの素晴らしい成長があります。その小さな一歩一歩を、温かい目で見守ってあげてください。
* → 関連記事: 【ママナースが解説】「うちの子、もしかして発達障害?」気になる発達のサインと、親ができること・相談先
まとめ:最高の言葉の先生は、あなたの「愛」
赤ちゃんの言葉の発達は、親にとって尽きることのない喜びと、時に不安をもたらします。
しかし、この時期は二度と戻ってきません。
周りの子と比べるのではなく、お子さん自身の「昨日」と「今日」を比べてみてください。きっと、小さな成長の積み重ねに気づくはずです。
焦らず、比べず、お子さんの「今」を心から楽しみ、たくさんの言葉と愛情のシャワーを注いであげてください。あなたのその優しい声と笑顔が、お子さんの言葉の芽を育む、何よりの栄養になるでしょう。