「また同じ遊びしてる…」「飽きないのかな?」
子どもが同じ遊びばかり繰り返しているのを見て、そう感じたことはありませんか?積み木をひたすら並べたり、ミニカーを延々と走らせたり、同じ絵本を何度も何度も読んでとせがんだり…。私も3姉妹を育てていて、長女が小さい頃に、お気に入りの絵本を一日中読んでと持ってくるので、「またこれ!?」と内心うんざりした経験があります。「もしかして、発達に何か問題があるのかな…」と、不安に感じてしまうママ・パパもいるかもしれませんね。
でも、ご安心ください。子どもが同じ遊びを繰り返すのは、決して珍しいことではありません。むしろ、子どもの健やかな発達にとって、とても大切な意味がある行動なのです。今回は、現役ママナースの私が、子どもが同じ遊びばかり繰り返す理由と、それが発達とどう関係しているのか、そして親としてどのように関われば良いのかについて、分かりやすく解説します。子どもの成長を温かく見守るヒントを見つけてくださいね。
なぜ同じ遊びばかり繰り返すの?子どもの心理と発達
子どもが同じ遊びを繰り返すのには、いくつかの理由があります。それは、子どもの成長段階において非常に重要な役割を果たしているのです。
1. 脳の発達を促す「反復学習」
- スキル習得: 子どもは、同じ行動を繰り返すことで、体の使い方や道具の操作方法、社会的なルールなどを習得していきます。例えば、積み木を何度も積み重ねることで、指先の器用さやバランス感覚を養っています。
- 成功体験の積み重ね: 繰り返し行うことで「できた!」という成功体験を積み重ね、自信をつけ、自己肯定感を育んでいます。これは、次のステップへ進むための大切な土台となります。
- 予測可能性の獲得: 同じ遊びを繰り返すことで、次に何が起こるかを予測できるようになります。これは、安心感や安定感につながり、新しいことへの挑戦意欲を育みます。
2. 感情の安定と安心感
- 安心できる場所: 子どもにとって、慣れ親しんだ遊びは、予測可能で安心できる場所です。特に、環境の変化やストレスを感じている時、同じ遊びを繰り返すことで、心の安定を図ろうとすることがあります。
- 感情の整理: 遊びを通して、日中に経験した出来事や感情を整理していることもあります。例えば、お人形遊びで同じような会話を繰り返すことで、自分の気持ちを整理しているのかもしれません。
3. 集中力と探求心
- 深い集中: 同じ遊びを繰り返すことで、子どもは深い集中状態に入り、その遊びの奥深さを探求しています。大人が気づかないような細かな変化や法則を発見していることもあります。
- 興味の深化: 特定の遊びに没頭することで、その分野への興味を深め、専門的な知識やスキルを身につけていくことがあります。
4. コミュニケーションの手段
- 共感を求める: 同じ絵本を何度も読んでとせがむのは、「ママ(パパ)と一緒にこの時間を共有したい」「この絵本の世界を一緒に楽しみたい」という共感を求めているサインかもしれません。
- 言葉の習得: 絵本を繰り返して読むことで、言葉や表現を覚え、語彙力を増やしていることもあります。
親としてどう関わる?適切な関わり方
子どもが同じ遊びばかり繰り返していても、基本的には温かく見守ることが大切です。しかし、親としてできるサポートもあります。
1. 温かく見守る姿勢
- 無理に止めない: 子どもが集中して遊んでいる時は、無理に遊びを中断させたり、別の遊びを勧めたりしないようにしましょう。子どもの集中力を妨げてしまう可能性があります。
- 「飽きないの?」はNG: 「飽きないの?」といった言葉は、子どもの探求心を否定してしまうことになります。子どもの「好き」という気持ちを尊重しましょう。
2. 共感と声かけ
- 「楽しいね」「すごいね」: 子どもの遊びに共感し、「〇〇ちゃん、積み木を高く積めたね!」「ミニカー、速いね!」など、具体的に声かけをしてあげましょう。子どもは自分の遊びを認められたと感じ、喜びます。
- 「どうしてそうしたの?」: 子どもが言葉で表現できる年齢であれば、「どうしてここに置いたの?」「どうしてこの色にしたの?」など、子どもの意図を尋ねてみましょう。子どもの思考力を刺激し、言葉での表現力を育みます。
3. 遊びの発展を促すヒントを与える
- 少しだけ変化を加える: 例えば、積み木遊びなら「次はもっと高いの作ってみようか?」「お家みたいにしてみる?」など、少しだけ変化を加えるヒントを与えてみましょう。ただし、あくまでヒントであり、強制はしないようにしましょう。
- 新しい素材や道具を導入: 同じ遊びでも、素材や道具を変えることで、新たな発見や遊び方が生まれることがあります。例えば、お絵描きなら、クレヨンだけでなく絵の具や色鉛筆を試してみるなど。
- 関連する体験を提案: 遊びの内容に関連する体験を提案するのも良いでしょう。例えば、電車遊びが好きなら、実際に電車を見に行ったり、図鑑を見たりするのも良い経験になります。
4. 親自身のストレスケア
- 同じ遊びに付き合うのが疲れる時もありますよね。そんな時は、無理に付き合わず、少しだけ距離を置いて見守る時間も大切です。家事をしながら、別の部屋で、など、親自身の負担にならない範囲で関わりましょう。
- 「疲れたな」と感じたら、パートナーや友人、地域の相談窓口などに頼ることも大切です。
こんな時は専門家に相談を
ほとんどの場合、同じ遊びを繰り返すのは発達上問題ありませんが、以下のような場合は、専門家に相談することを検討しましょう。
- 特定の遊びに固執し、他の遊びに全く興味を示さない: 遊びのレパートリーが極端に少ない場合。
- 遊びのパターンが非常に限定的で、発展性が見られない: 常に同じ動作を繰り返すだけで、遊びが広がらない場合。
- 社会性やコミュニケーションに著しい偏りが見られる: 他の子どもとの関わりを全く持とうとしない、目を合わせないなど。
- 言葉の発達に遅れが見られる: 言葉の理解や発語が、同年齢の子どもと比べて著しく遅れている場合。
- 親の呼びかけに反応しない、目を合わせないなど、相互作用が少ない:
これらのサインが見られる場合は、地域の保健センターや児童相談所、小児科医、発達支援センターなどに相談してみましょう。早期に相談することで、適切なサポートにつながる可能性があります。
まとめ:子どもの「好き」を大切に、成長を応援しよう
子どもが同じ遊びばかり繰り返すのは、決して「問題行動」ではありません。それは、子どもが自ら学び、成長しようとしている大切なサインです。親としては、その「好き」という気持ちを大切にし、温かく見守りながら、必要に応じて遊びの発展を促すヒントを与えてあげることが大切です。
今回ご紹介した情報が、皆さんの子育てのヒントとなり、お子さんの成長をより深く理解する一助となれば嬉しいです。もし、もっと詳しく知りたいことや、不安なことがあれば、いつでもコメントで教えてくださいね。私たちママナースも、皆さんの子育てを心から応援しています!