ズキンズキン…その頭痛、「怠け」や「気のせい」で片付けていませんか?
「頭が痛い」と、子どもが訴えてきた時、「風邪かな?」「少し疲れているのかな?」と、様子を見てしまうことは、ありませんか?しかし、その頭痛、もしかしたら、**ズキン、ズキンと脈打つような、特有の痛みを伴う「片頭痛」**かもしれません。
こんにちは、ママナースのさとみです。片頭痛は、大人だけの病気だと思われがちですが、実は、小学生の約4%、中学生の約8%が、片頭痛を持っていると言われています。日常生活に支障をきたすほどの、つらい症状であるにも関わらず、周りからは「怠けている」と誤解されやすい、という問題も抱えています。
この記事では、子どもの片頭痛に特徴的な症状と、痛みが起きた時に、家庭でできる対処法について、詳しく解説します。
子どもの片頭痛、大人と違う「特徴」とは?
子どもの片頭痛は、大人の症状とは、少し違う特徴があります。
- 痛みの持続時間が短い: 大人の片頭痛は、4時間以上続くことが多いですが、子どもは、1〜2時間で収まることもあります。
- 痛む場所が、両側性: 大人は、片側が痛むことが多いですが、子どもは、おでこや、こめかみなど、頭の両側が痛むことが、少なくありません。
- 腹痛や、嘔吐などの、消化器症状を伴いやすい: 頭痛よりも、むしろ、周期的な腹痛や、嘔吐(自家中毒・アセトン血性嘔吐症)が、前面に出ることもあります。
- 前兆(オーラ)が見られることがある: 痛みが始まる前に、目の前がチカチカする、ギザギザの光が見える、といった、視覚的な前兆を訴えることがあります。
片頭痛の引き金(誘因)となるもの
片頭痛は、何らかのきっかけで、誘発されることがあります。お子さんの頭痛が、どんな時に起こりやすいか、観察してみましょう。
- ストレス: 学校でのイベント、テスト、友達関係の悩みなど。
- 睡眠: 寝不足、または、休日の寝過ぎ。
- 天候・気圧の変化: 雨の日や、台風が近づいている時。
- 光や、音の刺激: 人混みや、映画館、ゲームの画面など。
- 特定の食べ物: チョコレート、チーズ、柑橘類、ナッツ類などが、誘因となることがあります(個人差が大きい)。
「頭が痛い」と言い出したら。家庭でできる3つのケア
片頭痛の痛みは、動くと悪化します。発作が起きたら、まずは、静かな場所で、体を休ませることが、何よりも大切です。
1. 暗くて、静かな部屋で、休ませる
光や音の刺激は、頭痛を悪化させます。カーテンを閉め、テレビを消した、静かな部屋で、横にならせてあげましょう。
2. 痛む部分を、冷やす
冷たいタオルや、冷却シートなどで、痛むこめかみや、おでこを冷やすと、血管が収縮し、痛みが和らぐことがあります。
3. 薬は、タイミングが命
病院で、片頭痛の薬(鎮痛剤や、トリプタン製剤など)を処方されている場合は、「痛くなり始め」の、なるべく早いタイミングで飲ませることが、効果を高めるための、最大のポイントです。痛みが、本格的になってからでは、効きにくくなります。
市販の鎮痛剤を使う場合も、用法・用量を守り、漫然と使い続けないようにしましょう。月に10日以上、鎮痛剤を飲むような状況であれば、必ず、専門医に相談してください(薬剤の使用過多による頭痛の可能性があります)。
まとめ:子どもの「痛み」に、寄り添うこと
片頭痛のつらさは、経験した人にしか、分かりません。周りから、「気のせい」「大げさ」と、理解されないことは、子どもにとって、痛みそのものよりも、つらい経験です。
親として、まずできること。それは、子どもの「痛い」という訴えを、100%信じて、共感してあげることです。「つらいね」「大丈夫だよ」その一言が、子どもの心を、どれだけ救うことか。
気になる症状があれば、まずは、小児科や、頭痛を専門とする、神経内科などを受診し、正しい診断と、治療に繋げてあげてください。