はじめに:その不機嫌、ただのイヤイヤ期じゃないかも?
「最近、なんだか顔色が悪い」「すぐに疲れたと言う」「理由もなく不機嫌なことが多い」…。そんな子どもの様子に、首をかしげた経験はありませんか?それはもしかしたら、体内の鉄分が不足している「鉄欠乏性貧血」のサインかもしれません。
こんにちは、ママナースのさとみです。子どもの貧血は、大人のように立ちくらみなどの分かりやすい症状が出にくいため、見過ごされがちです。しかし、放置すると、体の成長だけでなく、脳の発達や学習意欲にも影響を及ぼすことがある、とても大切な問題なのです。
この記事では、見逃しやすい子どもの貧血のサインと、家庭の食事で無理なく鉄分を補うための具体的な方法について解説します。
なぜ子どもは貧血になりやすいの?
子ども、特に乳幼児期から幼児期にかけては、体が急激に成長するため、たくさんの鉄分を必要とします。しかし、この時期は離乳食への移行や、牛乳ばかり飲んでしまう「牛乳貧血」、食べ物の好き嫌いなどから、鉄分の摂取が需要に追いつかず、鉄欠乏状態に陥りやすいのです。
見逃さないで!子どもの「かくれ貧血」チェックリスト
以下のようなサインが複数見られる場合は、鉄欠乏性貧血の可能性があります。気になる場合は、かかりつけの小児科で相談してみましょう。
- 顔色が青白い、目の下の粘膜(あっかんべーをした時の下まぶたの裏)が白い
- 疲れやすい、すぐに「抱っこ」と言う
- 食が細い、または氷などを食べたがる(異食症)
- 風邪をひきやすい、治りにくい
- 集中力がない、落ち着きがない
- 寝起きや寝つきが悪い、不機嫌なことが多い
- 爪が白っぽく、スプーンのように反り返っている
食事で改善!親子で始める「貯鉄」習慣
貧血の予防・改善の基本は、毎日の食事です。鉄分を多く含む食材と、その吸収を高める食べ合わせのコツをご紹介します。
鉄分豊富な食材リスト
- ヘム鉄(吸収率が高い):
- 赤身の肉(牛・豚)、レバー
- 赤身の魚(マグロ、カツオ)
- あさり、しじみ
- 非ヘム鉄(吸収率は低いが、工夫次第でUP):
- 緑黄色野菜(ほうれん草、小松菜)
- 豆類(納豆、きな粉、豆腐)
- 卵
- 海藻類(ひじき、のり)
鉄分の吸収率をアップさせる「食べ合わせの術」
鉄分は、ビタミンCや動物性たんぱく質と一緒にとることで、吸収率が格段にアップします。
- ほうれん草のおひたしに、レモン汁を数滴かける
- レバーや赤身肉を、ピーマンやブロッコリーと一緒に炒める
- 食後のデザートに、いちごやキウイ、みかんなどの果物を添える
逆に、タンニン(緑茶、紅茶など)やフィチン酸(玄米、生のナッツ類)、カルシウムの過剰摂取は、鉄分の吸収を妨げるので、食事中や食後すぐは避けた方が良いでしょう。
まとめ:毎日の食事が、子どもの元気の源
子どもの貧血は、すぐに症状が改善するものではありません。毎日の食事の中で、少しずつ鉄分を「貯金」していくようなイメージで、気長に取り組むことが大切です。
レバーやほうれん草が苦手な子でも、ハンバーグに混ぜ込んだり、ポタージュにしたりと、調理法を工夫すれば食べてくれることもあります。
まずは、親子で楽しみながら、鉄分豊富な食材を食卓に一品プラスすることから始めてみませんか?