「【ママナースが解説】学童期(小学校低学年)の性教育:命の始まりと体の変化の伝え方」

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はじめに:「赤ちゃんはどこから来るの?」その質問に、あなたは答えられますか?

「ママ、赤ちゃんって、どこから来るの?」
「どうして、男の子と女の子は体が違うの?」

小学校に入学し、友達との関わりが増えるにつれて、子どもたちは性に関する素朴な疑問を抱き始めます。そんな時、あなたは戸惑わずに、子どもの目を見て、答えることができますか?

乳幼児期に体の名前やプライベートゾーンの概念を伝えてきたとしても、命の始まりや体の変化といった、より踏み込んだ内容になると、「どう話せばいいんだろう…」「まだ早いんじゃないかな…」と、言葉に詰まってしまうかもしれません。

こんにちは!3姉妹の母で、現役看護師の皐月です。
私自身も、娘たちが小学校に入学した頃、性に関する質問のレベルが上がり、どう答えるべきか悩んだ経験があります。でも、子どもたちの純粋な好奇心に応え、正しい知識を伝えることの重要性を痛感しています。

この記事では、そんなあなたの不安に寄り添い、学童期(小学校低学年)の子どもに、命の始まり(受精・妊娠・出産)や、思春期前の体の変化について、どう伝えるか、性に関する疑問にどう答えるかなど、親が知っておくべきポイントをママナースの視点から分かりやすく解説します。

さあ、お子さんの「命の尊さ」と「自分を大切にする心」を育むための一歩を、一緒に踏み出しましょう。


なぜ学童期(小学校低学年)に性教育が必要なの?~「命の尊さ」を学ぶ時期~

小学校低学年になると、子どもたちは集団生活の中で様々な情報に触れ、性に関する知識も自然と耳にするようになります。この時期に性教育を行うことには、以下のような重要な意味があります。

1.命の尊さを学ぶ

赤ちゃんがどのようにして生まれ、成長していくのかを知ることは、命の尊さや、自分自身がかけがえのない存在であることを学ぶ大切な機会となります。

2.体の変化への心の準備

思春期に向けて、子どもたちの体は少しずつ変化し始めます。この時期に体の変化について正しい知識を伝えることで、子どもたちは戸惑うことなく、自分の体の変化を受け入れる心の準備ができます。

3.性に関する誤解や偏見を防ぐ

友達との会話やインターネットなどから、性に関する誤った情報や偏見に触れる可能性があります。親が正しい知識を伝えることで、子どもたちは混乱することなく、健全な性の認識を育むことができます。

<ママナースの視点>
この時期の子どもたちは、まだ抽象的な思考が難しいため、具体的な言葉や絵、図などを使い、分かりやすく伝えることが大切です。そして、何よりも親が性に関する話題をオープンに話す姿勢を見せることが、子どもが安心して質問できる環境を作ります。


命の始まりと体の変化の伝え方

小学校低学年の子どもに、命の始まりや体の変化を伝える際のポイントです。

1.「赤ちゃんはどこから来るの?」~命の始まりを伝える~

子どもが「赤ちゃんはどこから来るの?」と聞いてきたら、それは「命の始まり」について知りたいという純粋な好奇心の表れです。

  • ポイント: 「パパとママが大好きって気持ちで、ママのお腹の中に赤ちゃんがやってきて、ママのお腹の中で大きくなって生まれてくるんだよ」と、愛情を込めて伝えましょう。
  • 具体的な説明: 「パパの体の中にある『精子』と、ママの体の中にある『卵子』が、ママのお腹の中で出会って、赤ちゃんになるんだよ」と、絵本や図鑑などを使いながら、具体的に説明しても良いでしょう。
  • 「命の誕生」を強調: 命が偶然ではなく、パパとママの愛情によって育まれる尊いものであることを伝えましょう。

2.思春期前の体の変化を伝える

小学校低学年では、まだ思春期には早いですが、少しずつ体の変化が始まる子もいます。

  • 女の子:
    • 胸の膨らみ: 「女の子は、大きくなると胸が少しずつ膨らんでくるんだよ。赤ちゃんを育てるための準備なんだ」
    • 陰毛の発生: 「お股の周りに、少し毛が生えてくる子もいるよ。大人になるための体の変化なんだ」
  • 男の子:
    • 陰毛の発生: 「おちんちんの周りに、毛が生えてくる子もいるよ。大人になるための体の変化なんだ」
    • 声変わり: 「男の子は、大きくなると声が少し低くなるんだよ」
  • ポイント: 「みんなに起こる自然な変化だよ」「個人差があるから、早く始まる子もいれば、ゆっくり始まる子もいるよ」と伝え、不安を軽減しましょう。

3.「プライベートゾーン」の再確認

乳幼児期に教えたプライベートゾーンの概念を、改めて確認しましょう。

  • ポイント: 「水着で隠れるところは、自分だけの特別な場所だよ。誰にも見せたり、触らせたりしてはいけないんだよ」と、繰り返し伝えましょう。
  • 「嫌なことは嫌だ」と伝える練習:: 「もし、誰かに嫌なことをされたら、『やめて!』って大きな声で言うんだよ」「嫌なことをされたら、すぐにママやパパに教えてね」と、具体的な行動を伝え、親が必ず守ることを約束しましょう。

性に関する質問にどう答える?~子どもの好奇心に応える~

子どもが性に関する質問をしてきたら、それは親子の信頼関係を深めるチャンスです。

1.質問を歓迎する姿勢を見せる

子どもが質問しやすい雰囲気を作りましょう。「よく気づいたね!」「面白い質問だね!」などと、質問を歓迎する姿勢を見せることで、子どもは安心して質問できるようになります。

2.子どもの知りたいことに焦点を当てる

子どもが何を知りたいのか、その質問の意図を汲み取りましょう。必要以上に詳細な情報を提供する必要はありません。子どもの理解度に合わせて、簡潔に、分かりやすい言葉で答えることが大切です。

  • 例:「どうして赤ちゃんは、お腹から出てくるの?」
    • 「ママのお腹の中に、赤ちゃんが通る道があって、そこを通って生まれてくるんだよ」
    • 「赤ちゃんが生まれてくる時は、ママも赤ちゃんも、とっても頑張るんだよ」

3.正しい言葉で伝える

性に関する言葉は、正しい名称で伝えましょう。隠語や曖昧な表現は避け、子どもが混乱しないようにしましょう。

  • ポイント: 「おちんちん」「おまんまん」といった言葉だけでなく、「陰茎」「陰部」といった正しい名称も、少しずつ教えていきましょう。

日常生活でできる性教育~オープンな対話の習慣を~

性教育は、特別な時間や場所を設けて行うものではありません。日常生活の中で、オープンな対話の習慣を築くことが大切です。

1.絵本や図鑑の活用

命の始まりや体の変化に関する絵本や図鑑は、子どもに分かりやすく、親も伝えやすいツールです。

  • ポイント: 絵本を読みながら、「赤ちゃんって、こんなに小さいんだね」「男の子と女の子の体は、こんな風に違うんだね」などと、具体的に声かけをしましょう。

2.テレビや動画、ニュースなどをきっかけに

テレビ番組やニュースなどで性に関する話題が出た際に、それをきっかけに子どもと話す機会を作りましょう。

  • ポイント: 「今、テレビでこんなこと言ってたけど、どう思う?」「もし、〇〇ちゃんが同じ状況になったら、どうする?」などと、子どもの意見を聞き、一緒に考える時間を作りましょう。

3.親自身のオープンな姿勢

親が性に関する話題をタブー視せず、オープンに話す姿勢を見せることが、子どもが安心して質問できる環境を作ります。

  • ポイント: 親自身が性に関する知識を学び、自信を持って子どもに伝えられるように準備しましょう。

まとめ:命の教育としての性教育~親子の絆を深めるために~

学童期(小学校低学年)の性教育は、子どもが「命の尊さ」を学び、思春期に向けて自分の体の変化を受け入れる心の準備をするための、非常に重要な時期です。

完璧な性教育を目指す必要はありません。大切なのは、親が性に関する話題をオープンに話す姿勢を見せ、子どもの純粋な好奇心に応え、正しい知識を伝えることです。

子どもが安心して性に関する疑問を投げかけられる、そして、自分で考えて健康的な食生活を送れるような、揺るぎない信頼関係を築いてあげてください。

あなたのその愛情と、正しい知識が、お子さんの健やかな成長と、安全な未来を育む、何よりの力になります。


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