「【ママナースが解説】子どもの性教育:いつから?どう伝える?年齢別アプローチ」

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はじめに:「うちの子に性教育って、まだ早くない?」その不安、分かります

「おちんちん」「おまんまん」。
子どもが自分の体の名前を口にするたび、「まだ早いんじゃないかな…」「周りの人に聞かれたらどうしよう…」と、ドキッとした経験はありませんか?

性教育と聞くと、つい「性行為」や「思春期」を連想しがちで、小さな子どもにはまだ早い、デリケートな話題だと感じてしまうかもしれません。

でも、ちょっと待ってください。
実は、性教育は、子どもが生まれた瞬間から始まっていると言っても過言ではありません。そして、子どもの成長段階に合わせて、親が伝えておくべき大切な性教育があるのです。

こんにちは!3姉妹の母で、現役看護師の皐月です。
私自身も、娘たちが幼い頃から成長するにつれて、性に関する質問にどう答えるべきか、どこまで話していいのか、正直戸惑いました。でも、看護師として、そして母として、子どもたちの心と体を守るために、この時期の性教育がどれほど重要かを痛感しています。

この記事では、そんなあなたの不安に寄り添い、子どもの性教育について、いつから、どう伝えるべきか、年齢に応じた伝え方、親が知っておくべき知識、そして性に関する正しい情報を伝えることの重要性をママナースの視点から分かりやすく解説します。

さあ、お子さんの「自分を大切にする力」と「健やかな成長」を育むための一歩を、一緒に踏み出しましょう。


なぜ子どもの性教育が大切なの?~「自分を守る力」を育むために~

性教育は、単に性に関する知識を教えることではありません。それは、子どもが自分自身を大切にし、他者を尊重し、性に関するトラブルから身を守る力を育むための、大切な教育です。

1.自分の体を大切にする心を育む

自分の体の名前を正しく知り、自分の体は自分だけのものであるという認識を持つことは、自己肯定感を育む土台となります。

2.性被害から身を守る力を育む

残念ながら、子どもが性被害に遭う事件は後を絶ちません。性教育を通じて、「プライベートゾーン」の概念や、「嫌なことは嫌だ」と伝えられる力を育むことは、性被害を未然に防ぐための最も重要な予防策となります。

3.性に関する正しい知識の土台を作る

性に関する知識は、子どもが成長する上で不可欠なものです。正しい言葉で伝えることで、性に関する誤解や偏見を防ぎ、オープンに話せる親子関係の土台を築きます。

4.多様な性を尊重する心を育む

性には多様性があることを伝え、様々な性を尊重する心を育むことで、差別や偏見のない社会を築くための基礎を養います。

<ママナースの視点>
性教育は、決して特別なことではありません。それは、子どもが「自分を大切にする力」を育み、社会の中で安全に、そして健やかに生きていくための「生きる力」を育む教育なのです。


年齢別!子どもの性教育:いつから?どう伝える?

子どもの性教育は、発達段階に合わせて、無理なく、段階的に進めていくことが大切です。

1.乳幼児期(0-6歳頃):体の名前とプライベートゾーンの教え方

  • ポイント: 自分の体の名前を正しく知り、プライベートゾーンの概念を教え、「嫌なことは嫌だ」と伝えられる力を育む。
  • 伝え方:
    • 体の名前は「正しい名称」で教える: 「おちんちん」「おまんまん」といった可愛らしい呼び方だけでなく、「陰茎」「陰部」「おしり」など、正しい名称も教えていきましょう。
    • 「プライベートゾーン」の概念を教える: 水着で隠れる部分(胸、お股、おしり)は、他の人に見せたり、触らせたりしてはいけない、自分だけの特別な場所であることを教えます。
    • 「触っていい人、ダメな人」のルールを教える: 「触っていいのは、自分自身と、お医者さんやママ・パパなど、体を守ってくれる人だけ」というルールを教えます。
    • 「嫌なことは嫌だ」と伝える練習: 「もし、誰かに嫌なことをされたら、『やめて!』って大きな声で言うんだよ」「嫌なことをされたら、すぐにママやパパに教えてね」と、具体的な行動を伝え、親が必ず守ることを約束しましょう。
  • 日常でのヒント: 絵本や図鑑の活用、お風呂での声かけ、着替えの際の配慮など。

2.学童期(小学校低学年):命の始まりと体の変化の伝え方

  • ポイント: 命の始まり(受精・妊娠・出産)や、思春期前の体の変化について伝え、命の尊さを学ぶ。
  • 伝え方:
    • 「赤ちゃんはどこから来るの?」: 「パパとママが大好きって気持ちで、ママのお腹の中に赤ちゃんがやってきて、ママのお腹の中で大きくなって生まれてくるんだよ」と、愛情を込めて伝えましょう。
    • 思春期前の体の変化: 胸の膨らみ、陰毛の発生、声変わりなど、みんなに起こる自然な変化であることを伝え、不安を軽減しましょう。
    • 「プライベートゾーン」の再確認: 乳幼児期に教えたプライベートゾーンの概念を、改めて確認しましょう。
  • 日常でのヒント: 絵本や図鑑、テレビや動画、ニュースなどをきっかけに、オープンな対話の習慣を築く。

3.学童期(小学校高学年):思春期の体の変化と心の準備

  • ポイント: 思春期に起こる体の変化や心の変化について伝え、性に関する正しい知識を深め、性に関する悩みを相談できる関係を築く。
  • 伝え方:
    • 第二次性徴: 初潮(生理)、精通(夢精)、陰毛・脇毛の発生など、より具体的な体の変化について伝えましょう。
    • 心の変化: 感情の起伏が激しくなる、親に反抗的な態度をとるなど、心の変化にも寄り添い、安心できる場所であることを伝えましょう。
    • 「セックスって何?」: 「命がどうやって生まれるのか」という、生命の営みとして伝えましょう。
    • 「ポルノって何?」: 正しい情報と危険性を伝え、「嫌なものは見なくていい」というメッセージを伝えましょう。
    • 「同性愛って何?」: 性には多様性があることを伝え、様々な性を尊重する心を育みましょう。
  • 日常でのヒント: 親子で性に関する絵本や図鑑、動画を活用し、ニュースや社会問題などをきっかけに、オープンな対話の習慣を継続する。

4.思春期(中学生・高校生):性感染症、避妊、デートDVなど

  • ポイント: 性感染症、避妊、デートDVなど、より踏み込んだ性に関する知識と、安全な性行動について伝え、自立と責任を学ぶ。
  • 伝え方:
    • 性感染症: 具体的な病名、症状、感染経路、予防策(コンドームの使用、定期的な検査など)を伝えましょう。
    • 避妊: 望まない妊娠を防ぐための避妊方法について、具体的に伝え、責任ある性行動の重要性を伝えましょう。
    • デートDV: 対等な関係の重要性、相手を尊重すること、そして「嫌なことは嫌だ」と明確に伝えることの重要性を伝えましょう。
    • 「もし感染したら…」「もし妊娠したら…」「もし被害に遭ったら…」: 一人で抱え込まず、すぐに親に相談できる環境であることを伝えましょう。
  • 日常でのヒント: 「いつでも話せるよ」というメッセージを送り続ける、子どものプライバシーを尊重する、親自身が性に関する知識をアップデートする、専門機関との連携も視野に入れる。

まとめ:親子の信頼関係が、最高の性教育の土台

子どもの性教育は、子どもが自分自身を大切にし、他者を尊重し、性に関するトラブルから身を守る力を育むための、非常に重要な教育です。

完璧な性教育を目指す必要はありません。大切なのは、親が性に関する話題をタブー視せず、オープンに話せる親子関係を築き、子どもが安心して性に関する疑問や悩みを相談できる「安全基地」であり続けることです。

あなたのその愛情と、正しい知識が、お子さんの健やかな成長と、安全な未来を育む、何よりの力になります。


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