【喃語の秘密】ただの音じゃない!赤ちゃんの「伝えたい気持ち」と驚きの”言語習得メカニズム”

smiling parents with their adorable child こそだて部
Photo by Nataliya Vaitkevich on Pexels.com
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(前回の記事では、クーイングからジャルゴンまで、喃語の可愛い発達段階を見てきましたね!)

「ばぶばぶ」「だーだー」「まんま!」…
日に日に豊かになっていく赤ちゃんの喃語。聞いているだけで癒されますが、「この声には、一体どんな意味があるんだろう?」「もしかして、何か伝えようとしてる?」なんて、ジーッと赤ちゃんの顔を見つめてしまうこと、ありませんか?

こんにちは!3姉妹の母で現役看護師、「こそだて部」の皐月です。
私も、娘たちが喃語を発するたびに、「今の『まんま』は、もしかしてママのこと!?」「この『あーうー』は、ご機嫌ってことかな?」なんて、必死に”喃語解読”を試みたものです(笑)。

一見、意味のない音の羅列に聞こえる喃語ですが、実はそこには、赤ちゃんが言葉を習得するための驚くべきメカニズムと、周りの世界や人と繋がろうとする健気な「伝えたい気持ち」の芽生えが隠されているんです!

今回は、喃語シリーズ第2弾として、

  • 喃語は未来の言葉への”素振り”!その音声的な秘密
  • 「ねぇ、聞いてる?」喃語に込められたコミュニケーションの芽
  • つまり、喃語の本当の「意味」って?

について、言語発達の視点や、看護師として感じる赤ちゃんのコミュニケーションの奥深さも交えながら、分かりやすく解説していきます。
これを読めば、赤ちゃんの喃語が、ただ可愛いだけでなく、いかに高度で重要な活動であるかが分かり、ますます愛おしくなるはずですよ!

喃語は”言葉の素振り”! 発音マスターへの道

赤ちゃんが言葉を話せるようになるためには、まず「音」を作り出す練習が必要です。喃語は、まさにそのための、最高のトレーニングなんです!

  • 最初は世界中の音が出せる!?
    生まれたばかりの赤ちゃんは、実はどんな言語の音でも聞き分け、発音できる可能性を持っていると言われています。喃語の初期には、日本語にはないような音を発することもあるんですよ。すごい能力ですよね!
  • だんだん母語にチューニング!【音声的漂流】
    でも、生後9~10ヶ月頃になると、不思議なことが起こります。赤ちゃんが日常的に聞いている言葉(=母語)に含まれる音を中心に、喃語で使う音の種類が絞られていくんです。これを「音声的漂流(Phonetic Drift)」と言います。これは、赤ちゃんが耳から入る情報を元に、「この音は、僕(私)の国の言葉でよく使う音だな」と学習し、母語の発音システムに適応し始めている証拠!ちゃんと聞いて、学んでいるんですね。
  • 口と舌の筋トレタイム!
    「ば行」なら唇、「だ行」なら舌先、というように、言葉を発するには唇、舌、顎、声帯などを複雑に、そして正確に動かす必要があります。喃語は、これらの発声器官を巧みにコントロールするための、絶好の”筋トレ”なんです。様々な音を繰り返し出すことで、スムーズな発話に必要な筋肉の動きを練習しています。看護師の視点から見ても、体の機能を発達させるためには、適切な刺激と練習が不可欠。喃語はまさに、口周りの発達を促す重要な活動と言えます。

「ねぇ、聞いてる?」喃語に込められたコミュニケーションの芽

喃語は、単なる発声練習ではありません。周りの人との関わりの中で、少しずつ「コミュニケーションツール」としての役割も帯びてきます。

  • 独り言じゃない!やりとりの始まり【プロト会話】
    赤ちゃんは、一人でいる時も喃語を発しますが、ママやパパがそばにいる時、目を見て話しかけられた時など、人と関わっている時に、より活発に喃語を発する傾向があります。これは、喃語が「ねぇ、こっちを見て!」「あなたに話しかけてるよ!」という、相互作用(やりとり)の始まりであることを示しています。専門的には「プロト会話(会話の原型)」とも呼ばれます。
  • 応答がやる気を引き出す!【社会的フィードバック】
    ここが重要!赤ちゃんが「あーだー」と言った時に、親が「なあに?」「そうなのね」と笑顔で応答すると、赤ちゃんはどうなるでしょう? 多くの場合、さらに嬉しそうに喃語を発しますよね!これは、「自分の声(行動)が、相手に影響を与えた!」という経験(社会的フィードバック)が、赤ちゃんの「もっと伝えたい!」という意欲を引き出すからです。この経験を通して、赤ちゃんは会話のキャッチボールの楽しさや、コミュニケーションの基本的なルールを学んでいきます。
  • 気持ちを伝えようとしてる?【感情表現の試み】
    喃語そのものに「ママが好き」「お腹が空いた」といった具体的な意味はありません。でも、声のトーンや大きさ、抑揚、表情、状況などから、「今は嬉しいのかな?」「何か訴えたいのかな?」と、赤ちゃんの感情や状態を推測するヒントにはなりますよね。嬉しそうに高い声で「きゃーきゃーあー!」と言ったり、不満げに低い声で「ぶーぶー」言ったり…なんとなく違いを感じませんか? これも、言葉以前の立派な感情表現の試みと言えるでしょう。
  • 大人のマネっこ?【模倣の始まり】
    特にジャルゴン期になると、赤ちゃんは大人の話し方のイントネーションやリズムを驚くほど巧みに真似します。言葉の意味は分からなくても、会話の「メロディー」を捉え、それを再現しようとしているのです。これも、言語習得における重要な模倣能力の表れです。

つまり、喃語の本当の「意味」とは?

では、喃語の「意味」をまとめると、どうなるでしょうか?

それは、単一の意味ではなく、

  1. 【音声・言語的な意味】: 発声器官のトレーニング、母語の音韻システムへの適応・準備
  2. 【コミュニケーション的な意味】: 周囲との相互作用の開始、注意喚起、感情表現の試み、会話ルールの学習
  3. 【発達的な意味】: 脳・神経・運動機能の健全な発達の指標、言語獲得への土台作り

といった、複数の重要な意味が重なり合った、非常に豊かで奥深い活動であると言えます。赤ちゃんは、あの可愛い声で、一生懸命、未来のコミュニケーションに向けて準備をしているんですね。

我が家の「喃語解読」奮闘記(妄想含む!?)

次女が盛んに喃語を発していた頃、夫と二人で「今の『まんま』は、絶対ママって言ったよね!?」「いや、マンマ(ご飯)でしょ!」なんて、親バカ全開の”喃語解読”を楽しんでいました(笑)。

ある時は、次女が窓の外の飛行機を見ながら、「あ!あ!あ!」と必死に指さして教えてくれたことも。言葉はなくても、「見て!すごいよ!」という興奮が伝わってきて、私も「ほんとだ!ひこうき、ブーンって飛んでるね!」と一緒に感動したのを覚えています。

たとえ本当の意味は分からなくても、「何かを伝えようとしてるのかな?」「どんな気持ちなのかな?」と想像しながら関わること自体が、赤ちゃんの「伝えたい」気持ちを育て、親子の絆を深める、温かい時間になるんですよね。

まとめ:喃語は、赤ちゃんからの最初の”ラブレター”かも?

ただの音の練習だと思っていた喃語に、こんなにもたくさんの意味や機能が隠されていたなんて、驚きですよね!

  • 喃語は、言葉を話すための緻密な練習である。
  • 喃語は、人と繋がるための最初のコミュニケーションの試みである。
  • 喃語は、赤ちゃんの健やかな発達を示す大切なサインである。

そう考えると、赤ちゃんの喃語は、私たち親への最初の「ラブレター」なのかもしれません。「僕(私)はここにいるよ!」「あなたの声を聞いているよ!」「もっと繋がりたいよ!」…そんな健気なメッセージが、あの愛らしい声には込められているのではないでしょうか。

次回はいよいよ実践編! この大切な喃語期に、親が具体的にどう応答し、関わっていくのがベストなのか? 赤ちゃんの言葉の発達を最大限に引き出すための関わり方について、詳しくお伝えします!どうぞお楽しみに![→第3回の記事へ]

あなたの赤ちゃんの喃語、どんな「意味」が隠されていると思いますか?「うちの子のこの喃語、きっとこう言ってるに違いない!」というユニークな解釈、ぜひコメントで教えてくださいね!

喃語の奥深さに感動したら、ぜひシェアをお願いします♪


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