「もうすぐ一年生だね!」
嬉しい気持ちでいっぱいのはずなのに、心のどこかでソワソワ…。
「うちの子、ちゃんと授業に集中できるかな?」
「忘れ物しないで、自分で準備できるかしら?」
「ひらがな、全部書けないとダメ…?」
周りのママ友との会話で、「〇〇ちゃんはもう時計が読めるらしい」「△△くんはひらがな完璧だって」なんて聞くと、つい焦ってしまったり、不安になったり…。年長さんのパパママ、そんな経験はありませんか?
こんにちは!湘南で3姉妹を育てている現役看護師、「こそだて部」の皐月です。
よーく分かります! 私も長女の就学前は、「あれもこれもできるようにしなきゃ!」と、親子で必死になってドリルに取り組んだりして…でも、今思えば、もっと大切なことがあったな、と反省しています。
小学校入学前に必要な準備は、決して「お勉強」だけではありません。むしろ、新しい環境で子どもが安心して、楽しく学校生活をスタートするためには、基本的な「生活習慣」と、学ぶための「土台となる習慣」が、何よりも大切なんです!
この記事は、そんな就学準備に不安を感じるあなたへ贈る、
- なぜ「習慣」が小学校生活の土台になるのか?
- 【生活習慣編】これだけは押さえたい!6つの基本リスト
- 【学習習慣編】”勉強”の前に身につけたい!6つの種まきリスト
- 家庭でできる!焦らず、楽しくサポートするコツ
を、ママナースの視点(子どもの心身の発達や集団生活での健康管理)と、3児の母としてのリアルな経験を交えながら、具体的に解説する【安心のための就学準備ガイド】です。
「完璧」を目指す必要はありません。「これくらいなら、うちでもできそう!」と、肩の力を抜いて読んでいただけたら嬉しいです。
なぜ「習慣」が大切なの? 小学校生活をスムーズにする土台
小学校は、幼稚園や保育園とは違い、時間割に沿って自分で行動したり、持ち物を管理したり、より「自分でやる」ことが求められる場所。基本的な生活習慣や学習習慣が身についていると、
- 新しい環境への不安が減る: 見通しが立ち、自分でできることが多いと、子どもの安心感に繋がります。
- 集団生活に馴染みやすい: ルールを守る、先生の話を聞く、自分のことをするなど、スムーズに集団生活に入っていけます。
- 学習に集中しやすくなる: 身の回りのことに手間取らなければ、その分子どもは授業内容に集中できます。
- 自立心と責任感が育つ: 「自分でできた!」という経験が、自信と「次も頑張ろう」という意欲に繋がります。
つまり、しっかりとした「習慣」という土台があってこそ、子どもは安心して新しい学びや友達との関わりを楽しむことができるのです。
【生活習慣編】自分のことは自分で! 集団生活のキホン
まずは、日々の生活の基本から。これができていると、親子共に朝のバタバタも減り、学校生活もぐっと楽になります!
1. 早寝・早起き・朝ごはん
- なぜ大事?: 規則正しい生活リズムは、集中力や意欲、情緒の安定の基本。朝食は一日のエネルギー源!
- めやす: 小学校の始業時間に間に合うように起き、朝食をしっかり食べられる習慣を。就寝時間も一定に。
- おうちでのヒント: 寝る前のスマホ・テレビは控える、朝は太陽の光を浴びる、など親子でリズムを整える工夫を。
2. あいさつ・返事・お礼
- なぜ大事?: 先生やお友達との円滑なコミュニケーションの第一歩。「はい」という返事、「ありがとう」「ごめんなさい」が言えることは、社会性の基本です。
- めやす: 大人に聞かれたら「はい」と返事をする、何かしてもらったら「ありがとう」、悪いことをしたら「ごめんね」が言える。
- おうちでのヒント: 親自身がお手本を見せるのが一番!家族間でも意識して使う。「おはよう」「いってきます」「ただいま」「おやすみ」の挨拶も習慣に。
3. 衣服の着脱・整理
- なぜ大事?: 体育の授業での着替えなど、自分で衣服を管理する場面が増えます。自分の持ち物を大切にする意識にも繋がります。
- めやす: 天候に合わせて自分で衣服を選べる(相談しつつでOK)、ボタンやファスナーなどを(時間はかかっても)自分で扱おうとする、脱いだ服を畳んだり、洗濯かごに入れたりできる。
- おうちでのヒント: 着脱しやすい服を選ぶ、ボタンや紐結びの練習を遊び感覚で取り入れる、畳み方を一緒にやってみる。
4. トイレ・手洗い
- なぜ大事?: 学校では基本的に先生が付き添ってくれません。自分でタイミングを見てトイレに行き、きちんと後始末(拭く、水を流す)ができること、そして感染予防の基本である手洗いができることは必須です。
- めやす: 一人でトイレに行き、排泄後の始末ができる。石鹸を使って正しく手洗いができる。
- おうちでのヒント: 和式トイレの練習(もし学校にあれば)、正しい手の洗い方を一緒に確認する。(看護師的にも手洗いは超重要!)
5. 持ち物の準備・管理
- なぜ大事?: 毎日の持ち物が多くなります。自分で必要なものを把握し、準備し、持ち帰る力は、忘れ物を防ぎ、学習にスムーズに取り組むために必要です。
- めやす: 前日に、翌日の時間割を見て(絵や写真でもOK)、教科書やノート、筆箱などをランドセルに入れる準備ができる(親のチェックは必要)。自分の持ち物を区別できる。使ったものを元の場所に戻そうとする意識がある。
- おうちでのヒント: 持ち物を置く場所を決める、親子で一緒に準備する習慣をつける、持ち物リストを貼っておく、全ての持ち物に名前を書く!
6. 最後まで座って話を聞く
- なぜ大事?: 小学校の授業は、幼稚園・保育園よりも長く座って先生の話を聞く時間が増えます。集中して話を聞く姿勢は、学習内容を理解するための基本です。
- めやす: 食事の時間、絵本の読み聞かせの時間など、10分~15分程度は椅子に座って、話を聞いたり、活動に取り組んだりできる。
- おうちでのヒント: 絵本の読み聞かせの時間を少し長めにしてみる、ボードゲームなどで座って集中する経験をする、テレビを消して家族で話す時間を作る。
【学習習慣編】”勉強”の前に身につけたい!種まきリスト
「ひらがな全部書けないとダメ?」「足し算は?」と心配になるかもしれませんが、入学前に完璧な読み書き計算能力は必須ではありません。それよりも、「学ぶって楽しいかも?」と思える気持ちや、学習に向かうための基本的な姿勢を育むことが大切です。
1. 鉛筆・ハサミの基本的な使い方に慣れる
- なぜ大事?: 授業で文字を書いたり、工作をしたりする場面ですぐに使えると、本人が困りません。指先の器用さ(巧緻性)を育むことにも繋がります。
- めやす: 鉛筆をある程度正しい持ち方で持ち、線や簡単な形を描こうとする。ハサミを安全に使い、線に沿って(多少ずれてもOK)切ろうとする。
- おうちでのヒント: お絵描き、ぬりえ、迷路、点つなぎなどで鉛筆に親しむ。工作や、親子で一緒に紙を切る遊びなどでハサミを使う練習を。(安全な子ども用ハサミで!)
2. 自分の名前の読み(できれば書き)
- なぜ大事?: 自分の持ち物や下駄箱などを自分で確認できると、学校生活がスムーズになります。自分の名前を書けると、さらに自信に繋がります。
- めやす: 自分の名前(ひらがな)を見て読める。書けるのは必須ではないが、興味があれば練習する。
- おうちでのヒント: 持ち物に大きく名前を書いておく、自分の名前の文字を探すゲームをする、なぞり書きなど。
3. ひらがなへの興味・親しみ
- なぜ大事?: 国語の授業がスムーズに入りやすくなります。「文字を読むって面白そう」というポジティブな気持ちが大切。
- めやす: 絵本や街中の看板などで、知っているひらがなをいくつか見つけられる。「これなんて読むの?」と興味を示す。
- おうちでのヒント: 絵本の読み聞かせをたくさんする、ひらがな表を貼っておく、かるたやしりとりで遊ぶ。無理に書き方を教え込む必要はありません。
4. 数字・量への感覚
- なぜ大事?: 算数の学習の土台になります。生活の中で、数や量に触れる経験が大切。
- めやす: 10くらいまでの数を数えられる。おやつを分けるなどで「どっちが多い?」といった量の比較がなんとなく分かる。身の回りの数字に興味を持つ。
- おうちでのヒント: 一緒にお風呂で数を数える、おやつの数を数える、トランプやすごろくで遊ぶ、時計の数字に触れる。
5. 時計・時間への意識(少しでも)
- なぜ大事?: 時間割のある学校生活では、時間を見て行動することが求められます。
- めやす: 「長い針が〇になったらおしまいね」といった声かけで、時間の区切りを意識できる。朝・昼・夜、午前・午後の区別がなんとなく分かる。
- おうちでのヒント: アナログ時計に親しむ、「〇時になったらご飯だよ」と予告する、簡単なタイマーを使う。完璧に時計が読める必要は全くありません!
6. 話を最後まで聞く(学習場面)
- なぜ大事?: 生活習慣でも触れましたが、特に先生の指示や説明をきちんと聞けることは、学習理解の基本中の基本です。
- めやす: 絵本の読み聞かせや、親からの少し長めのお願い・説明などを、途中で遮らずに聞こうとする姿勢がある。
- おうちでのヒント: 読み聞かせの時に「最後まで聞こうね」と促す、子どもが話している時は親も最後まで聞く姿勢を見せる。
焦らないで! 家庭でできる”ゆるっと”サポート術
これらの習慣を身につけさせなきゃ!と、親が焦ってドリル漬けにするのは逆効果。大切なのは、日々の生活の中で、遊びを通して、親子で楽しく取り組むことです。
- 遊びが最高の学び!: お絵描き、粘土、ブロック、パズル、ボードゲーム、お手伝い…これら全てが、指先の器用さ、集中力、思考力、ルール理解などを育みます。
- 生活そのものが教材!: 時計を見る、カレンダーを見る、一緒に料理をする、買い物に行く…日常のあらゆる場面に学びのチャンスがあります。
- 褒める時は”プロセス”を!: 「最後まで頑張ったね!」「工夫したね!」と、結果だけでなく努力や過程を具体的に褒めることで、やる気を引き出します。(→#ワンポイント育児「プロセス褒め」参照)
- 園や他の大人とも連携!: 幼稚園・保育園の先生に、集団生活での様子を聞いたり、家庭での取り組みについて相談したりするのも良いでしょう。
- 一番大切なのは「個人差」を認めること!: 周りと比べず、お子さん自身のペースと「できた!」を喜びましょう。
皐月のリアル体験談:年長三女、ひらがな練習より大事にしたこと
我が家の三女は、お絵描きや工作は大好きでしたが、文字を書くことにはあまり興味がないタイプでした。年長になっても、自分の名前を書くのがやっと…。正直、長女・次女の時と比べて、「このままで大丈夫かしら?」と少し心配になりました。
でも、焦って無理強いするのはやめよう、と決めました。その代わりに、「早寝早起き朝ごはん」「挨拶・返事」「持ち物管理」といった生活習慣の方を、より丁寧に意識して関わるようにしたんです。ひらがなは、絵本をたくさん読み、かるたで遊び、自分の名前や好きなキャラクターの名前を書くことから、ゆっくり進めました。
結果、入学当初、ひらがなをスラスラ書ける子に比べれば、ゆっくりペースだったかもしれません。でも、毎日元気に登校し、先生の話をしっかり聞き、忘れ物も少なく、友達と楽しく過ごすことができていました。基本的な生活習慣が身についていたおかげで、新しい環境にスムーズに適応できたのだと思います。読み書きは、入学してからでも、本人のペースでちゃんと追いついていきました。
まとめ:”できる”を増やして、自信を持って「いってきます!」
小学校入学前の準備。それは、お勉強を詰め込むことではなく、子どもが新しい世界へ、自信を持って一歩を踏み出すための「土台」を作ってあげること。
今日ご紹介した、
- 基本的な生活習慣(挨拶、着替え、トイレ、片付けなど)
- 学びに向かうための土台となる習慣(聞く姿勢、文字や数への興味など)
これらが、完璧でなくても、「少し意識してできる」「やってみようと思える」状態になっていれば、きっと大丈夫!
大切なのは、入学までに「できた!」という小さな成功体験を積み重ね、親子で「小学校、楽しみだね!」と前向きな気持ちでその日を迎えることです。
焦らず、比べず、お子さんのペースを信じて、残りの園生活を楽しみながら、できることから少しずつ準備を進めていきましょうね。あなたの温かいサポートが、お子さんの大きな力になります!
年長さんのママパパ、入学準備、何から始めていますか? 「これはやっておいて良かった!」という習慣や、「こんなことで悩んでいます…」ということなど、ぜひコメントで教えてください!
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次回の記事もお楽しみに!
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