「わぁ、今日のお洋服、可愛いね!」
「テストで100点取ったの? さすが、頭いいね!」
「かけっこ一番だったんだ! 足が速いね!」
…お子さんを褒める時、つい、目に見える「外見」や、分かりやすい「結果」「能力」ばかりに注目してしまっていませんか?
もちろん、それらを褒めることも、時には子どもの喜びや自信に繋がります。でも、もし、お子さんの”内面”にある素敵な輝きにもっと目を向け、それを言葉にして伝えることができたら…?
こんにちは!湘南で子育て中の、3姉妹の母で現役看護師、「こそだて部」の皐月です。
私も、ついつい娘たちの「できたこと」や、分かりやすい頑張りを褒めてしまいがち。でも、本当に育てたい、伸ばしてあげたいと願うのは、テストの点数や足の速さだけではない、その子の「心のあり方」や「人としての魅力」だったりしますよね。
今回の「#ワンポイント育児」では、
- なぜ「内面(性格や価値観)」を具体的に褒めることが、子どもの成長に不可欠なのか?
- 我が子の”キラリと光る内面”を見つけるヒント
- 心に深く響く!「素敵な内面」の伝え方【具体例4パターン】
について、ポジティブ心理学の考え方や、看護師として日々感じる「その人らしさ」の大切さ、そして我が家のエピソードも交えながら、お伝えしていきます。
この記事が、お子さんの揺るぎない自己肯定感と、豊かな心を育むための、温かいヒントになれば嬉しいです。
なぜ「内面」を褒めることが、これほど大切なの?
「優しいね」「頑張り屋さんだね」「正直だね」…こうした内面の「良いところ」を具体的に言葉にして伝えることには、私たちが思う以上に、大きな意味があります。
1. ”ありのままの自分”への肯定感【揺るぎない自己肯定感】
外見や能力、達成した結果は、時と場合によって変わったり、他人と比較されたりしやすいもの。でも、「優しさ」「誠実さ」「粘り強さ」といった内面的な資質は、その子自身の核となる部分です。そこを認め、褒められることで、子どもは「何かができてもできなくても、自分は価値のある存在なんだ」と、外部の評価に左右されない、安定した自己肯定感を育むことができます。
2. ”望ましい行動”を強化する【道徳心・社会性の育成】
「弟に優しくしてくれて、ありがとう。あなたのそういう思いやり、素敵だね」と伝えられれば、子どもは「優しくすることは、良いことなんだ」「喜ばれることなんだ」と学び、その行動をまたしようという気持ちになります。良い行いを具体的に認め、価値づけることで、子どもの道徳心や社会性を自然な形で育むことができます。
3. 自分の”良いところ”に気づくキッカケ【自己理解】
子どもは、必ずしも自分の長所や良いところを自覚しているわけではありません。「〇〇ちゃんの、諦めないで最後まで頑張るところ、ママはすごいと思うよ」のように、親が具体的な言葉で「あなたのこういうところが素晴らしい」と伝えてあげることで、子どもは「自分には、そういう良い面があるんだ!」と客観的に認識し、ポジティブな自己イメージを築くことができます。
4. ”結果が出ない時”の心の支えになる【レジリエンス】
たとえテストで失敗しても、試合に負けても、「でも、あなたは最後まで諦めなかったよね」「正直に結果を話してくれてありがとう」のように、その過程での内面的な強さや誠実さを認めてもらえていれば、子どもは結果だけに左右されず、自分の価値を信じ続けることができます。これが、困難から立ち直る力(レジリエンス)の源泉となるのです。(→「失敗しても大丈夫!」の記事も参考に!)
皐月’s Point: ポジティブ心理学では、「強み(Character Strengths)」に注目し、それを活かすことが幸福感に繋がるとされています。子どもの内面にある「強み」を見つけ、それを言葉で伝えてあげることは、まさに子どもの幸福感を育む関わりと言えるでしょう。また、看護師としても、病気という困難な状況にある患者さんの「その人らしい強さ」(例:ユーモア、忍耐力、他者への配慮など)に光を当て、それを言葉で伝えることが、ご本人の回復力を引き出す上で非常に重要だと感じています。
我が子の”キラリと光る内面”を見つけるヒント
「うちの子の良いところ…もちろんあるけど、具体的にどう見つければ?」
大丈夫、特別なことではありません。日常の中に、ヒントはたくさん隠れています。
- 「当たり前」と思っている行動に注目する:
- 毎日の挨拶、脱いだ靴を揃える、弟や妹の面倒を見る、困っている友達に声をかける…普段、見過ごしがちな、でも大切な行動の中に、優しさや責任感が表れていませんか?
- 「結果」だけでなく「プロセス」を見る:
- なかなか上手くいかなくても、一生懸命に取り組んでいる姿勢、工夫している様子、粘り強く頑張っている姿。そこに、その子の素晴らしい資質(努力家、粘り強い、工夫好きなど)が見えませんか?(→「プロセス褒め」の記事も参考に!)
- 「言葉」だけでなく「表情」や「態度」も観察する:
- 友達の成功を心から喜んでいる表情、困っている人にそっと寄り添う態度、約束を真剣な眼差しで守ろうとする姿…言葉にならない部分にも、素敵な内面は表れます。
- 「他の人」からの評判にも耳を傾ける:
- 先生からの連絡帳、祖父母からの話、他の親御さんからの言葉の中に、「〇〇ちゃん、いつも優しいんですよ」「すごく頑張り屋さんですね」といった、自分では気づかなかった子どもの一面が見つかることも。
実践!”内面”を伝える温かい言葉かけ【具体例4パターン】
見つけた「素敵な内面」を、どう言葉にして伝えれば、子どもの心に響くのでしょうか? 具体的な4つのパターンをご紹介します。
パターン1:具体的な”行動”+”素敵な内面”
これが一番伝えやすい基本形!
- 例:
- 「(弟に)おもちゃを貸してあげたんだね。〇〇ちゃんのそういう【優しい】ところ、素敵だな」
- 「転んだけど、泣かずに立ち上がったね!△△くんのそういう【強い】ところ、すごいよ」
- 「難しい宿題、最後まで諦めずに終わらせたんだね。□□ちゃんの【粘り強い】ところ、ママは尊敬するな」
パターン2:努力や工夫を”内面の力”として表現
目に見える結果だけでなく、その裏にある力を認めます。
- 例:
- 「この絵、すごく色使いが独創的だね!〇〇ちゃんの【豊かな発想力】が表れてる!」
- 「みんなのために、率先してリーダー役をやってくれたんだね。そういう【責任感】、素晴らしいと思う」
- 「なかなか上手くいかなくても、『次はこうしてみよう!』って【前向きに考えられる】ところが、△△くんのすごいところだよ」
パターン3:”気持ち”に寄り添い、”心の強さ”を伝える
困難な状況で見せた、心の動きや強さに焦点を当てます。
- 例:
- 「悔しい気持ちをぐっとこらえて、相手に『ごめんね』って言えたんだね。自分の気持ちをコントロールできたのは、すごい【心の強さ】だよ」
- 「本当は嫌だったかもしれないけど、正直に話してくれてありがとう。その【誠実さ】が嬉しいな」
- 「大勢の前で発表するの、緊張したと思うけど、よく【勇気】を出したね!」
パターン4:日常の”存在”そのものへの感謝と肯定
特別なことでなくても、その子の存在自体が素晴らしい、と伝えます。
- 例:
- 「〇〇ちゃんが笑顔でいてくれるだけで、家の中がパッと明るくなるよ。いつもありがとうね」
- 「あなたの面白いお話を聞いていると、ママも元気が出るんだ」
- 「あなたが一生懸命頑張っている姿を見ると、私も頑張ろうって思えるよ」
- (→「大好きだよ」の記事も参考に![※内部リンク想定])
【ポイント】
大切なのは、具体的に、そして心を込めて伝えること。「すごいね」の一言で片付けず、「あなたのここが、こんな風に素敵だよ」と、しっかり言葉にして届けてあげましょう。
皐月のリアル体験談:三女の”優しさ”を見つけた日
我が家の三女は、おてんばで自己主張も強いタイプ。どちらかというと、「優しい」というより「パワフル!」という印象でした(笑)。
でもある日、公園で、他のお子さんが転んで泣いていた時、三女がさっと駆け寄って、「大丈夫?」と声をかけ、ティッシュを差し出しているのを見かけました。普段の彼女からは少し意外な行動で、私は胸がじーんとなりました。
その帰り道、「さっき、転んでた子に『大丈夫?』って声かけてあげてたね。〇〇(三女の名前)の、そういう【困っている子にすぐ気づいて、優しくできるところ】、ママ、すごく素敵だなって思ったよ。嬉しかったな」と、具体的に伝えました。
三女は、少し照れたような、でも、とても誇らしそうな顔をしていました。その日以来、彼女の「優しさ」の側面に、私もより意識的に目を向け、言葉にして伝えるようにしています。きっと、彼女自身の「自分って、優しいところもあるんだ」という自信に繋がってくれている…と信じています。
まとめ:「あなたは素晴らしい」というメッセージを、具体的に届けよう
「可愛いね」「頭いいね」「足が速いね」…
もちろん、そんな褒め言葉も嬉しいものです。でも、それ以上に、子どもの心を深く、そして永く支えるのは、
「あなたの【優しい】ところが好きだよ」
「あなたの【諦めない】ところが素晴らしいね」
「あなたの【正直さ】を尊敬するよ」
といった、その子の”内面”に向けられた、具体的で温かい承認の言葉です。
それは、「あなたは、あなたのままで、素晴らしい存在なんだよ」という、何よりも力強いメッセージ。
ぜひ、日常の中で、お子さんの”キラリと光る素敵な内面”を見つける「宝探し」をしてみてください。そして、見つけたら、惜しみなく、具体的な言葉にして伝えてあげてくださいね。
あなたのお子さんの、どんな「素敵な内面」を、最近発見しましたか? どんな言葉で伝えていますか? ぜひコメントで、あなたの「宝物」エピソードを教えてください!
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次回の「#ワンポイント育児」もお楽しみに!
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