「老害」と呼ばれる原因 – あなたの「当たり前」が、周囲を困らせ、そして自身を「老害」にしてしまう

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「最近の若い者は、言われたことしかやらない」「自分で考えて動けない」「成長が遅い」

そんな嘆きを、よく耳にします。

「それに比べて、自分たちの若い頃は…」

そう思った経験、あなたにもあるのではないでしょうか。

しかし、あなたが「正しい」と思ってやってきたことが、実は「老害」と呼ばれる原因になっているとしたら…?

前回の記事では、「見て覚えろ」方式、いわゆる「五十六方式」が有効だった時代背景と、現代社会とのギャップについて解説しました。

「見て覚えろ」方式は、人材育成の「入口」であり、「一部」でしかないのです。

しかし、それを「全て」と勘違いしたまま、現代を過ごしてしまうと、意図せず「老害」と呼ばれてしまうのです。

今回は、「老害」と呼ばれる原因をさらに深掘りし、あなたの「当たり前」が、周囲にどのような影響を与え、そして、自身を「老害」にしてしまっているのか、そのメカニズムを明らかにします。

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「老害」は、年齢や性別ではない。あなた自身の「他者への関わり方」が「老害」を決める。

「老害」という言葉は、非常にネガティブな響きを持った言葉であり、この言葉によって、傷ついた方も大勢いることでしょう。

しかし、まずは、この言葉の持つ意味を、正確に理解する必要があります。

この「老害」という言葉を分解すると、「老」は年齢を、「害」は文字通り「害」を、それぞれ意味しています。

では、「老」つまり、齢を重ねる事は、「害」なのでしょうか?

そんな事は、決して無いはずです。

つまり、「老害」とは、年齢や性別によって決まるものではなく、あなた自身の「他者への関わり方」によって決まるのです。

そして、あなた自身の「他者への関わり方」を決めているのは、紛れもない、**あなた自身の「当たり前」**なのです。

「老害」を生む、5つの「当たり前」

「見て覚えろ」方式で育ってきた、私たち、40代、50代の多くは、以下のような「当たり前」を持っています。

しかし、これらの「当たり前」は、現代社会においては「老害」と呼ばれる原因となる可能性があります。

1. 「教えなくても、見て覚えるのが当たり前」

自分自身が「見て覚えろ」で育ってきたため、部下にも同じ方法を強要してしまう。

しかし、現代の若者は、「見て覚える」だけでは、なかなか成長できません。

そもそも「見て覚える」事ができるのは、一握りの天才だけです。

「見て覚える」事ができる天才は、見えない所で、試行錯誤を繰り返しています。

そして、試行錯誤を繰り返し、「失敗」から多くを学び、「成功」へと繋げているのです。

しかし、この試行錯誤を「見る」事は出来ません。

だからこそ、「見て覚える」なのです。

当然、「見て覚える」事が出来ない人の方が多いのです。

あなたが「見て覚える」事が出来た、一握りの天才だったからといって、現代の若者にそれを強要してはいけません。

現代の若者には、現代の若者に適した「教え方」があるのです。

その「教え方」を知らない、教えようとしない、それこそが、若者の成長を阻害し、あなたを「老害」と化してしまうのです。

2. 「言われたことを、忠実にやるのが当たり前」

「五十六方式」で育ったあなたは、上司の指示に忠実に従うことを「良し」とされてきました。

しかし、現代は「絶対的な正解」の無い時代です。

上司の指示が、常に正しいとは限りません。

それどころか、間違っている事もあるでしょう。

「言われたことだけをやる」人材は、現代においては「指示待ち」と評価され、決して重宝がられる事はありません。

「言われたことだけをやる」人材は、「言われたことしかやらない」人材なのです。

そんな「言われたことしかやらない」人材に、価値は無くなってきているのです。

3. 「経験則こそ、全てにおいて正しい」

長年の経験に基づく「経験則」は、もちろん重要です。

しかし、過去の成功体験に固執し、新しいやり方を受け入れない姿勢は、周囲の成長を阻害します。

それどころか、あなた自身の成長をも阻害してしまうのです。

「経験則」は、日々アップデートしなければなりません。

そのためには、あなたの「経験則」を、一度疑ってみる事も必要です。

「経験則」に固執し、アップデートを怠る事は、あなたを「老害」と化してしまいます。

4. 「分からないことがあったら、自分で調べるのが当たり前」

確かに、自分で調べる力は大切です。

しかし、「調べ方」が分からなかったり、「調べる」ための時間的余裕が無かったりするケースもあります。

そして、その「調べ方」を教える事こそが、上司の役目なのです。

「調べ方」も、時代と共に変化します。

かつては、辞書や専門書を読まなければ、辿り着けなかった情報も、今では、インターネットで検索すれば、一瞬で手に入るようになりました。

しかし、その膨大な情報の中から、必要な情報だけをピックアップする能力も必要なのです。

この能力は、一朝一夕では身に着けることは出来ません。

「分からないことがあったら、自分で調べる」事も大切ですが、その「調べ方」を教える事も重要なのです。

「調べ方」を教えず、「自分で調べろ」だけでは、あなた自身が「老害」と化してしまうのです。

5. 「自分の経験や知識は、苦労して手に入れたものだから、簡単に教えたくない」

「見て覚えろ」方式で育ってきたあなたは、経験や知識を「秘匿」する傾向にあります。

しかし、それでは「経験」や「知識」は、あなた一代で途絶えてしまいます。

それでは、あまりにも、もったいない。

あなたの「経験」や「知識」は、現代においても活用できる、強力な「武器」なのです。

ただ、「武器」のままでは、宝の持ち腐れです。

その「武器」を、「共有」する事で、あなたの「武器」は、より強力な「武器」へと、アップデートできるのです。

これらの「当たり前」は、あなた自身を「老害」と化すだけでなく、周囲、特に若手の成長を阻害し、組織全体の活力を奪うことにもつながります。

「老害」から脱却するために

では、どうすれば「老害」から脱却できるのでしょうか?

その答えは、「あなたの、他者への関わり方」 にあります。

これまで述べてきたように、「老害」とは、年齢や性別によって決まるのではありません。

あなた自身の「他者への関わり方」が、「老害」と化してしまうのです。

ならば、「他者への関わり方」を変えれば良いのです。

「他者への関わり方」を変える事で、「老害」から脱却できるのです。

「他者への関わり方」を変える為には、まず、あなた自身の「考え方」を変える必要があります。

「老害」から脱却するための一歩は、あなた自身の「考え方」を変える事から始まるのです。

具体的な方法については、次回の記事で詳しく解説します。

一緒に、「老害」のレッテルを剥がし、再び輝くための道を歩んでいきましょう!


注釈:

  • 山本五十六…大日本帝国海軍の軍人。最終階級は元帥海軍大将。
  • 五十六方式…山本五十六の言葉に代表されるような、かつての日本企業で主流だった育成方法を指す、このブログシリーズ内での造語。

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