胸が痛い…子どもの「どうせ私なんて」自信を育み、自己肯定感を高める親の寄り添い方

boy in white v neck shirt こそだて部
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「どうせ僕なんて、何やってもダメなんだ…」
「私なんか、いてもいなくても同じでしょ…」

…ポツリと呟かれた、我が子のそんな言葉に、ママの心臓がドキン!とした経験、ありませんか?
笑顔が消え、うつむく姿を見ると、「どうしてそんな風に思うの!?」「何かあったの?」と、心配と不安で胸が張り裂けそうになりますよね。

ママ、パパ、そのお気持ち、痛いほど分かります。
3姉妹の母で現役看護師、「こそだて部」の皐月です。

私も、娘がふとした瞬間に自信なさげな言葉を口にした時、思わず「そんなことない!あなたはすごい子だよ!」って、必死で打ち消そうとしたことが何度もあります。でも、その言葉だけでは、なかなか子どもの心には届かないんですよね…。むしろ、余計に心を閉ざしてしまうことさえありました。

子どもの「どうせ私なんて…」という言葉は、心の奥底からのSOSサイン。そのサインを見逃さず、表面的な励ましではなく、心の根っこから安心感と自信を育ててあげることが、何よりも大切です。

今日は、

  • なぜ子どもは「どうせ私なんて」と思ってしまうのか?その背景
  • 良かれと思って逆効果!?心をさらに閉ざすNG対応
  • 子どもの自己肯定感を育む【魔法の関わり方5つの処方箋】
  • 日々の積み重ねこそが、自信という名の「筋肉」を育てる

について、現役看護師として学んだ心の健康の大切さや、心理学の知見も踏まえながら、私の経験と反省を込めて、具体的にお伝えしていきます。

この記事が、「自分は大切な存在なんだ」とお子さんが心から思えるようになる、そのための温かいヒントとなれば嬉しいです。

なぜ?「どうせ私なんて」言葉の裏にある子どもの心の内【ママナースが読み解く】

子どもが自分を否定するような言葉を口にする時、その背景には様々な要因が絡み合っていることがあります。

  • 理由1:周りと比べてしまう(比較による劣等感)
    兄弟姉妹や友達と自分を比べて、「自分は〇〇ちゃんよりできない」「みんなはすごいのに自分は…」と感じてしまう。特に、競争意識が芽生える学童期以降に多く見られるかもしれません。
  • 理由2:失敗体験や否定的な言葉の積み重ね
    過去に挑戦してうまくいかなかった経験や、周りから(悪気なくとも)否定的な言葉をかけられた経験が、「やっぱり自分はダメなんだ」という思い込みを強化してしまう。
  • 理由3:完璧主義の罠
    「100点でなければ意味がない」「少しでも失敗したら全部ダメだ」という思考パターンに陥り、自分の欠点ばかりが目についてしまう。
  • 理由4:自己肯定感を育む環境の不足
    ありのままの自分を受け止めてもらえる、安心できる環境が不足していると感じている場合。頑張らないと認めてもらえない、と感じているのかも。
  • 理由5:一時的な気分の落ち込みやストレス
    何か嫌なことがあった、疲れているなど、一時的な要因でネガティブ思考になっている場合もあります。
  • 理由6:(まれに)発達の特性や心の問題
    (これは慎重な見極めが必要ですが)学習面での困難さが自己評価を下げていたり、強い不安や抑うつ気分が背景にある可能性もゼロではありません。

これらの背景を理解しようとすることが、適切な関わり方の第一歩。「どうしてそんなこと言うの!」と問い詰めるのではなく、「どんな気持ちでいるのかな?」と、子どもの心の内側にそっと耳を傾ける姿勢が大切です。

逆効果!子どもの心をさらに閉ざすNG対応

我が子のネガティブな言葉を聞くと、親は動揺し、何とかしてあげたい!と思いますよね。でも、焦りからくるこんな対応は、逆効果になることも…。

  • 「そんなことないよ!」と即座に否定する: 子どもの「そう感じている気持ち」そのものを否定することになり、「分かってくれない」と心を閉ざします。
  • 「もっと自信持ちなさい!」と励ます: 自信は「持とう」と思って持てるものではありません。プレッシャーを与えるだけになることも。
  • 「〇〇ちゃんよりマシだよ」と他人と比較して慰める: 比較で自信をつけるのは不安定。根本的な解決になりません。
  • 原因を問い詰める: 「誰かに何か言われたの!?」「何があったの!?」と質問攻めにすると、子どもは責められているように感じてしまいます。
  • 過剰に同情する: 「なんてかわいそうなの…」という態度は、子どもを「自分は弱い存在なんだ」と思わせてしまう可能性も。

大切なのは、まず子どもの気持ちを受け止め、安心させること。そして、根拠のない励ましではなく、具体的な関わりを通して、じっくりと自己肯定感を育んでいくことです。

「あなたは大切な存在だよ」を伝える魔法の関わり方【5つの処方箋】

子どもの心に「自分は価値があるんだ」という感覚を育むには、特効薬はありません。日々の小さな関わりの積み重ねこそが、何よりの「処方箋」になります。

処方箋1:まずは気持ちを”そのまま”受け止める【共感と受容】

どんなネガティブな言葉も、まずはジャッジせず、「そう感じているんだね」と受け止めましょう。

  • 声かけ例:
    • 「そっか、今は『どうせ私なんて』って思っちゃうくらい、悲しい(辛い)気持ちなんだね」
    • 「何か自信をなくすようなことがあったのかな?」
    • 「そんな風に感じさせてしまって、ママ(パパ)も悲しいな」
    • (言葉が出なければ)ただ黙って隣に座り、背中をさするなど、温かい存在感を示す。
  • ポイント:
    • 否定しない、評価しない。ただ、その気持ちに寄り添う。
    • 「どんな気持ちでいても、あなたはここにいていいんだよ」というメッセージを伝える。

安心できる場所で、自分のネガティブな感情も受け止めてもらえた、と感じることが、回復へのスタートラインです。

処方箋2:「存在そのもの」への無条件の肯定を伝える【存在承認】

「〇〇ができたからすごい」ではなく、「あなたがあなたであること」自体が素晴らしい、というメッセージを伝え続けましょう。

  • 声かけ例:
    • 「ママ(パパ)は、〇〇ちゃん(くん)が、ただ、こうしてそばにいてくれるだけで、本当に幸せなんだよ」
    • 「あなたが生まれてきてくれて、本当に嬉しい」
    • 「結果がどうであれ、あなたの価値は何も変わらないよ。あなたは大切な宝物だよ」
    • (日常的に)理由なくハグをする、名前を優しく呼ぶ。
  • ポイント:
    • 条件付きの愛情ではなく、無条件の愛情を示す。(心理学者カール・ロジャーズの言う「無条件の肯定的関心」に近い考え方です)
    • 言葉と態度で、存在そのものを肯定するメッセージを繰り返し伝える。

これが自己肯定感の最も重要な土台となります。

処方箋3:小さな「できた!」や「良いところ」を具体的に見つけて伝える【強みの発見】

ネガティブ思考に陥ると、自分の良いところが見えなくなりがち。親が「鏡」になって、具体的に映し出してあげましょう。

  • 声かけ例:
    • 「この前の〇〇の時、諦めずに最後まで頑張ってたね!すごい集中力だったよ」
    • 「いつも弟(妹)に優しくしてくれて、ありがとう。あなたのそういうところ、大好きだよ」
    • 「今日の挨拶、とても気持ちが良かったよ!」
    • 「絵の、この色の使い方がすごく素敵だね」
  • ポイント:
    • 結果だけでなく、努力のプロセス、日々の行動、その子ならではの個性や感性に注目する。
    • 具体的に、心を込めて伝える。(「すごいね」連発ではなく)
    • (できれば)感謝の言葉「ありがとう」「助かるよ」も効果的。

「自分にも良いところがあるんだ」「誰かの役に立っているんだ」という感覚が、自信に繋がります。

処方箋4:ネガティブ思考に”寄り添いながら”別の視点を提案する【リフレーミング支援】

頭ごなしに否定せず、一緒に考えながら、少し違う見方を提示してみましょう。

  • 声かけ例:
    • (「どうせ失敗するし…」に対して)「そっか、失敗するかもって不安なんだね。でも、もし挑戦したら、何か学べることもあるかもしれないね?」
    • (「私なんかいても意味ない」に対して)「そう感じちゃうんだね…。でも、〇〇ちゃんがいると、ママはすごく嬉しいし、△△ちゃんも楽しそうだよ?」
    • (「全部ダメだった」に対して)「そっか、残念だったね。でも、全部がダメだったかな? △△の部分は、すごく良かったと思うんだけど、どう思う?」
  • ポイント:
    • まず気持ちを受け止めてから、穏やかに提案する。
    • 「でも」「だって」ではなく、「〇〇なんだね。一方で、こういう見方もできるかもね?」というニュアンスで。
    • 子ども自身が「確かにそうかも…」と気づけるように、問いかける。

認知行動療法的なアプローチですが、専門家でなくても、寄り添いながら視点を広げる手伝いはできます。

処方箋5:「失敗しても大丈夫」な環境と経験を【安心感の提供】

言葉だけでなく、「失敗しても、あなたは受け止められる」という安心感を、日々の経験を通して伝えていくことが大切です。

  • 関わり方の例:
    • 結果を過度に重視せず、挑戦したこと自体を称賛する文化を家庭内に作る。(過去記事も参考に!)
    • 親自身が自分の失敗談をオープンに話したり、失敗から学ぶ姿を見せたりする。
    • 子どもが安心して甘えたり、弱音を吐いたりできる雰囲気を作る。
    • 過干渉や過度な期待を避け、子どものペースを尊重する。
  • ポイント:
    • 家庭が「安全基地」であること。
    • ありのままの自分を出しても大丈夫だと、体験を通して学んでいく。

この安心感が、外の世界で挑戦する勇気の源になります。

「自己肯定感」は日々の積み重ねで育つ筋肉!

子どもの自己肯定感は、一朝一夕に高まるものではありません。まるで筋肉を育てるように、毎日の小さな関わり、温かい言葉かけ、安心できる環境といった「栄養」と「トレーニング」によって、少しずつ、確実に育まれていくものです。

焦らず、諦めず、根気強く。
「どうせ私なんて…」という言葉が、少しずつ減っていくことを信じて、関わりを続けていきましょう。

我が家の「どうせ…」言葉と向き合った日々のこと

我が家の三姉妹も、それぞれに自信をなくす瞬間がありました。特に真ん中の子は、お姉ちゃんと比べたり、友達関係で悩んだりして、「どうせ私なんか…」と呟くことが何度かありました。

そのたびに、私も胸が痛み、「大丈夫だよ!」と励ましたり、良いところを具体的に伝えたり(処方箋3)、ただ黙って話を聞いたり(処方箋1)、彼女がいてくれるだけで嬉しいと伝え続けたり(処方箋2)…。正直、すぐに効果が見えるわけではありませんでした。

でも、根気強く「あなたはあなたのままで素晴らしいんだよ」というメッセージを伝え続けたこと、そして、彼女が頑張ったことや、彼女の優しさ、ユニークな発想などを、具体的に言葉にして認め続けたことで、少しずつですが、彼女の中から「どうせ…」という言葉が減っていったように感じます。

時間はかかりましたが、自己肯定感の「筋肉」が、少しずつ育ってくれたのかな、と思っています。

まとめ:「あなたは、あなたのままで素晴らしい」を伝え続けよう

子どもの「どうせ私なんて…」という言葉は、親にとって最も聞きたくない言葉の一つかもしれません。でも、それは子どもが「助けて!」「私を見て!」と発している、大切なサイン

そのサインを見逃さず、

  1. 気持ちを受け止め
  2. 存在を肯定し
  3. 良いところを見つけ
  4. 別の視点を提案し
  5. 安心できる環境を作る

この5つの処方箋を、日々の生活の中で、愛情込めて、根気強く実践していくこと。
それが、お子さんの心に「自分は価値のある、大切な存在なんだ」という、揺るぎない土台を築くことに繋がります。

あなたの温かい眼差しと、心からの言葉が、お子さんの未来を照らす光となることを信じています。

「うちの子の自己肯定感を育むために、こんな工夫をしています」「こんな言葉が響いたようです」など、あなたの経験やアイデアも、ぜひコメントで教えてくださいね。

この記事が、自信をなくしかけているお子さんと、それを支えるあなたの力に、少しでもなれたら嬉しいです。参考になったら、いいね!やシェアをお願いします。


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