「うち、狭いアパートだから、赤ちゃんがハイハイするスペースなんてない…」
「思う存分、動き回らせてあげたいけど、危ないものだらけで、目が離せない…」

ずりばいやハイハイが始まり、赤ちゃんの行動範囲がぐんぐん広がっていく時期。その成長は、この上なく喜ばしいものですが、同時に、住環境に悩むママ・パパは少なくありません。

特に、賃貸のアパートやマンションでは、スペースも限られており、「どうやって、安全な環境を確保すればいいの?」と、頭を抱えてしまいますよね。

でも、大丈夫。広いスペースや、高価なベビーグッズがなくても、ほんの少しの工夫とアイデアで、赤ちゃんの好奇心と運動能力を最大限に引き出す、最高のハイハイスペースを作ることは可能です。

この記事では、現役ママナースであり、決して広くはない住環境で3人の娘を育ててきた私が、

  • まず、何よりも先にやるべき「危険ゾーン」の徹底排除
  • 狭さを逆手に取る!好奇心をくすぐる「探検コース」の作り方
  • 賃貸でも安心!100均グッズでできる、賢い安全対策

を、具体的にお伝えします。

この記事を読めば、「うちには無理」という諦めが、「これならできる!」という自信に変わります。そして、赤ちゃんが、目を輝かせながら、安全な環境でのびのびと成長していく姿を、笑顔で見守れるようになりますよ。

まずは「引き算」から。ハイハイスペース作りの絶対原則

スペース作りの第一歩は、「足し算」ではなく**「引き算」**です。つまり、魅力的なおもちゃを置く前に、まずは、赤ちゃんにとって危険なものを、徹底的に排除することから始めます。

レベル1:床の上にある、全てのものを片付ける

当たり前のようですが、これが基本の「き」。床に直置きしている、観葉植物、ゴミ箱、カバン、雑誌などを、全て、赤ちゃんの手が届かない高い場所へ移動させます。床が見えるだけで、部屋は驚くほど広くなります。

レベル2:低い棚や、引き出しの中身を総点検

赤ちゃんは、大人が思いもよらない扉や引き出しを、いとも簡単に開けてしまいます。テレビ台のDVD、棚の中の化粧品や薬、文房具など、口に入れると危険なものは、全て、鍵付きの棚や、手が届かない上段へ移動させましょう。

レベル3:コンセントとコード類を、完全に隠す

コンセントの差し込み口は、赤ちゃんにとって、格好の「探求の的」です。全ての使っていないコンセントに、コンセントカバーを装着しましょう。また、スマホの充電コードや、家電のコード類は、赤ちゃんが引っ張って、上のものを落とす危険があります。ケーブルボックスに収納したり、壁に沿って、ケーブルカバーで固定したりして、完全に隠してください。

狭さを逆手に!好奇心をくすぐる「探検コース」の作り方

安全なスペースが確保できたら、次はいよいよ、赤ちゃんの「探検したい!」という気持ちを刺激するコース作りです。

1. ジョイントマットで、快適なハイハイロードを

フローリングは、滑りやすく、転倒時に頭を打つ危険があります。また、階下への騒音も気になりますよね。部屋の一角に、ジョイントマットを敷き詰めるだけで、安全で快適なハイハイ専用ロードが完成します。汚れた部分だけを外して洗えるので、衛生的です。

2. トンネルや、段差で、立体的な動きを引き出す

広いだけの空間よりも、少し障害物がある方が、赤ちゃんの好奇心や、体の使い方を学ぶ意欲を刺激します。

  • 段ボールトンネル: 大きめの段ボールの底を抜くだけで、立派なトンネルになります。
  • クッショントンネル: ソファのクッションを2つ並べて、上に布をかけるだけでもOK。
  • 座布団の山: 使わない座布団や、クッションを重ねて、ちょっとした山を作ってあげましょう。乗り越えようとすることで、全身の筋肉が鍛えられます。

3. 「触って楽しい」仕掛けを、壁に作る

床のスペースが限られているなら、を有効活用しましょう。赤ちゃんが座ったり、つかまり立ちしたりした時に、ちょうど手が届く高さに、様々な感触のものを貼り付けておくのです。

  • 様々な素材の布(タオル地、サテン、フリースなど)
  • プチプチ(緩衝材)
  • キラキラ光る、ホログラムの折り紙
  • 押すと音が出る、おもちゃのスイッチ部分

これらは、100円ショップの材料と、両面テープで簡単に作れます。指先の感覚を刺激する、素晴らしい知育おもちゃになりますよ。

賃貸でもOK!100均グッズでできる賢い安全対策

  • 引き出し・扉のロック: 赤ちゃんの力では開けられない、様々なタイプのドアロックが売られています。
  • コンセントカバー: 未使用のコンセントを、完全に塞ぎます。
  • コーナーガード: 机や棚の、尖った角に貼り付け、ぶつかった時の衝撃を和らげます。透明なシリコンタイプなら、インテリアの邪魔になりません。
  • 滑り止めシート: ジョイントマットや、ラグの下に敷くことで、ズレを防ぎ、安全性を高めます。

まとめ:工夫次第で、どんな家も、最高の遊び場になる

赤ちゃんの成長にとって、大切なのは、家の広さではありません。

  • まずは、床や低い棚から、危険なものを徹底的に「引き算」する。
  • 狭さを逆手に取り、トンネルや段差で、立体的な「探検コース」を作る。
  • 100均グッズなどを活用し、賢く、安価に、安全対策を行う。

親が、愛情と工夫を凝らして作った、その安全な空間こそが、赤ちゃんにとって、世界で一番、安心できて、ワクワクする遊び場になるのです。

「うちは狭いから」と諦めずに、ぜひ、お子さんのために、世界に一つだけの、最高のハイハイスペースを作ってあげてくださいね。