はじめに:その目の充血、ただの疲れじゃないかも?
子どもが目を真っ赤に充血させていたり、しきりに目をこすっていたり、まぶたが腫れていたり…。目のトラブルは、見た目にも痛々しく、親としてはとても心配になりますよね。「様子を見ていていいの?」「眼科?小児科?どっちに行けばいいの?」と、対応に迷うことも多いのではないでしょうか。
こんにちは、ママナースのさとみです。子どもの目のトラブルは、原因によって対処法が異なります。特に、感染力が強い結膜炎などは、家庭内や園での集団感染を防ぐためにも、早期の適切な対応が重要です。
この記事では、子どもに多い目のトラブル「ものもらい」と「結膜炎」の違いや、それぞれの受診の目安、家庭でできるホームケアについて、分かりやすく解説します。
「ものもらい」と「結膜炎」、何が違うの?
まず、よく混同されがちな二つの病気の違いを知っておきましょう。
ものもらい(麦粒腫・霰粒腫)
- どんな病気? まぶたにある、汗や脂を出す腺が細菌に感染したり、詰まったりして炎症を起こす病気です。
- 主な症状: まぶたの一部が赤く腫れる、痛みやかゆみ、ゴロゴロ感がある。めやには、あまり出ないことが多いです。
- うつる? 他の人にはうつりません。
結膜炎
- どんな病気? 白目とまぶたの裏側を覆っている「結膜」が、ウイルスや細菌、アレルギーなどによって炎症を起こす病気です。
- 主な症状: 白目が真っ赤に充血する、黄色や白色のドロっとしためやにがたくさん出る、涙が出る、目をかゆがる・痛がる。
- うつる? ウイルス性や細菌性の結膜炎は、非常に感染力が強いものがあります。
**一番の大きな違いは、「めやにの量」と「白目の充血の範囲」**です。まぶたの腫れがメインなら「ものもらい」、白目全体の充血とめやにがひどい場合は「結膜炎」を疑います。
受診の目安と、何科に行けばいい?
基本的には、眼科の受診がおすすめです。専門医が、専用の機械で目の状態を詳しく診察してくれます。ただし、かかりつけの小児科でも、初期対応や診断は可能です。夜間などで眼科が開いていない場合は、まず小児科に相談しましょう。
すぐに受診すべきサイン
- 白目が真っ赤で、めやにがひどい(特に、感染力の強いウイルス性結膜炎の可能性があるため)
- 目の痛みが強い、光をまぶしがる
- 視力がおかしい、物が見えにくそうにしている
- 目に何か異物が入った可能性がある
- まぶたが大きく腫れあがり、目が開けられない
家庭でできるホームケアと注意点
医師の診察を受け、薬を処方された上で、家庭では以下のことに注意しましょう。
- 目をこすらせない: かゆみがあっても、目をこすると症状が悪化します。冷たいタオルで冷やしてあげたり、子どもの爪を短く切っておいたりしましょう。
- 点眼薬は、正しく使う: 医師の指示通り、回数と期間を守って点眼しましょう。嫌がる子どもの点眼は大変ですが、寝ている時や、好きなテレビに集中している時などを狙うと、うまくいくことがあります。
- めやには、優しく拭き取る: 湿らせた清潔なガーゼやコットンで、目頭から目尻に向かって、優しく拭き取ります。左右の目で、それぞれ別のガーゼを使いましょう。
- タオルの共用は絶対にNG: 感染性の結膜炎の場合、タオルや枕カバーなどを介して家族に感染します。患者本人専用のタオルを用意し、洗濯物も分けるのが理想です。
- 登園・登校は、医師の許可を得てから: 特に、はやり目(流行性角結膜炎)やプール熱(咽頭結膜熱)は、学校保健安全法で出席停止期間が定められています。自己判断せず、必ず医師の許可を得てから登園・登校させましょう。
まとめ:目のトラブルは、自己判断せずに専門医へ
子どもの目のトラブルは、似たような症状でも、原因によって治療法が全く異なります。「そのうち治るだろう」と自己判断せず、気になる症状があれば、早めに専門医に相談することが、子どもの目の健康を守るために最も大切なことです。