正しい知識

子どものアトピー性皮膚炎、ステロイドは怖い?ママナースが教える正しい塗り方とスキンケア

「ステロイドは怖い」その誤解が、子どもの肌を悪化させていませんか?

「うちの子、アトピーって言われたんです…」「ステロイドって、副作用が怖いって聞くし…」

子どもの肌に赤みやかゆみが出ると、親としては心配でたまらないですよね。特に「アトピー性皮膚炎」と診断されると、ステロイド外用薬の使用に抵抗を感じるママ・パパは少なくありません。インターネット上には「脱ステロイド」を謳う情報も多く、何が正しいのか分からなくなってしまうこともあるでしょう。

しかし、ステロイド外用薬は、アトピー性皮膚炎の炎症を抑えるために非常に有効な薬であり、医師の指示通りに正しく使えば、決して怖い薬ではありません。むしろ、炎症を放置することの方が、子どもの肌に大きなダメージを与え、アトピーを悪化させてしまう原因になります。

この記事では、看護師であり、二児の母でもある私が、アトピー性皮膚炎の正しい知識と、ステロイド外用薬の正しい塗り方、そして日々のスキンケアの重要性について、詳しく解説します。誤解を解き、子どもの肌を健やかに保つための第一歩を踏み出しましょう。

アトピー性皮膚炎とは?なぜステロイドが必要なの?

アトピー性皮膚炎は、皮膚のバリア機能が低下し、外部からの刺激やアレルゲンが侵入しやすくなることで、慢性的な炎症とかゆみを繰り返す病気です。かゆみで掻き壊すことで、さらにバリア機能が破壊され、炎症が悪化するという悪循環に陥ります。

ステロイド外用薬の役割

ステロイド外用薬は、この「炎症」を強力に抑える働きがあります。炎症を早期に鎮めることで、かゆみを抑え、掻き壊しを防ぎ、皮膚のバリア機能の回復を助けます。炎症が長引くと、皮膚が厚く硬くなったり、色素沈着を起こしたりする原因にもなるため、適切な時期に適切な強さのステロイドを使うことが非常に重要です。

ステロイドの副作用について

「ステロイドは怖い」というイメージは、過去に不適切な使用法(自己判断での長期使用や、強すぎるステロイドの顔への使用など)によって副作用が出た事例が広まったためと考えられます。しかし、医師の指示通りに、適切な強さのステロイドを、適切な期間使用すれば、全身性の副作用が出ることはほとんどありません。皮膚が薄くなるなどの局所的な副作用も、正しい使い方をすれば最小限に抑えられます。

ママナース直伝!ステロイド外用薬の正しい塗り方とスキンケア

1. 塗る前に手を清潔に

薬を塗る前には、石鹸で手をきれいに洗いましょう。清潔な手で塗ることで、患部に細菌が侵入するのを防ぎます。

2. 適量を守る「FTU(フィンガーチップユニット)」

薬の量は、チューブから人差し指の先端から第一関節まで出した量(約0.5g)で、大人の手のひら2枚分の広さに塗るのが目安です。これを「FTU(フィンガーチップユニット)」と呼びます。患部の広さに合わせて、このFTUを参考に量を調整しましょう。少なすぎると効果が薄く、多すぎると副作用のリスクが高まります。

3. 患部に「すり込む」ように塗る

薬は、患部に点々と置いてから、指の腹を使って優しく、しかししっかりと「すり込む」ように塗り広げましょう。皮膚の表面に薬が残っていると、効果が十分に発揮されません。テカテカするくらいが目安です。

4. 炎症が治まっても「保湿」は続ける

炎症が治まり、皮膚がきれいになっても、アトピー性皮膚炎の肌はバリア機能が低下しています。そのため、保湿剤によるスキンケアは、毎日欠かさず続けることが非常に重要です。保湿剤は、お風呂上がりなど、肌が清潔で潤っているうちに、たっぷりと塗りましょう。

5. 掻き壊しを防ぐ工夫

かゆみが強い時は、冷たいタオルで冷やしたり、掻き壊し防止のために爪を短く切ったり、ミトンや手袋を着用させたりするのも有効です。かゆみ止めの飲み薬を併用することも検討しましょう。

6. 医師の指示を厳守する

ステロイド外用薬の強さや塗る回数、期間は、医師が子どもの症状や年齢、患部の状態に合わせて慎重に判断しています。自己判断で中断したり、量を減らしたりせず、必ず医師の指示通りに使いましょう。疑問や不安があれば、遠慮なく医師や薬剤師に相談してください。

まとめ|正しい知識とケアで、アトピーと上手に付き合おう

アトピー性皮膚炎は、根気強い治療と日々のスキンケアが非常に重要な病気です。「ステロイドは怖い」という誤解にとらわれず、正しい知識を持って、適切な治療を行うことが、子どもの肌を健やかに保ち、かゆみから解放してあげるための第一歩です。

ママやパパが正しい知識を持ち、自信を持ってケアすることで、子どもも安心して治療に取り組むことができます。もし、一人で悩んでいるなら、皮膚科や小児科のアレルギー専門医に相談し、適切なアドバイスを受けてくださいね。

「場所見知り」「人見知り」どう違う?子どもの社会性を育む親の関わり方

「うちの子、場所見知り?それとも人見知り?」その違い、分かりますか?

初めての場所に行くと、ママにべったりで離れない。知らない人が近づくと、顔をうずめて泣き出してしまう。そんな子どもの姿を見て、「うちの子、場所見知り(人見知り)がひどくて…」と悩むママ・パパは多いのではないでしょうか。

「場所見知り」と「人見知り」は、どちらも子どもが成長する過程で現れる自然な行動ですが、その意味合いや、親の関わり方は少し異なります。これらの行動は、子どもが周囲の環境や他者を認識し、安全かどうかを判断する力が育っている証拠でもあります。

この記事では、看護師であり、二児の母でもある私が、「場所見知り」と「人見知り」の違いを明確にし、それぞれの状況で子どもの社会性をぐんぐん育むための「親の関わり方」について、詳しく解説します。子どもの不安な気持ちに寄り添いながら、社会への一歩を応援してあげましょう。

「場所見知り」と「人見知り」の違い

場所見知り

  • 時期: 生後6ヶ月頃から現れることが多い。
  • 特徴: 見慣れない場所や環境に対して、不安や警戒心を示す行動。例えば、初めての児童館で泣き出す、いつもと違う部屋で落ち着かない、など。
  • 心理: 「ここは安全な場所かな?」「いつもと違うから不安だな」という、環境の変化に対する警戒心や不安の表れです。

人見知り

  • 時期: 生後7〜8ヶ月頃から現れることが多い。
  • 特徴: 見慣れない人(特に親以外の大人)に対して、泣いたり、親の後ろに隠れたり、目を合わせようとしなかったりする行動。親と他者を区別できるようになった証拠です。
  • 心理: 「この人は誰だろう?」「ママ(パパ)じゃないから不安だな」という、親への愛着が形成され、他者への警戒心が芽生えた証拠です。

ママナース直伝!子どもの社会性を育む親の関わり方

【場所見知り】安心できる「基地」を作ってあげよう

  1. まずは親が安心する:
    • 親が不安な表情をしていると、子どもも不安になります。「ここは楽しい場所だよ」という気持ちを、親が態度で示しましょう。
  2. 抱っこで安心感を:
    • 新しい場所に着いたら、まずは抱っこして、安心できる「基地」を作ってあげましょう。親の温もりを感じることで、子どもは落ち着きを取り戻しやすくなります。
  3. 少しずつ慣れさせる:
    • すぐに遊びに誘うのではなく、まずは抱っこしたまま周囲をゆっくり見渡したり、親が楽しそうに遊んでいる姿を見せたりして、少しずつ環境に慣れさせましょう。
  4. お気に入りのおもちゃを持参:
    • 普段使い慣れているおもちゃやタオルなどを持参すると、安心材料になります。

【人見知り】無理強いせず、子どものペースを尊重

  1. 無理に抱っこさせない:
    • 「ほら、〇〇おばちゃんに抱っこしてもらいなさい」と、無理に知らない人に抱っこさせるのはやめましょう。子どもの不安を増幅させるだけです。
  2. 親が「安全な人」であることを示す:
    • 知らない人が近づいてきたら、親がその人と楽しそうに会話したり、笑顔で接したりする姿を見せましょう。「この人はママ(パパ)の知り合いだから安全だよ」というメッセージを伝えます。
  3. 子どものペースで距離を縮める:
    • 子どもが自分から興味を示すまで、無理に近づけようとせず、少し離れた場所から見守りましょう。子どもが「大丈夫」と感じたら、自分から近づいていきます。
  4. 「ありがとう」を伝える:
    • 子どもが人見知りをしていても、「ごめんね」と謝る必要はありません。相手には「人見知りなので、すみません」と伝え、子どもには「〇〇ちゃん、頑張ったね、ありがとう」と声をかけてあげましょう。

「場所見知り」「人見知り」は成長の証

これらの行動は、子どもが親との愛着関係をしっかりと築き、周囲の環境や他者を認識する力が育っている証拠です。つまり、**「順調に成長しているサイン」**なのです。

「うちの子、人見知りがひどくて…」と悩む必要はありません。むしろ、親との絆がしっかりしているからこそ、見慣れないものに警戒心を示すことができるのです。

まとめ|子どもの不安に寄り添い、社会への一歩を応援

「場所見知り」も「人見知り」も、子どもが社会性を育む上で通る大切なステップです。親が子どもの不安な気持ちに寄り添い、無理強いせず、安心できる環境を提供することで、子どもは少しずつ社会への一歩を踏み出せるようになります。

焦らず、子どものペースを尊重し、たくさんの愛情を注いであげてください。その温かい関わりが、子どもの自己肯定感を育み、やがては自信を持って社会と関われる大人へと成長させてくれるはずです。

子どもの「睡眠退行」とは?突然の夜泣き・寝ぐずりの原因と乗り越え方

「昨日までぐっすり寝てたのに…」突然の夜泣き・寝ぐずりに困惑していませんか?

「うちの子、夜はぐっすり寝てくれるから助かるわ〜」と、ママ友に話していた矢先、突然夜中に何度も起きるようになったり、寝かしつけに時間がかかるようになったり…。

そんな経験はありませんか?これまで順調に睡眠が取れていた赤ちゃんや子どもが、一時的に睡眠のパターンが崩れる現象を「睡眠退行」と呼びます。親としては、「何か病気かな?」「私の寝かしつけ方が悪いのかな?」と不安になったり、イライラしてしまったりすることでしょう。

しかし、睡眠退行は、子どもの成長や発達に伴って起こる、ごく自然な現象です。多くの場合、一時的なものであり、適切な対応をすることで乗り越えることができます。

この記事では、看護師であり、二児の母でもある私が、子どもの睡眠退行が起こる主な原因と、それぞれの時期に合わせた「乗り越え方」について、詳しく解説します。正しい知識を身につけ、親子の睡眠の質を取り戻しましょう!

睡眠退行とは?なぜ起こるの?

睡眠退行とは、これまで順調に睡眠が取れていた赤ちゃんや子どもが、一時的に夜泣きが増えたり、寝ぐずりがひどくなったり、昼寝の時間が短くなったりするなど、睡眠のパターンが崩れる現象のことです。これは、子どもの心身の大きな成長や発達が原因で起こることがほとんどです。

主な睡眠退行の時期と原因

  1. 生後4ヶ月頃:
    • 原因: 睡眠サイクルが大人に近づき、レム睡眠とノンレム睡眠の区別がつくようになるため。また、首すわりや寝返りなど、身体的な発達が著しい時期でもあります。
  2. 生後8〜10ヶ月頃:
    • 原因: ハイハイやつかまり立ちなど、運動能力が発達する時期。また、人見知りや分離不安が始まる時期でもあり、精神的な発達も著しいです。
  3. 1歳半頃:
    • 原因: 言葉の発達が著しく、イヤイヤ期が始まる時期。自己主張が強くなり、親とのコミュニケーションが活発になることで、興奮して寝つきが悪くなることがあります。
  4. 2歳頃:
    • 原因: トイレトレーニングの開始、保育園・幼稚園への入園など、生活環境の変化や、精神的な成長が著しい時期です。悪夢を見るようになることもあります。

ママナース直伝!睡眠退行を乗り越えるための対処法

1. 規則正しい生活リズムを保つ

  • 朝は決まった時間に起こす:
    • カーテンを開けて太陽の光を浴びさせ、体内時計をリセットしましょう。
  • 昼寝の時間を調整する:
    • 昼寝が長すぎると夜の睡眠に影響します。月齢に合わせて適切な昼寝時間を確保しましょう。
  • 寝る前のルーティンを作る:
    • 毎日同じ時間に、同じ流れで寝かしつけをすることで、「これから寝る時間だ」という意識が芽生えやすくなります。例えば、「お風呂→絵本→授乳(ミルク)→おやすみ」といった流れを決めてみましょう。

2. 日中の活動量を増やす

  • 体を動かす遊び:
    • 公園で遊んだり、お散歩したりして、日中に適度な疲れを感じさせることが、夜の深い眠りに繋がります。
  • 五感を刺激する遊び:
    • 絵本の読み聞かせ、手遊び、歌など、五感を刺激する遊びを取り入れましょう。

3. 寝室環境を整える

  • 室温・湿度:
    • 快適な室温(夏は26〜28℃、冬は20〜23℃)と湿度(50〜60%)を保ちましょう。
  • 光・音:
    • 寝る前は部屋を暗くし、静かな環境を整えましょう。テレビやスマホの光は睡眠を妨げます。

4. 親子のスキンシップを増やす

  • 抱っこや添い寝:
    • 分離不安が原因の場合は、抱っこや添い寝で安心感を与えましょう。親の温もりを感じることで、子どもは落ち着きを取り戻しやすくなります。
  • ベビーマッサージ:
    • 寝る前に優しくマッサージしてあげるのも、リラックス効果があります。

5. 親自身のストレスケアも忘れずに

睡眠退行は、親にとっても大きなストレスです。一人で抱え込まず、夫や家族、友人、地域のサポートなどを頼みましょう。完璧を目指さず、「まあ、いっか」と自分を許してあげることも大切です。

まとめ|睡眠退行は、成長の証。焦らず見守ろう

子どもの睡眠退行は、親にとっては辛い時期ですが、それは子どもが心身ともに大きく成長している証です。焦らず、子どものペースを尊重し、適切な対応をすることで、必ず乗り越えることができます。

今回ご紹介した対処法を参考に、ぜひ親子の睡眠の質を取り戻してください。そして、何よりも大切なのは、ママ・パパ自身が笑顔でいること。ママの笑顔が、子どもの最高の安心材料です。

食物アレルギー、いつから何を試す?専門医が教える離乳食の進め方とアレルギー予防

「アレルギーが怖いから…」離乳食、進め方に悩んでいませんか?

「卵はいつから?」「小麦は大丈夫?」「アレルギーが心配だから、離乳食を遅らせた方がいいの?」

食物アレルギーへの不安から、離乳食の進め方に悩むママ・パパは少なくありません。特に、アレルギー体質の子どもを持つ親にとっては、新しい食材を与えるたびに、ドキドキしてしまうことでしょう。

しかし、最新の研究では、離乳食を遅らせることが、かえって食物アレルギーの発症リスクを高める可能性があることが分かってきています。適切な時期に、適切な方法で様々な食材を経験させることが、アレルギー予防に繋がるのです。

この記事では、看護師であり、二児の母でもある私が、食物アレルギーの専門医が推奨する「離乳食の進め方」と、家庭でできる「アレルギー予防のポイント」について、詳しく解説します。不安を解消し、赤ちゃんが安心して様々な食材を経験できる食卓を築きましょう。

食物アレルギー予防の最新常識

かつては、食物アレルギーを予防するために、アレルギーを起こしやすい食材(卵、乳製品、小麦など)の摂取を遅らせる「除去食」が推奨されていました。しかし、現在では、この考え方は否定されています。

最新の考え方:早期に少量ずつ摂取

  • 適切な時期に開始:
    • 離乳食は、生後5〜6ヶ月頃から開始し、遅らせないことが推奨されています。
  • アレルギーを起こしやすい食材も早期に:
    • 卵、乳製品、小麦などのアレルギーを起こしやすい食材も、離乳食開始後、赤ちゃんの様子を見ながら、少量ずつ試していくことが推奨されています。
  • 加熱が重要:
    • 特に卵や乳製品は、十分に加熱することでアレルゲン性が低下します。固ゆで卵や、加熱した牛乳などから試しましょう。

ママナース直伝!アレルギー予防を意識した離乳食の進め方

1. 離乳食開始のサインを見逃さない

  • 首のすわりがしっかりしている。
  • 支えがあれば座れる。
  • 食べ物に興味を示す(大人が食べているのを見て口をモグモグする)。
  • スプーンを口に入れても嫌がらない。

これらのサインが見られたら、離乳食開始の準備が整った合図です。

2. 新しい食材は「少量から」「1日1種類」

  • 初めての食材は、必ず**少量(耳かき1杯程度)**から与え、1日1種類にしましょう。万が一アレルギー症状が出た場合に、どの食材が原因かを特定しやすくなります。
  • 午前中に与えるのがおすすめです。症状が出た場合に、すぐに医療機関を受診できる時間帯だからです。

3. アレルギーを起こしやすい食材の進め方

  • 卵:
    • 固ゆで卵の卵黄から少量ずつ。慣れてきたら卵白、全卵へと進めます。十分に加熱することが重要です。
  • 乳製品:
    • 加熱したヨーグルトやチーズ、牛乳を少量ずつ。牛乳は、離乳食の調理に使うのはOKですが、飲み物として与えるのは1歳以降が推奨されています。
  • 小麦:
    • うどんや食パンなど、加熱したものを少量ずつ。最初はうどんを柔らかく煮て、すり潰したものから試しましょう。

4. 症状が出た場合の対応

  • 軽度の場合:
    • 口の周りの赤み、じんましんなど。すぐに与えるのを中止し、症状が治まるか様子を見ましょう。症状が続く場合は医療機関を受診。
  • 重度の場合:
    • 呼吸困難、意識障害、全身のじんましん、嘔吐、下痢など。すぐに救急車を呼び、医療機関を受診しましょう。エピペン(自己注射薬)を処方されている場合は、迷わず使用してください。

まとめ|不安を乗り越え、食の喜びを分かち合おう

食物アレルギーは、親にとって大きな不安の種ですが、最新の知識と適切な対応で、そのリスクを減らすことができます。離乳食は、赤ちゃんが様々な食材と出会い、食の喜びを知る大切なステップです。

「アレルギーが怖いから」と過度に心配しすぎず、かかりつけの小児科医やアレルギー専門医とよく相談しながら、赤ちゃんのペースに合わせて、楽しく離乳食を進めていきましょう。

正しい知識と準備があれば、きっと赤ちゃんは、豊かな食の世界を広げていけるはずです。

カルシウムだけじゃない!子どもの骨を強くするビタミンD・Kが豊富な食材

「骨を強くするにはカルシウム!」だけでは不十分?

「牛乳を飲んで骨を強くしようね!」子どもの頃、親からそう言われた経験はありませんか?骨の健康といえば、真っ先に「カルシウム」を思い浮かべる人がほとんどでしょう。もちろん、カルシウムは骨の主要な構成成分であり、非常に重要な栄養素です。

しかし、実はカルシウムだけをたくさん摂っても、骨は強くならないことをご存知でしょうか?カルシウムが骨にしっかりと吸収され、骨の形成を助けるためには、**「ビタミンD」「ビタミンK」**という、もう2つの重要な栄養素が不可欠なのです。

これらの栄養素が不足すると、せっかく摂ったカルシウムがうまく利用されず、骨が十分に成長しない可能性があります。特に成長期の子どもにとって、骨の健康は将来の健康を左右する大切な要素です。

この記事では、看護師であり、二児の母でもある私が、子どもの骨を強くするために欠かせない「ビタミンD」と「ビタミンK」の役割と、それらが豊富に含まれる食材、そして効率よく摂取するための食事のコツについて、詳しく解説します。今日から食卓にこれらの栄養素を取り入れて、丈夫な骨を作りましょう!

骨の健康に欠かせない3つの栄養素

1. カルシウム

  • 役割: 骨や歯の主要な構成成分。骨の硬さや強度を保ちます。
  • 多く含まれる食材: 牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品、小魚(しらす、煮干しなど)、小松菜、豆腐など。

2. ビタミンD

  • 役割: カルシウムの吸収を助け、骨への沈着を促進します。骨の形成に不可欠な栄養素です。
  • 多く含まれる食材: 鮭、まぐろ、さんまなどの魚類、きのこ類(特にきくらげ、干ししいたけ)、卵黄など。
  • ポイント: 日光を浴びることで、皮膚でも合成されます。適度な日光浴も大切です。

3. ビタミンK

  • 役割: 骨のタンパク質を活性化させ、カルシウムが骨に結合するのを助けます。骨の形成を促進し、骨密度を高める働きがあります。
  • 多く含まれる食材: 納豆、ほうれん草、小松菜、ブロッコリーなどの緑黄色野菜、海藻類など。

ママナース直伝!子どもの骨を強くする食事のコツ

1. 3つの栄養素をバランス良く摂る

カルシウム、ビタミンD、ビタミンKは、それぞれが協力し合って骨の健康を支えています。どれか一つに偏るのではなく、バランス良く摂取することが重要です。

2. 組み合わせを意識する

  • カルシウム+ビタミンD:
    • 牛乳と鮭のシチュー、しらす干しと干ししいたけの混ぜご飯など。
  • カルシウム+ビタミンK:
    • 小松菜と油揚げの味噌汁、納豆とチーズのトーストなど。

3. 積極的に魚を食べよう

魚には、カルシウムだけでなく、ビタミンDも豊富に含まれています。特に、鮭やさんま、いわしなどの青魚は、DHAやEPAといった良質な脂質も摂れるのでおすすめです。

4. きのこ類を食卓に

きのこ類は、ビタミンDが豊富で、特に干ししいたけは、日光に当てることでビタミンDの量が増えます。味噌汁の具材や、炒め物など、様々な料理に活用しましょう。

5. 納豆は毎日食べよう

納豆は、ビタミンKが非常に豊富で、手軽に摂取できる優れた食材です。毎日食べる習慣をつけるのがおすすめです。

6. 適度な運動と日光浴

骨は、適度な負荷がかかることで強くなります。外で体を動かして遊ぶことや、適度な日光浴は、骨の健康を保つ上で非常に重要です。

まとめ|丈夫な骨は、一生の財産

子どもの骨は、成長期に最も大きく成長します。この時期に、カルシウムだけでなく、ビタミンDとビタミンKを意識的に摂取することで、丈夫で健康な骨の土台を作ることができます。

骨の健康は、将来の健康寿命にも大きく影響します。今回ご紹介した食材や食事のコツを参考に、ぜひ今日から食卓に取り入れてみてください。

子どもの健やかな成長を、食事の面からもしっかりとサポートしてあげましょう。

子どもの便秘薬、クセになる?種類と選び方、頼らないための生活習慣改善

「便秘薬、使い続けて大丈夫?」子どもの便秘に悩むママの不安

「うちの子、便秘がひどくて、もう何ヶ月も便秘薬を使っているんです…」「薬に頼りっぱなしで、クセにならないか心配…」

子どもの便秘は、多くの親が抱える悩みの一つです。特に、薬を使わないと排便できない状態が続くと、「このまま薬に依存してしまうのでは?」と不安になりますよね。インターネット上には「便秘薬は体に悪い」「クセになる」といった情報も多く、何が正しいのか分からなくなってしまうこともあるでしょう。

しかし、子どもの便秘を放置することは、薬を使うこと以上に、心身に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。大切なのは、便秘薬の正しい知識を持ち、適切に活用しながら、根本的な生活習慣の改善を目指すことです。

この記事では、看護師であり、二児の母でもある私が、子どもの便秘薬の種類と選び方、そして薬に頼らないための「生活習慣改善のポイント」について、詳しく解説します。不安を解消し、子どものお腹の悩みを解決してあげましょう。

子どもの便秘薬、主な種類と選び方

子どもの便秘薬は、大きく分けて「便を柔らかくする薬」と「腸の動きを促す薬」があります。医師は、子どもの年齢や便秘のタイプ、重症度に合わせて、適切な薬を処方します。

1. 便を柔らかくする薬(浸透圧性下剤)

  • 代表的な薬: ラクツロース(モニラック)、酸化マグネシウム(マグミット)など
  • 作用: 腸内の水分を増やし、便を柔らかくして排便しやすくします。腸を直接刺激しないため、比較的安全性が高く、長期的に使用されることが多いです。
  • 特徴: クセになりにくいと言われています。効果が出るまでに時間がかかることがあります。

2. 腸の動きを促す薬(刺激性下剤)

  • 代表的な薬: ピコスルファートナトリウム(ラキソベロン)、センノシドなど
  • 作用: 腸の粘膜を刺激し、腸の動きを活発にして排便を促します。
  • 特徴: 即効性がありますが、連用すると腸の動きが悪くなる「耐性」が生じたり、腹痛を伴ったりすることがあります。そのため、頓服薬として使用されることが多いです。

3. 浣腸

  • 代表的な薬: グリセリン浣腸など
  • 作用: 肛門から直接薬液を注入し、直腸を刺激して排便を促します。
  • 特徴: 即効性がありますが、あくまで一時的な対処法です。頻繁な使用は、自力で排便する力を弱める可能性があります。

「薬に頼らない」ための生活習慣改善3つのポイント

便秘薬は、あくまで便秘を解消するための「補助」です。根本的な解決には、日々の生活習慣の改善が不可欠です。

1. 食事の見直し

  • 食物繊維を積極的に:
    • 水溶性食物繊維(海藻、果物、こんにゃくなど)と不溶性食物繊維(きのこ、豆類、芋類、玄米など)をバランス良く摂りましょう。
  • 十分な水分補給:
    • 便を柔らかくするためには、水やお茶をこまめに飲むことが大切です。特に、朝起きてすぐのコップ1杯の水は、腸を刺激するのに効果的です。
  • 発酵食品を摂る:
    • ヨーグルト、味噌、納豆などの発酵食品は、腸内環境を整え、便秘の改善を助けてくれます。

2. 運動習慣

  • 体を動かす遊び:
    • 公園で走り回る、縄跳び、ダンスなど、体を動かす遊びは、腸の動きを活発にします。腹筋を使う運動は特に効果的です。
  • 「の」の字マッサージ:
    • おへその周りを、ひらがなの「の」の字を描くように優しくマッサージしてあげましょう。お風呂上がりなど、リラックスしている時に行うのがおすすめです。

3. 規則正しい排便習慣

  • 決まった時間にトイレに行く:
    • 朝食後など、毎日決まった時間にトイレに行く習慣をつけましょう。便意がなくても、座るだけでもOKです。
  • トイレの環境を整える:
    • 足がブラブラしないように、足台を置くなど、子どもが安心して排便できる環境を整えましょう。

まとめ|便秘薬は「敵」じゃない、上手に付き合おう

子どもの便秘薬は、決して「悪いもの」ではありません。適切に使うことで、便秘による苦痛を和らげ、便秘の悪循環を断ち切るための大切なツールです。

「薬に頼りたくない」という気持ちも分かりますが、無理に我慢させることで、かえって便秘を悪化させてしまうこともあります。医師の指示通りに薬を使いながら、日々の生活習慣を改善していくことが、子どもの便秘を根本から解決するための最も効果的な方法です。

もし、お子さんの便秘で悩んでいるなら、一人で抱え込まずに、かかりつけの小児科医に相談し、適切なアドバイスを受けてくださいね。

「習い事」のやめどき、どう見極める?子どものやる気を引き出す親のサポート術

「もう辞めたい…」子どもの習い事、続けるべき?辞めるべき?

「ピアノ、もう辞めたい…」「サッカー、行きたくない…」

子どもが習い事を「辞めたい」と言い出した時、あなたはどんな風に答えますか?「せっかく始めたのに」「もう少し頑張ってみたら?」と、つい引き止めてしまっていませんか?

子どもの習い事は、親の期待や、周りの情報に流されて始めてしまうことも少なくありません。しかし、子どものやる気がなくなってしまった習い事を無理に続けさせることは、子どもの自己肯定感を下げたり、習い事そのものを嫌いになってしまったりする原因にもなりかねません。

この記事では、看護師であり、二児の母でもある私が、子どもの習い事の「やめどき」をどう見極めるか、そして子どものやる気を引き出し、本当にやりたいことを見つけるための「親のサポート術」について、詳しく解説します。子どもの「好き」を大切に、才能を伸ばしてあげましょう。

なぜ子どもは習い事を「辞めたい」と言うのか?

  • 飽きてしまった:
    • 最初は興味があったけれど、練習が単調だったり、上達が感じられなかったりして、飽きてしまうことがあります。
  • 友達関係の悩み:
    • 習い事の仲間と上手くいかない、いじめられているなど、人間関係の悩みが原因の場合もあります。
  • 先生との相性:
    • 先生の教え方や性格が合わず、習い事に行くのが苦痛になっていることもあります。
  • 他のことに興味が移った:
    • 新しいことに興味が湧き、そちらに時間を費やしたいと感じている場合があります。
  • 練習が辛い、上達しない:
    • 練習が厳しすぎたり、なかなか上達せず、自信をなくしてしまったりすることがあります。
  • 親の期待が重い:
    • 親の期待に応えようと頑張りすぎて、プレッシャーを感じている場合があります。

ママナース直伝!習い事の「やめどき」見極めとサポート術

1. まずは子どもの話を「じっくり聞く」

「辞めたい」と言われたら、頭ごなしに否定せず、まずは子どもの話を最後までじっくりと聞きましょう。「どうして辞めたいの?」「何が嫌なの?」と、具体的な理由を尋ね、子どもの気持ちに寄り添うことが大切です。この時、親の意見を押し付けず、共感する姿勢を見せましょう。

2. 「一時的なもの」か「本心」かを見極める

  • 一時的なもの:
    • 練習がうまくいかなかった日、友達と喧嘩した日など、一時的な感情で「辞めたい」と言っている場合があります。そんな時は、「今日は嫌だったね。でも、明日はきっと楽しいよ」と励まし、少し様子を見てみましょう。
  • 本心:
    • 何度も繰り返し「辞めたい」と訴える、習い事に行く前になると体調が悪くなる、表情が暗いなど、明らかにストレスを感じている場合は、本心から辞めたいと思っている可能性が高いです。

3. 「目標」を再設定する

もし、子どもが「上達しないから」という理由で辞めたいと言っている場合は、目標を再設定してみましょう。「次の発表会まで頑張ってみようか」「〇〇ができるようになったら、次のステップに進もう」など、具体的な目標を設定することで、やる気が戻ることもあります。

4. 「休会」という選択肢も

すぐに辞めるのではなく、一時的に休会するという選択肢もあります。期間を決めて休むことで、子どもは習い事から離れて客観的に考えることができ、本当にやりたいことなのか、もう一度頑張りたいのかを見つめ直すことができます。

5. 親の「期待」を手放す

「せっかく始めたんだから」「元を取らなきゃ」といった親の期待が、子どもにとって大きなプレッシャーになっていることがあります。親の期待を手放し、子どもの「好き」や「楽しい」という気持ちを尊重することが大切です。

6. 新しい「興味」を応援する

もし、子どもが他のことに興味を持っている場合は、それを応援してあげましょう。習い事を辞めることは、決して「失敗」ではありません。新しいことに挑戦する「チャンス」と捉え、子どもの可能性を広げてあげましょう。

まとめ|習い事は、子どもの「好き」を育むツール

習い事は、子どもの才能を伸ばし、社会性を育むための素晴らしいツールです。しかし、それが子どもにとってストレスになってしまっては本末転倒です。

子どもの「辞めたい」というサインを見逃さず、その気持ちに寄り添い、適切に対応することで、子どもは「自分の気持ちを大切にしてもらえる」という自己肯定感を育み、本当にやりたいことを見つけることができるでしょう。

習い事の最終ゴールは、子どもが「好き」を見つけ、それを楽しんで続けられるようになること。親は、そのサポート役として、子どもの成長を温かく見守ってあげてくださいね。

子どもの「うそ」、どう対応する?叱る前に知りたい、うその裏に隠された子どもの心理

「うそつき!」と叱る前に。子どもの「うそ」は成長のサイン?

「おやつ、食べてないよ!」と、口の周りにチョコレートをつけながら言う我が子。「宿題やったよ!」と、ランドセルを開けたら真っ白なノート…。

子どもが「うそ」をついた時、あなたはどんな気持ちになりますか?「どうしてうそをつくの!」「うそつきは泥棒の始まりよ!」と、つい感情的に叱ってしまっていませんか?

しかし、子どもが「うそ」をつくのは、決して悪意からだけではありません。多くの場合、それは子どもの発達段階における自然な行動であり、その裏には様々な心理が隠されています。親がその心理を理解し、適切に対応することで、子どもは正直であることの大切さや、自分の行動に責任を持つことを学んでいきます。

この記事では、看護師であり、二児の母でもある私が、子どもの「うそ」の裏に隠された心理と、叱る前に知っておきたい「親の正しい対応術」について、詳しく解説します。子どもの成長を促し、親子の信頼関係を深めるためのヒントを見つけましょう。

子どもの「うそ」に隠された心理

子どもの「うそ」は、年齢や状況によってその意味合いが異なります。

1. 想像と現実の区別がついていない「空想のうそ」(幼児期)

  • 「おもちゃが勝手に動いたの!」「おばけが食べた!」など、現実と空想の区別がまだ曖昧な時期に見られるうそです。悪意はなく、豊かな想像力の表れでもあります。

2. 叱られるのが怖い「自己防衛のうそ」(幼児期〜小学生)

  • 「お皿を割ったのは私じゃない!」「宿題を忘れたのは先生のせい!」など、親に叱られたくない、怒られたくないという気持ちから、自分を守るためにうそをつくことがあります。

3. 注目されたい「注目欲求のうそ」(幼児期〜小学生)

  • 「今日、学校で一番になったよ!」「すごいものを見つけたんだ!」など、親や周りの人に注目されたい、褒められたいという気持ちから、話を盛ったり、作り話をしたりすることがあります。

4. 友達との関係を守りたい「仲間を守るうそ」(小学生)

  • 友達が悪いことをした時に、かばうためにうそをつくことがあります。これは、仲間意識が芽生え、社会性が育っている証拠でもあります。

ママナース直伝!子どもの「うそ」への正しい対応術

1. まずは「なぜうそをついたのか」を考える

感情的に叱る前に、なぜ子どもがうそをついたのか、その背景にある心理を考えてみましょう。叱られるのが怖かったのか、注目されたかったのか、それとも想像の世界の話なのか。子どもの気持ちに寄り添うことで、適切な対応が見えてきます。

2. 「うそはいけない」と明確に伝える

子どもの心理を理解することは大切ですが、「うそをつくことはいけない」というメッセージは、明確に伝えましょう。「うそをつくと、ママは悲しいな」「うそをつくと、誰も信じてくれなくなるよ」など、子どもの心に響く言葉で伝えましょう。

3. 叱るのではなく、「どうすればよかったか」を一緒に考える

「どうしてうそをついたの!」と問い詰めるのではなく、「本当のことを話してくれたら、ママはもっと嬉しいな」「次からはどうすればよかったと思う?」と、子ども自身に考えさせましょう。自分の行動を振り返り、改善策を考える機会を与えます。

4. 正直に話したら「褒める」

たとえ悪いことをしていても、正直に話してくれたら、「本当のことを話してくれてありがとう。正直に話してくれて嬉しいよ」と、その勇気を褒めてあげましょう。正直であることの価値を教えることが大切です。

5. 普段から「安心できる関係」を築く

子どもが「うそをつかなくても大丈夫」と思えるような、安心できる親子関係を築くことが最も重要です。普段から子どもの話をじっくり聞き、失敗しても頭ごなしに叱らない姿勢を見せることで、子どもは親に正直に話せるようになります。

6. 親自身も「うそをつかない」

「お医者さん、痛くないよ」など、子どもをなだめるための小さなうそでも、子どもは敏感に感じ取ります。親が正直な姿を見せることで、子どもも正直であることの大切さを学びます。

まとめ|「うそ」は、成長の過程で通る道

子どもの「うそ」は、親にとっては悩ましい問題ですが、多くの場合、それは子どもの成長の過程で通る道です。感情的に叱るのではなく、その裏に隠された子どもの心理を理解し、適切に対応することで、子どもは正直であることの大切さや、自分の行動に責任を持つことを学んでいきます。

焦らず、子どもの成長を見守りながら、親子の信頼関係を深めていきましょう。正直な心は、子どもの一生の財産となるはずです。

子どものケガ、湿潤療法って何?早くきれいに治す正しい傷の手当て方法

「消毒して、ガーゼを貼る」はもう古い?子どものケガ、早くきれいに治す新常識

公園で転んで膝を擦りむいた、包丁で指を切ってしまった…。子どもにケガはつきものですが、いざという時、あなたは正しい傷の手当てができますか?「消毒して、ガーゼを貼る」という昔ながらの方法、実はもう古いかもしれません。

近年、医療現場では「湿潤療法(モイストケア)」という、傷を乾燥させずに治す方法が主流になっています。この方法は、傷を早くきれいに治すだけでなく、痛みを和らげる効果も期待できます。しかし、まだ一般には十分に浸透しておらず、誤った知識で手当てをしてしまうケースも少なくありません。

この記事では、看護師であり、二児の母でもある私が、子どものケガに最適な「湿潤療法」の基本と、家庭でできる正しい傷の手当て方法、そして「これは!」という時に受診すべき目安について、詳しく解説します。大切な子どもの肌を、傷跡を残さずにきれいに治してあげましょう。

湿潤療法とは?なぜ早くきれいに治るの?

湿潤療法とは、傷口から出る体液(滲出液)を適度に保ち、傷を乾燥させずに治す方法です。この滲出液には、傷を治すための成分(成長因子など)が豊富に含まれており、傷口を潤った状態に保つことで、細胞の活動が活発になり、治癒が促進されます。

従来の治療法との違い

項目 従来の治療法(乾燥療法) 湿潤療法(モイストケア)
傷口の状態 乾燥させる 潤った状態に保つ
消毒 消毒液で消毒する 基本的に消毒しない(水道水で洗浄)
被覆材 ガーゼ、絆創膏(通気性重視) 湿潤環境を保つ専用の被覆材(ハイドロコロイドなど)
治癒期間 長くなる傾向がある 早い
痛み 傷口が乾燥して痛む、ガーゼ交換時に痛む 痛みが少ない
傷跡 残りやすい 残りにくい

ママナース直伝!家庭でできる湿潤療法

1. まずは「水道水でしっかり洗う」

ケガをしたら、まず流水(水道水)で傷口をきれいに洗い流しましょう。砂や泥、細菌などを洗い流すことが大切です。消毒液は、傷口の細胞を傷つけてしまい、治りを遅らせる可能性があるため、基本的には使いません。

2. 傷口を乾燥させない「湿潤環境」を保つ

傷口を洗ったら、清潔なタオルで周りの水気を拭き取り、傷口を乾燥させないように、湿潤環境を保つ被覆材(ハイドロコロイド素材の絆創膏など)を貼ります。傷口から出る滲出液が多すぎると、被覆材が剥がれやすくなるため、滲出液の量に合わせて交換しましょう。

3. 被覆材の交換時期

滲出液が被覆材から漏れてきたり、被覆材が白く膨らんで傷口全体を覆うようになったら交換の目安です。毎日交換する必要はありません。交換の際も、水道水で優しく洗い流し、新しいものに貼り替えましょう。

4. 傷口の観察

毎日、傷口の状態を観察しましょう。赤みや腫れがひどくなる、膿が出る、悪臭がするなどの症状が見られた場合は、感染の可能性がありますので、すぐに医療機関を受診してください。

こんなケガは病院へ!受診の目安

  • 出血が止まらない
  • 傷口が深い、大きい、パックリ開いている
  • 異物が刺さっている(ガラス、木片など)
  • 動物に噛まれた、人間に噛まれた
  • やけど(特に広範囲、水ぶくれが大きい場合)
  • 頭を打った、意識がない、嘔吐を繰り返す
  • 感染の兆候がある(赤み、腫れ、熱、膿など)
  • 破傷風の予防接種を受けていない

まとめ|正しい知識で、子どものケガをきれいに治そう

子どものケガは、親にとって心配なものですが、正しい知識と適切な手当てで、早くきれいに治すことができます。「消毒して、ガーゼを貼る」という昔ながらの方法から、「水道水で洗って、湿潤環境を保つ」という新しい常識へ。

今回ご紹介した湿潤療法は、痛みが少なく、傷跡も残りにくいというメリットがあります。ぜひ、ご家庭での傷の手当てに取り入れてみてください。

もし、判断に迷うようなケガの場合は、自己判断せずに、迷わず医療機関を受診しましょう。子どもの健康と安全を守るために、正しい知識を身につけておきましょう。

モンテッソーリ教育、おうちでできることは?子どもの集中力と自己肯定感を育む環境づくりのヒント

「うちの子、集中力がない…」モンテッソーリ教育で、子どもの才能を開花させよう!

「すぐに飽きてしまう」「落ち着きがない」「何度言っても聞かない」…。子どもの集中力や自立心について、悩みを抱えるママ・パパは多いのではないでしょうか。

そんな時、注目されているのが「モンテッソーリ教育」です。モンテッソーリ教育は、「子どもには、自らを成長させる力が備わっている」という考えに基づき、子どもが自由に活動できる環境を整えることで、集中力や自立心、自己肯定感を育む教育法です。

「でも、モンテッソーリ教育って、特別な幼稚園や教室に行かないとできないんでしょ?」と思っていませんか?実は、家庭でもモンテッソーリ教育の考え方を取り入れ、子どもの成長をサポートすることができます。

この記事では、看護師であり、二児の母でもある私が、モンテッソーリ教育の基本と、家庭でできる「環境づくりのヒント」を具体的にご紹介します。子どもの「やりたい!」という気持ちを尊重し、秘められた才能をぐんぐん伸ばしてあげましょう!

モンテッソーリ教育の基本理念「子どもには、自らを成長させる力が備わっている」

モンテッソーリ教育は、イタリアの医師マリア・モンテッソーリが考案した教育法です。その根底にあるのは、「子どもは、生まれながらにして、自らを成長させる力(自己教育力)を持っている」という考え方です。

親や大人の役割は、子どもに何かを教え込むことではなく、子どもが自ら学び、成長できるような「環境」を整え、**「援助は最小限に、観察は最大限に」**見守ることだとされています。

モンテッソーリ教育のキーワード

  • 敏感期:
    • 子どもが特定の能力を伸ばすのに、特に敏感になる時期のこと。例えば、「秩序の敏感期」「言葉の敏感期」などがあります。
  • 集中現象:
    • 子どもが、ある活動に夢中になり、時間を忘れて没頭する状態のこと。この集中現象を繰り返すことで、子どもは内面的な成長を遂げます。
  • 教具:
    • モンテッソーリ教育で使われる、子どもの発達段階に合わせて作られた教材のこと。子どもが自分で間違いに気づき、修正できるような工夫がされています。

ママナース直伝!おうちでできるモンテッソーリ環境づくりのヒント

1. 「子どものサイズ」に合わせる

  • 家具の高さ: 子どもが自分で物を取ったり、片付けたりできるように、棚やフックは子どもの身長に合わせた高さに設置しましょう。
  • 食器や道具: 子ども用の本物の食器や、安全な包丁など、子どもが「本物」に触れる機会を与えましょう。子どもは、大人の真似をしたがるものです。

2. 「選択の自由」を与える

  • おもちゃの量と配置: おもちゃは全て出しっぱなしにせず、厳選したものを数種類だけ、取り出しやすく、戻しやすい場所に配置しましょう。選択肢が多すぎると、子どもは迷ってしまいます。
  • 活動の提示: 「今日は何して遊ぶ?」と漠然と聞くのではなく、「ブロックで遊ぶ?それとも絵本を読む?」など、いくつかの選択肢を提示して、子どもに選ばせましょう。

3. 「秩序」を大切にする

  • 定位置を決める: おもちゃや絵本、洋服など、全ての物に「定位置」を決め、使ったら元の場所に戻す習慣をつけましょう。子どもは秩序を好みます。
  • 片付けは「活動の一部」: 「遊びの終わり=片付け」ではなく、「片付けも遊びの一部」と捉え、子どもが自分で片付けられるような仕組みを作りましょう。

4. 「集中」を妨げない

  • 邪魔をしない: 子どもが何かに集中している時は、むやみに声をかけたり、手を出したりせず、静かに見守りましょう。集中を妨げないことが、子どもの成長を促します。
  • 環境を整える: 散らかった部屋や、テレビの音など、子どもの集中を妨げる要因はできるだけ取り除きましょう。

5. 「援助は最小限に、観察は最大限に」

  • 見守る姿勢: 子どもが困っていても、すぐに手を出さず、まずは見守りましょう。子どもが自分で解決しようと努力するプロセスを大切にします。
  • 「できた!」を待つ: 子どもが自分でできた時には、「できたね!」と喜びを共有し、その達成感を一緒に味わいましょう。自己肯定感を育みます。

まとめ|モンテッソーリは、子どもの「生きる力」を育む教育

モンテッソーリ教育は、特別なことではありません。子どもの「やりたい」という気持ちを尊重し、子どもが自ら学び、成長できるような環境を整え、温かく見守ることです。

今回ご紹介したヒントを参考に、ぜひご家庭でもモンテッソーリ教育の考え方を取り入れてみてください。きっと、子どもの秘められた才能が開花し、集中力や自立心、自己肯定感がぐんぐん育っていくのを実感できるはずです。

子どもの「生きる力」を育むために、今日からできることを始めてみましょう。

おたふく風邪の合併症、知っていますか?難聴・不妊のリスクとワクチン接種の重要性

「おたふく風邪」は、ただの風邪じゃない!その合併症の怖さ、知っていますか?

「おたふく風邪(流行性耳下腺炎)」と聞くと、「子どもの頃にかかる、よくある病気」というイメージを持つ方も多いかもしれません。確かに、多くの子どもは軽症で済み、数日で回復します。しかし、その一方で、おたふく風邪は、時に深刻な合併症を引き起こす可能性がある、決して侮れない病気なのです。

特に注意すべきは、一度かかると治らない「難聴」や、将来の「不妊」に繋がる可能性のある合併症です。これらのリスクを知らずに、「自然にかかった方が免疫がつく」と考えて、ワクチン接種をしない選択をするのは、非常に危険な場合があります。

この記事では、看護師であり、二児の母でもある私が、おたふく風邪の主な症状と、見逃してはいけない恐ろしい合併症、そしてそれらを防ぐための「ワクチン接種の重要性」について、詳しく解説します。正しい知識を身につけ、お子さんを重い合併症から守りましょう。

おたふく風邪(ムンプス)とは?

おたふく風邪は、ムンプスウイルスによって引き起こされる感染症です。主な症状は、耳の下にある唾液腺(耳下腺)が腫れて痛むことですが、発熱や頭痛、倦怠感を伴うこともあります。感染力が非常に強く、飛沫感染や接触感染で広がります。

見逃してはいけない!おたふく風邪の恐ろしい合併症

おたふく風邪の合併症は、時に重篤で、後遺症を残す可能性があります。

  1. ムンプス難聴:
    • 最も注意すべき合併症の一つで、片耳または両耳の聴力が突然失われることがあります。一度失われた聴力は、残念ながら回復することはありません。発症頻度は1,000人に1人程度と言われていますが、そのリスクは決して低くありません。
  2. 無菌性髄膜炎:
    • 脳や脊髄を覆う髄膜に炎症が起こる病気です。発熱、頭痛、嘔吐、首の硬直などの症状が現れます。多くは軽症で回復しますが、稀に重症化することもあります。
  3. 膵炎(すいえん):
    • 膵臓に炎症が起こり、激しい腹痛、嘔吐、発熱などの症状が現れます。入院治療が必要になることもあります。
  4. 睾丸炎(こうがんえん)/卵巣炎(らんそうえん):
    • 思春期以降の男性が感染した場合、睾丸炎を合併することがあります。強い痛みと腫れを伴い、将来の不妊に繋がる可能性があります。女性の場合は卵巣炎を合併することもありますが、不妊に繋がることは稀です。

ワクチン接種の重要性

おたふく風邪には、特効薬がありません。そのため、最も有効な予防策は「ワクチン接種」です。おたふく風邪ワクチンは、任意接種ですが、重い合併症からお子さんを守るために、接種を強くお勧めします。

ワクチン接種のメリット

  • 発症予防: 接種することで、おたふく風邪の発症を予防できます。
  • 重症化予防: 万が一感染しても、症状を軽く抑え、合併症のリスクを大幅に減らすことができます。
  • 集団免疫: 多くの人が接種することで、地域全体での流行を防ぎ、ワクチンを接種できない赤ちゃんや免疫力の低い人を守ることができます。

接種時期

通常、1歳を過ぎてから1回目の接種を行い、就学前(5〜6歳頃)に2回目の接種を行うことが推奨されています。かかりつけの小児科医と相談し、適切な時期に接種しましょう。

まとめ|「よくある病気」ではない、おたふく風邪

おたふく風邪は、決して「よくある病気だから大丈夫」と安易に考えて良い病気ではありません。特に、ムンプス難聴や不妊に繋がる睾丸炎など、深刻な合併症のリスクがあることを知っておくべきです。

お子さんをこれらのリスクから守るために、最も有効な手段はワクチン接種です。ワクチン接種は、お子さん自身の健康を守るだけでなく、社会全体で感染症の流行を防ぐためにも非常に重要です。

正しい知識を持って、お子さんの予防接種について、かかりつけの小児科医とよく相談してくださいね。

きょうだい間の「ひいき」、していませんか?上の子の心を傷つけない親の言葉かけと接し方

「ママは〇〇ちゃんのばっかり!」その言葉、上の子の心の叫びかも?

下の子が生まれて、上の子に「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから我慢しなさい」と言ってしまったり、手のかかる下の子にばかり目が行ってしまったり…。

親としては、平等に愛情を注いでいるつもりでも、子どもは敏感に「ひいき」を感じ取ってしまうものです。特に、これまで親の愛情を独り占めしてきた上の子にとって、下の子の誕生は大きな環境の変化であり、親の愛情が奪われたと感じてしまうことも少なくありません。

「ひいき」は、上の子の心を深く傷つけ、自己肯定感を低下させたり、下の子への嫉妬心を募らせたりする原因にもなりかねません。しかし、親も人間。完璧に平等に接するのは至難の業です。

この記事では、看護師であり、二児の母でもある私が、きょうだい間の「ひいき」をなくし、上の子の心を傷つけずに、きょうだい全員に愛情を伝えるための「親の言葉かけと接し方」について、詳しく解説します。きょうだい全員が、親からの愛情を実感できる家庭を築きましょう。

なぜ「ひいき」が生まれてしまうのか?

  • 手のかかる子に目が行きがち:
    • 赤ちゃんや幼い下の子は、どうしても手がかかります。そのため、無意識のうちに下の子にばかり時間や手間をかけてしまいがちです。
  • 上の子への期待:
    • 「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから」と、上の子に我慢や手伝いを求めることが多くなり、負担をかけてしまうことがあります。
  • 性格や個性:
    • 子どもの性格や個性によって、親が接しやすい子とそうでない子がいることも。無意識のうちに、接しやすい子にばかり関わってしまうことがあります。
  • 親自身の経験:
    • 親自身が、きょうだい間で「ひいき」された経験があると、無意識のうちに同じような接し方をしてしまうことがあります。

ママナース直伝!上の子の心を傷つけない言葉かけと接し方

1. 「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから」は禁句!

この言葉は、上の子に大きなプレッシャーと不満を与えます。代わりに、「〇〇ちゃん、ありがとう」「〇〇くん、助かるよ」と、具体的に感謝の気持ちを伝えましょう。上の子の頑張りを認め、褒めることが大切です。

2. 「一人だけの時間」を意識的に作る

下の子が寝ている間や、パパが見てくれている間に、上の子と二人きりで過ごす時間を作りましょう。絵本の読み聞かせ、お散歩、お菓子作りなど、上の子が好きなことを一緒に楽しむことで、「自分も大切にされている」という実感を持たせることができます。

3. 「頑張り」を具体的に褒める

「よくできたね」という漠然とした褒め方ではなく、「〇〇ちゃんが、△△してくれたから、ママは本当に助かったよ」「〇〇くんが、□□を頑張ったの、ママはちゃんと見てたよ」と、具体的に褒めましょう。上の子の努力や成長を認め、自己肯定感を高めます。

4. 喧嘩の仲裁は「公平」に

きょうだい喧嘩の際は、どちらか一方を悪者にせず、それぞれの言い分を公平に聞きましょう。そして、「どうすればよかったかな?」と、子どもたち自身に解決策を考えさせることが大切です。親はあくまでも、解決をサポートする役割に徹しましょう。

5. 「大好きだよ」を言葉と行動で伝える

「大好きだよ」「生まれてきてくれてありがとう」といった愛情表現は、何度伝えても伝えすぎることはありません。抱きしめる、頭をなでる、手をつなぐなど、言葉だけでなく行動でも愛情を伝えましょう。

6. 親自身も「完璧」を手放す

完璧に平等に接しようとすると、親自身が疲弊してしまいます。「今日は下の子に手がかかったな」「明日は上の子とゆっくり過ごそう」など、日によってバランスが偏っても大丈夫。完璧を目指さず、「まあ、いっか」と自分を許してあげましょう。

まとめ|きょうだいは、最高の宝物

きょうだい間の「ひいき」は、親にとって悩ましい問題ですが、適切な言葉かけと接し方で、その影響を最小限に抑えることができます。きょうだいは、時に喧嘩をしながらも、互いに支え合い、成長していく最高の宝物です。

親からの愛情を平等に感じ、自己肯定感を育んだ子どもたちは、きっと互いを尊重し、助け合えるきょうだいへと成長していくでしょう。焦らず、子どもの成長を見守りながら、たくさんの愛情を注いであげてくださいね。