「卒乳・断乳」いつかは来るその日、どう迎えますか?
母乳やミルクを飲む赤ちゃんの姿は、この上なく愛おしいもの。しかし、子どもの成長とともに、いつかは「卒乳」や「断乳」の日がやってきます。「いつまで続けるべき?」「どうやってやめたらいいの?」と、多くのママが悩むテーマではないでしょうか。
「卒乳」は赤ちゃんが自然に欲しがらなくなるのを待つスタイル、「断乳」は親の計画で授乳をやめるスタイルを指します。どちらが良い・悪いということはなく、それぞれの親子に合った方法を選ぶことが大切です。
しかし、周りの情報に惑わされたり、焦って進めてしまうと、親子共に大きなストレスを抱えてしまうことも。大切なのは、赤ちゃんの心と体の準備、そして何よりママ自身の気持ちです。
この記事では、看護師であり、二児の母でもある私が、後悔しない卒乳・断乳の進め方について、タイミングの見極め方から具体的なステップ、そしてママの心のケアまで、詳しく解説します。
卒乳?断乳?我が家に合ったスタイルはどっち?
まずは、それぞれのメリット・デメリットを理解し、ご自身の状況や考え方に合ったスタイルを選びましょう。
- 卒乳(自然にやめる)
- メリット: 子どものペースで進められるため、心への負担が少ない。
- デメリット: いつ終わるか分からず、見通しが立てにくい。ママの負担が長引く可能性も。
- 断乳(計画的にやめる)
- メリット: 仕事復帰や次の妊娠など、親の計画に合わせて進められる。終わりが見えているので、ママの気持ちが楽になることも。
- デメリット: 子どもが泣いたり、精神的に不安定になったりすることがある。ママの乳房トラブルが起きやすい。
後悔しない!卒乳・断乳を始める前のチェックリスト
以下の項目を参考に、親子の準備が整っているか確認してみましょう。
- 離乳食を3回しっかり食べているか?
- 授乳以外の方法で、十分な栄養と水分が摂れていることが大前提です。
- コップやストローで飲み物が飲めるか?
- 授乳の代わりに、他の方法で水分補給ができるようにしておきましょう。
- 子どもが授乳以外の安心材料を持っているか?
- 抱っこや絵本、お気に入りのタオルなど、授乳に代わる心の拠り所があると、スムーズに進みやすいです。
- ママの気持ちの準備はできているか?
- 「もうやめたい」という気持ちと、「まだ続けていたい」という寂しい気持ち。ママの心が揺れているうちは、無理に進める必要はありません。
ママナース直伝!スムーズな卒乳・断乳の進め方
ステップ1:まずは日中の授乳から減らす
いきなり全ての授乳をやめるのではなく、まずは日中の授乳回数を1回、また1回と、少しずつ減らしていきましょう。子どもが欲しがったら、お茶やおやつをあげたり、遊びに誘ったりして、気を紛らわせるのがポイントです。
ステップ2:「おっぱいは、バイバイね」と伝える
断乳を決めたら、「今日でおっぱいはバイバイね」「大きくなったから、もうおしまいにしようね」と、子どもに優しく言い聞かせましょう。理解できなくても、ママの決意を伝えることが大切です。カレンダーに印をつけて、「この日になったらバイバイだよ」と予告しておくのも良い方法です。
ステップ3:パパの協力は不可欠!
特に夜間の授乳をやめる「夜間断乳」は、ママ一人では乗り切れません。子どもが泣いて欲しがっても、ママはぐっとこらえ、パパに寝かしつけを代わってもらいましょう。最初の数日は親子共に試練の時ですが、ここを乗り越えれば、朝までぐっすり眠れる日が待っています。
ステップ4:ママの乳房ケアも忘れずに
断乳中は、おっぱいが張って痛みが出ることがあります。痛みが辛い時は、保冷剤などで冷やしたり、軽く搾乳したりして対処しましょう。搾乳しすぎると、また母乳が作られてしまうので、あくまでも「楽になる程度」に留めるのがコツです。痛みがひどい場合や、しこりができた場合は、乳腺炎の可能性もあるので、早めに母乳外来や助産院に相談してください。
まとめ|授乳の終わりは、新たな始まり
卒乳・断乳は、親子の密な時間が終わるようで、寂しさを感じるママも少なくありません。しかし、これは子どもがまた一つ大きく成長した証であり、新たな関係性を築いていくための大切なステップです。
授乳が終わっても、親子のふれあいが終わるわけではありません。これまで以上にたくさん抱きしめて、大好きだよと伝えてあげてください。その温もりは、きっと子どもの心の栄養になるはずです。