「もうすぐ小学生なのに、まだ自分の名前が書けない…」
「練習させようとしても、すぐに飽きてしまって、全然集中しない…」
周りの子が、スラスラと自分の名前を書いているのを見ると、親としては、つい焦ってしまいますよね。「うちの子、このままで大丈夫かしら?」と、不安になる気持ち、よくわかります。
でも、考えてみてください。子どもにとって、ひらがな、特に画数の多い自分の名前を書くことは、大人が外国語の複雑な文字を覚えるのと同じくらい、難しくて、骨の折れる作業なのです。
「練習しなさい!」と、無理やり机に向かわせても、子どもは文字を書くこと自体が「つまらない、苦痛なもの」になってしまうだけ。
大切なのは、「練習」を「楽しい遊び」に変えてしまうこと!
この記事では、現役ママナースであり、3人の娘たちと様々な知育遊びを実践してきた私が、
- なぜ、子どもは名前の練習が嫌いなのか?
- 机に向かわなくてもOK!遊びながら、自然と文字に親しめる魔法の練習法
- 子どもの「書きたい!」意欲を最大限に引き出す、親の言葉がけ
を、ご紹介します。
この記事を読めば、親のイライラも、子どもの涙もなくなります。そして、お子さんが、目を輝かせながら「もっと書きたい!」と、夢中になる方法がきっと見つかりますよ。
なぜ、子どもは「名前の練習」が嫌いなのか?
子どもが練習を嫌がるのには、ちゃんとした理由があります。
- 指先の力が、まだ育っていない: 鉛筆を正しく持ち、線をコントロールするためには、思った以上に指先の細かい筋肉(巧緻性)が必要です。この力が未発達だと、すぐに疲れてしまい、嫌になってしまいます。
- 文字が「記号」にしか見えない: 大人は、ひらがなを「意味のある文字」として認識していますが、子どもにとっては、ただの複雑な「記号の集まり」です。その記号を、そっくり真似て書く、という作業は、非常に退屈に感じられます。
- 「書かされている」という強制感: 親の「書かせたい」という気持ちが強すぎると、子どもはそれを敏感に察知し、「やりたくない」と反発してしまいます。
机に向かわない!「書きたい!」を引き出す魔法の練習法5選
鉛筆とノートを使う前に、まずは、遊びを通して、文字の形に親しみ、指先を鍛えることから始めましょう。
1. 【感覚遊び】粘土・砂・お米で、なぞり書き
粘土を細長く伸ばして、名前の形を作ってみる。お皿に広げた砂や、お米の上に、指で名前を書いてみる。この遊びは、文字の形を、視覚だけでなく、触覚を通して、立体的にインプットするのに非常に効果的です。指先の感覚を刺激することで、脳にも良い影響があります。
2. 【体で覚える】パパの背中に、指で名前書きクイズ
お風呂の中や、寝る前のリラックスタイムに。「今から、パパの背中に、〇〇ちゃんの『あ』を書くから、当ててみてね!」と、クイズ形式で遊んでみましょう。肌感覚を通して、文字の形や書き順を、楽しくインプットできます。
3. 【お宝探し】お家の中の「自分の名前」を探せ!
自分の持ち物(コップ、お弁当箱、下着など)に、大きく名前を書いておき、「お家の中に、〇〇ちゃんの名前、いくつ隠れているかな?探してみて!」と、お宝探しゲームをします。自分の名前が「特別なマーク」であることを認識し、文字への愛着が湧いてきます。
4. 【特別感MAX】「魔法のペン」でお手紙ごっこ
ホワイトボードと、カラフルなマーカーを用意します。「これは、魔法のペンだよ!〇〇ちゃんが、自分の名前を書くと、パワーが溜まるんだ!」と、特別感を演出してみましょう。「サンタさんへ」「おじいちゃんへ」など、誰かに宛てた手紙を書く、という目的があると、子どもの意欲はさらに高まります。
5. 【最終兵器】「なぞりがき」から「うつし書き」へ
いよいよ、紙と鉛筆の出番です。しかし、いきなり「書いてみて」はNG。
- ステップ1: 親が、薄い色のマーカーで名前を書き、子どもがその上をなぞる**「なぞりがき」**から始めます。
- ステップ2: なぞるのに慣れたら、お手本を隣に置き、それを見ながら真似て書く**「うつし書き」**に挑戦します。
この時、使う筆記用具は、鉛筆だけでなく、クレヨンや、クーピー、サインペンなど、子どもが「使ってみたい!」と思うものを選ばせてあげるのがポイントです。
子どものやる気を引き出す、親の魔法の言葉がけ
どんな練習法よりも効果があるのが、親のポジティブな言葉がけです。
- 「わ、すごい!この『く』のカーブ、ママより上手かも!」 → 具体的に、できている部分を褒める。
- 「名前が書けると、自分のものだってすぐわかるから、かっこいいね!」 → 書けることのメリットを伝える。
- 「上手に書けなくても、大丈夫。一生懸命書こうとしているのが、一番かっこいいよ」 → 結果ではなく、挑戦する姿勢を認める。
まとめ:書くことは、楽しいコミュニケーション
子どもの名前の練習は、親の焦りを捨てれば、最高の「知育遊び」に変わります。
- 鉛筆を持つ前に、粘土や体を使った遊びで、文字の形に親しむ。
- 「練習」ではなく、「ゲーム」や「お手紙ごっこ」に変換する。
- 結果を求めず、挑戦する気持ちを、具体的に褒めてあげる。
文字を書くことは、勉強ではありません。自分の気持ちを伝えたり、誰かと繋がったりするための、素晴らしいコミュニケーションツールです。
その第一歩である、自分の名前を書くという経験が、子どもにとって、楽しく、喜びに満ちたものになるように、親である私たちが、上手にサポートしてあげたいですね。