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【助産師が本音で比較】粉ミルク選びの最終結論!はいはい、E赤ちゃん、ぴゅあ…主要メーカーの特徴と選び方

「どの粉ミルクが、うちの子に合うの?」その悩み、成分表だけ見ても分かりません!

母乳育児の予定でも、パパの協力やいざという時のために、準備しておくと安心な「粉ミルク」。
しかし、ドラッグストアの棚には、様々なメーカーの粉ミルクがずらりと並び、

「『はいはい』と『E赤ちゃん』って、何が違うの?」
「値段もバラバラだし、何を基準に選べばいいの…?」

と、途方に暮れてしまうプレママや新米ママも多いのではないでしょうか。

ご安心ください。この記事では、助産師として多くの赤ちゃんとママを見てきた視点から、**単なる成分比較だけでは分からない、各メーカーの「個性」と「どんな親子におすすめか」**を、本音で徹底解説します。

粉ミルク選びの前に知っておきたい「2つの大前提」

  1. 日本の粉ミルクは、どれも安全で高品質: 日本で製造・販売されている粉ミルクは、国の厳しい基準をクリアしており、栄養面・安全面ともに非常に高いレベルにあります。基本的に、どのミルクを選んでも赤ちゃんの成長に問題はありません。
  2. 最終的には「赤ちゃんとの相性」がすべて: 大人にも味の好みがあるように、赤ちゃんにもミルクの好みがあります。また、特定のミルクだと便秘気味になったり、逆にゆるくなったりと、体質との相性もあります。

この2つを念頭に置いた上で、各メーカーの特徴を見ていきましょう。

【主要メーカー徹底比較】あなたの親子にピッタリなのはどれ?

1. 和光堂「はいはい」:コスパ最強!家計の味方

  • こんな親子におすすめ:
    • 完全ミルク育児(完ミ)や、ミルク中心の混合育児で、消費量が多いご家庭
    • とにかくコストを抑えたいご家庭
  • 特徴: なんといっても圧倒的なコストパフォーマンスが魅力。他のメーカーに比べて価格が安いため、ミルク代を気にせず、たっぷりと赤ちゃんにあげることができます。成分も、母乳に含まれる「ラクトフェリン」を配合するなど、基本はしっかりと押さえています。「安かろう悪かろう」では決してない、家計の強い味方です。

2. 森永乳業「E赤ちゃん」:消化に配慮したプレミアムミルク

  • こんな親子におすすめ:
    • アレルギーが心配な赤ちゃん
    • ミルクを飲むと吐き戻しが多い、お腹が張りやすいなど、消化器系がデリケートな赤ちゃん
  • 特徴: 牛乳たんぱく質を、あらかじめ消化しやすいように細かく分解した**「ペプチドミルク」**であることが最大の特徴です。これにより、赤ちゃんの内臓への負担を軽減し、アレルギーのリスクを低減します。その分、価格は高めですが、「赤ちゃんの負担を少しでも減らしてあげたい」と願う親心に応える、プレミアムなミルクです。

3. 雪印メグミルク「ぴゅあ」:母乳研究の成果を凝縮

  • こんな親子におすすめ:
    • 母乳に近い成分にこだわりたいご家庭
    • 赤ちゃんの便秘に悩んでいるご家庭
  • 特徴: 長年の母乳研究に基づいて、母乳に含まれる主要なたんぱく質、脂質、炭水化物の量とバランスを母乳に近づけています。特に、母乳に含まれ、お腹の調子を整える効果が期待される**「オリゴ糖」**を複数種配合しているのがポイント。SNSなどでは「便通が良くなった」という口コミも多く見られます。

4. 明治「ほほえみ」:多くの産院で採用される安心感

  • こんな親子におすすめ:
    • どのミルクを選べば良いか、全く見当がつかないご家庭
    • 産院で使っていたものを、そのまま継続したいご家庭
  • 特徴: 全国多くの産科施設で採用されている実績と、**「らくらくキューブ」**という固形タイプの存在が大きな強みです。キューブタイプは、スプーンでの計量が不要なため、誰でも簡単・正確にミルクを作ることができ、夜間の調乳やお出かけの際に非常に便利です。

後悔しない粉ミルクの選び方・進め方

  1. まずは「お試しサイズ」から: 多くのメーカーが、小さい缶やスティックタイプを用意しています。まずは少量から試して、赤ちゃんの飲みっぷりや、うんちの状態をチェックしましょう。
  2. コロコロ変えすぎない: 赤ちゃんの消化器官は未熟です。短期間でミルクの種類を変えすぎると、かえって負担になることも。一つのミルクを、最低でも1〜2週間は試してみるのがおすすめです。
  3. 「高い=良い」ではない: 最も大切なのは、家計に無理なく、継続して購入できることです。そして、何より赤ちゃんがゴクゴクと美味しそうに飲んでくれること。

まとめ:ミルクタイムが、親子の笑顔の時間になりますように

粉ミルク選びは、つい「赤ちゃんのために、一番良いものを…」と気負ってしまいがちです。しかし、どのメーカーも、日本の赤ちゃんのために、愛情と技術を込めて作っています。

この記事を参考に、あなたの家庭の方針と、赤ちゃんの体質に合ったミルクを見つけてください。そして、ママもパパも、リラックスした気持ちで、赤ちゃんとの大切なミルクタイムを楽しんでくださいね。

【助産師が回答】母乳が出ない、痛い…母乳育児の二大巨頭の悩みを解決Q&A

「母乳育児、こんなはずじゃなかった…」その涙、一人で拭かないで

「赤ちゃんのために、絶対に母乳で育てたい!」

妊娠中、そう意気込んでいたママも多いのではないでしょうか。しかし、実際に始まってみると、「思うように母乳が出ない」「乳首が痛くて、授乳の時間が怖い」など、想像とは違う現実に直面し、涙している方も少なくありません。

母乳育児は、ママと赤ちゃんの二人三脚。最初から完璧にできる人なんて、どこにもいません。

この記事では、助産師として多くのママの悩みに寄り添ってきた経験から、特に多い「母乳が出ない」「授乳が痛い」という二大巨頭の悩みについて、具体的な解決策をQ&A形式で詳しく解説します。

【お悩み1】母乳が足りているか不安…思うように出ません

Q1. 母乳の分泌を増やすには、どうすればいいですか?

A1. まずは、この3つを試してみてください。

  1. 頻回授乳: とにかく赤ちゃんに頻繁におっぱいを吸ってもらうことが、最大の母乳産生スイッチです。欲しがるときに、欲しがるだけ吸わせてあげましょう。最低でも1日8〜12回が目安です。
  2. ママの水分補給と栄養: ママが飲む水分が、母乳になります。授乳の前後にコップ1杯の水分(水やお茶)を意識して飲みましょう。また、栄養バランスの良い食事、特にタンパク質と鉄分をしっかり摂ることが大切です。
  3. リラックスと休息: ストレスや疲れは、母乳の分泌を妨げる大敵です。赤ちゃんが寝ている時は、家事よりも休息を優先し、体を休めましょう。好きな音楽を聴いたり、アロマを焚いたりするのもおすすめです。

Q2. 赤ちゃんがしっかり飲めているか、どうすれば分かりますか?

A2. 体重の増え方だけでなく、以下のサインをチェックしましょう。

  • おしっこの回数と色: 1日に6回以上、色の薄いおしっこが出ていれば、水分は足りているサインです。
  • うんちの状態: 生後1ヶ月頃までは、1日に何回も黄色っぽいゆるめのうんちが出ます。
  • 授乳後の赤ちゃんの様子: 授乳後に満足そうで、落ち着いている様子なら、しっかり飲めていることが多いです。
  • ママのおっぱいの状態: 授乳前は張っていたおっぱいが、授乳後には柔らかくなっていれば、赤ちゃんが飲んでくれた証拠です。

体重の増え方は個人差が大きいので、一喜一憂しすぎず、1週間単位など長い目で見ていきましょう。心配な場合は、1ヶ月健診などで相談するのが一番です。

【お悩み2】授乳のたびに激痛が…乳首が切れてしまいました

Q3. 授乳が痛いのは、なぜですか?どうすれば痛くなくなりますか?

A3. 痛みの主な原因は、赤ちゃんの吸い付き方が浅い「浅吸い」です。

正しい吸い付かせ方(ラッチオン)のポイントは以下の通りです。

  1. ママはリラックスできる姿勢で: 授乳クッションなどを使い、ママの体が楽な姿勢をとります。
  2. 赤ちゃんの口を大きく開けさせる: 乳首で赤ちゃんの下唇をツンツンと刺激し、あくびのように大きく口を開けるのを待ちます。
  3. 乳輪まで深く含ませる: 赤ちゃんが大きく口を開けた瞬間に、素早く引き寄せ、乳首だけでなく、乳輪の下側まで深く含ませます。赤ちゃんの唇が「アヒル口」のように外側に開いているのが正しいサインです。

Q4. 乳首が切れてしまいました。どうすれば治りますか?

A4. 授乳後のセルフケアが大切です。

  • 授乳後に母乳を塗る: 母乳には、傷を保護し、治りを助ける成分が含まれています。授乳後に数滴絞り出し、乳首と乳輪に塗って、よく乾かしましょう。
  • 専用の保護クリームを使う: ラノリン軟膏など、授乳中でも拭き取らずに使える専用の保護クリームを塗るのも効果的です。
  • 乳頭保護器(ニップルシールド)を一時的に使う: 痛みがひどく、授乳が困難な場合は、シリコン製の乳頭保護器を一時的に使うことで、痛みを和らげることができます。ただし、自己判断で使い続けると、母乳の分泌量が減ることもあるため、必ず助産師に相談してから使用しましょう。

まとめ:一人で悩まないで。専門家を頼る勇気を持って

母乳育児の悩みは、一人で抱え込んでいると、どんどん深刻になってしまいます。「こんなことで相談していいのかな…」なんて思わずに、地域の助産師や母乳外来、子育て支援センターなど、専門家を積極的に頼ってください。

あなたの心と体が健やかであることが、赤ちゃんにとって何よりの栄養です。ミルクとの混合も、完ミに切り替えることも、決して間違いではありません。あなたと赤ちゃんに合った、笑顔でいられる方法を見つけることが一番大切なのです。