「これ買って!」に、どう答える?お金の話、避けていませんか?
おもちゃ売り場で「これ買って!」と駄々をこねる子ども。「お金は無限に出てくるものじゃないのよ!」と言い聞かせても、子どもにはなかなか伝わりません。キャッシュレス化が進み、子どもたちがお金そのものに触れる機会が減っている現代、家庭での「お金の教育(金融教育)」の重要性は、ますます高まっています。
「まだ早い」と後回しにせず、子どものうちから正しい金銭感覚を身につけさせることは、将来子どもが自立して生きていくための、親から子への最高の贈り物です。
この記事では、看護師であり、二児の母でもある私が、子どもの年齢に合わせた「お金の教育」の始め方と、家庭でできる「お小遣い」のルール作りについて、具体的なステップをご紹介します。
お金の教育、何歳から始める?
お金の教育は、子どもが「お金」に興味を持ち始めた時がスタートの合図です。一般的には、お店での「やりとり」を理解し始める3〜4歳頃から、少しずつ意識していくのが良いでしょう。
【幼児期】お金の「役割」を知る
この時期は、難しい話は必要ありません。まずは、お金が「ありがとうと交換できる、魔法のチケット」であることを、実体験を通して教えてあげましょう。
- お手伝い体験: 「お皿を運んでくれてありがとう」と、おままごと用のお金などを渡してみる。
- お買い物ごっこ: 「100円でどのお菓子が買えるかな?」と、お店屋さんごっこを通して、物の値段を意識させる。
- 実際のお買い物: レジで「どうぞ」と店員さんにお金を渡す係を任せてみる。
【小学校低学年】「お小遣い」をスタート!
お小遣いは、子どもがお金の「使い方」「貯め方」「管理の仕方」を学ぶための、最高の教材です。始めるにあたり、家庭でルールを決めましょう。
- 定額制か、報酬制か?
- 定額制: 月に一度など、決まった額を渡す方法。計画的にお金を使う練習になります。
- 報酬制: お手伝い1回につき10円など、労働の対価として渡す方法。働くことの大切さを学べます。
- お小遣い帳をつける:
- 何にいくら使ったのかを記録する習慣は、お金の流れを把握する力を養います。
- 親は口出ししない:
- お小遣いの使い道は、基本的に子どもの自由にさせましょう。失敗から学ぶことも、大切な経験です。
【小学校高学年〜】「使い方」から「増やし方」へ
キャッシュレス決済の仕組みや、銀行の役割、さらには「投資」といった、お金の「増やし方」についても、少しずつ話していくと良いでしょう。お年玉の一部で、親子で一緒に株式投資を始めてみるのも、実践的な学びになります。
お金の教育で、親が心掛けるべきこと
- 親自身がお金について学ぶ:
- 子どもに教えるためには、まず親自身が正しい知識を持つことが不可欠です。
- 家庭でお金の話をオープンにする:
- 「お金の話はタブー」という雰囲気を作らず、「今月の食費は〇〇円だったね」など、日常会話でお金の話をしてみましょう。
- 感謝の気持ちを忘れない:
- お金は、誰かの「労働」や「努力」の対価であることを伝え、お金や物に対する感謝の気持ちを育むことが大切です。
まとめ|金銭感覚は、一生の財産
お金の教育は、単にお金の計算ができるようにすることではありません。限りある資源(お金)をどう使い、どう社会と関わっていくかを学ぶ、**「生きる力を育む教育」**です。
家庭での日々のやり取りの中で、少しずつ、根気強く伝えていくことで、子どもは自分でお金を管理し、豊かな人生を築いていくための、確かな土台を築くことができるでしょう。