こんにちは、ママナースの皐月です。
子どもたちのデジタルデバイス利用について、ルール作りや依存対策についてお話ししてきましたが、今回はさらに実践的な内容として、**「ペアレンタルコントロール」**について詳しく解説します。
ペアレンタルコントロールとは、親が子どものデジタルデバイスの利用を管理・制限するための機能のことです。これは、子どもを監視するためではなく、不適切なコンテンツから守り、健全なデジタルライフを送るための「安全対策」として非常に重要です。
親の役割は、子どもをデジタルデバイスから完全に遠ざけることではありません。デジタルデバイスが当たり前になった現代において、子どもたちが安全に、そして賢くデジタル世界と付き合っていくための「見守り」と「保護」をすることです。
この記事では、iPhoneやAndroidなどの主要デバイスにおけるペアレンタルコントロール機能の具体的な設定方法、フィルタリングサービスの選び方と活用法、そして安全なインターネット環境を構築するためのヒントを、ママナースの視点から実践的に解説します。
ペアレンタルコントロールとは?その機能とできること
ペアレンタルコントロールは、デジタルデバイスやアプリに搭載されている機能で、親が子どもの利用状況を管理し、制限をかけることができます。主な機能は以下の通りです。
- 利用時間制限:
- 1日の利用時間を設定したり、特定の時間帯(例:夜間)の利用を制限したりできます。
- アプリの利用制限(年齢制限、課金制限):
- 特定のアプリの利用を制限したり、年齢制限のあるアプリのダウンロードや利用をブロックしたりできます。
- アプリ内課金や有料アプリの購入を制限することも可能です。
- 不適切なコンテンツのブロック(Webサイト、動画など):
- アダルトサイトや暴力的なコンテンツなど、子どもに見せたくないWebサイトや動画へのアクセスをブロックできます。
- 位置情報の共有:
- 子どもの現在地を親のデバイスから確認できる機能です。緊急時などに役立ちます。
- 購入制限:
- アプリストアでのアプリ購入や、オンラインショッピングでの購入を制限できます。
主要デバイス別!ペアレンタルコントロール設定方法
ここでは、多くの家庭で使われているiPhone/iPadとAndroidデバイスのペアレンタルコントロール設定方法を簡単に解説します。
iPhone/iPad(スクリーンタイム)
iPhoneやiPadでは、「スクリーンタイム」という機能を使ってペアレンタルコントロールを設定します。
- 「設定」アプリを開く。
- 「スクリーンタイム」をタップ。
- 「スクリーンタイムをオンにする」をタップし、案内に従って設定を進める。
- 「これは自分用の[デバイス]です」または「これは子供用の[デバイス]です」を選択します。
- お子様用のデバイスの場合は、「コンテンツとプライバシーの制限」を設定します。
- 「コンテンツとプライバシーの制限」の活用:
- 「iTunesおよびApp Storeでの購入」: アプリのインストール、削除、アプリ内課金などを制限できます。
- 「コンテンツ制限」: Webコンテンツ、映画、テレビ番組、アプリなどの年齢制限を設定できます。
- 「プライバシー制限」: 位置情報サービス、写真、マイクなど、アプリがアクセスできるプライバシー設定を制限できます。
Androidデバイス(Google Family Link)
Androidデバイスでは、「Google Family Link」というアプリを使ってペアレンタルコントロールを設定します。
- 親のスマホに「Google Family Link(保護者向け)」アプリをインストール。
- 子どものスマホに「Google Family Link(お子様向け)」アプリをインストール。
- アプリの案内に従って、親と子どものアカウントを連携させる。
- 設定できる主な機能:
- アプリの承認: 子どもがアプリをダウンロードする際に、親の承認が必要になります。
- 利用時間制限: 1日の利用時間を設定したり、デバイスをロックする時間を設定したりできます。
- 位置情報の確認: 子どものデバイスの現在地を地図上で確認できます。
- Google検索のセーフサーチ: 不適切な検索結果をフィルタリングできます。
ゲーム機(Nintendo Switch, PlayStationなど)
ゲーム機にもそれぞれペアレンタルコントロール機能が搭載されています。
- Nintendo Switch: 本体設定から「みまもり設定」を行うことで、プレイ時間制限、ソフトの起動制限、SNS連携の制限などが可能です。
- PlayStation: アカウント管理から「ファミリー管理」を設定することで、年齢制限、利用時間制限、課金制限などが可能です。
各デバイスの公式サイトや取扱説明書で、詳細な設定方法を確認してください。
フィルタリングサービスの選び方と活用法
ペアレンタルコントロール機能だけではカバーしきれない部分を補うのが「フィルタリングサービス」です。
フィルタリングサービスとは?
インターネット上の有害な情報(アダルト、暴力、ギャンブルなど)へのアクセスを自動的にブロックするサービスです。通信事業者やセキュリティソフト会社が提供しています。
選び方のポイント
- ブロック機能の精度: どの程度のコンテンツをブロックできるか、誤ってブロックされる「誤検知」が少ないか。
- 利用料金: 月額料金や年額料金、無料期間の有無。
- サポート体制: 設定方法やトラブル時のサポートが充実しているか。
- 複数デバイス対応: スマホ、タブレット、PCなど、複数のデバイスに対応しているか。
主要フィルタリングサービスの紹介(例)
- i-フィルター: デジタルアーツ社が提供する、国内で広く利用されているフィルタリングソフト。詳細な設定が可能で、利用状況レポート機能も充実しています。
- あんしんフィルター: 各携帯キャリア(ドコモ、au、ソフトバンクなど)が提供しているフィルタリングサービス。キャリア契約者向けに提供されており、設定が比較的簡単です。
これらのサービスは、無料体験期間を設けている場合が多いので、まずは試してみて、ご家庭に合ったものを選ぶのがおすすめです。
安全なインターネット環境を構築するためのヒント:ママナースからのアドバイス
ペアレンタルコントロールやフィルタリングサービスを設定するだけでなく、日頃から安全なインターネット環境を意識することも大切です。
- Wi-Fiルーターのセキュリティ設定:
- ルーターのパスワードを初期設定から変更し、WPA2/WPA3などの強固な暗号化方式を設定しましょう。
- 家庭内でのデジタルデバイスの置き場所:
- 子どものデジタルデバイスは、リビングなど家族の目が届く場所に置くようにしましょう。個室での利用は、親の目が届きにくく、トラブルに繋がりやすいです。
- 定期的なルールと設定の見直し:
- 子どもの成長に合わせて、ルールやペアレンタルコントロールの設定は定期的に見直しましょう。
- 子どもとのオープンなコミュニケーション:
- 最も大切なのは、子どもとの信頼関係です。デジタルデバイスの利用について、隠し事をせず、何でも話せる関係を築きましょう。困ったことがあったら、すぐに親に相談できる環境を作ることが重要です。
おわりに:ペアレンタルコントロールは「安心」のためのツール
ペアレンタルコントロールは、子どもを縛るためのものではなく、子どもが安全にデジタル世界を探求し、成長していくための「安心」を提供してくれるツールです。
一度設定したら終わりではありません。子どもの成長に合わせて設定を見直し、常にオープンなコミュニケーションを心がけることで、デジタルデバイスを子育ての味方につけることができます。
このブログが、皆さんのご家庭のデジタルライフをより安全で豊かなものにする一助となれば幸いです。
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