「今度は何の感染症…?」その不安に、心が折れそうなあなたへ

保育園や幼稚園に通い始めると、まるで「感染症のデパート」のように、次から次へと病気をもらってくる我が子。

「また熱…」
「今度は嘔吐と下痢…」
「ゼーゼーと苦しそう…」

子どもの体調不良は、親にとって最も心配で、そして最も疲れることの一つですよね。特に、感染症は周りの子にもうつしてしまう可能性があり、不安と責任感でいっぱいになっていませんか?

こんにちは!3人の娘たちが、数えきれないほどの感染症を経験し、その度に看病と感染対策に明け暮れてきた、現役ママナースの皐月です。

お気持ち、痛いほど分かります。でも、大丈夫。感染症は、正しい知識と適切な対策で、必ず乗り切ることができます。 そして、あなたは一人ではありません。

この記事では、そんなあなたの不安を解消するために、子どもがよくかかる代表的な感染症(インフルエンザ、ノロウイルス、RSウイルスなど)に焦点を当て、それぞれの症状家庭でできる予防策、そして悪化させないためのホームケアについて、専門家の視点から分かりやすく解説します。

さあ、正しい知識を武器に、感染症からお子さんとご家族を守り抜きましょう。


感染症対策の基本の「き」:手洗い・うがい・マスク

どんな感染症にも共通する、最も基本的な予防策は、手洗い・うがい・マスクです。

  • 手洗い: 外から帰ったら、食事の前、トイレの後など、石鹸を使って丁寧に洗いましょう。特に指の間、爪の間、手首までしっかり洗うことが大切です。
  • うがい: うがいができる年齢になったら、習慣にしましょう。水だけでも効果があります。
  • マスク: 咳やくしゃみが出る時、人混みに行く時などは、マスクを着用しましょう。子ども用のマスクも活用しましょう。

Part 1:インフルエンザ ― 高熱と全身症状に注意

インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって引き起こされる感染症です。普通の風邪よりも症状が重く、高熱や全身症状が特徴です。

症状

  • 急な高熱(38℃以上)
  • 全身の倦怠感、関節痛、筋肉痛
  • 頭痛、鼻水、咳、喉の痛み
  • 嘔吐、下痢(特に子どもに多い)

予防

  • 予防接種: 毎年流行前に接種することで、発症を抑えたり、重症化を防いだりする効果があります。
  • 手洗い・うがい: 基本的な感染対策を徹底しましょう。
  • 人混みを避ける: 流行期は、できるだけ人混みを避けましょう。

ホームケア

  • 安静と水分補給: 十分な睡眠をとり、脱水にならないようこまめに水分を摂りましょう。
  • 解熱剤: ぐったりしている、つらそうにしている場合は、医師から処方された子ども用の解熱剤を使いましょう。インフルエンザの時に、アスピリン系の解熱剤は使えません。
  • 部屋の換気: 定期的に換気を行い、空気を入れ替えましょう。

<ママナースの視点>
インフルエンザは、重症化すると肺炎や脳症などを引き起こすことがあります。特に乳幼児や基礎疾患のあるお子さんは注意が必要です。急な高熱や意識障害、けいれんなどの症状が見られたら、すぐに医療機関を受診しましょう。


Part 2:ノロウイルス ― 激しい嘔吐と下痢に注意

ノロウイルスは、冬場に流行する胃腸炎の主な原因ウイルスです。感染力が非常に強く、激しい嘔吐と下痢が特徴です。

症状

  • 突然の激しい嘔吐
  • 水のような下痢
  • 腹痛
  • 発熱(軽度の場合が多い)

予防

  • 手洗い: 石鹸を使って、流水で30秒以上丁寧に洗いましょう。特に排泄物や嘔吐物を処理した後、食事の前は念入りに。
  • 食品の加熱: カキなどの二枚貝は、中心部までしっかり加熱しましょう。
  • 調理器具の消毒: 調理器具は、熱湯や塩素系漂白剤で消毒しましょう。

ホームケア

  • 水分補給を最優先: 脱水になりやすいので、経口補水液を少量ずつ、頻繁に与えましょう。嘔吐がひどい場合は、無理に飲ませず、30分〜1時間ほど胃を休ませてから再開しましょう。
  • 食事は無理に与えない: 嘔吐や下痢がひどい時は、無理に食べさせる必要はありません。食べられるようになったら、おかゆ、うどんなど消化の良いものから少量ずつ。
  • 吐物・排泄物の処理:
    • 使い捨て手袋とマスクを着用: 処理する際は、必ず使い捨て手袋とマスクを着用しましょう。
    • 塩素系漂白剤で消毒: 吐物や排泄物が付着した場所は、塩素系漂白剤を薄めた液(0.1%)で拭き取り、しっかり消毒しましょう。
    • 汚れた衣類: 塩素系漂白剤に浸してから洗濯するか、熱湯消毒しましょう。

<ママナースの視点>
ノロウイルスは、アルコール消毒が効きにくいのが特徴です。手洗いを徹底し、塩素系漂白剤での消毒が非常に重要です。脱水症状がひどい場合や、ぐったりしている場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。


Part 3:RSウイルス ― 乳幼児の呼吸器症状に注意

RSウイルスは、乳幼児に多く見られる呼吸器感染症です。特に乳児期早期(生後6ヶ月未満)の赤ちゃんが感染すると、重症化しやすい傾向があります。

症状

  • 鼻水、咳、発熱(風邪と似ている)
  • ゼーゼー、ヒューヒューという喘鳴(ぜんめい)
  • 呼吸が速い、呼吸が苦しそう(陥没呼吸など)
  • ミルクの飲みが悪い、食欲不振

予防

  • 手洗い・うがい: 基本的な感染対策を徹底しましょう。
  • 人混みを避ける: 流行期は、できるだけ人混みを避けましょう。
  • 家庭内感染の予防: 家族が風邪をひいたら、赤ちゃんへの接触を控え、マスクを着用しましょう。

ホームケア

  • 安静と水分補給: 十分な睡眠をとり、脱水にならないようこまめに水分を摂りましょう。
  • 鼻水対策: 鼻吸い器でこまめに吸い取ってあげましょう。鼻が詰まっていると、呼吸が苦しくなります。
  • 加湿: 部屋の加湿を心がけ、鼻や喉の乾燥を防ぎましょう。
  • 呼吸が楽な姿勢: 上半身を少し起こしてあげると、呼吸が楽になることがあります。

<ママナースの視点>
RSウイルスは、乳幼児が重症化しやすい感染症です。特に、呼吸が苦しそう、ゼーゼーがひどい、ミルクの飲みが悪い、顔色が悪いなどの症状が見られたら、すぐに医療機関を受診しましょう。入院が必要になることもあります。


まとめ:正しい知識と対策で、感染症から子どもを守ろう

子どもの感染症は、親にとって心配の種ですが、正しい知識と適切な対策があれば、慌てずに対応することができます。

  • 基本的な感染対策(手洗い・うがい・マスク)を徹底する。
  • 各感染症の症状と予防法、ホームケアを知っておく。
  • 危険なサインを見逃さず、迷わず専門家を頼る。

あなたのその冷静な判断と、温かい看病が、お子さんの回復を早める何よりの力になります。このガイドが、あなたの不安を少しでも和らげ、お子さんとご家族の健康を守る一助となれば幸いです。