「ゲームばかりして!」その怒り、逆効果かもしれません

「宿題もやらずに、一日中ゲーム…」
「注意すると、親子喧嘩になってしまう…」

子どものゲームにまつわる悩みは、今や多くの家庭にとって共通の課題です。視力の低下や学力への影響も心配だし、何より、親子のコミュニケーションがギスギスしてしまうのは避けたいですよね。

しかし、頭ごなしに「ゲームはダメ!」と禁止するだけでは、子どもは反発し、隠れてゲームをするようになるだけ。大切なのは、ゲームを「敵」と見なすのではなく、親子で納得できる「味方につけるルール」を作ることです。

この記事では、一方的な禁止ではなく、子どもの自主性と責任感を育む、新しいゲームとの付き合い方をご提案します。

なぜ子どもはゲームに夢中になるのか?

ルールを考える前に、まずは子どもがなぜこれほどまでにゲームに惹きつけられるのかを理解しましょう。

  • 達成感と自己肯定感: 自分の力でステージをクリアしたり、目標を達成したりすることで、手軽に達成感や有能感を得られます。
  • 友達とのコミュニケーションツール: オンラインゲームなどを通じて、友達と繋がり、協力したり、競い合ったりする大事な社交の場になっています。
  • 現実からの逃避: 学校や家庭で何か嫌なことがあった時、ゲームの世界に没頭することで、一時的に現実を忘れ、心を休めることができます。

ゲームは、子どもにとって単なる「遊び」以上の意味を持っているのです。

親子で納得!ゲームルール作りの4ステップ

感情的に叱るのではなく、以下のステップで、子どもと一緒にルールを作っていきましょう。

ステップ1:親の「心配」を冷静に伝える

まずは、「ゲームばかりしていると、こんなことが心配なんだ」と、親の気持ちを冷静に伝えます。

  • 「目が悪くならないか心配だな」
  • 「睡眠時間が短くなると、朝起きるのが辛くならないかな?」
  • 「家族で話す時間が減るのは、少し寂しいな」

ポイントは、「あなたのため」という愛情がベースにあることを伝えることです。

ステップ2:子どもに「どうしたいか」を考えさせる

次に、子ども自身に「どうすれば、心配事を解決しながらゲームも楽しめるか」を考えさせます。

  • 「じゃあ、どういうルールがあったらいいと思う?」
  • 「時間を決めるとしたら、どれくらいなら守れそう?」

一方的に押し付けるのではなく、子どもに考えさせることで、ルールに対する当事者意識が芽生えます。

ステップ3:具体的な「守れるルール」を一緒に決める

子どもの意見を尊重しながら、具体的なルールを決めます。最初はゆるめの設定から始めるのが成功のコツです。

【ルールの例】

  • 時間: 「1日1時間まで」「平日は30分、休日は1時間半」など
  • 時間帯: 「夜9時以降はしない」「ご飯と宿題が終わってから」など
  • 場所: 「リビングだけでやる(自室に持ち込まない)」など
  • 課金: 「お小遣いの範囲で、必ず相談してから」など
  • ペナルティとご褒美: 「守れなかったら次の日はお休み」「1週間守れたら、週末に30分プラス」など

決めたルールは、紙に書いて見える場所に貼っておきましょう。

ステップ4:定期的にルールを見直す

子どもの成長や状況の変化に合わせて、ルールは定期的に見直しましょう。「最近、宿題もきちんとできているから、少し時間を延ばしてみる?」など、子どもの頑張りを認める形で更新していくのが理想です。

ゲーム以外の「楽しい」も見つけよう

ゲームだけに子どもの楽しみが集中しないよう、親が意識的に他の選択肢を提示することも大切です。

  • 一緒に体を動かす: 公園で遊ぶ、キャッチボールをする、サイクリングに行くなど。
  • ボードゲームやカードゲームで遊ぶ: 家族みんなで盛り上がれるアナログな遊びも取り入れましょう。
  • 子どもの興味を広げる: プログラミング教室やスポーツ、音楽など、本人が興味を持ちそうな習い事を提案してみるのも良いでしょう。

まとめ:ゲームとの付き合い方は、これからの時代を生きる練習

ゲームとの上手な付き合い方を身につけることは、スマホやSNSなど、これから子どもが出会う様々なデジタルメディアと適切に関わっていくための大切な練習になります。

「禁止」や「制限」ではなく、「対話」と「共同作業」でルールを作る。その経験こそが、子どもの自主性とセルフコントロール能力を育むのです。