「〇〇ちゃんのママ」「〇〇くんのママ」…自分の名前、呼ばれてますか?
子育て中のママなら、一度は経験があるのではないでしょうか。
スーパーで、公園で、保育園で…。「〇〇ちゃんのママ」「〇〇くんのママ」と、子どもの名前で呼ばれること。
最初は嬉しかったはずなのに、いつの間にか「私」という存在が、子どもの「付属品」のようになってしまったような、漠然とした寂しさや違和感を感じていませんか?
「私って、一体誰なんだろう…」
「母親であること以外に、私には何があるんだろう…」
そんな風に、自分のアイデンティティを見失いそうになる「母親のアイデンティティ・クライシス」に陥っていませんか?
何を隠そう、現役看護師として働きながら3人の娘を育ててきた私も、この「アイデンティティ・クライシス」に深く悩んだ経験があります。
「看護師としての自分」と「母親としての自分」のギャップに苦しみ、自分らしさを見失いそうになったことも。
この記事では、ママナースである私が、母親のアイデンティティ・クライシスが起こる理由と、その乗り越え方、そして、自分らしい「私」を取り戻すための具体的なヒントを、私の実体験を交えながら分かりやすく解説します。
もう、一人で抱え込まないで。この記事を読めば、あなたの「私」を取り戻し、母親であることと自分らしさを両立させるヒントがきっと見つかるはずです。
母親のアイデンティティ・クライシス:なぜ起こるの?
母親のアイデンティティ・クライシスは、多くのママが経験する、ごく自然な心の変化です。その背景には、いくつかの理由があります。
1. 役割の変化と喪失感
出産を機に、女性は「妻」「娘」「社会人」といった役割に加えて、「母親」という新たな役割を担うことになります。特に、仕事から離れて子育てに専念する期間は、社会との繋がりが希薄になり、これまでの「自分」を失ってしまったような喪失感を抱くことがあります。
2. 24時間体制の育児と自己犠牲
子育ては、24時間365日休みがありません。自分の時間や睡眠時間を削って、子どもの世話に追われる日々の中で、自分の欲求や感情を抑え込み、「母親だから」と自己犠牲を強いられることで、自分らしさを見失ってしまうことがあります。
3. 社会からのプレッシャーと理想の母親像
「良い母親であるべき」「完璧な母親でなければならない」といった社会からのプレッシャーや、SNSなどで目にする「理想の母親像」に囚われることで、自分を責めたり、自信をなくしたりすることがあります。
4. 自分の名前で呼ばれないことの違和感
「〇〇ちゃんのママ」と呼ばれることは、子どもが社会に認められている証でもありますが、同時に「私」という個人が認識されていないような違和感を覚えることがあります。特に、仕事で名前で呼ばれることに慣れていた人にとっては、大きな変化と感じられるでしょう。
「私」を取り戻すためのヒント:母親であることと自分らしさを両立させる
母親のアイデンティティ・クライシスは、乗り越えることができます。大切なのは、自分を責めずに、少しずつ「私」を取り戻すための行動を始めることです。
1. 「私」の時間を作る
どんなに短時間でも良いので、意識的に「私」のための時間を作りましょう。好きなことをする時間、一人でゆっくりする時間、友人と話す時間など、母親ではない「私」に戻れる時間を持つことが大切です。
- 例: 子どもが寝た後に好きなドラマを見る、カフェで一人読書をする、美容院に行く、友人とランチに行くなど。
2. 自分の「好き」を再発見する
子育てに追われる中で、自分の「好き」を見失っていませんか?昔好きだったこと、新しく興味を持ったことなど、自分の「好き」を再発見し、それを楽しむ時間を作りましょう。それが、あなたの「私」を取り戻すきっかけになります。
- 例: 昔の趣味を再開する、新しい習い事を始める、興味のある分野の勉強をするなど。
3. 自分の「名前」で呼ばれる場所を持つ
仕事でも、趣味のサークルでも、ボランティアでも、自分の名前で呼ばれ、母親ではない「私」として社会と繋がれる場所を持つことは、アイデンティティを取り戻す上で非常に重要です。
4. 完璧な母親を目指さない
「良い母親」の定義は人それぞれです。完璧な母親を目指すのではなく、「自分らしい母親」を目指しましょう。時には手抜きをしたり、誰かに頼ったりすることも大切です。自分を許し、ありのままの自分を受け入れることで、心が楽になります。
5. 信頼できる人に相談する
一人で抱え込まず、夫、友人、家族、地域の相談窓口など、信頼できる人に自分の気持ちを話してみましょう。話すことで、気持ちが整理されたり、新たな視点が見つかったりすることがあります。
ママナースからのアドバイス:あなたは、あなたのままで素晴らしい
母親であることは、あなたの人生の素晴らしい一部です。しかし、それだけがあなたの全てではありません。
あなたは、母親であると同時に、一人の人間として、かけがえのない個性と魅力を持っています。そのことを忘れないでください。
「〇〇ちゃんのママ」と呼ばれることも、もちろん嬉しいこと。でも、それ以上に、あなた自身が「私」として輝いていることが、子どもにとって何よりの喜びであり、誇りになるはずです。
焦らず、あなたのペースで、自分らしい「私」を取り戻す旅を続けてください。あなたは、あなたのままで素晴らしい存在です。