夜中に泣いて訴える足の痛み、本当に「成長痛」で片付けて大丈夫?
夕方から夜にかけて、子どもが「足が痛い」と泣き出す。でも、翌朝には、ケロッとして元気に走り回っている…。そんな時、多くの親御さんは、「ああ、成長痛かな」と、考えるのではないでしょうか。
こんにちは、ママナースのさとみです。「成長痛」は、幼児期から学童期の子どもによく見られる症状ですが、実は、「成長痛」という名前の病気は、正式には存在しません。 他に明らかな異常がなく、年齢や症状から、推測される診断名なのです。
しかし、中には、成長痛とよく似た症状で、治療が必要な、別の病気が隠れている可能性もあります。この記事では、「成長痛」の特徴と、見逃してはいけない「危険な足の痛み」のサインについて、詳しく解説します。
いわゆる「成長痛」、その特徴とは?
一般的に「成長痛」と呼ばれる足の痛みには、以下のような特徴があります。
- 痛む時間帯: 夕方から夜間、特に就寝中が多い。朝になると、痛みが消えている。
- 痛む場所: 膝、ふくらはぎ、足の甲など、下肢に多い。痛む場所が、日によって移動することもある。
- 痛みの程度: シクシクとした痛みから、泣き叫ぶほどの強い痛みまで、様々。断続的に、数週間から数ヶ月続くことがある。
- 見た目の変化: 痛がる部分に、腫れや、赤み、熱感など、見た目の異常はない。
- 日中の様子: 日中は、痛みを忘れ、元気に走り回っている。
原因は、まだはっきりと分かっていませんが、骨の成長に、筋肉の成長が追いつかないためのアンバランスや、日中の活動による、肉体的な疲労、精神的なストレスなどが、関係していると考えられています。
「成長痛」と決めつける前に!見逃してはいけない危険なサイン
以下の症状が一つでも見られる場合は、成長痛以外の病気の可能性があります。自己判断せず、整形外科を受診してください。
- 痛みが、朝になっても続いている。日中も、痛みを訴える。
- 痛がる場所が、いつも同じ(特に、股関節や、特定の関節)。
- 痛がる部分が、赤く腫れていたり、熱を持っていたりする。
- 足を引きずって歩いている。
- 発熱を伴っている。
- 本人が、どんどん元気がなくなっていく。
これらのサインは、若年性特発性関節炎(JIA)などの膠原病や、骨の感染症(骨髄炎)、さらには、骨肉腫などの悪性腫瘍といった、重大な病気が隠れている可能性を示唆しています。
「成長痛」と言われたら。家庭でできる、痛みのケア
病院で、「特に異常はなく、いわゆる成長痛でしょう」と診断された場合、家庭では、どのようにケアしてあげれば良いのでしょうか。
成長痛は、体の痛みであると同時に、「甘えたい」という、心のサインでもあります。痛みを和らげ、安心感を与えるケアが、何よりも効果的です。
- 優しく、さすってあげる: 痛がっている場所を、ママやパパの手で、優しくマッサージしてあげましょう。「痛いの、痛いの、飛んでいけ」と、声をかけながら、ゆっくりさすってあげるだけで、子どもは、不思議と安心します。
- 温めてあげる: 蒸しタオルや、お風呂で、ゆっくり温めてあげると、血行が良くなり、痛みが和らぐことがあります。
- 湿布は、慎重に: 子どもの皮膚はデリケートなので、大人用の湿布は、かぶれの原因になります。使う場合は、必ず、医師や薬剤師に相談してください。
- 日中の疲れを、溜めすぎない: 特に、活発に運動した日の夜に、痛みを訴えることが多いです。疲れすぎないように、休息を促すことも大切です。
まとめ:子どもの「痛い」という訴えを、軽視しないで
子どもの「痛い」という訴え。それは、体の異常を知らせる、重要なサインです。
「どうせ、また成長痛だろう」と、安易に自己判断してしまうのは、危険です。まずは、今回ご紹介した「危険なサイン」がないかを、冷静に観察してください。
そして、少しでも「おかしいな」と感じたら、迷わず、専門医の診察を受けること。その親の慎重な判断が、万が一の、大きな病気の早期発見に繋がるのです。