「早く早く! 遅刻するよ!」
「いってきまーす!(バタン!)」
「…あ、うん、おかえりー(スマホぽちぽち)」
慌ただしい朝の玄関、疲れて帰ってきた夕方…。
毎日の「いってらっしゃい」と「おかえり」、つい流れ作業のように、あるいは上の空で済ませてしまっていること、ありませんか?
こんにちは!湘南で子育て中の、3姉妹の母で現役看護師、「こそだて部」の皐月です。
正直に告白します…私もです! バタバタの朝はつい眉間にシワを寄せて「早く!」が先に出てしまったり、仕事で疲れて帰宅した娘に、心ここにあらずで「おかえり」と言ってしまったり…。後で「あぁ、もっとちゃんと顔を見てあげればよかった」と反省すること、数えきれません。
でも、この一日の始まりと終わりに交わされる、たった数秒のやりとり。
実は、子どもの心を安心感で満たし、外の世界で頑張るエネルギーを充電するための、とてつもなく大切な「魔法の時間」なんです!
今回の「#ワンポイント育児」では、
- なぜ、ただの挨拶じゃない? ”笑顔”の「いってらっしゃい」「おかえり」が持つ深い意味
- 忙しくても大丈夫!心を込めて伝えるための【3つの簡単コツ】
- どうしても余裕がない…そんな時の「最低限ルール」
について、子どもの心の成長や、看護師として日々感じるコミュニケーションの大切さ、そして我が家のドタバタな日常から得た気づきを交えながら、お伝えしていきます。
今日から、あなたの「いってらっしゃい」「おかえり」が、もっと温かいものになるヒントが見つかれば嬉しいです。
なぜ”笑顔”の「いってらっしゃい」「おかえり」が大切なの?
毎日の挨拶が、なぜそんなに重要なのでしょうか? それは、子どもの心にとって、こんな意味を持っているからです。
1. 一日の始まりと終わりに”安心感”をチャージ!【心の安全基地】
朝、親の笑顔に見送られて「いってきます!」と家を出る。それは、「自分は愛され、応援されている」という安心感を胸に、外の世界へ踏み出すための勇気となります。そして一日頑張って、笑顔で「おかえり!」と迎えられる。それは、「ちゃんと帰る場所がある」「受け止めてもらえる」という、心の安全基地を確認する瞬間です。この繰り返される安心感が、子どもの情緒の安定に不可欠なのです。(心理学でいう「安全基地」の考え方ですね)
2. 「あなたは大切な存在だよ」というメッセージ【存在承認】
忙しい中でも、一瞬でも手を止めて、目を合わせ、笑顔で言葉をかける。その行為自体が、「あなたのこと、ちゃんと見てるよ」「あなたは私たちにとって、とても大切な存在だよ」という、言葉以上に強いメッセージとして子どもに伝わります。この「自分は大切にされている」という感覚が、自己肯定感の根っこを育てます。
3. 気持ちを切り替える”スイッチ”になる【情緒の安定】
「いってらっしゃい」は、家でのリラックスモードから、外(園や学校)での活動モードへ、気持ちを切り替える合図。「おかえり」は、外での緊張や興奮から、家での安心モードへ、気持ちを切り替える合図。この区切りとなる挨拶が、温かくポジティブなものであることで、子どもはスムーズに気持ちを移行させやすくなります。特に、分離不安を感じやすい子にとっては、重要な役割を果たします。
4. 親子の”信頼の絆”を深める【関係性の強化】
毎日繰り返される、予測可能で、温かいやりとり。この「変わらない安心感」が、親子の間の信頼関係を、静かに、でも確実に深めていきます。「いつも笑顔で見送ってくれる」「帰ったら、ちゃんと迎えてくれる」…その小さな約束の積み重ねが、強い絆となるのです。
皐月’s Point: 家族や大切な人との間で行われる、こうした日々の小さな「儀式(リチュアル)」は、心の安定や幸福感に繋がるという研究もあります。看護の現場でも、患者さんへの朝晩の挨拶や声かけは、単なる業務ではなく、安心感を提供し、信頼関係を築くための大切なコミュニケーションです。笑顔やアイコンタクトといった非言語的な要素も、言葉以上に気持ちを伝える力を持っています。
実践!心を込めた「いってらっしゃい」「おかえり」【3つの簡単コツ】
「大切さは分かったけど、忙しい朝や疲れた夕方に、いつも笑顔なんて無理!」…そうですよね! 大丈夫、完璧じゃなくていいんです。ほんの少しの意識で、いつもの挨拶が格段に温かくなります。
コツ1:”一瞬”でOK! 立ち止まって、目を見て、笑顔で
- やり方:
- 「いってらっしゃい」「おかえり」と言う瞬間、たとえ3秒でもいいので、今やっていることを止め、子どもの方に向き直ります。
- スマホやテレビから目を離し、子どもの目を見ます。
- 口角を上げて、にっこり。(作り笑顔でも、意識するだけで全然違います!)
- そして、「いってらっしゃい!」「おかえり!」とはっきり言葉に出します。
- ポイント: 「ながら挨拶」をやめるだけで、子どもへの伝わり方が劇的に変わります!
コツ2:言葉に”プラスα”の温もりを
- やり方:
- 「いってらっしゃい、今日も元気に楽しんできてね!」
- 「おかえり!待ってたよ。今日もお疲れ様!」
- 軽くハイタッチする、頭をポンポンする、手を振る。
- 玄関まで(あるいは窓から)見送る。
- ポイント: 定型句に、ほんの一言、具体的な気遣いや愛情表現をプラスする。短い言葉やジェスチャーでも、温かみがぐっと増します。
コツ3:”聴く姿勢”もセットで(特に「おかえり」の時)
- 心がけ:
- 「おかえり!」と迎えた後、すぐに「手洗った?」「宿題は?」と矢継ぎ早に聞くのではなく、少し間を置いて、「今日はどんな一日だった?」と子どもの話を聞く姿勢を見せる。(もちろん、子どもが話したくなさそうな時は無理強いしない)
- 玄関で数秒立ち話をするだけでもOK。「今日、給食美味しかった?」など、軽い質問から入るのも良いですね。
- ポイント: 「あなたの帰りを待っていたよ、あなたの一日に関心があるよ」というメッセージが伝わります。(→「気持ちを受け止める」記事も参考に!)
忙しい!余裕がない!…そんな時の”最低限ルール”
どうしても時間がない!疲れて笑顔が出ない!…そんな日もあります。人間だもの。
そんな時は、「最低限、これだけは!」という自分ルールを決めておくのがおすすめです。
- 例:
- どんなに忙しくても、一瞬だけ目を見て「いってらっしゃい!」と言う。
- 疲れていても、玄関で「おかえり」と声だけはかける。
- 余裕がないことを正直に伝える。「ごめんね、今ちょっとバタバタだから、後でゆっくり話聞かせてね!」
完璧を目指さず、「ゼロ」にしないこと。そして、できなかった日があっても、自分を責めすぎないこと。それが、長く続けるコツです。
我が家の「いってらっしゃい」革命:朝のドタバタ玄関が変わった!
以前の我が家の朝は、それはもう戦場でした(苦笑)。「早く!」「まだ!?」と、私の怒鳴り声と、娘たちのグズグズ…。そんな中での「いってきます」「いってらっしゃい」は、義務的な、時には険悪なムードさえ漂うものでした。
でもある時、「これじゃいけない!」と思い立ち、どんなに時間がなくても、玄関を出る前の数秒だけは、必ずしゃがんで娘たちの目を見て、笑顔で「いってらっしゃい! 今日も楽しい一日になりますように!」と言って、ぎゅっとハグする、というのを意識して始めたんです。(コツ1&2の実践!)
最初は照れくさかったし、時間を取られる気もしましたが、続けていくうちに、不思議と娘たちの朝のグズグズが減り、笑顔で「いってきまーす!」と家を出ていく日が増えたんです。そして何より、私自身の気持ちが、すごく穏やかになった。朝のバタバタの中でも、この数秒の温かいやりとりが、親子双方の心の「お守り」になっている気がします。
まとめ:「いってらっしゃい」「おかえり」は、心の”充電ステーション”!
毎日の「いってらっしゃい」と「おかえり」。
それは、単なる挨拶ではなく、
「あなたは大切だよ」
「ここは安心できる場所だよ」
「あなたのことを応援しているよ」
という、愛情と安心感を伝える、大切なコミュニケーション。
子どもにとっては、一日の活動エネルギーを充電し、帰ってきてホッとできる、心の”充電ステーション”のような役割を果たしています。
忙しい毎日の中でも、ほんの少しだけ意識して、笑顔と、目と、心を込めて、この魔法の言葉を伝えてみませんか?
その小さな習慣が、お子さんの心の安定と、親子の温かい絆を、きっと豊かに育んでくれるはずです。
あなたの家の「いってらっしゃい」「おかえり」の”こだわり”や、心掛けていることはありますか? ぜひコメントで教えてくださいね!
「#ワンポイント育児」で、毎日の挨拶をもっと温かく!この記事が参考になったら、いいね!やシェアをお願いします♪
次回の「#ワンポイント育児」もお楽しみに!
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