「お姉ちゃんばっかり、新しいの買ってもらってズルい!」
「僕のおやつのほうが小さい!ズルい!」
「なんで〇〇くんだけ、ゲームの時間長いの?ズルい!」
…あぁ、今日も我が家(ここ藤沢でも!)に響き渡る「ズルい!」の大合唱…(涙)。
特に兄弟姉妹がいるご家庭では、この「不公平感」からくるケンカ、日常茶飯事ですよね。そのたびに、「また始まった…」「どう説明したら分かってくれるの…?」と、親はため息をつきたくなるものです。
ママ、パパ、毎日お疲れ様です!審判役、本当に大変ですよね!
3姉妹の母で現役看護師、「こそだて部」の皐月です。
我が家の三姉妹も、それはもう「ズルい!」のオンパレード。おもちゃの取り合い、おやつの量、ママの隣の席…数え上げたらキリがありません。「公平に、平等に…」と神経をすり減らした時期もありましたが、完璧な平等なんて、現実にはなかなか難しい。そして、必ずしも「平等」が、子どもたちの「納得」に繋がるとは限らないんですよね。
今日は、そんな子どもの「ズルい!」という叫びの裏にある気持ちを読み解きながら、
- なぜ子どもは、ささいなことでも「不公平」だと感じるのか?
- ついやりがち…ケンカを悪化させるNG対応
- 子どもの不公平感を”納得”と”思いやり”に変える【魔法の対応ステップ5】
- 「公平」と「平等」の違いを、どう伝える?
について、現役看護師としての視点(発達段階によるニーズの違いなど)も踏まえつつ、我が家のリアルな経験と反省を交えてお伝えします。
この記事を読めば、「ズルい!」への対応に少し自信が持てるようになり、子ども自身が「公平さ」について考え、他者の気持ちを思いやるきっかけを作れるかもしれません。
なぜ子どもは「ズルい!」と感じるの? 心のメカニズム【ママナース解説】
大人の目から見ると、「そんなことで?」と思うようなことでも、子どもが「ズルい!」と強く感じるのには、ちゃんと理由があります。
- 理由1:発達途中の「正義感」と「平等意識」
特に幼児期後半から学童期にかけて、子どもは「みんな同じであること」を「公平」だと捉える傾向があります。ルールや約束に敏感になり、「自分だけ違う」状況に強く反発することがあります。これは、社会性を身につけていく上で自然な発達段階なんです。 - 理由2:自分中心の視点(自己中心性)
まだ他者の立場や状況を十分に理解するのが難しく、どうしても自分の欲求や視点から物事を判断しがち。「自分が損している」と感じやすいのです。 - 理由3:身近な相手との「比較」
特に兄弟姉妹や仲の良い友達など、身近な存在とは、持ち物、能力、親からの注目度など、あらゆる面で自分と比べてしまいやすいもの。比較の中で、「自分は劣っている」「不当に扱われている」と感じやすいのです。 - 理由4:言葉の裏にある「本当の気持ち」
「ズルい!」という言葉は、実は「もっと私(僕)を見てほしい」「〇〇ちゃんがうらやましい」「仲間外れにされた気がして寂しい」といった、嫉妬、羨望、甘え、寂しさなどの感情を表している場合もあります。言葉通りの意味だけではないかもしれません。 - 理由5:「必要」と「欲求」の区別が難しい
「お姉ちゃんは塾があるから夜食があるけど、自分にはない」といった状況を、「必要性の違い」ではなく、単純な「差=不公平」と捉えてしまうことがあります。
これらの背景を知ると、「ズルい!」という言葉の裏にある、子どもの一生懸命な気持ちや、発達段階ならではの葛藤が見えてきませんか?
火に油を注ぐ!? 「ズルい!」へのNG対応
子どもの「ズルい!」発言に、感情的に反応したり、安易に対応したりすると、かえって問題をこじらせてしまうことも…。
- 「ズルくない!」と頭ごなしに否定する: 子どもの「そう感じた気持ち」を無視することになり、反発を招きます。
- すぐにどちらか一方の味方をする: 兄弟姉妹ゲンカの場合、一方をかばうと、もう一方の不満がさらに募ります。
- 「じゃあ、あなたも同じようにしてあげる!」と安易に要求を飲む: その場は収まっても、根本的な解決にならず、「言えば要求が通る」と学習させてしまう可能性も。
- 「あなただって前は〇〇してもらったでしょ!」と過去のことを持ち出す: 水掛け論になりやすく、子どもは納得しません。
- 「そんなこと言う子は嫌いよ!」と人格を否定する: 子どもの心を深く傷つけ、自己肯定感を下げてしまいます。
- 無視する: 不満や疑問を抱えたまま放置され、親子関係への不信感に繋がることも。
大切なのは、子どもの気持ちを受け止めつつ、冷静に、そして毅然と、親としての考えを伝えることです。
「ズルい!」を”納得”と”思いやり”に変える魔法【対応ステップ5】
では、具体的にどう対応すれば、子どもの不公平感を和らげ、納得や思いやりを引き出すことができるのでしょうか? 我が家でも意識している5つのステップです。
ステップ1:まずはクールダウン&気持ちを受け止める「そう感じたんだね」【共感】
カッとなっている子どもの言葉を、まずは冷静に受け止めましょう。
- 声かけ例:
- 「そっか、〇〇ちゃん(くん)は、『ズルい!』って感じたんだね」
- 「なんだか、自分だけ損したような、嫌な気持ちになったのかな?」
- 「うんうん、そう思ったんだね」(まずは否定せず、ただ聞く)
- ポイント:
- 親も一呼吸置いて、感情的にならずに対応する。
- 「ズルい」という判断ではなく、その裏にある感情(悔しさ、悲しさなど)に焦点を当てて共感する。
気持ちを受け止めてもらうだけで、子どもの興奮は少し和らぎます。
ステップ2:何が「ズルい」と感じたのか具体的に聞く【事実確認】
感情が少し落ち着いたら、何に対して「ズルい」と感じたのか、具体的に話を聞きましょう。
- 声かけ例:
- 「どのへんが『ズルい』って思ったのか、もう少し詳しく教えてくれる?」
- 「ママ(パパ)が見ていないところで、何かあったの?」
- 「〇〇が理由で、そう感じたのかな?」
- ポイント:
- 決めつけずに、子どもの言い分を最後まで聞く。
- 必要であれば、相手(兄弟姉妹など)の話も聞く。
- 客観的な事実関係を整理する。
ここで、親の誤解や、子どもの勘違いが明らかになることもあります。
ステップ3:親の考えや理由を”分かりやすく”説明する【説明責任】
なぜそのような状況になったのか、親の判断の理由などを、子どもにも理解できるように説明します。
- 説明例:
- 「お兄ちゃんは中学生で、部活で疲れているから、少し多めにご飯をよそっているんだよ」
- 「これは、〇〇ちゃんがずっと欲しがっていたのを、お誕生日に特別にプレゼントしたものだから、今は貸せない約束なんだ」
- 「あなたの年齢だと、まだこのゲームは難しいし、もう少し大きくなってからのお楽しみだよ」
- 「ママは、二人のことが同じように大切だよ。でも、年齢や状況によって、必要なことや、やってあげられることは違う時もあるんだ」
- ポイント:
- 具体的に、正直に、一貫性を持って伝える。
- 「公平=みんな全く同じ」ではないことを、年齢に応じて説明する。(「一人一人に必要なものは違う」という視点)
親の考えを丁寧に伝えることで、子どもは納得しやすくなります。
ステップ4:相手の立場や気持ちを想像する声かけ【視点変換】
自分の気持ちだけでなく、相手の立場や気持ちにも目を向けられるように、そっと促してみましょう。
- 声かけ例:
- 「もし△△ちゃん(くん)が、〇〇ちゃんの立場だったら、どんな気持ちになるかな?」
- 「お姉ちゃんは、今テスト前で大変だから、少し静かにしてあげたいなと思わない?」
- 「みんなそれぞれ、得意なこと、苦手なこと、好きなこと、必要なものって違うんだよね」
- ポイント:
- 強制ではなく、問いかけの形で。
- 相手の状況や感情を具体的にイメージできるように手伝う。
- 共感力や思いやりを育むきっかけにする。
すぐにできなくても、繰り返し伝えることで、少しずつ他者の視点を理解できるようになります。
ステップ5:一緒に解決策やルールを考える【協働】
不満が出やすい状況については、子どもも交えて、今後のルールや解決策を話し合うのも有効です。
- 関わり方の例:
- 「じゃあ、どうしたら二人とも『公平だ』って感じられるかな? アイデアある?」
- 「おもちゃの貸し借り、新しいルールを一緒に作ってみない? 例えば、タイマーで時間を決めるとか」
- 「次におやつを分ける時は、〇〇ちゃん(くん)に手伝ってもらおうかな?」
- ポイント:
- 子ども自身に考えさせ、意見を尊重する。
- 実現可能な、具体的なルールを決める。
- 一方的に決めるのではなく、一緒に決めたというプロセスが重要。
自分でルール作りに参加することで、納得感が高まり、守ろうという意識も芽生えます。
「公平」って難しい! 我が家の三姉妹ルール作り
我が家も三姉妹なので、「ズルい!」の嵐はしょっちゅうです(笑)。特に、おもちゃやゲームの順番、おやつの分け方などは、永遠のテーマ…。
以前、おやつのクッキーの大きさで大ゲンカになった時がありました。見た目で明らかに大きさが違ったんですね。「こっちが大きい!ズルい!」「そっちだって厚みが違う!」と…。
その時は、まず二人の言い分を聞き(ステップ2)、「確かに、見た目の大きさが違うと、損した気持ちになるよね」(ステップ1)と共感。そして、「でも、ママは同じように大切に思って分けてるつもりなんだよ。ぴったり同じにするのは難しい時もあるんだ」(ステップ3)と説明しました。
その上で、「じゃあ、今度からどうする? くじ引きで選ぶ? それとも、小さいのを2枚にする?」(ステップ5)と提案。結局、「小さいのを2枚の方が嬉しい!」となり、それ以来、大きさが違う時は枚数で調整する、という我が家ルールができました。完璧な公平ではないかもしれませんが、子どもたちなりに納得できる着地点を見つけることが大切なんだな、と感じた出来事です。
「ズルい!」の裏にある、満たされない気持ちに気づく
時には、「ズルい!」という言葉が、「もっと私(僕)だけを見てほしい」「愛情を独り占めしたい」といった、満たされない気持ちの表れであることも。特に下の子が生まれた後などに、上の子が訴える「赤ちゃんばっかりズルい!」は、典型的な例かもしれません。
そんな時は、「ズルい」という言葉尻だけを捉えるのではなく、「寂しいのかな?」「不安なのかな?」と、その子の心の内側に寄り添い、意識的にその子だけに注目する時間を作ったり、愛情をしっかり言葉や態度で伝えたりすることが、根本的な解決に繋がることもあります。
まとめ:「ズルい!」は、社会性と心を育むチャンス!
子どもの「ズルい!」という言葉は、親を悩ませるやっかいなものに思えるかもしれません。でも、それは「公平さ」について学び、自分の気持ちを表現し、他者の気持ちを理解し、社会的なルールを身につけていく、大切な成長プロセスの一部。
焦らず、感情的にならず、
- 気持ちを受け止め
- 具体的に話を聞き
- 理由を説明し
- 相手の視点を促し
- 一緒に解決策を考える
このステップを参考に、お子さんの「ズルい!」に、根気強く向き合ってみてください。
「公平とは何か?」「思いやりとは何か?」…そんな大切なことを、親子で一緒に考え、学んでいく貴重な機会になるはずです。
「うちの『ズルい!』対策、こうしてます!」「こんな時、どう説明したらいい?」など、あなたの体験談や悩みも、ぜひコメントでシェアしてくださいね!
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