はじめに:「うちの子、うまくやれてる?」見えない不安を解消するヒント
「うちの子、園(学校)でうまくやれているかな…」
「お友達とトラブルになっていないか心配…」
発達障害の特性を持つ子どもにとって、集団生活の場である園や学校は、時に大きなストレスを感じる場所になり得ます。
こんにちは、ママナースのさとみです。子どもの園や学校での様子が見えない分、親御さんの心配は尽きないですよね。
でも、大丈夫。家庭と園・学校がしっかりとタッグを組むことで、子どもは安心して過ごせるようになり、持っている力をぐんと発揮できるようになります。
この記事では、発達障害のある子どもが園や学校で楽しく過ごすために、親ができる「連携術」の具体的なポイントをお伝えします。
なぜ「連携」がそんなに大切なの?
先生は、クラスの沢山の子どもたちを見ています。そのため、一人ひとりの細かい特性や、その日の体調、気分の変化までを完璧に把握するのは、とても難しいのが現実です。
そこで、家庭でしかわからない子どもの情報を親が先生に伝えることで、先生は初めてその子に合った適切な配慮ができるようになります。
例えば、
- 家で嫌なことがあった日は、園でかんしゃくを起こしやすい
- 大きな音が苦手なので、運動会の練習は少し離れた場所で見学させてほしい
といった情報を共有するだけで、未然にトラブルを防いだり、子どもがパニックになるのを防いだりできるのです。
連携は、先生に「お願い」をするためだけのものではありません。子どもの情報を共有し、一緒に「チーム」として子育てをしていくための、最も重要なステップなのです。
すぐに使える!先生との連携をスムーズにする3つのツール
「連携が大事なのはわかったけど、どうやって伝えればいいの?」と思いますよね。かしこまる必要はありません。普段から使えるツールを活用しましょう。
1. 連絡帳・支援ノートを「最強の引継ぎ書」にする
連絡帳は、ただの出欠連絡の場ではありません。家庭での子どもの様子を伝える絶好のツールです。
- 具体的に書く: 「元気です」だけでなく、「昨夜は寝るのが遅かったので、今日は眠いかもしれません」「朝、〇〇のことで少し機嫌が悪かったです」など、具体的に。
- お願い事も明確に: 「〇〇の時は、こう声かけしてくださると助かります」など、してほしい配慮を具体的に書きましょう。
- 感謝を伝える: 「〇〇のご配慮、ありがとうございました!」と感謝を伝えることで、先生も「また協力しよう」という気持ちになり、良好な関係が築けます。
2. 個人面談を「作戦会議」の場にする
年に数回の個人面談は、非常に貴重な機会です。事前に話したいことをまとめておき、有意義な「作戦会議」にしましょう。
- 子どもの「トリセツ」を渡す: 家庭での様子、好きなこと、苦手なこと、パニックになった時の対処法などをまとめた簡単なプロフィール(支援ブック)を用意すると、先生の理解が格段に深まります。
- 園・学校での様子を具体的に聞く: 「困っていることはありませんか?」だけでなく、「お友達との関わり方はどうですか?」「授業中、集中できていますか?」など、具体的な質問を準備していきましょう。
3. 「合理的配慮」という”お守り”を知っておく
合理的配慮とは、障害のある子どもが他の子と平等に教育を受けられるように、学校側が提供するべき配慮のことです。これは法律で定められた権利であり、親が求めることができます。
- 具体例:
- テストの時間を延長してもらう
- 板書が苦手な子のために、タブレットでの撮影を許可してもらう
- 感覚過敏の子のために、イヤーマフの使用を許可してもらう
- 求め方: まずは担任の先生に相談し、必要であればコーディネーター役の先生や管理職の先生に繋いでもらいます。
まとめ:あなたは子どもの「最高の代弁者」
子どもは、園や学校で困っていることがあっても、うまく言葉で伝えることができないかもしれません。
そんな時、子どもの気持ちを代弁し、環境を整える手助けをしてあげられるのは、一番の理解者である親、あなたです。
先生を「敵」ではなく「最強の味方」につけること。それが、子どもが安心して園・学校生活を送るための、何よりの秘訣です。
最初は勇気がいるかもしれませんが、小さな情報共有から始めてみてください。その一歩が、子どもの笑顔に繋がるはずです。