エピローグ – 「かつて私の上司だった岩本さんへ」

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「老害」と呼ばせないために、どうすればいいのか?

「見て覚えろ」世代が、再び輝くためには、何が必要なのか?

全7回にわたる、この長いブログ記事シリーズも、今回で最終回です。

このシリーズでは、「五十六方式」と呼ばれた育成方法の功罪から、「老害」と呼ばれる原因の分析、そして、「自律的な学び」を実践するための具体的なステップまで、様々な角度から、私たちが「変わる」ためのヒントを探ってきました。

  • 「見て覚えろ」と言われて育った、私たち自身の「経験」を再定義し、
  • 「知識」を詰め込むものから、活用し、共有するものへと捉え直し、
  • 「弱み」を「強み」に変え、
  • 「正解」ではなく、自分なりの「納得解」を見つける重要性を理解し、
  • 他者へ「教える」事で得られる、最大の「メリット」を知り、
  • 「自律的な学び」を実践し、
  • 「学び続ける」「変化を恐れない」「他者から学ぶ」という、3つの「在り方」を意識する

これらのヒントが、あなたの未来を切り開く、一助となれば幸いです。

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山本五十六が、本当に伝えたかった事とは?

このシリーズでは、大日本帝国海軍の軍人、山本五十六の言葉、「やって見せて、言って聞かせて、やらせてみて、褒めてやらねば人は動かじ」から始まりました。

この言葉は、現代においても、人材育成の金言として、広く知られています。

しかし、この言葉を「入口」として、人材育成を考えた時、現代において通用する部分と、そうでない部分がある、という話を展開してきました。

それは、山本五十六が、この言葉の「一部」だけを、殊更強調している、という点です。

「やらせてみて」

「褒めて」

この部分を、山本五十六は、特に重要視していたのです。

山本五十六は、太平洋戦争において、真珠湾攻撃を立案し、実行しました。

何故、初戦で、真珠湾を攻撃したのでしょう?

当時の日本と、アメリカの国力差は、圧倒的でした。

短期決戦で決着をつける以外、日本に勝ち目は無かったのです。

では何故、短期決戦で決着をつけたかったのでしょう?

山本五十六は、アメリカに留学経験があり、その圧倒的な国力を、身をもって知っていたからです。

長期戦になれば、勝ち目が無いことも、百も承知だったのです。

初戦で、真珠湾を攻撃し、敵に大打撃を与える。

それしか、勝機は無いと、山本五十六は考えていたのです。

つまり、真珠湾攻撃とは、山本五十六にとっての「納得解」だったのです。

しかし、結果はどうだったか?

真珠湾攻撃に「成功」した事で、山本五十六の「納得解」は、大日本帝国海軍の「正解」となってしまったのです。

そして、大日本帝国海軍は、「判断」を誤り、ミッドウェー海戦で大敗を期します。

真珠湾攻撃での「成功」体験が、「過去の遺物」となった瞬間でした。

この様に、現代においては、「正解」であっても、それが永続的に「正解」であるとは限らないのです。

山本五十六は、部下に「成功」して欲しかった。

「成功」する為には、「褒める」事が重要であると考え、「褒め」て育てたのです。

しかし、山本五十六自身は、「褒める」事よりも、「やらせてみる」事、つまり、「実践」とその「振り返り」が重要であると考えていたのです。

だからこそ、あなた自身も、過去の「正解」に捉われず、自身の「納得解」を導き出し、「実践」と「振り返り」を繰り返す事で、「自律的な学び」を継続してください。

この記事を、今は亡き、かつて私の上司だった、岩本さんに捧げます。

実は、この一連のブログ記事は、特定の誰かに向けて書いていた、メッセージなのです。

その「誰か」とは、かつて私を育ててくれた、今は亡き上司、岩本さんです。

岩本さんは、まさに「見て覚えろ」を体現したかのような、典型的な「五十六方式」で育った世代の上司でした。

「見て覚えろ」「失敗から学べ」

そう言って、私を育てようとしてくれました。

しかし、当時の私には、その真意が理解できませんでした。

「何故、きちんと教えてくれないのか」「何故、見て覚えなければならないのか」

不満ばかりが募り、岩本さんから「教わる」事を諦め、ついには、岩本さんから離れてしまいました。

しかし、今なら分かります。

岩本さんは、私に「自律的な学び」の大切さを、身をもって教えてくれていたのです。

「教える」事は、「教わる」事よりも、何倍も難しいのです。

私自身、人に「教える」立場になり、初めてその事に気づきました。

岩本さんは、「教える」事の難しさに直面し、悩み、苦しんでいたのではないでしょうか。

しかし、当時の私には、その「悩み」や「苦しみ」が理解できず、岩本さんから離れてしまいました。

今、こうして、このブログ記事を書いていると、岩本さんの「本当の想い」が見えてきます。

「もっと、岩本さんに寄り添えば良かった」「もっと、岩本さんから学べば良かった」

後悔の念が、次々と溢れてきます。

このブログ記事は、そんな、今は亡き岩本さんへの、私からの「詫び状」なのです。

さあ、あなた自身の「納得解」を見つける旅へ

このブログ記事が、かつての私のように、悩み、苦しんでいる、あなたにとって、何らかの「気づき」や「学び」のきっかけになれば、これほど嬉しいことはありません。

「見て覚えろ」世代の皆さん。

私たちには、まだまだ「伸びしろ」があります。

「経験」と「知識」という「武器」を、現代という戦場で、もう一度輝かせましょう!

そのためには、あなた自身の「納得解」を導き出す必要があります。

過去の「正解」に捉われず、あなた自身の「納得解」を見つけましょう。

そして、その「納得解」を、他者へ「共有」してください。

「共有」する事で、あなた自身の「納得解」は、より強固なものとなります。

そして、その最も効果的な方法が、「他者に教える」事なのです。

「教える」事は、あなたに「学び」をもたらし、あなたの「経験」と「知識」を、より一層深めてくれます。

さあ、私たちと一緒に、「自律的な学び」の旅に出かけましょう!

そして、あなたの「納得解」を、ぜひ私にも教えてください。

このブログ記事が、「見て覚えろ」世代の逆襲の狼煙となることを、心から願っています。


注釈:

  • 山本五十六…大日本帝国海軍の軍人。最終階級は元帥海軍大将。
  • 五十六方式…山本五十六の言葉に代表されるような、かつての日本企業で主流だった育成方法を指す、このブログシリーズ内での造語。

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