ワンポイント育児

【#ワンポイント育児】「一緒にやってみようか?」は魔法の合言葉!親が”伴走者”になる寄り添い方

a playful mother and daughter throwing dried leaves together

宿題の前で、うんうん唸っている我が子…。
新しいことに挑戦しようとして、すぐに「できない!」と諦めかけている姿…。
部屋の片づけを前に、どこから手をつけていいか途方に暮れている様子…。

そんな時、私たち親は、
「もう、貸してごらん!ママ(パパ)がやった方が早いから!」と、つい全部やってあげてしまうか、
「自分で考えなさい!」「最後までやりなさい!」と、突き放してしまうか…
その両極端で悩んでしまうこと、ありませんか?

こんにちは!湘南で子育て中の、3姉妹の母で現役看護師、「こそだて部」の皐月です。
私も、この「手伝いすぎ」と「放置」の間で、いつも頭を悩ませてきました。「どこまで手伝うのが、この子の成長のために一番いいんだろう…?」って。

そんな試行錯誤の中で見つけた、子どもの「自分でやりたい」気持ちを尊重しつつ、そっと背中を押し、一緒にゴールを目指すための、魔法の合言葉。それが、

「そっか、難しいんだね。じゃあ、一緒にやってみようか?」

という、親が”伴走者(ばんそうしゃ)”になる関わり方です。

今回の「#ワンポイント育児」では、

  • なぜ「一人で」でも「全部やってあげる」でもなく、「一緒に」が効くのか?
  • 親が”伴走者”になることの、驚くべき効果
  • 上手な”伴走者”になるための【寄り添い方4つのコツ】

について、心理学の視点(スキャフォールディングなど)や、看護師として大切にしているチームワークの考え方、そして我が家の体験談を交えながら、具体的にお伝えします。
この記事が、お子さんの挑戦を温かくサポートし、親子の絆を深めるヒントになれば嬉しいです。

なぜ「一人で」だけでも「全部やってあげる」だけでもダメなのか?

(このテーマは、過去の記事でも触れてきましたね!)

  • 「一人でやりなさい!」だけだと…
    課題が難しすぎると、子どもは「やっぱり自分には無理だ」と自信を失い、挑戦する意欲そのものをなくしてしまう可能性があります。適切なサポートがないと、成長の機会を逃してしまうことも。
  • 「全部やってあげる!」だけだと…
    子どもは自分で考え、試行錯誤し、「できた!」という達成感を味わう機会を失います。結果、「誰かがやってくれるのが当たり前」になり、自立心や問題解決能力が育ちにくくなります。

つまり、大切なのは、その子にとって「難しすぎず、簡単すぎない」課題に対して、「ちょうどいい塩梅のサポート」を提供することなんです。

”伴走者”になる!「一緒にやってみようか?」のすごい効果

そこで効いてくるのが、「一緒にやってみようか?」という”伴走者”としての関わり方です。これには、こんな素晴らしい効果があります。

  • 効果1:”安心感”の中で挑戦できる!【心理的安全性UP】
    「一人じゃないんだ」「困ったら助けてくれる人がそばにいるんだ」と感じることで、子どもは失敗への不安を減らし、安心して難しいことにも挑戦しやすくなります。親が安全基地として機能することで、子どもの挑戦意欲が引き出されます。
  • 効果2:”やり方”を見て学べる!【モデリング効果】
    親が一緒に取り組む中で、具体的な手順や、問題解決のための考え方、さらには、うまくいかない時の気持ちの切り替え方などを、子どもは間近で見て学ぶことができます。言葉で説明されるよりも、ずっと効果的な学習方法です。
  • 効果3:”できた!”を共有できる!【喜びと達成感の倍増】
    親子で協力して何かを成し遂げた時、「やったね!」「一緒に頑張ったからできたね!」と喜びや達成感を分かち合うことができます。この共有体験が、子どもの自信をさらに高め、「協力するって楽しいな」というチームワークの感覚も育みます。
  • 効果4:親子の”絆”が深まる!【協力と信頼】
    一緒に目標に向かって試行錯誤する時間は、お互いを理解し、信頼し合う、かけがえのないコミュニケーションの時間になります。「指示する人」と「される人」ではなく、「一緒に頑張るパートナー」としての関係性が築かれます。

皐月’s Point: これは、教育心理学でいう「足場かけ(スキャフォールディング)」という考え方に近いです。まるで建物の足場のように、子どもが自分でできるようになるまで、一時的に必要なサポート(足場)を提供し、できるようったらずっと外していく、というイメージですね。(ロシアの心理学者ヴィゴツキーが提唱した「発達の最近接領域」という考え方が基になっています。) 看護の現場でも、患者さんが自分でできるようになることを目指して、最初は介助し、次に一緒にやり、最後は見守る、という段階的なサポートを大切にしています。

実践!上手な”伴走者”になるための【寄り添い方4つのコツ】

では、具体的にどんな風に「一緒にやってみる」のが良いのでしょうか? ただ隣で手伝えばいい、というわけではありません。4つのコツをご紹介します。

コツ1:主役はあくまで”子ども”! 親はサポーターに徹する

  • 心がけ:
    • まずは子どもにやらせてみて、どこまで自分でできるかを見守る。
    • 子どもが「できない!」とSOSを出すまで、あるいは明らかに困っている様子が見えるまで、手出し・口出しを我慢する。(これが難しい!)
    • 手伝う時も、子どもができる部分は任せ、本当に難しい部分だけをサポートする。「これはママがやるね。じゃあ、〇〇ちゃんはここをお願いできる?」のように役割分担するのも◎。
    • 「次はどうするんだっけ?」と子どもに考えさせる問いかけをする。
  • NG: 親が主導権を握って、ほとんど全部やってしまうこと。

コツ2:「一緒に」の”レベル”を調整する

  • 関わり方の例:
    • レベル1(見守り型): 親はそばにいるだけで、基本は見守る。時々「頑張ってるね!」と励ます。
    • レベル2(ヒント型): 口頭でヒントを出したり、質問したりして、子どもが自分で気づくのを助ける。(例:「もしかしたら、こっちのパーツが先かな?」)
    • レベル3(お手本型): 「じゃあ、ここだけママがやってみるね」と、難しい部分だけ手本を見せる。
    • レベル4(協働型): 「よし、一緒にやろう!」と、役割分担しながら文字通り一緒に作業する。(例:料理、難しい工作など)
  • ポイント: 課題の難易度や、子どものその時の状態に合わせて、「一緒に」のレベルを柔軟に変えましょう。

コツ3:”考えるプロセス”を共有する

  • 声かけ例:
    • (親が手伝いながら)「うーん、ここはどうなってるのかな? あ、こうすればいいのか!」と、考えていることを声に出す(思考の言語化)
    • 「ママはこういう時、まず〇〇からやってみるんだけど、どうかな?」と、自分のやり方や考え方を伝える。
    • 「さっき失敗しちゃったけど、次は△△してみようか」と、試行錯誤のプロセスを見せる。
  • ポイント: やり方だけでなく、「どう考えてそれに至ったか」というプロセスを共有することで、子どもの問題解決能力が育まれます。

コツ4:”楽しむ”ことを忘れずに!

  • 心がけ:
    • 課題を「クリアすべきもの」と捉えすぎず、親子で協力するプロセスそのものを楽しむ。
    • うまくいかなくても、「あはは、難しいね!」「また今度挑戦しよう!」と、明るい雰囲気を心がける。
    • できた時には、「やったー!一緒に頑張ったからできたね!」と共に喜びを分かち合う
  • ポイント: 楽しい経験は、子どもの「またやってみたい!」という意欲に繋がります。親子の良い思い出にもなりますね。

我が家の「一緒にやってみようか?」体験:長女の苦手な裁縫

長女が家庭科の宿題で、初めて手縫いで雑巾を縫うことになった時。「こんなの無理!できない!」と、早々に諦めモードでした。不器用な彼女にとって、針に糸を通すことからして大難関…。

以前の私なら、「大丈夫、できるって!」と励ますか、「もう、貸してごらん!」と手伝って(というか、ほとんどやってあげて)いたかもしれません。

でもその時は、「そっか、難しそうだよね。じゃあ、一緒にやってみようか? まず、ママが糸の通し方のお手本を見せるね」(コツ2 レベル3 & コツ1)と声をかけました。糸通しだけ手伝い、最初の数針は「こうやって針を動かすんだよ」と一緒に手を添えて縫い(コツ2 レベル4 & コツ3)、その後は「じゃあ、ここからここまで、〇〇(長女)が縫ってみて。ママは隣で見てるからね」(コツ2 レベル1)と見守りました。

曲がりくねった縫い目でしたが、最後まで自分で縫い終えた時の、彼女の達成感に満ちた顔!「できた…!一人でできた!」と本当に嬉しそうでした。「一緒に頑張ったね!」(コツ4)と二人で喜びました。あの経験は、彼女にとって「難しいことでも、助けてもらいながらならできるかも」という自信になったようです。

まとめ:「一緒に」が、子どもの”乗り越える力”を育てる

「一緒にやってみようか?」

この一言は、子どもが困難な課題に立ち向かう時、

  • 「一人じゃない」という安心感を与え、
  • 具体的なスキルや考え方を学び、
  • 「できた!」という成功体験を積み重ね、
  • 親子の信頼関係を深める、

まさに”伴走者”としての、温かく力強いサポートの言葉です。

それは、子どもが「自分には乗り越える力がある」と信じられるようになるための、大切なステップ。

もちろん、毎回「一緒に」やる必要はありません。時にはそっと見守ることも、時には完全に任せることも大切です。でも、「助けが必要だな」と感じた時には、ぜひこの「一緒にやってみようか?」という関わり方を思い出してみてください。

それは、お子さんの「自分でやる力」を奪うのではなく、むしろ、未来の困難を乗り越えていくための、本当の意味での「生きる力」を育むことに繋がるはずです。

あなたが「一緒にやってみようか?」と声をかけるのは、どんな時ですか? 親子で協力して何かを乗り越えた、素敵なエピソードがあれば、ぜひコメントで教えてください!

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次回の「#ワンポイント育児」もお楽しみに!


【#ワンポイント育児】失敗が怖い子に届けたい「大丈夫だよ、失敗してもいい」が持つ魔法の力

joyful outdoor family celebration with balloons

「やってみたいけど…もし失敗したらどうしよう…」
「うまくできなかったら、恥ずかしいな…」
「怒られるかもしれないから、やめておこう…」

新しい自転車にまたがるのをためらう時。
クラスで手を挙げるのを躊躇する時。
難しい問題に、最初から「できない」と諦めてしまう時。

そんな風に、お子さんが「失敗」を恐れて、挑戦への一歩を踏み出せない姿を見るのは、親として切なく、もどかしい気持ちになりますよね。

こんにちは!湘南で子育て中の、3姉妹の母で現役看護師、「こそだて部」の皐月です。
私もどちらかというと石橋を叩いて渡るタイプなので(笑)、娘たちの「失敗したくない」という気持ち、すごくよく分かります。そして、「失敗させたくない」「傷ついてほしくない」という親心から、つい先回りして手助けしたくなったり…。

でも、子どもの健やかな成長のためには、失敗を恐れずに挑戦する経験が不可欠です。そして、その「挑戦する心」を力強く支えるのが、親からの「大丈夫だよ、失敗してもいいんだよ」という温かいメッセージと、”安心感”なんです。

今回の「#ワンポイント育児」では、

  • なぜ子どもは「失敗」を恐れるようになってしまうのか?
  • 「失敗しても大丈夫!」という安心感が、なぜ子どもの心を強くするのか?
  • 「挑戦する心」を育む、温かい関わり方【4つのヒント】

について、心理学の視点(成長マインドセットや心理的安全性)や、看護師として感じる「失敗から学ぶ」ことの重要性、そして我が家の体験談も交えながら、お伝えしていきます。
この記事が、お子さんの「やってみたい!」を、そっと後押しするきっかけになれば嬉しいです。

なぜ子どもは「失敗」を恐れるようになるの?

生まれたばかりの赤ちゃんは、失敗なんて気にせず、何度も何度も寝返りに挑戦し、立ち上がろうとしますよね。では、いつから子どもは「失敗」を恐れるようになるのでしょうか?

  • 失敗=「叱られる」「がっかりされる」経験: 過去に、何か失敗した時に、親や周りの大人から厳しい言葉で叱られたり、ため息をつかれたり、「なんでできないの!」と責められたりした経験が、無意識のうちに「失敗=怖いこと」と結びつけてしまう。
  • 「完璧」を求められるプレッシャー: 「いつも良い子でいなさい」「100点を取りなさい」といった、直接的・間接的な期待が、「失敗は許されない」というプレッシャーになってしまう。
  • 「結果」ばかりが評価される環境: 頑張った過程(プロセス)ではなく、「できたか・できなかったか」という結果だけで判断されることが多いと、「結果を出せない=ダメな自分」と感じやすくなる。(→「プロセス褒め」の記事も参考に!)
  • 周りの子との比較: 「〇〇ちゃんはできるのに、自分はできない」と感じる経験が続くと、自信を失い、挑戦すること自体を避けるようになる。
  • 自信のなさ・低い自己肯定感: もともと自分に自信がないと、「やっぱり自分はダメなんだ」と失敗によってさらに落ち込み、挑戦への意欲を失いやすい。

これらの経験や環境が、子どもの心の中に「失敗は怖いもの」「避けなければならないもの」という壁を作ってしまうのです。

「失敗しても大丈夫!」が”挑戦する心”に火をつける理由

では、親が「大丈夫だよ、失敗してもいいんだよ」と伝え、「失敗しても、この場所(親子関係)は安全だ」と感じられることは、なぜ子どもの成長にとってそんなに大切なのでしょうか?

  • 理由1:”心理的安全性”が確保される【安心基地】
    「失敗しても、見捨てられない」「怒られない」「バカにされない」…そう感じられる環境(=心理的安全性の高い環境)があって初めて、子どもは安心して新しいことに挑戦したり、自分の意見を言ったり、間違いから学んだりすることができます。親が「失敗OK!」の姿勢を示すことは、まさに家庭を「挑戦のための安全基地」にすることなのです。
  • 理由2:”挑戦”へのハードルがぐっと下がる【行動促進】
    失敗への恐怖が和らぐと、「やってみようかな?」という気持ちへのブレーキが外れます。「うまくいかないかもしれないけど、まあ、いいか!」と、最初の一歩を踏み出す勇気が湧いてくるのです。
  • 理由3:”失敗=学び”と捉える練習になる【成長マインドセット】
    「失敗してもいい」というメッセージは、「失敗は終わりではなく、何かを学ぶためのチャンスなんだ」という視点(=成長マインドセット)を育む土壌となります。失敗の原因を考えたり、次はどうすればいいか工夫したりする、前向きな姿勢に繋がりやすくなります。(キャロル・ドゥエック教授の研究でも、失敗を成長の糧と捉えることの重要性が示されていますね。)
  • 理由4:”ありのままの自分”でOKと思える【自己受容】
    成功しても失敗しても、親からの愛情や評価が変わらない、と感じられる経験は、「結果に関わらず、自分は価値のある存在なんだ」という自己受容感を育みます。これが、揺るぎない自己肯定感の核となります。

皐月’s Point: 看護の世界でも、「ヒヤリハット報告」など、失敗(や、失敗しそうになったこと)を責めずにオープンに共有し、そこから学び、改善に繋げる文化が、医療安全の向上に不可欠とされています。失敗を許容し、そこから学ぶ姿勢は、あらゆる成長の場面で重要なんですね。

実践!「失敗してもいいよ」を伝える温かい関わり方【4つのヒント】

では、具体的にどうすれば、「失敗しても大丈夫だよ」というメッセージを、子どもの心にしっかりと届けられるのでしょうか?

ヒント1:言葉で”はっきり”伝える【安心の言葉】

  • 具体的な声かけ:
    • (挑戦する前に)「大丈夫だよ、失敗したって全然いいんだからね。やってみることが大事だよ!」
    • (失敗した後に)「あー、残念だったね!でも、失敗しても大丈夫だよ。ここから学べばいいんだから」
    • 「ママ(パパ)は、結果がどうであれ、あなたが一生懸命挑戦したことが嬉しいよ!
  • ポイント: 曖昧にせず、「失敗してもOK」ということを、明確な言葉で繰り返し伝えます。

ヒント2:親自身が”失敗をオープンにする”姿を見せる【モデリング】

  • 具体的な行動:
    • 親自身が何か失敗した時に、隠したりごまかしたりせず、「あちゃー!ママ、焦がしちゃった!失敗失敗!」「パパ、道間違えちゃった、ごめんごめん!」とオープンに認め、ユーモアを交えたり、どう改善するかを話したりする。
  • ポイント: 親が完璧ではない姿、失敗から学ぶ姿を見せることで、子どもは「失敗しても大丈夫なんだ」と肌で感じて学びます。

ヒント3:”結果”ではなく”挑戦した勇気”を称賛する【プロセス重視再び!】

  • 具体的な声かけ:
    • 「難しいのに、よく挑戦しようと思ったね!その勇気がすごいよ!
    • 「結果はうまくいかなかったけど、最後まで諦めずに頑張ったこと、ちゃんと見てたよ!」
    • 新しいやり方を試してみたんだね!その発想が素晴らしい!」
  • ポイント: 失敗しても、その過程にある努力、工夫、粘り強さ、そして何より「挑戦したこと」そのものを具体的に認め、称賛します。(→「プロセス褒め」の記事も参考に!)

ヒント4:失敗後の”気持ち”に寄り添うことを忘れずに【共感ファースト】

  • 心がけ:
    • 失敗して落ち込んでいる子に、いきなり「失敗しても大丈夫だよ!」とポジティブな言葉をかけても、響かないことがあります。
    • まずは、「そっか、悔しいね」「悲しかったね」と、子どものネガティブな気持ちに寄り添うことが先決です。(→「そっか、〇〇なんだね」の記事も参考に!)
    • 気持ちを受け止めてもらい、少し落ち着いてから、「でもね、失敗しても大丈夫なんだよ」と伝える方が、子どもの心に届きやすくなります。

我が家の「失敗OK!」の合言葉:怖がり長女との自転車練習

うちの長女は、どちらかというと慎重派で、転ぶのが怖くて、なかなか自転車の補助輪を外せずにいました。「どうせ転ぶもん…」「怖いからやりたくない」と。

その時、夫と私で決めた合言葉が「大丈夫!転んだら、また起き上がればいいんだから!」でした。練習する前にも、「転んでも全然大丈夫だからね!パパとママがちゃんと見てるから、安心してやってごらん!」と繰り返し伝えました(ヒント1)。

練習中、案の定、何度も転びました。そのたびに、駆け寄って「痛かったね!」と気持ちを受け止め(ヒント4)、でもすぐに「でも、よく勇気出して漕いでみたね!すごいよ!」(ヒント3)と伝え、「ほら、もう一回やってみよう!」ではなく、「少し休憩する? それとも、もうちょっとだけ挑戦してみる?」と、彼女の意思を尊重しました。

親が「転んでも大丈夫」という雰囲気でどーんと構えていたからか、彼女も次第に転ぶことへの恐怖が薄れ、ついに補助輪なしで乗れるようになったのです!あの時、「失敗しても大丈夫」という安心感を伝え続けて、本当によかったと思いました。

まとめ:「大丈夫だよ」が、子どもの可能性の扉を開ける

「大丈夫だよ、失敗してもいいんだよ」

この言葉と、それを行動で示す親の姿勢は、子どもの心の中に「挑戦しても安全だ」という、かけがえのない安心感を育みます。

その安心感があるからこそ、子どもは、

  • 失敗を恐れずに、新しいことに挑戦できる
  • 困難なことにも、粘り強く取り組める
  • 間違いから学び、成長していける
  • ありのままの自分を受け入れられる

ようになります。それは、まさに子どもの無限の可能性の扉を開ける、魔法の鍵と言えるでしょう。

完璧な親でなくてもいい。むしろ、親自身が失敗を認め、そこから学ぶ姿を見せること。そして、子どもの挑戦を、結果に関わらず温かく見守り、「失敗しても、あなたの価値は変わらないよ」と伝え続けること。それが、子どもの”挑戦する心”を育む、一番の近道なのかもしれません。

あなたのお子さんは、どんな時に「失敗したくない」と感じますか? 「失敗しても大丈夫」と伝えるために、どんな工夫をされていますか? ぜひコメントで、あなたの体験談やアイデアを教えてください!

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次回の「#ワンポイント育児」もお楽しみに!


【#ワンポイント育児】「頭いいね!」より「頑張ったね!」が効く!子どもの”折れない心”を育むプロセス褒めのススメ

a boy in yellow shirt

「100点取ったの!? すごーい!やっぱり頭いいのね!」
「かけっこで一番? さすが、運動神経がいいんだね!」

お子さんが素晴らしい結果を出した時、私たちは心からの喜びと称賛を伝えますよね。それは、とっても素敵なことです!

でも、もし、そんな「結果」や「才能」ばかりを褒める言葉が、長い目で見ると、子どもの挑戦する意欲や、困難に立ち向かう心を、かえって弱めてしまう可能性があるとしたら…?

こんにちは!湘南で子育て中の、3姉妹の母で現役看護師、「こそだて部」の皐月です。
私も昔は、つい分かりやすい「結果」や「才能」を褒めてしまいがちでした。「すごいね!」「上手!」は、言いやすい褒め言葉ですもんね。でも、スタンフォード大学の心理学者、キャロル・ドゥエック教授の「マインドセット」という考え方を知って、私の「褒め方」に対する意識はガラリと変わったんです。

今回の「#ワンポイント育児」では、

  • なぜ「結果」や「才能」ばかり褒めるのは、要注意なのか?
  • 「頑張ったね!」に代表される”プロセス褒め”が持つ驚きの効果
  • 日常で使える!具体的な「プロセス褒め」の声かけ例

について、「成長マインドセット(Growth Mindset)」の考え方を軸に、看護師としての視点や、我が家の体験談も交えながら、詳しくお伝えします。
この記事を読めば、お子さんの”折れない心(レジリエンス)”と”やる気”を効果的に育む、褒め方のヒントが見つかるはずです!

なぜ「結果」ばかり褒めるのは、要注意なの?【固定マインドセットの罠】

ドゥエック教授は、人の考え方を大きく二つに分けています。

  • 固定マインドセット(Fixed Mindset): 「知能や才能は、生まれつき決まっていて変わらない」と考える。
  • 成長マインドセット(Growth Mindset): 「知能や才能は、努力や経験によって伸ばすことができる」と考える。

そして、「頭いいね!」「才能があるね!」といった”才能”や”結果”ばかりを褒める言葉は、子どもに「固定マインドセット」を植え付けやすい、と指摘しています。なぜなら…

  • 「才能がないとダメなんだ」と思い込みやすい: 褒められるのは「才能がある時」だけだと感じると、「才能がないかもしれないこと」への挑戦を避けるようになります。
  • ”失敗”を過度に恐れるようになる: 「すごいね!」と言われ続けると、「すごい自分でいなければならない」というプレッシャーを感じ、失敗して「すごくない自分」を見せることを極端に恐れるようになります。
  • ”努力”や”工夫”をしなくなる可能性: 成功は「才能」のおかげだと考えると、難しい壁にぶつかった時に、「才能がないから無理だ」と、努力したり、やり方を変えたりすることを諦めやすくなります。
  • (極端な場合)結果のために不正をするリスクも: 「賢い」「できる」という評価を守りたい一心で、カンニングなどの不正直な行動に繋がる可能性も、研究では示唆されています。(出典:キャロル・S・ドゥエック著『マインドセット:「やればできる!」の研究』など)

もちろん、結果を喜ぶのは自然なこと。でも、褒めるポイントが「結果」や「才能」に偏りすぎると、挑戦を避け、失敗を恐れ、努力を軽んじる心を育ててしまう危険性があるのです。

「頑張ったね!」”プロセス褒め”の驚くべき効果【成長マインドセットを育む】

一方で、「頑張ったね!」「粘り強く取り組んだね!」「工夫したね!」といった”プロセス(過程)”を褒める言葉は、子どもの中に「成長マインドセット」を育みます。

  • 「努力すれば成長できる!」と信じられる: プロセスを認められることで、子どもは「自分の頑張りや工夫が、結果に繋がるんだ」「能力は伸ばせるんだ」と実感できます。
  • ”挑戦”を楽しむ心が育つ: 才能の有無ではなく、努力や挑戦そのものが価値あることだと理解すると、難しい課題にも「やってみよう!」と前向きに取り組めるようになります。課題は「自分の能力を証明するテスト」ではなく、「成長のチャンス」に変わるのです。
  • ”失敗”から学び、立ち直る力がつく【レジリエンスUP】: たとえ結果が出なくても、そこまでの頑張りや粘り強さを認めてもらえれば、子どもは「ダメじゃなかったんだ」と感じられます。失敗を「学びの機会」と捉え、「次はどうすればいいかな?」と前を向いて立ち直る力(レジリエンス)が育まれます。(→「(失敗して)もうやらない!」の記事も参考に![※内部リンク想定])
  • ”学ぶこと自体”が楽しくなる【内発的動機づけ】: 親からの評価(結果に対する褒め言葉)のためではなく、「できるようになりたい」「もっと知りたい」という自分自身の内側から湧き出る意欲(内発的動機づけ)で、物事に取り組めるようになります。

皐月’s Point: 看護師としても、患者さんがリハビリなどを続ける上で、「今日は昨日より少し長く歩けましたね!」(具体的な進歩)、「辛い中でも、諦めずに頑張っていらっしゃいますね」(努力)といったプロセスへの声かけがいかに大切かを実感します。これは、人が困難を乗り越え、目標に向かって努力し続けるための、心のエネルギー源になるんですね。

実践!”プロセス褒め”の具体的な言葉かけ【シーン別】

では、具体的にどんな言葉でプロセスを褒めればいいのでしょうか? 「頑張ったね!」も素敵な言葉ですが、より具体的に伝えるのがポイントです!

シーン1:勉強・宿題を頑張った時

  • NG例: 「100点すごい!頭いいね!」
  • プロセス褒め例:
    • 「難しい問題なのに、最後まで諦めずに、色々な方法で考えていたね!」
    • 「この解き方、自分で工夫して見つけたの?すごい集中力だったね!」
    • 「漢字練習、前は苦手だったけど、毎日コツコツ続けたから、こんなに書けるようになったんだね!」
    • 「間違えちゃったけど、どこで間違えたか自分で気づいて、やり直そうとしたのが素晴らしいよ!」

シーン2:スポーツや遊びで頑張った時

  • NG例: 「一番すごい!」「やっぱり才能あるね!」
  • プロセス褒め例:
    • 「試合には負けちゃったけど、最後まで諦めずに、一生懸命ボールを追いかけていた姿、本当にかっこよかったよ!」
    • 「逆上がり、何度も何度も悔し涙を流しながら練習して、ついにできるようになったね!あの粘り強さがすごい!」
    • 「みんなのために、大きな声を出してチームを励ましていたね!」
    • 「このコース、どうやったらうまく走れるか、すごく考えて練習してたもんね!」

シーン3:お手伝いや制作活動をした時

  • NG例: 「上手!天才!」
  • プロセス褒め例:
    • 「この絵、色々な色を丁寧に、時間をかけて塗ったのが伝わってくるよ」
    • 「お手伝い、面倒な作業も、最後まで責任持ってやってくれて、本当に助かったよ、ありがとう!」(→「具体的ありがとう」の記事も参考に![※内部リンク想定])
    • 「この積み木のお城、どうやったら倒れないか、バランスを考えながら、すごく集中して積んでたね!」

【ポイント】
その子が「何に時間をかけたか」「どんな工夫をしたか」「どんな困難を乗り越えようとしたか」「どんな気持ちで取り組んでいたか」…結果だけでなく、その過程(プロセス)に注目し、それを具体的な言葉にして伝えてあげましょう。

皐月のリアル体験談:「結果」より「頑張り」を褒めたら…

長女が小学校低学年の頃、算数のテストで思うような点が取れず、ひどく落ち込んでいたことがありました。「私、算数苦手だから…もうダメだ…」と。

以前の私なら、「大丈夫だよ!次は頑張ればいいじゃない!」と励ましたり、「どこが分からなかったの?」とすぐに原因究明に入ったりしていたかもしれません。

でも、その時は意識して、まず点数のことには触れずに、こう言いました。
「そっか、悔しいね。でも、ママは知ってるよ。あの難しい問題、分からなくてもすぐに諦めないで、教科書を開いたり、前のノートを見返したりして、すっごく粘り強く考えてたよね。あの頑張りは、本当にすごかったと思うよ」と。

すると、長女はハッとした顔をして、涙が止まりました。そして、「…うん、あそこ、すっごく頑張ったんだ」と、少しだけ誇らしそうな顔をしたんです。
点数という「結果」ではなく、彼女の「努力のプロセス」を具体的に認めたことで、彼女は「自分はダメじゃなかったんだ」「頑張りは無駄じゃなかったんだ」と感じてくれたようでした。その後の算数への取り組み方も、少し前向きになったように思います。

まとめ:「頑張ったね!」が未来を切り拓く力を育む

子どもの成長を願うからこそ、私たちは結果を求め、才能を褒めたたえたくなります。でも、本当に子どもの「折れない心(レジリエンス)」「困難に立ち向かう力(グリット)」、そして「学び続ける意欲」を育みたいのなら、注目すべきは「結果」よりも「プロセス」なのかもしれません。

「頑張ったね!」
「工夫したね!」
「諦めなかったね!」
「粘り強く考えたね!」

これらの”プロセス”を具体的に認め、称賛する言葉は、子どもに「自分は努力で成長できる」という「成長マインドセット」を育み、失敗を恐れず挑戦し続けるための、何よりのエネルギーとなります。

今日から、お子さんを褒める時、少しだけ意識を変えてみませんか?
結果だけでなく、その裏にある努力や工夫、粘り強さに、温かい言葉の光を当ててあげてください。その積み重ねが、お子さんの未来を切り拓く、確かな力になるはずです。

あなたは、どんな「プロセス褒め」をしていますか? お子さんの反応はどうでしたか? ぜひコメントで、あなたの体験談や工夫を教えてください!

「#ワンポイント育児」で子どもの可能性を広げよう!この記事が参考になったら、いいね!やシェアをお願いします♪
次回の「#ワンポイント育児」もお楽しみに!


【#ワンポイント育児】「ごめんね」って子どもに言える?親が”素直に謝る”ことの計り知れない効果

photo of kid sitting on a chair

「あっ、今の言い方、ちょっとキツかったかも…」
「約束、守れなかったな…ごめん…」
「ママが悪かったね、八つ当たりしちゃった…」

子育てをしていると、私たち親だって、間違うことも、感情的になってしまうことも、ありますよね。人間だもの。

でも、そんな時、お子さんに対して、素直に「ごめんね」と謝ること、あなたはできていますか?

「親が謝ったら、威厳がなくなるんじゃ…?」
「子ども相手に、そこまでしなくても…」
「なんだか、自分が負けたみたいで悔しい…」

そんな風に感じて、つい謝るのをためらってしまう…という方も、もしかしたらいらっしゃるかもしれません。

こんにちは!湘南で子育て中の、3姉妹の母で現役看護師、「こそだて部」の皐月です。
正直に告白すると、私も昔は「親が謝るなんて…」と、どこかでプライドが邪魔をして、素直に「ごめんね」が言えない時期がありました。でも、ある経験をきっかけに、親が誠実に謝る姿を見せることが、子どもの成長と親子関係にとって、どれほど大きな意味を持つかに気づかされたんです。

今回の「#ワンポイント育児」では、

  • なぜ親が子どもに「ごめんね」と謝ることが、そんなに大切なのか?
  • 親の「ごめんね」が子どもに与える、驚くべきポジティブな効果
  • 心に響く、効果的な「ごめんね」の伝え方【3つのポイント】
  • 「謝ったら、つけあがるのでは?」という心配について

について、心理学的な視点や、看護師として日々感じるコミュニケーションの重要性、そして私自身の反省と学びを交えながら、お伝えしていきます。この記事が、あなたの「ごめんね」へのハードルを少し下げ、より温かい親子関係を築くヒントになれば嬉しいです。

なぜ親が「ごめんね」と言うことが大切なの?

親が自分の非を認め、子どもに謝る。それは決して「負け」や「威厳の失墜」ではありません。むしろ、子どもに人として非常に大切なことを教える、最高の機会なんです。

1. ”間違いは誰にでもある”ことを教える【完璧じゃなくてOK】

親が「ごめんね」と謝る姿は、「大人だって間違うことがあるんだ」「完璧じゃなくてもいいんだ」というメッセージを子どもに伝えます。これは、子どもが失敗を恐れずに挑戦したり、自分や他人の間違いに対して寛容になったりするための、大切な学びとなります。

2. ”責任を取る”ことのお手本を示す【誠実さと道徳心】

自分の言動が相手に与えた影響を認め、その責任を取る(=謝る)という親の姿勢は、誠実さや責任感といった道徳心を育む上で、何百回の説教よりも強力なお手本となります。「悪いことをしたら謝る」という社会の基本的なルールを、親自身の行動を通して教えることができるのです。

3. ”相手の気持ち”を尊重する心を育む【共感性】

「〇〇ちゃんの気持ちを考えずに言ってしまって、ごめんね」という謝罪は、「あなたの気持ちは大切なんだよ」というメッセージを伝えます。親が自分の行動によって相手がどう感じたかを考え、それを言葉にすることで、子どもも他者の気持ちを想像し、尊重する力(共感性)を学んでいきます。

4. ”壊れた関係”を修復し、信頼を深める【関係修復】

親子だって、時にはぶつかり、関係がギクシャクすることもあります。そんな時、親からの誠実な「ごめんね」は、傷ついた子どもの心を癒し、壊れかけた関係を修復するための、最も効果的な方法の一つです。「間違っても、ちゃんと謝ってくれる」という経験が、親への信頼感をより一層深めます。

5. 子どもが”素直に謝る”ことを学ぶ【モデリング】

「ごめんなさいは!?」と子どもに謝罪を強要するよりも、親自身が「こういう時には、こうやって謝るんだよ」とお手本を見せる方が、子どもはよっぽど素直に「ごめんね」の意味と大切さを理解し、自分も謝れるようになります。子どもは親の姿を見て育つのです。

皐月’s Point: 医療の現場でも、ミスや不手際があった際に、言い訳せず、誠実に謝罪し、原因を説明し、再発防止に努める姿勢が、患者さんとの信頼関係を維持・再構築する上で不可欠です。これは、親子関係でも全く同じことが言えるのではないでしょうか。

心に響く「ごめんね」の伝え方【3つのポイント】

ただ「ごめん」と言えばいい、というわけではありません。子どもにちゃんと気持ちが伝わる、効果的な謝り方のポイントを3つご紹介します。

ポイント1:”具体的に”何に対して謝るかを伝える

  • なぜ?: 何について謝っているのかを明確にすることで、子どもは「自分の気持ちを分かってくれた」「親はちゃんと自分の行動を反省している」と感じやすくなります。
  • 例:
    • ×「さっきはごめんね」
    • ○「さっき、〇〇ちゃんが話している途中で、大きな声で怒鳴ってしまって、ごめんね」
    • ○「おもちゃを片付けるって約束したのに、ママ疲れちゃってできなかった。約束守れなくてごめんね」

ポイント2:”言い訳”せず、”気持ち”も添える(可能なら)

  • なぜ?: 「でも」「だって」と言い訳をすると、謝罪の気持ちが薄れてしまいます。可能であれば、なぜそうなってしまったのか、自分の気持ち(Iメッセージ)を正直に伝えることで、子どもは親の状況を理解しやすくなります。
  • 例:
    • ×「怒鳴ってごめんね。でも、あなたが言うこと聞かないからでしょ!」
    • ○「大きな声を出してごめんね。ママ、ちょっとイライラしていて、感情的になっちゃったんだ。悲しい思いをさせたね、ごめんね。」(→「アイメッセージ」の記事も参考に![※内部リンク想定])
  • ポイント: 自分の非を認めることが重要。気持ちを伝えるのは、理解を求めるためであり、言い訳のためではありません。

ポイント3:”どう改善するか”を示す(必要な場合)

  • なぜ?: 特に同じ過ちを繰り返してしまった場合など、「次は気をつける」という意思を示すことで、謝罪の真剣さが伝わり、子どもの信頼を取り戻す助けになります。
  • 例:
    • 「これからは、カッとなってもすぐに怒鳴らないように、一呼吸置くように気をつけるね。ごめんね。」
    • 「明日は必ず、約束を守るようにするからね。本当にごめん。」
  • ポイント: 実現不可能な約束はせず、具体的な改善策を示すことが大切。

【最も大切なこと】
それは、「誠実さ」です。言葉だけでなく、落ち着いたトーン、真剣な表情、相手の目を見る姿勢など、態度全体で「本当に申し訳ないと思っている」気持ちを伝えましょう。必要であれば、子どもの目線に合わせてしゃがむことも有効です。

「謝ったら、つけあがるのでは?」という心配について

「親が謝ると、子どもが『自分が正しいんだ』と思って、わがままになるのでは?」と心配される方もいるかもしれません。

しかし、正当な理由なく何でも謝るのではなく、親が”本当に間違った”と認識した時に、誠実に謝るのであれば、それは子どものわがままを助長することには繋がりません。むしろ、「親も間違うことがある、でも間違ったら誠実に謝る」という姿は、子どもに正しい人間関係のあり方を教え、親への尊敬の念を深めることさえあるのです。

大切なのは、「何に対して謝るのか」を明確にし、親としての(例えばしつけなどの)一貫した態度は崩さないことです。

皐月のリアル体験談:「ごめんね」が言えなかった私…そして言えた日

以前、仕事で疲れて帰宅した日に、些細なことで三女に感情的に怒ってしまったことがありました。明らかに八つ当たり…。娘は目に涙をためて部屋に閉じこもってしまいました。「しまった…」と思いつつも、その日は疲労と変なプライドで「ごめんね」が言えませんでした。

翌朝、家中がなんだかギクシャクした空気…。意を決して、娘のところへ行き、目を見て「昨日は、ママ疲れていてイライラして、〇〇ちゃんに強く当たってしまって、本当にごめんね。すごく悲しい思いをさせちゃったね」と伝えました。(ポイント1&2実践!)

すると、娘は最初は黙っていましたが、やがてポツリと「…うん」と頷き、私にぎゅっと抱きついてきました。あの瞬間、言葉は少なくとも、心が通じ合った、関係が修復された、と感じました。そして、私自身も、素直に謝れたことで、心がスーッと軽くなったんです。

あの経験以来、間違った時は、時間はかかっても、必ず「ごめんね」と伝えるように心がけています。

まとめ:「ごめんね」は、親子関係を育む”魔法の肥料”

親が子どもに伝える「ごめんね」。
それは、決して弱さの証ではなく、強さと誠実さの証です。

その一言は、

  • 子どもの心を癒し、
  • 信頼関係を修復・強化し、
  • 責任感や共感性を育て、
  • 正直さや誠実さのお手本となり、
  • 子ども自身が素直に謝れる心を育む、

まるで、親子関係という名の土壌を豊かにする、魔法の肥料のようなもの。

完璧な親なんていません。間違うことは誰にでもあります。大切なのは、間違った時に、勇気を出して、素直に「ごめんね」と伝えること。その誠実な姿が、お子さんの心に、そして親子の未来に、温かい光を灯してくれるはずです。

あなたが子どもに「ごめんね」と伝えた時、どんな変化がありましたか? 謝る時に心がけていることなど、ぜひコメントで教えてください!

「#ワンポイント育児」で、一緒に正直で温かい親子関係を築いていきましょう。参考になったら、いいね!やシェアをお願いします♪
次回の「#ワンポイント育児」もお楽しみに!


皐月|ママナース
(3姉妹の母 / 現役看護師 / ブログ「こそだて部」運営)
子育ての悩みや日々の発見、看護師目線での健康情報などを発信中!???

【#ワンポイント育児】「なんであなたは!」が激減!?親子関係が劇的に変わる「アイメッセージ」の魔法

little girls lying on green grass field

「もーっ! なんであなたは、いっつもそうなの!?」
「早く〇〇しなさいって言ってるでしょ!」
「いい加減にして!」

…カッとなった時、あるいは子どもに何かを伝えたい時、つい、こんな風に「あなた(You)」を主語にして、相手を責めたり、指示したりする言葉を使ってしまっていませんか?

言った後で、「あんなに強く言うつもりじゃなかったのに…」と自己嫌悪に陥ったり、子どもの反発にあって、さらにイライラが募ったり…そんな悪循環、経験ありますよね。

こんにちは!湘南で子育て中の、3姉妹の母で現役看護師、「こそだて部」の皐月です。
私も昔は、感情的になるとつい「あなた」を主語にして、娘たちを責めるような言い方をしてしまい、後で激しく後悔…なんてことが日常茶飯事でした(涙)。

でも、ある「伝え方のコツ」を知ってから、そんな悪循環がぐっと減り、親子関係が驚くほどスムーズになったんです。それが、今回のテーマ「アイメッセージ(私メッセージ)」です!

これは、主語を「あなた(You)」から「私(I)」に変えて、自分の気持ちや状況を伝えるコミュニケーション方法のこと。「ママ(パパ)はこう思うな」「ママは〇〇してくれると嬉しいな」といった伝え方ですね。

今回の「#ワンポイント育児」では、

  • なぜ「あなたメッセージ」は、ぶつかりやすいのか?
  • 「アイメッセージ」が持つ、驚きの効果とは?
  • 今日から使える!「アイメッセージ」の簡単な作り方【3ステップ】

について、心理学の知見(ゴードン・メソッドなど)や、看護師として大切にしているコミュニケーションの視点、そして我が家の体験談を交えながら、分かりやすく解説します。
この「主語を変える」だけの小さな工夫が、親子関係に大きな変化をもたらすかもしれませんよ!

「あなたメッセージ」が招く悪循環とは?

まず、私たちがつい使ってしまいがちな「あなたメッセージ」(Youメッセージ)が、なぜコミュニケーションを難しくするのかを見てみましょう。

  • 相手は”責められている”と感じ、反発・防御したくなる:
    「(あなたは)なんで〇〇しないの!」「(あなたは)いつも散らかして!」といった言葉は、相手への非難や批判として受け取られがちです。責められたと感じると、人は素直に話を聞く気になれず、「だって…」「でも…」と言い訳したり、反発したり、心を閉ざしたりしてしまいます。
  • ”人格否定”に聞こえてしまうことも:
    「(あなたは)本当にダメね」「(あなたは)わがままね」のように、行動だけでなく相手の人格そのものを否定するような響きを持つことがあります。これは子どもの自己肯定感を深く傷つけます。
  • ”本当の気持ち”が伝わりにくい:
    実は、「なんで〇〇しないの!」という怒りの裏には、「(時間通りに行動してくれなくて)ママは困っている」「(危ないことしないでほしくて)心配だ」といった、親自身の気持ちや困りごとが隠れていることが多いです。しかし、「あなたメッセージ」では、それが伝わらず、ただ相手を責める言葉だけが届いてしまいます。
  • ”問題解決”から遠ざかる:
    非難と反発の応酬は、建設的な話し合いには繋がりません。お互いに嫌な気持ちになるだけで、本来解決したかったはずの問題から、どんどん遠ざかってしまいます。

「アイメッセージ」が親子関係を劇的に変える理由

そこで登場するのが「アイメッセージ」(私メッセージ)です! 主語を「私(I)」に変えるだけで、コミュニケーションの質がガラリと変わります。

  • 理由1:”自分の気持ち”を正直かつ穏やかに伝えられる【自己表現】
    「(私は)〇〇されて悲しい」「(私は)〇〇だと心配になる」「(私は)〇〇してくれると嬉しい」のように、自分の感情や考え、要望を、主観的な事実として伝えることができます。これは、自分の気持ちを押し殺さず、相手に正直に伝える健全な自己表現です。
  • 理由2:”相手への非難”が減り、聞く耳を持ってもらいやすい【受容促進】
    主語が「私」なので、相手は「責められている」と感じにくくなります。「ママはこう感じているんだな」と、相手の話を冷静に聞き、受け入れやすくなるのです。その結果、子どもの方から「そっか、ママは嫌だったんだね」と、こちらの気持ちを理解しようとしてくれる可能性が高まります。
  • 理由3:相手に”行動の影響”を具体的に伝えられる【理由付け】
    「(あなたが〇〇すると)、(私は)△△な気持ちになる(なぜなら□□だから)」という形で伝えることで、子どもの行動が、親にどのような影響を与えているのかを具体的に伝えることができます。(例:「大きな声を出されると、ママは頭が痛くなっちゃうんだ」)これにより、子どもは自分の行動の結果を理解しやすくなります。
  • 理由4:”共感”と”協力”を引き出す【関係構築】
    親が自分の正直な気持ち(特に、怒り以外の「悲しい」「困った」「心配」などの一次感情)を伝えることで、子どもは親の気持ちに共感しやすくなります。「ママを困らせたくないな」「協力してあげたいな」という気持ちが芽生え、自発的な行動の変化や協力に繋がりやすくなるのです。これは、親子間の信頼関係を深める上でも非常に効果的です。

皐月’s Point: この「アイメッセージ」は、臨床心理学者のトマス・ゴードン博士が提唱した「親業(P.E.T.)」というコミュニケーション法の中核的な考え方の一つです。看護の場面でも、患者さんやご家族、スタッフ同士のコミュニケーションにおいて、相手を尊重し、協力関係を築くために、この「私」を主語にする伝え方は非常に重視されています。

実践!今日から使える「アイメッセージ」の作り方【3ステップ】

難しそうに聞こえるかもしれませんが、作り方は意外とシンプル!3つの要素を意識してみましょう。

ステップ1:「(私は)〇〇と感じている」と”自分の気持ち”を述べる

  • ポイント: まず、自分の本当の感情(嬉しい、悲しい、心配、困った、助かる、など)を明確にします。「怒り」を感じている時も、その裏にある「悲しかった」「心配だった」などの一次感情に気づけると、より効果的です。
  • 例: 「ママは、悲しいな」「パパは、心配だよ」「私は、嬉しい!」「ママは、困ってるんだ

ステップ2:”相手の行動”(具体的に、客観的に)を述べる

  • ポイント: 「あなた」を主語にせず、起こっている「事実」や「行動」を、評価や非難を入れずに具体的に描写します。「いつも」「絶対」などの決めつける言葉も避けましょう。
  • 例: 「(あなたが)大きな声を出していると」「おもちゃが床に広がっていると」「約束の時間になってもゲームを続けていると」「〇〇ちゃんがお手伝いしてくれると

ステップ3:”自分への影響”や”理由”を伝える(必要な場合)

  • ポイント: その行動が、自分にどんな具体的な影響を与えているか、あるいはなぜそう感じるのかを付け加えます。これにより、子どもは状況を理解しやすくなります。
  • 例: 「(大きな声を出していると)、(私は)頭が痛くなっちゃうんだ
    「(おもちゃが床に広がっていると)、(ママは)歩きにくくて危ないと感じるんだ
    「(約束の時間になってもゲームを続けていると)、(ママは)夕飯の準備が遅れるんじゃないかと心配になるんだ
    「(お手伝いしてくれると)、(ママは)すごく助かるし、嬉しい気持ちになるんだ

【組み合わせ例】

  • (Youメッセージ)「なんで大きな声出すの!うるさい!」
    → (Iメッセージ)「(私は)大きな声が聞こえるとちょっと頭が痛くなっちゃうんだ。もう少し静かにしてくれると嬉しいな」
  • (Youメッセージ)「また散らかして!片付けなさい!」
    → (Iメッセージ)「(私は)おもちゃが床に広がっていると踏んでしまいそうで心配だな。一緒に片付けてくれると助かるな」

最初は難しくても、この「気持ち+行動+影響/理由」の型を意識するだけで、伝え方が変わってきますよ!

皐月のリアル体験談:カッとなった時の「私メッセージ」変換

以前、娘たちが姉妹ゲンカをして、お互いを激しく責め合っていた時がありました。私もカッとなって、「二人ともいい加減にしなさい! なんでそんな意地悪言うの!」と、完全に「あなたメッセージ」で怒鳴ってしまったんです。結果は…火に油を注ぐだけで、ケンカはエスカレート(涙)。

その時、ふと「アイメッセージ」を思い出して、深呼吸してから、こう言い直してみました。
「…ママは、二人がそんな風に言い争っているのを聞いていると、すごく悲しい気持ちになるな。お互いを傷つけあっているように見えて、心配だよ。」

すると、あれだけヒートアップしていた二人が、ピタッと動きを止め、私の顔をじっと見たんです。そして、少しバツが悪そうに、「…ごめん」と。
私が自分の「悲しい」「心配」という気持ちを伝えたことで、彼女たちも冷静になり、私の気持ちを少し想像してくれたのかもしれません。あの時の、場の空気が変わった感覚は、忘れられません。もちろん、いつも成功するわけではありませんが、「私」を主語にするだけで、伝わり方が全く違うことを実感しました。

まとめ:「私」を主語にするだけで、伝わり方が変わる!

つい相手を責めてしまいがちな「あなたメッセージ」から、
自分の気持ちや状況を正直に伝える「アイメッセージ」へ。

主語を「私」に変える、たったそれだけの工夫で、

  • 無用な対立が減り、
  • 相手が話を聞く耳を持ちやすくなり、
  • 本当の気持ちが伝わり、
  • 共感と協力が生まれやすくなる。

これは、親子関係だけでなく、夫婦関係や職場など、あらゆる人間関係をより良くするための、普遍的なコミュニケーションの知恵とも言えますね。

最初は意識しないと難しいかもしれません。でも、カッとなった時、何かを伝えたい時、一瞬立ち止まって「『私』を主語にしたら、どう言えるかな?」と考えてみる。その練習が、あなたと、そしてお子さんの未来のコミュニケーションを、きっと豊かにしてくれるはずです。

「アイメッセージ、使ってみたらこんな効果がありました!」「こんな時、どうやって伝えたらいい?」など、あなたの体験談や疑問も、ぜひコメントで教えてくださいね!

「#ワンポイント育児」で、一緒に心地よいコミュニケーションを練習していきましょう!参考になったら、いいね!やシェアをお願いします♪
次回の「#ワンポイント育児」もお楽しみに!


【#ワンポイント育児】イヤイヤ期にも効く!「どっちがいい?」で子どもの”やる気”と”自信”を引き出す魔法

mother giving his son medicine

「早くこの服、着なさーい!」
「イヤッ!」
「もう、こっちの靴にしなさい!」
「やーだーーー!!」

…ああ、毎日のこの攻防戦。特にイヤイヤ期や、自分の意志が出てくる幼児期~低学年の子育てでは、親の「こうしてほしい」と子どもの「自分でやりたい(あるいは、やりたくない)」がぶつかって、親子でヘトヘト…なんてこと、ありませんか?

こんにちは!湘南で子育て中の、3姉妹の母で現役看護師、「こそだて部」の皐月です。
私も昔は、朝の支度や公園からの帰り道など、時間がない時ほど、つい「指示・命令」口調になりがちでした…。でも、そうすると、かえって子どもの頑なな抵抗にあって、余計に時間がかかったり、親子で嫌な気持ちになったり…悪循環でした(涙)。

そんな時、ふと試してみたある「問いかけ」が、驚くほど状況を変えてくれたんです。それが、今回のテーマ、

「〇〇と△△、どっちがいい?」

という、子どもに”選ばせる”関わり方です。
このシンプルな問いかけには、子どものやる気と自信を引き出し、親子関係をスムーズにする魔法が隠されています!

今回の「#ワンポイント育児」では、

  • なぜ「選ばせる」ことが、子どもの成長にこんなに大切なのか?
  • 「どっちがいい?」魔法の効果的な使い方【4つのコツ】
  • 「選ぶ」経験が、子どもの未来にもたらすもの

について、心理学的な視点(自己決定理論など)や、我が家のイヤイヤ期真っ只中だった頃の体験談も交えながら、具体的にお伝えします。

なぜ「選ばせる」ことが、こんなに大切なの?

ただ選択肢を与えるだけ…に見えますが、「自分で選ぶ」という経験は、子どもの心と脳に、こんな素晴らしい効果をもたらします。

1. ”自分で決めた!”という感覚【主体性・やる気UP】

人に「これをやりなさい」と言われるのと、「どっちにする?」と聞かれて自分で選ぶのとでは、行動へのモチベーションが全く違います。「自分で選んだ」という自己決定感は、「やらされている」のではなく「自分が主体的に決めたことだから、やろう!」という気持ちに繋がります。これは、心理学の「自己決定理論」(デシ&ライアン)でも、人が意欲的に行動するための重要な要素(自律性の欲求)として挙げられています。

2. ”決定する”という練習【思考力・判断力UP】

たとえ小さな選択でも、「どっちがいいかな?」と考えることは、

  • 選択肢を比較検討する
  • それぞれを選んだ場合の結果を(無意識にでも)予測する
  • 自分の好みや考えに基づいて判断する
    という、高度な思考プロセスの練習になります。この小さな練習の積み重ねが、将来、より大きな決断を下すための判断力や問題解決能力の土台を育みます。

3. ”自分の好み”を知る【自己理解】

「赤と青、どっちが好き?」「リンゴとミカン、どっちが食べたい?」…選択を繰り返す中で、子どもは「自分は何が好きで、何が好きじゃないのか」「自分は何を心地よいと感じるのか」といった、自分自身についての理解を深めていきます。これは、自分らしい生き方を見つけるための大切なステップです。

4. ”対立”を減らし、”協力”を生む【親子関係円滑化】

一方的な指示や命令は、子どもの反発を招きやすいですが、「どっちがいい?」という問いかけは、子どもの意思を尊重しているというメッセージを伝えます。子どもは「自分の気持ちを聞いてもらえた」「対等に扱ってもらえた」と感じ、親との無用なパワーバトルを避け、協力的な態度を取りやすくなります。イヤイヤ期の対応としても、非常に有効な方法の一つです。

皐月’s Point: 医療の現場でも、患者さんに治療法の選択肢を提示し、一緒に考えて決定するプロセス(インフォームド・コンセントや共同意思決定)は、患者さんの治療への主体的な参加意欲や満足度を高める上で非常に重要です。「自分で選ぶ」ことは、人の尊厳に関わる基本的な欲求なんですね。

実践!「どっちがいい?」魔法のかけ方【4つのコツ】

では、具体的にどう使えば効果的なのでしょうか? 4つのコツを押さえましょう!

コツ1:選択肢は”2つ”(多くても3つ)に絞る!

  • 例:
    • 「歯磨き、イチゴ味にする?ブドウ味にする?」
    • 「公園に行く前に、お片付けする?絵本を読む?」
    • 「お風呂に入る時、このおもちゃとあのおもちゃ、どっち持っていく?」
  • ポイント: 子ども(特に幼児期)にとって、選択肢が多すぎると、かえって混乱して選べなくなってしまいます。シンプルで、明確な選択肢を2つ(多くても3つまで)提示するのがコツです。

コツ2:どちらを選んでも”親がOK”な選択肢を!

これは超重要! 親として受け入れられない選択肢は、最初から提示しないようにしましょう。

  • NG例: (早く寝てほしい時に)「まだ遊ぶ?それとも寝る?」→「遊ぶ!」と言われたら困りますよね…。
  • OK例: (早く寝てほしい時に)「寝る前に、この絵本を読む?それともあの絵本を読む?」→どちらを選んでも「絵本を読んだら寝る」というゴールに向かえます。
  • ポイント: どちらを選ばれても、親として「それでいいよ」と言える範囲内で選択肢を設定します。子どもに主導権を与えているように見せつつ、大枠は親がコントロールするのが賢い使い方です。

コツ3:”時間制限”も時には有効!

なかなか決められない…という時には、少しだけ時間を区切ってあげるのも手です。

  • 声かけ例:
    • 「じゃあ、ママが10数えるうちに、どっちにするか決めてね!」
    • 「うーん、なかなか決められないみたいだから、今回はママがこっちを選んでもいいかな?」
  • ポイント: 穏やかな口調で伝えましょう。脅しにならないように注意。これも「時間内に決める」という練習になります。

コツ4:選んだ結果を”尊重”する!

一度子どもが選んだら(それが親にとってOKな選択肢であれば)、その決定を尊重しましょう。

  • 心がけ:
    • 子どもが選んだ後に、「えー、やっぱりこっちの方が良かったんじゃない?」などと親が口出ししない
    • 選んだ結果、多少不都合なことがあっても(例:選んだ服が少し寒かったなど、安全な範囲で)、それも自分で選んだ結果として経験させる。
  • ポイント: 自分の選択に責任を持つ、という感覚を育むことに繋がります。親が子どもの決定を尊重する姿勢を見せることで、子どもも自分の選択に自信を持てるようになります。

「選ぶ」経験が、子どもの未来を拓く

服の色、おやつの種類、読む絵本…日常の小さな「どっちがいい?」の積み重ね。それは、単に目先の協力を引き出すテクニックではありません。

自分で考え、自分で選び、その結果を受け止める。この経験を通して、子どもは「自分の人生は自分で決めることができる」という感覚(自己効力感、主体性)を育んでいきます。それは、将来、進路や仕事、人間関係など、より大きな選択を迫られた時に、自分を信じて、より良い決断を下すための力となるはずです。

我が家の「どっちがいい?」作戦:イヤイヤ期次女との靴選び

次女が魔の2歳児だった頃…それはもう、何をするにも「イヤ!」の連発でした。特に、外出前の靴選びは毎回の難関。「この靴履いて!」「イヤ!」「じゃあこっち!」「これもイヤ!」…玄関で何度、親子で膠着状態になったことか(涙)。

ある日、もうこちらも半ばヤケクソ(?)で、「分かった!じゃあ、この赤いキラキラの靴と、うさぎさんがついてるピンクの靴、どっちがいい? 自分で決めて!」と、彼女が比較的気に入っている2足だけを提示してみたんです(コツ1&2)。

すると、あれだけ頑なに拒否していた次女が、ピタッと動きを止め、2つの靴をじーっと見比べて、「…こっち(ピンクの靴を指さして)」と、自分で選んだのです!そして、驚くほど素直にその靴を履いて、ご機嫌で家を出ることができました。

あの時、「ああ、この子は『履きたくない』んじゃなくて、『自分で選びたかった』んだな」と気づかされました。指示されるのではなく、自分で選べたという満足感が、彼女の「イヤ!」を「やる気」に変えた瞬間でした。それ以来、我が家では「どっちがいい?」作戦が、様々な場面で大活躍しています(笑)。

まとめ:「選ぶ」楽しさが、子どものやる気を引き出す!

「〇〇と△△、どっちがいい?」

この魔法の問いかけは、

  • 子どもの主体性とやる気を引き出し、
  • 考える力と判断力を育て、
  • 自己理解を深め、
  • 親子の無用な対立を減らす、

まさに「#ワンポイント育児」の神髄とも言える、効果的な関わり方です。

大切なのは、子どもを一人の人間として尊重し、その意思決定のプロセスを応援すること。たとえ小さな選択でも、「自分で選んだ」という経験が、子どもの心を大きく成長させてくれます。

明日から、いえ、今日から早速、お子さんとの関わりの中で「どっちがいい?」と問いかける場面を見つけて、試してみませんか? きっと、今までとは違う、子どもの前向きな反応が見られるはずですよ!

「我が家では、こんな場面で『どっちがいい?』が効きました!」「選択肢を出す時の工夫」など、あなたの体験談やアイデアも、ぜひコメントで教えてくださいね!

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次回の「#ワンポイント育児」もお楽しみに!


皐月|ママナース
(3姉妹の母 / 現役看護師 / ブログ「こそだて部」運営)
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【#ワンポイント育児】答えを教える前にこの一言!子どもの「考える力」が覚醒する魔法の問いかけ「どう思う?」

a woman giving an apple and a trophy to a boy

子どもからの「これ、なあに?」「どうやるの?」という質問。
あるいは、宿題で手が止まっていたり、友達との間で何かあったりして、困っている我が子の姿。

そんな時、私たち親は、良かれと思って、つい「答え」や「正しいやり方」、「アドバイス」をすぐに与えてしまいがちですよね。

「それはね、〇〇だよ」
「こうすればいいのよ」
「〇〇ちゃんに、こう言ってみたら?」

…でも、その親切心、もしかしたら子どもの”自分で考える力”が育つ、大切なチャンスを奪ってしまっているのかもしれません。

こんにちは!湘南で子育て中の、3姉妹の母で現役看護師、「こそだて部」の皐月です。
私も昔は、「教えること=親の役目」だと思い込んでいて、聞かれたことにはすぐに答え、困っていればすぐに手助け…という関わり方が多かったように思います。でも、それだと、子どもはいつまでも”指示待ち”になってしまうんですよね…。

今回の「#ワンポイント育児」では、答えやアドバイスをぐっとこらえ、代わりに「〇〇ちゃん(くん)は、どう思う?」と問いかけることの驚くべきパワーに迫ります!

この記事を読めば、

  • なぜ「答え」より「問いかけ」が、子どもの成長に大切なのか?
  • 魔法の問いかけ「どう思う?」が持つ、すごい効果
  • 具体的にどんな場面で、どう使えばいいの?【実践ヒント】

が分かり、お子さんの思考力、主体性、問題解決能力を、グンと引き出す関わり方のコツが掴めるはずです。

なぜ「答え」より「問いかけ」が大切なの?

親がすぐに答えや解決策を与えてしまうと、こんな”もったいない”ことが起こるかもしれません。

  • 「指示待ちっ子」になってしまう?: 常に大人から答えをもらうことに慣れてしまうと、自分で考えたり、判断したりする意欲が育ちにくくなります。「言われたことはできるけど、自分からは動けない…」そんな受け身の姿勢に繋がってしまうかも。
  • ”自分で考える”貴重な機会を奪ってしまう: 問題にぶつかり、悩み、試行錯誤するプロセスこそが、子どもの考える力を鍛える最高のトレーニングです。親がすぐに正解を与えてしまうと、その大切な練習機会を奪うことになります。
  • ”分かったつもり”で終わってしまうことも: 人から聞いた答えは、表面的には理解できても、自分で考え抜いて出した答えほどの深い理解や定着には繋がりにくいものです。

もちろん、年齢や状況によっては、明確な答えや指示が必要な場面もあります。でも、子どもの「考える力」を育てたいと願うなら、親が「教える人」から「問いかける人(思考の伴走者)」へと、意識をシフトすることが大切なのです。

「どう思う?」に秘められた驚きの効果!

では、なぜ数ある問いかけの中でも、「どう思う?」が特に効果的なのでしょうか? このシンプルな一言には、子どもの成長を促す魔法が詰まっています!

  • 効果1:”思考スイッチ”がONになる!【主体性の促進】
    「どう思う?」と問われることで、子どもは受け身の姿勢から、能動的に”考えるモード”へと切り替わります。「僕(私)の考えを聞いてくれているんだ」「自分の意見を持っていいんだ」と感じ、主体的に物事に関わろうとする意欲が刺激されます。
  • 効果2:”自分の言葉”で表現する練習【言語化能力UP】
    頭の中で考えていることを、相手に伝わるように言葉にするのは、高度な能力です。「どう思う?」という問いかけは、自分の考えを整理し、言葉で表現する(言語化する)絶好の練習機会となります。語彙力や説明能力の向上にも繋がります。
  • 効果3:”問題解決能力”の筋トレになる【試行錯誤を促す】
    困っている時に「どう思う?」と聞かれると、子どもは「どうすればこの状況を打開できるか?」と、自分なりに解決策や代替案を考えるようになります。すぐに答えが見つからなくても、考えるプロセスそのものが、問題解決能力を鍛える”筋トレ”になるのです。
  • 効果4:子どもの”視点”や”理解度”が分かる【相互理解】
    この問いかけに対する子どもの答えから、親は「この子は今、物事をどう捉えているのか」「どの程度理解しているのか」「何につまずいているのか」を知ることができます。それによって、より的確なサポートやアドバイスが可能になり、親子の相互理解も深まります。

皐月’s Point: これは教育学でいう「問いベースの学び(Inquiry-based learning)」や、コーチングの基本的な考え方にも通じますね。相手の中にある答えや可能性を引き出すことを重視するアプローチです。看護師としても、患者さんに「ご自身の体調について、どう感じますか?」「治療について、どうお考えですか?」と問いかけることで、ご本人の主体的な療養への参加を促すことを大切にしています。

実践!「どう思う?」魔法の問いかけ【効果的な使い方3つの場面】

では、具体的にどんな場面で、どう使えばいいのでしょうか? すぐに試せる3つの場面とコツをご紹介します。

場面1:子どもが「なんで?」「どうして?」と質問してきた時

  • ついやりがちなNG: すぐに答えを教える。「それはね、〇〇だからだよ」
  • 「どう思う?」活用例:
    • 「へぇ、面白いところに気づいたね!〇〇ちゃん(くん)は、どうしてだと思う?
    • 「うーん、難しい質問だね。何か理由があるとしたら、なんだと思う?
    • (答えを聞いた後で)「なるほど、そういう考えもあるね!じゃあ、一緒に図鑑で調べてみようか?」
  • ポイント: まず子どもの考えを聞くことで、思考を深め、探求心を刺激します。答え合わせはその後に。

場面2:子どもが困っている時・問題に直面した時(宿題、友達関係、忘れ物など)

  • ついやりがちなNG: すぐに解決策を提示する。「こうすればいいじゃない!」
  • 「どう思う?」活用例:
    • 「そっか、困ってるんだね。どうしたら解決できると思う?
    • 「何かいい方法、思いつくかな? いくつかやり方を考えてみる?
    • (子どもがアイデアを出したら)「いいね!それ、試してみる? ママ(パパ)にできることはある?」
  • ポイント: 感情に寄り添った後(「そっか、困ったね」)、子ども自身が解決策を見つけるのをサポートします。(→「手伝って!」への対応も参考に!)

場面3:物語を読んだ後や、何かを経験した後(遠足、映画鑑賞など)

  • ついやりがちなNG: 親が感想や教訓を一方的に話す。「このお話は〇〇が大切だってことだね」
  • 「どう思う?」活用例:
    • 「このお話、読んでみてどう思った?
    • 「どの登場人物の気持ちが、一番よく分かったかな? それはどうして?
    • 「今日の遠足で、一番心に残ったことは何かな? どう感じた?
  • ポイント: 感想や解釈を促すことで、共感力、思考力、表現力を豊かにします。正解はありません。

【最重要!】魔法を成功させる秘訣は「待つこと」
「どう思う?」と問いかけた後、子どもがすぐに答えられなくても、焦らず、急かさず、じっくりと「待つ」ことが何よりも大切です。「うーん…」と考えている時間は、まさに脳がフル回転している証拠! 沈黙を恐れず、子どもの言葉が出てくるのを信じて待ちましょう。そして、どんな答えが出てきても、まずは「なるほど、そう思うんだね!」と受け止めることが、次の思考への意欲に繋がります。

皐月のリアル体験談:「どう思う?」で娘の世界が広がった瞬間

長女が低学年の頃、友達とケンカをして帰ってきたことがありました。話を聞くと、どうやら些細な誤解が原因のよう。「そんな時はね、こう言えば良かったんだよ!」と、ついアドバイスしたくなるのをぐっとこらえて、「そっか、悲しかったね。〇〇ちゃん(長女)は、その時どうすれば良かったと思う?」と聞いてみたんです。

しばらく「うーん…」と考え込んでいた長女でしたが、やがて「…やっぱり、ちゃんと『ごめんね』って言えばよかったのかな」「でも、私も悪くないもん…って思っちゃったんだよね」と、自分の気持ちと向き合いながら、ポツリポツリと話し始めました。

私が答えを教えるのではなく、問いかけたことで、彼女は自分で状況を振り返り、自分の気持ちを整理し、次への行動を考えることができたように思います。あの時の、真剣に考え込む娘の横顔は、今でも忘れられません。「どう思う?」という問いかけが、彼女の心を一歩成長させてくれた瞬間でした。

まとめ:「問いかけ」一つで、子どもの未来が変わるかも!

「〇〇ちゃん(くん)は、どう思う?」

このシンプルな問いかけは、子どもに「あなたは、自分で考え、意見を持ち、それを表現できる、価値ある存在なんだよ」という、力強いメッセージを伝えます。

それは、

  • 考える力(思考力)
  • 自分の言葉で伝える力(表現力)
  • 困難を乗り越える力(問題解決能力)
  • 自分を信じる力(自己肯定感)

といった、子どもがこれからの時代を主体的に、そして幸せに生きていくための、大切な力の基礎を築いてくれるのです。

もちろん、いつも問いかける必要はありません。時には、明確な指示や答えが必要な場面もあります。でも、日々の関わりの中で、「答えを教える」前に、一度立ち止まって「どう思う?」と問いかけてみる。その小さな習慣が、子どもの未来を、そして親子のコミュニケーションを、きっと豊かに変えてくれるはずです。

「どう思う?」と聞いてみて、お子さんの意外な考えにハッとした経験はありませんか? あなたが実践している「考える力を引き出す」問いかけがあれば、ぜひコメントで教えてください!

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次回の「#ワンポイント育児」もお楽しみに!


【#ワンポイント育児】「〇〇(名前)、大好きだよ」毎日伝えてる?子どもの自己肯定感を育む”究極の”言葉

mother carrying her daughter both smiling

「もちろん、我が子のこと、愛してるに決まってる!」
「言わなくても、態度で伝わってるはず…」

ママ・パパなら、誰だってそう思っていますよね。
でも…忙しい毎日の中で、あるいは、ちょっと照れくさくて、「〇〇(お子さんの名前)、大好きだよ」って、ちゃんと言葉にして伝えること、ついつい忘れがちになっていませんか?

こんにちは!湘南で子育て中の、3姉妹の母で現役看護師、「こそだて部」の皐月です。
心の中では「大好き!」って、一日何百回も叫んでいるのに(笑)、それを声に出すのって、なんだかタイミングを逃してしまったり、「今さら?」なんて思ってしまったり…。私も、意識しないと、つい伝える回数が減ってしまうことがあります。

でも、この「大好きだよ」というシンプルな言葉を、”無条件”で、”繰り返し”伝えることは、私たちが想像する以上に、子どもの心の成長にとって、とてつもなく大きな意味を持っているんです。

今回の「#ワンポイント育児」では、

  • なぜ「言葉にして伝える愛情」が、子どもの心を育む上で不可欠なのか?
  • 「大好きだよ!」が持つ、驚くべきパワーとは?
  • 心にしっかり届く「大好き!」の伝え方【5つのコツ】
  • 「なんだか照れくさい…」そんな時のヒント

について、心理学的な視点(難しくないので大丈夫!)や、看護師として感じる心のケアの重要性、そして我が家の日常を交えながら、お伝えしていきます。この記事は、お子さんの自己肯定感の”根っこ”を育む、究極の愛情表現についての深掘りです。

なぜ「言葉で伝える」ことが、そんなに大切なの?

「愛情は行動で示せばいい」という考え方もありますが、子どもにとって(そして、実は大人にとっても!)、言葉で伝えられる愛情には、特別な意味があります。

1. 心の安全基地を築く”土台”【安心感・愛着】

「大好きだよ」という言葉は、子どもにとって「自分は受け入れられている」「ここにいていいんだ」という絶対的な安心感の源泉です。心理学でいう「安全基地」、つまり、何かあっても必ず戻ってこられる、心安らぐ場所がある、という感覚ですね。この感覚が、子どもが外の世界へ冒険に出かける勇気を育みます。(ジョン・ボウルビィの愛着理論などが有名ですね)

2. 「ありのままでいいんだ」自己肯定感の根っこ【存在承認】

「テストで100点取ったから好き」「お手伝いしたから好き」ではなく、”何かができる・できない”に関わらず、「あなたが、あなただから大好き」というメッセージを伝えること。これが「無条件の肯定的関心(受容)」であり、子どもの自己肯定感の最も重要な土台となります。(カール・ロジャーズという心理学者が提唱した考え方です) 存在そのものを肯定される経験が、「自分は価値のある人間なんだ」という感覚を育むのです。(→「どうせ私なんて…」の記事も参考に!)

3. 困難に立ち向かう”お守り”【レジリエンス】

自分が無条件に愛されている、という確信は、子どもにとって最強の「心の盾」であり「お守り」になります。失敗しても、困難にぶつかっても、「でも、パパとママは私のこと大好きでいてくれる」と思えれば、そこから立ち直り、再び挑戦する力(レジリエンス)が湧いてきます。

4. 愛情を”見える化”する効果【誤解を防ぐ】

親がどんなに愛情を持って行動していても、子どもは時々、親の忙しさや疲れ、あるいは叱られたことなどから、「自分は愛されていないのかもしれない」と不安に感じてしまうことがあります。そんな時、「大好きだよ」という明確な言葉は、親の愛情を”見える化”し、子どもの不安や誤解を解消する力を持っています。

皐月’s Point: 看護の現場でも、患者さんに「私たちはあなたの味方です」「心配していますよ」と言葉で伝えることで、安心感や治療への意欲を引き出すことがあります。言葉は、目に見えない気持ちを形にし、相手に確実に届ける力を持っているんですね。

「大好きだよ!」を心に届ける伝え方のコツ

では、どうすれば「大好きだよ」が、もっと子どもの心に響くのでしょうか? いくつかのコツをご紹介します。

コツ1:”無条件”で伝える

  • ポイント:
    • 何か良いことをした後だけでなく、何気ない日常の中で、ふと伝える。
    • 叱った後、仲直りした時に、「さっきは叱ったけど、あなたのことは大好きだからね」と伝える。(行動と存在は別、というメッセージ)
    • 「〇〇だから好き」という条件をつけない。

コツ2:”シンプル”に、”ストレート”に

  • ポイント:
    • 「〇〇(お子さんの名前)、大好きだよ!」 これだけで十分伝わります。
    • まだ言葉が分からない赤ちゃんにも、この言葉の持つ温かい響きや愛情は伝わります。
    • しっかり目を見て伝える。

コツ3:”日常”の様々な場面で

  • ポイント:
    • 朝起きた時の「おはよう、大好きだよ!」
    • 寝る前の「おやすみ、大好きだよ!」(これは習慣にしやすいですね!)
    • ぎゅーっと抱きしめながら。
    • 一緒に笑い転げた後に。
    • ふと、愛おしいと感じた瞬間に。
    • 落ち込んでいる時に、そっと。

「いつでも、どんな時でも、あなたのこと大好きだよ」というメッセージが伝わるように、色々な場面で伝えてみましょう。

コツ4:言葉+α(態度・行動)で

  • ポイント:
    • 笑顔、優しい眼差し、ハグ、手をつなぐといった、温かい態度やスキンシップと一緒に伝えることで、言葉の力が何倍にもなります。
    • 子どもの話を真剣に聞く一緒に遊ぶといった行動も、「大好き」を伝える大切な方法です。

コツ5:”あなた”が主語の「アイラブユー」も

  • ポイント:
    • 「大好きだよ」も素敵ですが、時には「ママ(パパ)は、〇〇のことが、本当に大好きなんだ」と、自分の気持ちとして伝えることで、よりストレートに愛情が伝わることもあります。

照れくさい? 恥ずかしい? そんな時のヒント

「分かってるけど、なんか言うのが照れくさい…」
「自分が親からあまり言われなかったから、どう伝えたらいいか分からない…」

そんな風に感じる方もいらっしゃるかもしれません。すごく分かります!でも、大丈夫。

  • まずは「小さな声」からでもOK! 寝る前に、そっと耳元で囁いてみるのはどうでしょう?
  • 文字で伝えるのもアリ! 連絡帳の片隅に「だいすきだよ♡」と書いてみたり、お弁当にメッセージカードを入れたり。
  • 「大好き」以外の言葉でも! 「〇〇がいると、ママ(パパ)はすごく嬉しいな」「あなたがいてくれて、本当に良かった」など、感謝や存在を喜ぶ言葉で伝えるのも素敵です。
  • まずは行動から! ハグや笑顔を意識的に増やしてみる。そのうちに、自然と言葉も出てくるかもしれません。

大切なのは、完璧にやることではなく、あなたなりの方法で「愛情を伝えよう」と意識することです。

我が家の「大好きだよ」習慣 in 湘南

我が家では、寝る前の「おやすみ、大好きだよ、チュッ!」が、もう何年も続いているお約束です。三姉妹それぞれに、ぎゅーっとして伝えます。大きくなってきて、ちょっと照れるお年頃の娘もいますが(笑)、それでもやっぱり嬉しそうな顔をしますね。

あとは、日常の中で、ふと娘たちの寝顔を見た時や、一生懸命な姿を見た時、くだらないことで一緒に大笑いした時なんかに、「もー、〇〇(名前)、ほんっと大好き!」って、つい声に出してしまいます。ここ湘南の海で、夕日を見ながら娘たちと手をつないで歩いている時なんかも、「あー、幸せだなぁ、大好きだなぁ」って、自然と伝えたくなりますね。

言葉にするのは、自分のためでもあるのかもしれません。伝えることで、自分の中の愛情を再確認して、温かい気持ちになれる気がします。

まとめ:「大好きだよ」は、心の栄養ドリンク!

「〇〇(お子さんの名前)、大好きだよ!」

この言葉は、子どもの心にとって、最高の栄養ドリンクのようなもの。
毎日の食事で体が育つように、毎日の「大好きだよ」で、子どもの自己肯定感、安心感、人を信じる心、そして困難に立ち向かう力が、健やかに育まれていきます。

照れくさくても、忙しくても、ぜひ意識して、言葉で、態度で、「あなたはかけがえのない、大切な存在なんだよ」と伝え続けてあげてください。
それは、お子さんの”今”を輝かせ、”未来”を照らす、何よりの贈り物になるはずです。

あなたは、どんな時に、どんな風に「大好き」を伝えていますか? 心温まるエピソードや、伝える時の工夫など、ぜひコメントで教えてくださいね!

「#ワンポイント育児」シリーズ、大切な人にこの想いが届きますように。シェアも大歓迎です♪
次回の「#ワンポイント育児」もお楽しみに!


【#ワンポイント育児】「すごいね!」連発してない?子どもの”本当の自信”を育む「見たまま承認」の魔法

mother and son sitting on a wooden chair while showing the bond paper with drawing

「わぁ、上手に描けたね!すごい!」
「全部食べられたの?えらいね!」
「走るの速いねー!すごいすごい!」

お子さんが何かをしたり、見せてくれたりした時、思わず口から飛び出す「すごいね!」「上手!」「えらい!」。これ、もう私たち親の口癖、国民的褒め言葉と言ってもいいかもしれません(笑)。私も一日何十回言ってるか…数えきれません!

もちろん、褒めること、認めることは、子育てにおいてとっても大切。でも、もしその「すごいね!」が、時として子どもの”本当の自信”を育むチャンスを逃しているとしたら…?

こんにちは!湘南で子育て中の、3姉妹の母で現役看護師、「こそだて部」の皐月です。
今回の「#ワンポイント育児」では、ついつい連発しがちな「すごいね!」のような”漠然とした褒め言葉”と、「〇〇できたね!」のように”見たままの事実”を伝える承認、この二つが子どもの心にどう響くのか、その違いと効果に迫ります。

この記事を読めば、

  • なぜ「すごいね!」だけだと、ちょっと”もったいない”のか?
  • 「見たまま承認」が持つ、驚くべきパワーとは?
  • 今日からできる!具体的な「見たまま承認」の声かけ例

が分かり、お子さんの内側から湧き出る自信と意欲を、より効果的に育むヒントが見つかるはずです。

なぜ「すごいね!」だけじゃ、もったいないの?

愛情を込めて言っている「すごいね!」。でも、こればかりだと、こんな”落とし穴”があるかもしれません。

  • 何が”すごい”のか、子どもには分からない: 「すごい」と言われても、子どもは自分の行動の「どの部分」が評価されたのか具体的に分かりません。そのため、「どうすればまた褒められるか」が分からず、次の行動に繋がりにくいことがあります。
  • 「褒められること」が目的になりやすい: 「すごいね!」という親からの”評価”を得ることが目的になってしまい、「自分がどう感じたか」「何を達成したか」という内面的な満足感よりも、他者評価に依存しやすくなる可能性があります。「褒められないと不安」「失敗したらすごいって言ってもらえないかも」と感じてしまう子も。
  • 結果ばかりを気にするようになるかも: 「上手」「すごい」は、どうしても”結果”に対する評価になりがち。そうなると、子どもは「うまくできるか」「失敗しないか」ばかりを気にして、挑戦する過程や努力そのものを楽しめなくなるかもしれません。
  • 言葉が”軽く”なってしまう: あまりに頻繁に使いすぎると、「すごいね!」という言葉の持つ本来の感動や重みが薄れてしまい、子どもにも「また言ってるな」と響かなくなってしまうことも…。

もちろん、「すごいね!」が常に悪いわけではありません!心からの感動を伝える時には、とても素敵な言葉です。ただ、”そればかり”になってしまうのは、もったいない、ということなんです。

「見たまま承認」の驚くべきパワー!

では、「すごいね!」の代わりに(あるいは加えて)、どんな言葉が子どもの心を伸ばすのでしょうか? それが「見たまま承認」です。これは、親が評価や判断を加えず、ただ子どもが「したこと」や「作ったもの」を、客観的に、具体的に言葉にして伝えるというシンプルな方法です。ポジティブ・ディシプリンなどの育児法でも推奨されていますね。

この「見たまま承認」には、こんな驚きのパワーがあります!

  • 自分の行動を”客観的”に認識できる【自己認識UP】:
    「赤いブロックを、5個、高く積み上げたね」と言われると、子どもは「僕は赤いブロックを5個積んだんだ」と、自分の行動とその結果を具体的に認識できます。これが、「自分は何ができたのか」を客観的に理解する力、つまり自己認識能力を育てます。
  • ”できた!”という事実そのものが自信になる【自己効力感UP】:
    「〇〇できたね」という事実は、外部からの評価とは関係なく、「自分にはこれができた!」という揺るぎない自信(自己効力感)の源泉になります。「ママがすごいって言ったからすごい」のではなく、「自分で〇〇できたから、自分はできるんだ!」と感じられるようになります。
  • ”プロセス”や”工夫”に光が当たる【成長マインドセット促進】:
    「最後まで諦めずにパズルに取り組んでいたね」「さっきと違うやり方で試してみたんだね!」のように、結果だけでなく、そこに至るまでの努力や工夫、試行錯誤を言葉にすることで、子どもは「頑張ること」「工夫すること」の大切さを学びます。これは、「やればできる!」という成長マインドセットを育む上で非常に重要です。(→「失敗しても大丈夫!」の記事も参考に!)
  • 親の”ちゃんと見てるよ”が伝わる【安心感・信頼感UP】:
    具体的に描写するには、親が子どものことを注意深く観察する必要がありますよね。その「ちゃんと見てくれている」という事実が、子どもにとっては「自分は大切にされている」「関心を持ってもらえている」という大きな安心感と、親への信頼感に繋がります。(→「見て見て!」への対応とも関連しますね!)

皐月’s Point: 看護師が患者さんの状態を正確に観察し、「〇〇ができていますね」「顔色が良くなりましたね」と具体的に伝えることが、患者さんの安心感や回復意欲に繋がるのと似ています。具体的な描写は、相手への深い関心と敬意の表れなのです。

やってみよう!”見たまま承認”の具体的な声かけ【3つの場面別】

難しく考えないで!ポイントは「見たまま」を「言葉にする」だけ。評価や解釈は、いったん横に置いてみましょう。

場面1:お絵描きや工作を見せてくれた時

  • つい言っちゃう例: 「わー、すごい上手だね!天才!」
  • 「見たまま承認」例:
    • 「わぁ、黄色とオレンジ色をたくさん使って、太陽を描いたんだね!」
    • 紙いっぱいに、グルグル力強い線が描けてるね!」
    • ハサミで、この丸い形を切ったんだね。難しいところ、集中してたね!」
    • 色々な素材を組み合わせて、面白いものができたね!」

場面2:何かができるようになった時

  • つい言っちゃう例: 「えらいね!」「さすが!」
  • 「見たまま承認」例:
    • 「見て!一人でズボンが履けたね!ボタンも自分で留められたんだ!」
    • 最後まで諦めずに、鉄棒で前回りができたね!何度も練習してたもんね!」
    • 「わ!こぼさないでコップにジュースを注げたね!」
    • 「すごい!自転車のペダルを漕いで、まっすぐ進んでるよ!」

場面3:お手伝いをしてくれた時

  • つい言っちゃう例: 「ありがとう、いい子だね!」
  • 「見たまま承認」例:
    • 「ありがとう、洗濯物を畳んで、タンスにしまってくれたんだね!すごくきれい!」(+「助かったよ!」で、さらに効果UP!→前回の記事も参考に!)
    • 「ありがとう、食卓にお箸を並べてくれたね。準備が早くできたよ!」
    • 「ありがとう、弟(妹)の遊び相手になってくれたんだね。楽しそうな声が聞こえてきたよ!」

【ポイント】
まずは、目に見える事実をそのまま言葉にする練習から。慣れてきたら、そこに子どもの気持ちを推測する言葉(「楽しそうだね」「集中してたね」)や、具体的な感謝(「助かったよ」)をプラスしていくと、さらに温かいコミュニケーションになります。

我が家の「すごいね!」を封印してみたら…

私も、この「見たまま承認」を知ってから、意識して「すごいね!」を封印してみた時期がありました。最初は、なんだか褒めてないみたいで物足りないような、変な感じがしました(笑)。

でも、例えば三女が新しいダンスのステップを練習して見せてくれた時、「すごい!」と言う代わりに、「わ、右足を出して、クルッと回って、ピタッと止まったね!さっきより動きがスムーズになったんじゃない?」と伝えたんです。

そしたら、三女は「うん!ここの止めるところ、練習したんだ!」と、自分が工夫したポイントを、すごく得意げに話してくれました。「すごいね!」だけだと、「へへっ」で終わっていたかもしれない会話が、具体的な行動への自信と、さらなる意欲に繋がったように感じた瞬間でした。

まとめ:「ちゃんと見てるよ」が、子どもの自信の根っこになる

「すごいね!」という言葉も、もちろん使い方次第で素晴らしい効果があります。でも、それだけに頼らず、

「〇〇できたね!」
「〇〇しているね!」

と、子どもが”今ここ”でしていること、成し遂げたことを、具体的に言葉にして伝える「見たまま承認」

この関わり方は、子どもに「自分はちゃんと見てもらえている」「自分の行動には価値がある」という感覚を与え、評価に左右されない、内側から湧き出る”本当の自信”を育むための、強力な土台となります。

難しく考えず、まずは今日、お子さんの何か一つの行動に対して、「見たまま」を言葉にして伝えてみませんか? きっと、いつもと違う、キラキラした子どもの表情が見られるはずです。

「『すごいね!』の代わりに、こんな言葉をかけてみたら、子どもの反応が変わりました!」「我が家の『見たまま承認』エピソード」など、ぜひコメントで教えてくださいね!

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次回の「#ワンポイント育児」もお楽しみに!


【#ワンポイント育児】「ありがとう」だけじゃ伝わらない?子どもの自己肯定感がUPする”具体的”感謝の伝え方

a woman harvesting red peppers and tomatoes at the garden

「ママ、お皿運ぶの手伝う!」
「パパ、はい、新聞どうぞ!」

子どもが、ふと優しい行動を見せてくれた時。
「わぁ、ありがとうね!」
「はい、どうもー」

…あなたは、どんな風に「ありがとう」を伝えていますか?
もしかしたら、日々の忙しさの中で、つい反射的に、一言だけで済ませてしまっていることもあるかもしれません。(ドキッ! 正直に白状すると、私もです…反省。)

もちろん、「ありがとう」と伝えること自体が素晴らしい第一歩!でも、もし、その一言にほんの少し”具体性”をプラスするだけで、子どもの自己肯定感や「またやりたい!」という意欲が、もっともっと育まれるとしたら…?

こんにちは!湘南で子育て中の、3姉妹の母で現役看護師、「こそだて部」の皐月です。
今回の「#ワンポイント育児」では、この「”具体的に”感謝を伝えること」に焦点を当て、

  • なぜ「具体的なありがとう」が、子どもの心に深く響くのか?
  • 毎日の生活で使える!「伝わる感謝」の伝え方【3つのステップ】
  • 我が家での「ありがとう」の伝え方ビフォーアフター

について、具体的な声かけ例や、看護師としてのコミュニケーションの視点も交えながら、お伝えしていきます。
今日から使える、親子の心に温かい循環を生み出すヒント、ぜひ見つけてくださいね!

なぜ「具体的に」が効くの? ”心に響く”感謝の秘密

「ありがとう」だけでも嬉しいけれど、「〇〇してくれて、ありがとう!」と具体的に言われると、大人だって「ちゃんと見ててくれたんだな」って、嬉しさが倍増しますよね。子どもにとっては、その効果はさらに絶大なんです!

1. 自分の”行動”が認められた!【有能感UP】

ただ「ありがとう」と言われるよりも、「テーブルを拭いてくれて、ありがとう!」と言われた方が、子どもは「自分がやった『テーブルを拭く』という行動が、役に立ったんだ!」と具体的に認識できます。これが、「自分はできるんだ!」という有能感(自分には能力があるという感覚)に繋がり、自信を育みます。

2. 「役に立てた!」喜びと意欲【貢献感・やる気UP】

さらに、「〇〇してくれて、助かったよ!」「きれいになって嬉しいな!」のように、自分の行動が相手(親)にどんな良い影響を与えたかが分かると、「自分は人の役に立てる存在なんだ!」という貢献感が満たされます。この「役に立てた!」というポジティブな経験が、「またお手伝いしたい!」「もっと喜んでもらいたい!」という内発的なやる気(モチベーション)を引き出す強力なエンジンになるのです。

3. 親の”見てるよ”サイン【安心感・自己肯定感UP】

具体的に感謝を伝えることは、「ママ(パパ)は、私のやったことを、ちゃんと見て、分かってくれている」という、子どもにとって非常に重要なメッセージになります。自分の行動や存在が、大切な親に承認されていると感じることは、「自分はこのままでいいんだ」という自己肯定感の根っこを、しっかりと育ててくれます。

4. ”感謝の気持ち”が伝わりやすい【コミュニケーション円滑化】

「ありがとう」という言葉に、具体的な行動や気持ちを添えることで、感謝の度合いや理由がより明確に伝わります。「あ、ママは本当に助かったんだな」「パパは本当に喜んでくれてるんだな」と、言葉の重みが増すんですね。また、親が具体的に感謝を伝える姿は、子ども自身が「感謝の気持ちはどうやって伝えたらいいか」を学ぶ、最高のお手本にもなります。

皐月’s Point: 看護の現場でも、患者さんに「〇〇(具体的なケア)をしたことで、少し楽になりましたか?」と具体的に尋ねたり、「〇〇にご協力いただけて、とても助かりました、ありがとうございます」とお伝えしたりすることで、より良いコミュニケーションと信頼関係が生まれます。具体性は、相手への敬意と関心の表れでもあるんですね。

やってみよう! ”伝わる”感謝の伝え方【3つのステップ】

難しく考える必要はありません!いつもの「ありがとう」に、ちょっとだけ言葉をプラスするだけです。

ステップ1:「ありがとう」+”具体的な行動”

  • やり方: まずは、「ありがとう」の後に、子どもが「何をしてくれたのか」を具体的に付け加えます。
    • 「ありがとう、靴を揃えてくれて
    • 「ありがとう、弟(妹)に絵本を読んであげてくれて
    • 「ありがとう、静かに待っていてくれて
    • 「ありがとう、元気な挨拶をしてくれて
  • ポイント: 大げさなことでなくてもOK!日常のささやかな行動にこそ、具体的に注目してあげましょう。

ステップ2:”気持ち”や”助かったこと”をプラス

  • やり方: ステップ1の言葉に、親の気持ちや、どんな風に助かったかを付け加えます。
    • 「ありがとう、テーブルを拭いてくれて。ピカピカになって、ママ嬉しいな!
    • 「ありがとう、靴を揃えてくれて。玄関がスッキリして気持ちいいね!
    • 「ありがとう、静かに待っていてくれて。おかげで電話に集中できたよ、助かった!
    • 「ありがとう、元気な挨拶をしてくれて。こっちまで元気が出たよ!
  • ポイント: I(アイ)メッセージ(「私は~」が主語)で伝えると、より気持ちが伝わりやすいですね。

ステップ3:笑顔とアイコンタクトも忘れずに!

  • やり方: 言葉をかける時は、しっかり子どもの目を見て、笑顔で伝えましょう。
  • ポイント: 言葉だけでなく、温かい表情や態度が、感謝の気持ちを何倍にもして伝えます。

【ボーナスのヒント】
良いことをした時だけでなく、普段の何気ない存在に対しても、「〇〇ちゃんがいてくれるだけで、ママは毎日楽しいよ、ありがとうね」と伝えてあげるのも、自己肯定感を育む上でとても効果的です。(→「どうせ私なんて…」の記事も参考に![※内部リンク想定])

我が家の「ありがとう」の伝え方を変えてみたら…

我が家の三姉妹も、小さい頃からお手伝いは(気分次第ですが…笑)してくれていました。以前は私も、「ありがとう、助かるわー」と、やや定型句のように言うことが多かったんです。

でもある時、長女が食後に自分の食器をキッチンまで運んでくれた時に、意識して「〇〇(長女の名前)、食器を運んでくれてありがとう!ママ、すごく助かったよ!」と、目を見て、笑顔で伝えてみたんです。

そしたら、長女は一瞬キョトンとした後、「…へへっ」と、ものすごーく嬉しそうな、誇らしげな顔をしたんです! その表情を見て、「あ、ちゃんと伝わった!」「『ありがとう』だけじゃ、この笑顔は見られなかったかも!」と、私自身がハッとさせられました。

それ以来、できるだけ具体的に伝えるように意識していますが、やはり「具体的に褒められた(感謝された)」時の子どもの嬉しそうな顔は、格別だなと感じます。そして、そんな時は、次もまた意欲的に手伝ってくれることが多い気がします。(もちろん、いつもではありませんが!笑)

まとめ:”具体的ありがとう”で、親子の心に温かい循環を

「ありがとう!」
その一言だけでも、もちろん気持ちは伝わります。でも、そこに

「〇〇してくれて」 という具体的な行動
「助かったよ!」「嬉しいな!」 という親の気持ち

をプラスするだけで、その言葉は、子どもの自信を育て、やる気を引き出し、「自分は役に立つ存在なんだ」という温かい感覚(自己肯定感)を育む、魔法の言葉に変わります。

特別なことではありません。いつもの「ありがとう」を、ほんの少しだけ具体的にしてみる。
その小さな習慣が、親子の心に、感謝と喜びの温かい循環を生み出してくれるはずです。

完璧じゃなくて大丈夫。まずは今日、何か一つ、お子さんの行動に「具体的ありがとう」を伝えてみませんか?

「こんな『具体的ありがとう』を伝えたら、子どもがこんな反応をしました!」「我が家の感謝の伝え方ルール」など、あなたの体験談やアイデアも、ぜひコメントで教えてくださいね!

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次回の「#ワンポイント育児」もお楽しみに!


【魔法の言葉】子どもの心が安定する!「そっか、〇〇なんだね」の驚くべき効果と使い方

photo of girl hugging her mom while doing yoga pose

「もうイヤだー!」って大泣き。
「なんで僕(私)ばっかり!」ってポツリ。
「あっち行ってよ!」ってプンプン。

子どもがネガティブな感情を爆発させたり、ポツリと呟いたりした時…。
あなたはまず、なんて声をかけますか?

「泣かないの!」
「大丈夫だよ、元気出して!」
「こうすれば良かったんじゃない?」

良かれと思ってかけた言葉が、かえって子どもの心を閉ざしてしまったり、「分かってもらえない…」と感じさせてしまったりすること、意外と多いのかもしれません。

こんにちは!湘南で暮らす、3姉妹の母で現役看護師、「こそだて部」の皐月です。
私も昔は、子どもが泣いたり怒ったりすると、早くその状態から「救い出そう」として、つい「泣き止ませる言葉」や「解決策」を急いで口にしてしまっていました…。でも、それって、子どもの本当の気持ちを置き去りにしてしまっていたのかもしれない、と今は反省しています。

実は、子どもの心が不安定な時に、何よりもまず効果を発揮する「魔法の言葉」があるんです。それは…

「そっか、〇〇(←子どもの気持ち)なんだね」

ただ、子どもの気持ちを「そうなんだね」と、評価せず、否定せず、そのまま受け止める
一見、シンプルすぎるこの一言に、一体どんなパワーが隠されているのでしょうか?

このブログの新シリーズ「#ワンポイント育児」では、忙しい毎日の中でもすぐに実践できる、子育てがちょっと楽になる具体的なヒントを一つずつ深掘りしていきます。今回は、多くの場面で役立つ「気持ちを受け止める魔法の言葉」について、その意味と効果、具体的な使い方をじっくり解説しますね。今日から使える、親子の絆を深めるヒント、ぜひ持ち帰ってください!

なぜ効くの?「そっか、〇〇なんだね」の深い意味と驚きの効果

ただ気持ちを繰り返すだけに見えるこの言葉。でも、子どもの心と脳には、こんなにポジティブな影響を与えているんです。

1. 感情に”名前”がつく!自己理解の第一歩【感情の言語化】

子どもは、自分の中に渦巻くモヤモヤした感情を、最初はうまく認識できません。「なんだかモヤモヤする」「カーッとなる」…。そんな時、親が「そっか、おもちゃ取られて悔しかったんだね」「うまくできなくて悲しい気持ちなんだね」と、感情を言葉にしてあげる(代弁する)ことで、子どもは「あ、このモヤモヤは”悔しい”っていう気持ちなんだ」「これが”悲しい”なんだ」と、自分の感情に名前をつけて理解することができます。感情を客観的に捉えられるようになることは、感情知性(EQ)を育む上でとても重要です。

2. 「分かってもらえた!」絶対的な安心感と信頼【受容と共感】

自分の気持ちを、一番身近な親に否定されずに「そうなんだね」と受け止めてもらえる。この経験は、「どんな自分でも、ここにいて大丈夫なんだ」「ママ(パパ)は私の味方だ」という揺るぎない安心感に繋がります。心理学でいう「安全基地」ですね。この安心感が、親への深い信頼を育み、子どもが外の世界で挑戦していくための心の土台となります。

3. 心の”クールダウン”と次へのエネルギー【感情の調整】

実は、ネガティブな感情は、無理に抑えようとしたり、早く忘れさせようとしたりするよりも、まず「そうだね、そう感じているんだね」と認めてあげた方が、早く落ち着くことが多いんです。感情を受け止めてもらうことで、「もっと分かって!」と感情をエスカレートさせる必要がなくなり、子どもは自分の力で気持ちを整理し、次のステップへ進むエネルギーを取り戻しやすくなります。

4. 「話しても大丈夫」と思える関係づくり【コミュニケーション意欲】

「こんなこと言ったら怒られるかな…」という不安があると、子どもは本音を隠すようになります。でも、どんな気持ちもまず「そっか」と受け止めてくれる親には、「この人になら安心して話せる」と感じ、嬉しいことも悲しいことも、素直に表現できるようになります。これは、良好な親子関係の基礎であり、将来、子どもが困難にぶつかった時に、親に相談できるかどうかにも関わってきます。

皐月’s Point: 看護師として患者さんのケアをする時も、まず「痛いんですね」「不安なんですね」とその方の訴えを受け止めることから始めます。それが信頼関係の第一歩。子育ても全く同じだと感じています。

やってみよう!「そっか、〇〇なんだね」魔法の使い方【3つのコツ】

では、具体的にどう使えばいいのでしょうか? 難しく考えず、3つのコツを意識してみてください。

コツ1:鏡のように”気持ち”を映し出す【ミラーリング+α】

  • やり方:
    • 子どもが「ボール取られて悔しい!」と言ったら、「そっか、ボール取られて悔しかったんだね」と、子どもの言葉を繰り返す(オウム返し)
    • 言葉にできない様子なら、「おもちゃが壊れて悲しいのかな?」「〇〇できなくて、もどかしい気持ち?」と、表情や状況から気持ちを推測して言葉にします。(感情の代弁)
  • ポイント: まずは、子どもの心の中を映し出す鏡になるイメージで。

コツ2:ジャッジせず、アドバイスは”後で”!【共感に徹する】

これが一番大事! そして、親にとっては一番難しいかも!?

  • 心がけ:
    • 「でも」「だって」「だけど」は、ぐっと飲み込む!
    • 「泣かないの」「気にしない」「こうすれば良かったのに」といった評価・否定・アドバイスは、今はしない!
    • とにかく、「そうか、そう感じたんだね」と、その気持ちが存在することを認めることに集中します。
  • ポイント: 親は問題を「解決」したくなりますが、ここではまず「共感」。解決策を考えるのは、子どもが落ち着いてからでも遅くありません。

コツ3:全身で「聴いているよ」を伝える【非言語コミュニケーション】

言葉だけでなく、あなたの態度が「受け止めているよ」というメッセージを伝えます。

  • やり方:
    • 穏やかで、真剣な表情で、しっかり子どもの目を見る。(心配そうな顔、困った顔ではなく)
    • 優しい声のトーンで、ゆっくり話す。
    • 子どもが望めば、隣に座る、背中をさする、手を握る、抱きしめるなど、温かいスキンシップも効果的。(子どもが嫌がらなければ)
  • ポイント: 言葉以上に、親の表情や態度から、子どもは「本当に分かってくれようとしているか」を感じ取ります。

「そっか」が言えたら、その先は?

「そっか、〇〇なんだね」と受け止めてもらい、子どもが少し落ち着いてきたら、そこが次のステップへの入り口です。

  • 少し待ってみる: 子どもが自分で気持ちを整理するのを待つ。
  • 「どうしたい?」と聞いてみる: 子どもの意向を確認する。
  • 「どうしたらいいかな?」と一緒に考える: 問題解決をサポートする。
  • 「大丈夫だよ」と安心させる言葉をかける。
  • 気分転換を提案する。

共感によって開かれた心の扉から、状況に応じた次の関わりへと繋げていきましょう。

我が家の「そっか」が生んだ、小さな奇跡

以前、次女が積み木を高く積んでいて、あと少し!というところでガラガラと崩してしまい、「もうイヤだー!できないー!」と泣きじゃくったことがありました。(このエピソード、他の記事でも書いたかも?しつこくてすみません!でも、私にとって象徴的な出来事なんです)

その時、以前の私なら「大丈夫、もう一回やればできるよ!」とか「そんなことで泣かないの!」と言っていたかもしれません。でも、意識して「そっかー、あんなに頑張って積んでたのに、崩れちゃって悔しいね。悲しいね」(コツ1&3)と声をかけ続けました。否定もアドバイスもせず(コツ2)、ただ隣に座って。

しばらく泣いた後、彼女は涙を拭いて、「…でも、もう一回やってみる」とポツリと言ったのです。そして、今度は少し積み方を変えながら、慎重に、慎重に…。時間はかかりましたが、前よりも高く積み上げることに成功!「できた!」と満面の笑みになった次女を見て、私も心から嬉しくなりました。あの時、まず彼女の「悔しい」「悲しい」気持ちを私が「そうだね」と受け止めたことが、彼女が自分の力で気持ちを切り替え、再挑戦するエネルギーを生んだのだと、強く感じました。まさに、「そっか」の魔法!

まとめ:「そっか」から始まる、心を満たすコミュニケーション

「そっか、〇〇なんだね」

この、たった一言の魔法の言葉。
それは、子どもの気持ちに寄り添い、「あなたはあなたのままで大丈夫だよ」という、何よりも大切なメッセージを伝えるための、シンプルで強力なツールです。

この言葉は、

  • 子どもの感情理解(EQ)を育み、
  • 親子の信頼関係(愛着)を深め、
  • 心の安定と自己肯定感を育む、

未来の「幸せ」に繋がる、温かいコミュニケーションの第一歩。

もちろん、毎回完璧にできる必要はありません。親だって人間ですもの。でも、「まず、この子の気持ちを受け止めよう」と意識するだけで、親子関係はきっと、もっと豊かになるはずです。

それは、結果的に子どもの「幸福感」の土台を築くことにも繋がっていく、と私は信じています。

今日、もしお子さんが何か強い感情を見せたら、ぜひこの魔法の言葉、「そっか、〇〇なんだね」と、心を込めて伝えてみてください。

試してみて、どんな変化がありましたか? あなたが発見した「気持ちを受け止める」コツなども、ぜひコメントで教えてくださいね!

子どもの心に寄り添う、温かいコミュニケーションの輪が広がりますように。この記事が参考になったら、いいね!やシェアをお願いします。

今後も「#ワンポイント育児」シリーズでは、今日から使える具体的なヒントを続々お届け予定です!お楽しみに!