title: 【ママナースが解説】災害時の子どもの体温調節|夏の熱中症・冬の低体温症から命を守る必須テク
metadesc: 停電で冷暖房が使えない…!災害時、子どもの命を守る体温調節テクニックを3児の母で現役看護師が解説。夏の熱中症、冬の低体温症を防ぐ身近な物を使った具体的な方法を紹介します。
tags:
- 防災
- 子ども
- 熱中症
- 低体温症
- 災害対策
- ママナース
- こそだて部
status: draft
「停電で冷暖房が使えない…。このままだと、うちの子、体調を崩しちゃうかも…」
災害時、食料や水の確保と同じくらい、いえ、**それ以上に緊急性が高いのが「体温の維持」**です。
特に、自分でうまく体温調節ができない小さな子どもは、夏の熱中症や冬の低体温症のリスクが大人よりもずっと高く、命の危険に直結します。
こんにちは!3人の娘を育てながら、看護師としても働く皐月です。
災害という非日常の中で、親がパニックになってしまうのは当然です。でも、私たちは災害そのものをコントロールできなくても、「備え」によって子どもの命を守ることはできます。
この記事では、エアコンやストーブが使えない過酷な状況でも、身近なものを使ってできる、夏と冬の体温調節の具体的なテクニックを、ママナースの視点からご紹介します。
この記事でわかること
- なぜ子どもの体温管理は、防災の中でも特に重要なのか
- 【夏の陣】電気なしで「涼」を作り、熱中症から子どもを守る3つの技
- 【冬の陣】暖房なしで「暖」を保ち、低体温症を防ぐ3つの技
- 防災リュックに絶対入れておきたい「体温管理グッズ」
難しいことはありません。今日からすぐに準備できることばかりですよ。
なぜ子どもの体温調節は、こんなに難しいの?
子どもは「小さな大人」ではありません。体の機能が未熟なため、大人とは違う特徴があります。
- 体温調節機能が未熟:汗をかく機能や、寒さを感じて体を震わせる機能が十分に発達していません。
- 体重あたりの体表面積が広い:外の気温の影響を受けやすく、熱を奪われたり、吸収したりしやすいのです。
- 自分で訴えられない:特に乳幼児は、「暑い」「寒い」と自分で訴えることができません。
だからこそ、私たち親が「子どもの体温を守る司令塔」になってあげる必要があるのです。
【夏の陣】熱中症との戦い!電気なしで「涼」を作る3つの技
停電した真夏の体育館…。そんな状況で役立つ、体を冷やすテクニックです。
技1:3つの「冷却ポイント」を狙え!
効率よく体温を下げるには、皮膚のすぐ下を太い血管が通っている場所を冷やすのが効果的です。
- 冷やす場所:①首の周り、②脇の下、③足の付け根 の3点です。
- 冷やすもの:濡らしたタオルやハンカチ、冷却シート、もしあれば防災用の瞬間冷却パックなどを当ててあげましょう。
技2:「気化熱」を使いこなせ!
水が蒸発する時に熱を奪う「気化熱」の原理を利用します。
- 方法:霧吹きで体にシュッと水を吹きかけたり、避難所の周りに打ち水をしたりするだけでも、体感温度を下げることができます。
技3:水分補給は「喉が渇く前」が鉄則!
喉が渇いたと感じる前に、少しずつ水分を摂ることが大切です。
- 何を飲ませる?:水やお茶が基本ですが、汗をたくさんかいた時は、塩分やミネラルも補給できる経口補水液やイオン飲料が最適です。
【皐月のPro-Tip】
我が家の夏の防災グッズには、100円ショップでも手に入る**「水に濡らすと冷たくなるタオル」と「携帯扇風機(電池式)」**が必須アイテム。特に、首に巻ける冷感タオルは、両手が空くのでおすすめです。
【冬の陣】低体温症との戦い!暖房なしで「暖」を保つ3つの技
底冷えする冬の避難所で、凍える体を温める方法です。
技1:「空気のサンドイッチ」で重ね着せよ!
厚手のものを1枚着るより、薄手のものを何枚か重ね着する方が、服と服の間に空気の層ができて暖かくなります。
- 肌着が最重要:肌に直接触れる肌着は、汗を吸って素早く乾く「吸湿速乾性」の素材を選びましょう。汗で濡れたインナーは、体温を奪う最大の敵です。
- 「3つの首」を死守せよ:**「首」「手首」「足首」**の3つの首を温めると、全身が効率よく温まります。ネックウォーマー、レッグウォーマー、手袋などを活用しましょう。
技2:防災グッズの王様「アルミシート」を使い倒せ!
薄くて軽いアルミシート(サバイバルシート)は、保温・防寒の最強アイテムです。
- 使い方:体に巻きつけるだけで、自分の体温が外に逃げるのを防ぎ、保温効果が格段にアップします。床に敷けば、地面からの底冷え対策にもなります。
技3:カイロは「貼る場所」を工夫せよ!
カイロは、ただ持っているだけでは効果半減。
- 貼る場所:おへその下(丹田)、お尻の少し上(仙骨あたり)、肩甲骨の間など、太い血管が通る場所に貼ると、温かい血液が全身を巡りやすくなります。低温やけどに注意し、必ず服の上から貼りましょう。
まとめ:体温管理の知識は、わが子を守る「お守り」
災害時の体温調節は、子どもの命と健康に直結する、非常に重要な防災対策です。
今回ご紹介したテクニックは、どれも身近なもので、すぐに実践できるものばかり。
「うちの子は、私が守る」。その強い気持ちと、正しい知識があれば、どんな困難な状況でも、きっと乗り越えていけるはずです。
ぜひ今日、ご家庭の防災グッズに、夏用・冬用の体温管理アイテムを加えてみてください。
