プルルル…プルルル…
仕事の休憩中、ポケットで震えたスマートフォン。ディスプレイに表示されたのは、娘が通う小学校の番号でした。
その瞬間、私の心臓はドキン!と大きく跳ね上がりました。
ケガ? 体調不良? それとも、何かトラブル…? 良くない想像ばかりが、頭の中をぐるぐると駆け巡ります。
「もしもし…」と、恐る恐る電話に出ると、受話器の向こうから聞こえてきたのは、担任の先生の穏やかな声。
「お母さん、落ち着いて聞いてくださいね。実は先ほど、〇〇さん(娘の名前)が、教室でおもらしをしてしまいまして…」
こんにちは!湘南で、上は大学受験生から下は小学一年生まで、個性豊かな3姉妹を育てる現役看護師、「こそだて部」の皐月です。
今日は、多くのパパママが一度は経験するかもしれない、子どもの「学校での失敗」、特に低学年で起こりがちな「おもらし」を例に、親としてどう向き合い、どう関われば、そのピンチを子どもの成長のチャンスに変えることができるのか、私自身のリアルな体験談を交えながらお話ししたいと思います。
子どもの失敗の一報に、心が揺れ、どう対応すればいいか分からず不安になっているあなたへ。この記事が、心を落ち着かせ、前向きな一歩を踏み出すための、温かいガイドになれば嬉しいです。
なぜ親は動揺する? まずは自分の「不安」を知ろう【ママナースの視点】
学校からの電話に、私の頭をよぎったのは、こんな心配事でした。
- 「娘は、どんなに恥ずかしい思いをしているだろう…」
- 「クラスの子に、からかわれたり、いじめられたりしないだろうか…」
- 「『トイレも行けないの?』と、先生に呆れられていないだろうか…」
- 「私が朝、『早く行きなさい!』って急かしたから…?」
子どもの失敗は、子どもの心の傷への心配だけでなく、他者からの評価への恐れ、そして時には自分の子育てへの自信のなさにまで繋がり、私たちの心を大きく揺さぶります。
でも、まず親として大切なのは、その動揺を自覚し、「大丈夫、今、私は少しパニックになっているだけだ」と、一呼吸置くこと。
看護師としても、緊急事態ほど、まず自分の心を落ち着かせること(セルフコントロール)が、最善の判断とケアに繋がることを痛感しています。親の不安は、必ず子どもに伝わります。私たちが冷静になることが、子どもを安心させるための第一歩なのです。
ピンチをチャンスに変える!親が取るべき「神対応」5ステップ
帰宅後、娘から詳しく話を聞いた私は、今回の「おもらし」という失敗が、実は娘の健気な成長の証であり、周りの優しさに触れる貴重な機会だったことに気づかされました。
その経験から見えてきた、子どもの失敗に寄り添い、成長に繋げるための具体的な5つのステップをご紹介します。
【ステップ1】まずは子どもの”気持ち”に寄り添う【共感と受容】
何よりも先に、子どもの気持ちを丸ごと受け止めてあげましょう。
- NG例: 「なんでトイレ行かなかったの!?」「またやっちゃったの?」
- OKな声かけ: 「そっか、学校でおもらししちゃったんだね。びっくりしたね。恥ずかしかったね。すごく嫌な気持ちだったよね」
- ポイント:
- 事実関係の確認や、説教は後回し! まずは、その瞬間に子どもが感じたであろう、恥ずかしさ、悲しさ、悔しさといった感情に、「そう感じたんだね」と寄り添うことが最優先です。
- 子どもは、「自分の気持ちを分かってくれた」と感じるだけで、心が大きく救われます。これが、安心して本音を話せる土台となります。
【ステップ2】”責めずに”事実と原因を聴き取る【アクティブリスニング】
子どもが少し落ち着いたら、何があったのかを一緒に振り返ってみましょう。
- NG例: 「だから早くトイレに行きなさいって言ったでしょ!」(決めつけ・説教)
- OKな声かけ: 「どうしてそうなっちゃったか、もし良かったらママ(パパ)に教えてくれる?」
- ポイント:
- 「尋問」ではなく「相談」のスタンスで。
- 私の娘の場合、「外から戻ってきたから、手を洗わなきゃ!」というルールを守ろうとした真面目さが、失敗の原因でした。子どもの行動には、大人が思いもよらない、健気な理由が隠れていることも。「なんで?」と責めるのではなく、「そうだったんだね」と、その理由ごと受け止めてあげることが大切です。
【ステップ3】失敗を”ポジティブ”に捉え直す【リフレーミング】
失敗という出来事を、学びや成長の機会として捉え直す手伝いをします。
- NG例: 「もう失敗しないようにね!」(プレッシャー)
- OKな声かけ:
- 「でも、ちゃんと『手を洗わなきゃ』ってルールを守ろうとしたのは、すごく偉かったと思うよ!」(失敗の中のポジティブな行動を承認)
- 「失敗しちゃったけど、次からはどうすればいいか、一緒に考える良いチャンスだね!」(失敗を学びに転換)
- 「お友達がすぐに先生を呼んでくれたんだね!あなたの周りには、優しいお友達がいるってことが分かって、ママはすごく嬉しいな」(失敗によって見えた良いことに注目)
- ポイント:
- これは「成長マインドセット」(心理学者キャロル・ドゥエック提唱)を育む上で非常に重要です。失敗は能力の欠如ではなく、成長の過程の一部である、と伝えることで、子どもは失敗を恐れず挑戦する心を育てます。
【ステップ4】周りへの「感謝」と、次への「作戦会議」で締めくくる
気持ちの整理がついたら、次への一歩に繋げましょう。
- 具体的な関わり方:
- 感謝を促す: 「助けてくれたお友達や先生に、明日『昨日はありがとう』って言えると素敵だね」と、周りの優しさへの感謝を意識させます。
- 次への作戦会議: 「じゃあ、次からは、手を洗う前に『先生、先にトイレに行ってもいいですか?』って聞いてみるのはどうかな?」と、具体的で前向きな解決策を一緒に考えます。
- ポイント:
- 子どもに「自分は一人じゃない」「失敗しても、次がある」と感じさせることが目的です。親が一緒に考えることで、子どもは問題解決のスキルを学んでいきます。
【ステップ5】学校(担任の先生)との”建設的な”連携
親だけで抱え込まず、学校と「チーム」になりましょう。
- 具体的な関わり方:
- まずは感謝を伝える: 電話や連絡帳で、「昨日は、娘が大変お世話になりました。迅速に、そして優しく対応してくださり、本当にありがとうございました」と、まずは先生への感謝を伝えます。
- 家庭での様子と原因を共有: 「本人も最初は落ち込んでいましたが、〇〇という理由で間に合わなかったようです。お友達にも助けてもらったと聞き、安心しました」と、家庭での様子や、親が把握した状況を伝えます。
- 今後の対策を相談: 「今後、もしまた同じようなことがありましたら…」と、今後の対応についても相談しておくと、先生もより安心して子どもを見守ることができます。
- ポイント:
- 学校を責めるのではなく、「一緒に子どもの成長を支えるパートナー」として連携する姿勢が、良好な関係を築き、結果的に子ども自身のためになります。
「おもらし」だけじゃない!様々な「学校での失敗」への応用
この5つのステップは、おもらしだけでなく、
- 忘れ物をした
- 授業中に発表で間違えた
- 友達とケンカしてしまった
- 給食をこぼしてしまった
など、子どもが学校で経験する様々な「失敗」に応用できます。
大切なのは、「失敗そのもの」を問題視するのではなく、その出来事を通して、子どもの気持ちにどう寄り添い、どんな学びや成長に繋げていくか、という親の関わり方なのです。
まとめ:親の冷静な対応が、子どもの”折れない心”を育む
子どもの学校での失敗は、親にとって、本当に心臓に悪い出来事です(笑)。
でも、そこで親がパニックにならず、
- まず、親が冷静になる
- 子どもの気持ちに徹底的に寄り添う
- 責めずに、原因を一緒に考える
- 失敗の中に、成長や学びを見つけて伝える
- 感謝と、次への作戦で締めくくる
というステップで関わることができれば、その失敗体験は、子どもの自己肯定感を損なう「トラウマ」ではなく、困難から立ち直る力(レジリエンス)を育む「貴重な学び」へと変わります。
親の温かい眼差しと、賢明な対応こそが、子どもの「失敗しても大丈夫」という安心感を育て、未来の「折れない心」を育む、最高の土壌となるのですから。
あなたはお子さんの「学校での失敗」に、どう向き合っていますか? 「こんな対応でうまくいった!」という経験や、悩みなどがあれば、ぜひコメントで教えてください!
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次回の記事もお楽しみに!